ヘスペリア

 ヘスペリア (Hesperia) はラテン語の地名。
 宵の明星を司る神ヘスペルスの土地を意味し、西方を示す。terra Hesperia といえばイタリアのことだが、Hesperiaは時としてスペインを指す*1。これはギリシア人が自らより西のイタリアをそう呼び、ローマ人がスペインをそう呼んだことによる*2

 なお、スペイン(現地名エスパーニャ)の語源ヒスパニア (Hispania) とは別の語である。そちらの語源は一説には「ウサギの国」である*3

登場箇所

 ノストラダムスの予言集では、名詞形の Hesperie (s) / Esperie (s)、形容詞系の Hesperique (s) が登場する。しばしば、ピエール・ブランダムールはスペインと釈義している。
 フランスを基準にヘスペリアを考えるのなら、確かにイタリアよりもスペインの方が適切と思われる。
 もっとも、全ての事例でスペインと解釈すべきかは別途検討が必要だろう。




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最終更新:2015年07月11日 11:16

*1 『羅和辞典』

*2 『ジーニアス大英和辞典』

*3 蟻川『新版 世界地名語源辞典』