春のダンジョン:羽ばたく花の丘

【[[ダリア]]】
ここキレイよね。ふわあーって感じで。

【[[マイス]]】
そうですね。ここにいると、落ち着きます。

【ダリア】
ねえ、少し休んでいかない?たまにはゆっくり話ししようよ?

【マイス】
いいですよ。


【ダリア】
前から思っていたんだけどさ、マイスくんは芸術に興味はないの?

ありますよ・ないですね・あなたに興味があります

▼ありますよ
【ダリア】
なんだ、だったら早く言いなさいよ!わたしがみっちり叩き込んであげるわ!

【マイス】
ええ……お願いします。

▼ないですね
【ダリア】
あら、そうなの?まあ、わたしのような高みの存在がいたら一歩引いてしまうのも仕方ないわね。

【マイス】
ええ……そうですね……。

▼あなたに興味があります
【ダリア】
え、ええっ!?あ……ああ!わたしの芸術に興味があるのね?だったら毎日アトリエにきなさいよ!わたしの作品は目に入れても痛くないから!

【ダリア】
(――まったく……。まぎらわしい言い方しないでよ……)

【マイス】


【マイス】
せっかくだし、何か聞いてみようかな。

どうして芸術家に?・作品は売れてるんですか?・森にあるアレって……

▼どうして芸術家に?
【マイス】
そもそもダリアさんはどうして芸術家になったんですか?

【ダリア】
わたし昔、魔王を倒す旅に出ていたの。他にも仲間が3人ほどいたわ。旅を続ける途中、激しい戦いの中で仲間は傷つき倒れていったわ。そして、残った最後の仲間が言ったの。『頼む、世界のために……芸術家になって……くれ……』

【マイス】
言いたくなければ無理にとは……。

【ダリア】
冗談だって。気が付いたら絵を描くこととか、ものを作るのに夢中だったのよ。子供の頃から、もうずっと。だから、そのまま流れで、ね。そんなもんよ。

【マイス】
そうだったんですか。

【ダリア】
それじゃつまらないでしょ?だからちょこお~っと脚色を加えてみたんだけど。

【マイス】
ちょこっとではなかったですね。

▼作品は売れてるんですか?
【マイス】
あの作品達って売れてるんですか?

【ダリア】
何を言う!わたしの可愛い作品達を渡すなんて無理よ!将来、大きな美術館に飾るわ。まあ、どうしても買いたいっていうなら考えてもいいけど。

【マイス】
(ダリアさんってどうやって生活してるんだ?)

▼森にあるアレって……
【マイス】
あの……森にあるアレって……。

【ダリア】
ふふふ……。素晴らしいでしょ?あの森って殺風景じゃない?それにセンスないオブジェばっかり置いてあったから力を貸してあげたわ。あのまま美術展に仕立て上げようかしら?いい考えよ、マイスくん!

【マイス】
ぼ、僕は関係ないのでお願いですから巻き込まないでください!


【ダリア】
あのさ……マイスくん……、わたしの弟子になっちゃいなよ。
いいですよ・遠慮します・三食昼寝付なら……

▼いいですよ
ダリア:あら、本気じゃなかったんだけど言ってみるもんね。

【マイス】
ええ~?

【ダリア】
でもいいって言ったんだから、もう逃がさないわよ。

【マイス】
は、早まったかも。

▼遠慮します
【ダリア】
え~、いいじゃん。弟子になっちゃいなよ。

【マイス】
畑がありますし。

【ダリア】
だよね~。残念だけどあんたにはそれが似合ってる。

▼三食昼寝付なら……
【ダリア】
寝かせるわけないじゃない。朝まで一緒に作品を作るわよ!

【マイス】
ええ~!


【ダリア】
それじゃ、そろそろ行こうか?



夏のダンジョン:星降りの砂原

【ダリア】
見てよ、マイスくん!空があんなにレインボ~!

【マイス】
そうですね。

【ダリア】
ねえ、少しゆっくりして行こうよ。話でもしていかない?

【マイス】
はい、そうしましょう。


【ダリア】
あ、あのさ……唐突だけどマイスくんは、結婚って……考えたことある?

ありますよ・ないです・それっておいしいんですか?

▼ありますよ
【ダリア】
ホ、ホントに!?若いくせに、しっかりしてるわね……。

【マイス】
そうですか?

【ダリア】
わたしなんて、つい最近まで考えもしなかったわよ。もう、芸術に夢中で夢中で……。まあ、今も夢中なんだけど。

【マイス】
芸術家の鑑ですね。それはいい事だと思います。

【ダリア】
いや~やっぱり?わたしもそ思うんだよね~。照れるなあ~。

【マイス】
屈託ないですね……。

▼ないです
【ダリア】
あ、やっぱりそうだよね。まだ、若いもんね。

【マイス】
ダリアさん幾つなんですか?

【ダリア】
ぶっとばすわよ。

【マイス】
あ、すみません……。

▼それっておいしいんですか?
【ダリア】
そうそう、塩をかけたり、味噌を付けたりするとこれがまた――って、んなワケあるかい!

【マイス】
アぐっ!?

【ダリア】
まあ、でも甘い事は……確かかな?

【マイス】
いや、痛いです……。


【マイス】
ところで……。

なぜ急に結婚を考え始めたんですか?・空がキレイですね・お腹すいてきた……

▼なぜ急に結婚を考え始めたんですか?
【ダリア】
そりゃあ……。ねえ…………。

【マイス】
え……ダリアさん?もしかして、年齢とか気にして……?

【ダリア】
ダリアビーム!

【マイス】
おわあっ!――って何も出てないですけど。

【ダリア】
まあ、そんな感じよ。

【マイス】
え!?何が!?

▼空がキレイですね。
ダリア:そうね。わたしの芸術とどっちがキレイかしら?

【マイス】
え、えーっと……。

【ダリア】
まあ、こっちよね。あんな空に勝てる気なんてしないわ。

【マイス】
あれ?ダリアさんらしくないですね。簡単に引き下がるなんて。

【ダリア】
そのうちあれはわたしの芸術に収まることになるわ。それまでの命ね。

【マイス】
なんだか邪悪だなあ。

▼お腹すいてきた……
【ダリア】
雰囲気ぶち壊しだね♪

【マイス】
あ、いえ、つい……すみません。

【ダリア】
別にいいわよ。気を張られてもイヤだし。ありのままでいればいいわ。

【マイス】
……ダリアさんって、急に大人みたいになりますね。

【ダリア】
大人なんだけど。


【ダリア】
マイスくんは誰かと結婚してもわたしの助手はやめさせないわよ!

はい・ごめんなさい・僕の助手になりませんか?

▼はい
【マイス】
いいですよ。ずっとお手伝いします。

【ダリア】
…………!

【マイス】
あれ、ダリアさん?

【ダリア】
なんだか、マイスくんをいじめるのも心が痛むわね。

【マイス】
もしかして冗談だったんですか?

【ダリア】
…………撤回!やめさせません!

【マイス】
どっちなんですか……。

▼ごめんなさい
【ダリア】
わかってるって。冗談だよ…………。

【マイス】
あ、あの……。

【ダリア】
全然これっぽっちも落ち込んでないから。この通り元気だから心配しないで。はあ……。

【マイス】
どっちなんですか……。

▼僕の助手になりませんか?
【ダリア】
それってプロポーズ?

【マイス】
え!?あ!いや?あの!その!?

【ダリア】
冗談のつもりだったんでしょ。へたくそぉ。


【ダリア】
それじゃ、そろそろ行こうか?



秋のダンジョン:虹登る滝

【ダリア】
虹だ虹だレインボぉ~っ♪

【マイス】
あはは……虹、好きですね。

【ダリア】
興奮するね!サイコーにうれしーよ、マイスくん♪連れてきてくれて、ありがとうっ!!

【マイス】
えっと、喜んでもらえてよかったです。

【ダリア】
ねえ、休んでいこ?いいよね?

【マイス】
はい、いいですよ。


【ダリア】
どう?この場所どう思う?

キレイですね・珍しいですね・レインボ~!

▼キレイですね
【ダリア】
でしょでしょ!わかるわね、マイスくん!

▼珍しいですね
【ダリア】
そうよ。でもここに来たらいつだって見れるわ。不思議よね。

▼レインボ~!
【ダリア】
違うわ!もっと虹に対する敬意を込めるのよ!

【マイス】
敬意ですか!?

【ダリア】
そう!こうやって深く息を吸い込んで……、心を落ち着けて……。レインボ~!


【ダリア】
ところで、急に話変えていい?

【マイス】
か、構いませんけど。

【ダリア】
わたし、空飛びたいなあ……。空飛びたいよねえ。

そうですね・ダリアさんはむしろ浮いてますね・僕も飛べますよ

▼そうですね
【ダリア】
マイスくんも空を飛びたいと思わない?ずるいよね、あいつら。

【マイス】
あはは、仕方ないですよ。もちろん、僕も飛びたい気持ちはありますが。

【ダリア】
だよね。ちょっとどうにかしてよ。

【マイス】
無茶言わないでください。

▼ダリアさんはむしろ浮いてますね
【ダリア】
あれ、そう?地面に足ついてるけど……?

【マイス】
間違ってないですけど、間違ってます。

▼僕も飛べますよ
【ダリア】
えっ!?そうなの!?ちょっと飛び方教えてよ!

【マイス】
普段、冗談ばかり言ってるのに人の冗談は信じちゃうんですね。


【ダリア】
そういえばマイスくんはさ、将来どうするの?

畑一筋です・幸せな家庭を築きたいです・寝て暮らしたいです

▼畑一筋です
【ダリア】
畑にゾッコンね。妬けるわ。畑に。

【マイス】
は、畑にですか?

【ダリア】
別に……わたし一筋でもいいのよ?

【マイス】
え、えーっと……?

【ダリア】
じょ、助手としてよ!じょじょジョシュとして!

【マイス】
はあ……。

▼幸せな家庭を築きたいです
【ダリア】
う……、なんか聞いてるこっちが恥ずかしいわ。ち、ちなみに誰と?

【マイス】
う~んと……。

【ダリア】
言うな!

▼寝て暮らしたいです
【ダリア】
あ~、良いわねえ。わたしも寝ながら芸術したいわ。気が合うじゃない。

【マイス】
いや、寝ながら芸術って……随分と器用ですね。

【ダリア】
やろうと思えば出来ないかしら?マイスくん、一緒に寝ながら芸術をしようよ。

【マイス】
ど、どうやって……。


【ダリア】
それじゃ、そろそろ行こうか?



冬のダンジョン:氷原に咲く花

【ダリア】
ここは絶景ね。自然が生んだ芸術だわ。

【マイス】
ええ、つい見とれてしまいますね。

【ダリア】
ねえ、ちょっと休んでいこうよ。ゆっくり話とかさ?

【マイス】
いいですよ。


【ダリア】
この間、夢にマイスくんが出てきたよ。

どんな夢でした?・勝手に出さないでください・出演料は出ますか?

▼どんな夢でした?
【ダリア】
…………。

【マイス】
(何があったんだ、夢の自分!)

▼勝手に出さないでください
【ダリア】
勝手に出てきたのはマイスくんでしょ!わたしのせいじゃないわ!

【マイス】
ええーっ……僕が悪いんですか?

【ダリア】
でも、たまには出てきてもいいわよ。たまにはね。色々手伝ってもらわないと。

【マイス】
もしかして、僕、夢の中でも助手やってますか?

▼出演料は出ますか?
ダリア:出ない。

【マイス】
ですよね。


【マイス】
せっかくだし、何か聞いてみよう。

ダリアさんのハンマーって……・ダリアさんの家って……・ダリアさんって……

▼ダリアさんのハンマーって……
【マイス】
ダリアさんのハンマーってガジさんが作ったものなんですか?

【ダリア】
違うわ。自分で作ったものよ。自分で扱うものだし、手入れとかしやすいしね。

【マイス】
ダリアさんって何でも作れるんですね。

【ダリア】
まあね♪尊敬していいわよ。

【マイス】
えーっと、とりあえずそこだけは。

▼ダリアさんの家って……
【マイス】
ダリアさんの家ってすごい色ですよね……。

【ダリア】
ふっふっふ。いいところに目が2つ付いてるわね。シアレンスの樹にも塗ってあげようか?

【マイス】
はい、遠慮します。

▼ダリアさんって……
【マイス】
ダリアさんって、少し離れたところに住んでますよね?どうしてですか?

【ダリア】
森が近いし、アトリエを構えやすいのよ、あの場所。静かだし、集中できるじゃない?

【マイス】
なるほど。一応、芸術家らしいですね。

【ダリア】
一応もなにも芸術家だけど?


【ダリア】
う、ちょっと……、寒くなってきたかな……。

これを使ってください・ガタガタブルブル……・今、情熱を分けます

▼これを使ってください
【ダリア】
えっ!?ダメダメ!マイスくん風邪ひくよ。

【マイス】
大丈夫ですから。

【ダリア】
マイスくん……。でもダメよ。助手なんだから、言う事聞きなさい。

【マイス】
それこそダメです。使ってください。

【ダリア】
……ありがとう。

▼ガタガタブルブル……
【ダリア】
えっ!?えっ!?大丈夫?ほら、もっとこっち来たら?

【マイス】
す、すみません……。

【ダリア】
まったく……、これじゃほっとけないよ……。

▼今、情熱を分けます
【ダリア】
情熱なら負けないわ!ファアイヤアアア!

【マイス】
おお……。ダリアさんが燃えている……!

【ダリア】
なんて冗談言ってたら少しあったかくなってきたわね。
ありがとう、マイスくん。


【ダリア】
それじゃ、そろそろ行こうか?



結婚後デート

【ダリア】
ここキレイよね。
マイスくん、連れてきてくれてありがとう。

【マイス】
いえ、たまには。

【ダリア】
ねえ、少し休んでいかない?
あのときみたいにゆっくり話ししようよ?

【マイス】
……はい。


【ダリア】
マイスくん、アクナビートからわたしを助けてくれてありがとう。
改めてお礼を言うわ。

【マイス】
い、いえ、当たり前じゃないですか。

【ダリア】
まあ、そうよね。

【マイス】
……。

【ダリア】
冗談だって♪
わたし、ずっと怖かった。
暗くて、何も見えないし、自分がどこにいるのか分からなかった。
でも、マイスくんの声はずっと聞こえてた。
なんでだろう?これが愛?なんて。

愛です・もしかして……・叫んでましたから

▼愛です
【ダリア】
ちょ、ちょっと!真顔で言う!?

【マイス】
ええ……僕はそう思っていますから。

【ダリア】
…………少し、かっこいいじゃない。
助手のくせに……。

▼もしかして……
【マイス】
アクナビートさんじゃないでしょうか?

【ダリア】
え!?あれアクナビートの声だったの!?

【マイス】
違いますよ。
アクナビートさんが僕の声をダリアさんに届けていたんじゃないでしょうか?

【ダリア】
そうなのかな?
う~ん、マイスくん、考えが敵にも優しいわね。

【マイス】
一応、敵でじゃないんですが……。
取り敢えず、どうも……。

▼叫んでましたから
【ダリア】
だとしたらすごい声量よ。なんかもったいないぐらいの。

【マイス】
そうですね。どうしましょう?

【ダリア】
う~ん、芸術への応用は難しいかな……。


【マイス】
……一つ、聞かせてくださいダリアさん。
僕と結婚することは……怖くありませんでしたか?

【ダリア】
…………怖かった。

【マイス】
…………そう……ですよね。

【ダリア】
違うよ、マイスくん。
マイスくんがモンスターだとか、そんなことは全然怖くないわ。

【マイス】
え……それじゃ……?

【ダリア】
わたし、ずるいよね。
マイスくんに種族なんて気にする必要ないなんて言っておいて……。
わたし、本当はエルフであることが怖いの。

【マイス】
どうしてですか?みんな祝福してくれたじゃないですか?

【ダリア】
それも違うの。大丈夫、みんなのことはわたし信じてるから。
わたしが怖いのは、自分勝手な事。エルフが長寿であるということよ。

【マイス】
…………。

【ダリア】
マイスくん……、人間とモンスターのハーフは、どうなのかな?
人間よりは、長く生きてくれるのかな?

【マイス】
ダリアさん……。

【ダリア】
わたし怖いよ、マイスくん。
わたし、ひとりになりたくない……。

僕はいなくなりません

▼僕はいなくなりません
【マイス】
確かに、僕はどれほどこの世にいられるのかわかりません。
ダリアさんより長生きすることも約束出来ません。

【ダリア】
…………。

【マイス】
でも、仮に僕がいなくなったとしても、ダリアさんが僕のことを覚えていてくれれば――
僕のことを想っていてくれるならば――
僕は、ずっとダリアさんと一緒にいられます。ずっとです。
それは、約束できます。だから、悲しいことは言わないでください。
だから、泣かないで、ダリア。

【ダリア】
…………うん。
マイスくんが助手でよかったわ。

【マイス】
え、そこは夫ではなく?

【ダリア】
言ったでしょ!?マイスくんは永遠の助手!

【マイス】
あはは……そうですか。


【ダリア】
さあ、助手くん!今日はわたしがご飯を作るわ!
好きな物を選びなさい!

めざし・みそ田楽・なす田楽

▼めざし
【マイス】
なんですか、この陰謀渦巻く選択肢は。

【ダリア】
あら、どこかおかしい?

【マイス】
おかしいところしかないですよ。

▼みそ田楽
【マイス】
ってどれもダリアさんの大好きなものじゃないですか!

【ダリア】
あら、さすが夫ね。わたしの好みを良く知ってるわ。

【マイス】
(――あれ?今、夫って言われた?)

▼なす田楽
【マイス】
……あの、選択肢があるようであまりないような……。

【ダリア】
3つも用意したわ!いや~、ぜいたくね!

【マイス】
いっそ僕がご飯作りましょうか。

【ダリア】
あ、本当!?よし、さあ行け助手くん!


【ダリア】
それじゃあ、そろそろ帰りましょう?わたしたちの家へ。



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最終更新:2010年09月29日 17:26