頼みがあるから
【
カリン】
実は……。
風邪を引きたいの。今すぐ。
【マイス】
……は?
【カリン】
お願い。私に風邪を引かせてくれる?
【マイス】
いや……そんなこと言われても。
【カリン】
引きたいの。どうしても。
【マイス】
(こんな真剣なカリン、はじめて見た……)
……分かった。やってみようか。
【カリン】
さすがマイス。話が分かるわね。
でも、どうしたら風邪って引けるのかな……。
【マイス】
うーん……。こういうことは、医者に聞いてみるのが一番かな。
【カリン】
医者かぁ……。
(あそこには、あんまり近寄りたくないんだけどな……)
【マイス】
どうしたの?
【カリン】
ううん。なんでもない。
[[マージョリー]]に話しかけると
【マイス】
あの、マージョリーさん。風邪を引かせる薬って作れませんか?
【マージョリー】
風邪を引かせる薬?
うーん……。悪いけど、ワタシにはどうしようもないねぇ。
【カリン】
マージョリーさんでもできないの?
(ちょっと意外……)
【マージョリー】
ああ。患者を治すのが医者の役目だからね。
ワタシが医者である内は、たぶん一生できないだろうねぇ。
[[マリオン]]に話しかけると
【マリオン】
風邪を引いてみたい?
【カリン】
うん。
【マリオン】
なるほど……。それは面白い実験ね!
【マイス】
いや、実験じゃないんだけど。
【マリオン】
やってみましょう!要は風邪薬の逆を作ればいいのよ!
【マイス】
そんな安直な……。
【カリン】
さすがマリオン!
(ぜんぜん信用してなかったけど)
【マイス】
!?
【マリオン】
じゃ、今から言う材料を揃えてきてくれる?
【カリン】
うん。分かった。
(ってマイスも思ってるはずだから)
【マリオン】
えーと、風邪薬の逆だから……、そうね。
黄の草、紫の草、ブドウ、ごはん……。こんなところかしら?
あ、それぞれ一つずつで十分だから。
【マイス】
えーと……。もちろん、これを集めるのは……?
【カリン】
よろしく、マイス。
【マイス】
まあ、分かってたけどね……。
【マリオン】
材料さえそろえば、私が最強の薬を作ってあげるわ!即効性よ!
【マイス】
いや、風邪にするんだから、あんまり強すぎると困るんじゃあ――
【マリオン】
大丈夫。分かってるわ!一口で昇天させてあげるから!
【マイス】
ぜんぜん分かってないね。
材料を持ってくる前にカリンに話しかけると
【カリン】
色草なら……。
(病院に売ってた気もするけど……。まあ、どっちでもいっか)
それより、風邪を引けたら、マイスにもうつしてあげるから。
(楽しみだわ……)
【マイス】
いや、遠慮しておくよ……。
材料を全部持っていくと
【マリオン】
うん、これで全部ね!
【カリン】
じゃあ……。
【マリオン】
ええ、ちょっと待ってて。すぐに準備するから。
【マイス】
準備?
【マリオン】
ここじゃあこの薬は作れそうにないから。
【カリン】
どこまで行くの?
(あんまり遠いのはちょっと……)
【マリオン】
薬っていうのはね、草や根を煎(せん)じて作るものなの。マイス、煎ずるの意味は?
【マイス】
え!?えっと……。
【マリオン】
そう、煮込むってことよ!
【マイス】
いや、まだ答えてないんだけど……。ていうかそれ、大ざっぱ過ぎないかな?
【マリオン】
つまり、今回はその逆をするわけだから。はい、マイス!
【マイス】
ええ!?
ゆでるとか・いためてみる?・揚げてみようか
▼どれを答えても同じ
【マリオン】
そうね。すり潰した薬を雪で冷やして固めるのよ。
【カリン】
あー、なるほど。
(マイス、かすりもしてないけど)
【マイス】
…………。
【マリオン】
じゃ、インヴァエル川 氷のほとりに行くわよ!
【カリン】
まあ、そのくらいならいいかな……。
(薬だけ持ってきてもらいたかったなあ)
【マイス】
結局巻き込まれてるんだよね……。
''インヴァエル川 氷のほとりにて''
【マリオン】
じゃ、ちょっとそこで待っててくれる?
【カリン】
うん。
(寒いなあ……)
【マイス】
あの……まだかな……?
【マリオン】
もう少しよ!
【マイス】
さ、寒い……。
【カリン】
私、なんだか眠くなってきたかも……。
(眠ってもいいよね……)
【マイス】
え!?だ、だめだよ!!
【カリン】
あ、なんか懐かしい景色が見える……。
(私、昔はちょっと働き者だったなあ)
【マイス】
カリン!?
【マリオン】
できたわ!
何してるの?アナタたち。
【マイス】
凍えてるんだって!
【マリオン】
じゃあ、そんなところで待ってなくてもいいじゃない。
【マイス】
いや、待ってろって言ったのはそっちじゃないか……。
【マリオン】
それに、それほどの寒さじゃないわよ?
【マイス】
え……?
カリン、寝る
【マイス】
でも……。
寝たことに気付く
【マイス】
…………。
雑貨屋『ダイヤモンド』2階にて
【
ヘーゼル】
で?このバカ、あんたに風邪を引く薬を作る手伝いをさせてたんだって?
【マイス】
ええ、まあ……。薬は効かなかったんですけどね。
【ヘーゼル】
冬山で眠ってりゃ、そりゃ風邪ぐらい引くだろうさ。
まったく、このバカ娘は……。
【カリン】
病人の前であんまり騒がないでよ……。
【ヘーゼル】
自業自得だよ。それに、若いんだから風邪ぐらいで死にゃしないだろう。
【カリン】
そうかもしれないけど……。
(もうちょっと優しくしてくれてもいいじゃない……)
【ヘーゼル】
ったく、どうしてこんな子に育っちまったかねえ……。
【カリン】
そんなの……。
(……お母さんのせいじゃない)
【ヘーゼル】
…………。
【マイス】
……?
【カリン】
ねえ、お母さん……。
【ヘーゼル】
……なんだい。
【カリン】
……おなか減った。
【ヘーゼル】
……分かったよ。おかゆでも作ってくるから待ってな。
【マイス】
でも、どうして風邪を引きたいなんて思ったの?
【カリン】
それは……。
流行ってるって聞いたから……。
【マイス】
……え?
【カリン】
都会でいま、流行ってるんだってさ。
【マイス】
…………。
【カリン】
でも、流行ってれば何でもいいってものじゃないのね……。
【マイス】
……そうだね。
ごほっごほっ!
【カリン】
マイス?
(もしかして……)
【マイス】
なんかぼんやりする……。
【カリン】
そう……。
よかったね、流行りにのれて。
【マイス】
…………。
【カリン】
あ、そうだ。お礼を渡さないと……。
それと、薬も入れとくから。
(お大事に)
【マイス】
……どうも。
【カリン】
それじゃ、また。
(あー、だるい……)
依頼を達成しました!
最終更新:2010年09月21日 00:36