ラー
エジプト神話におけるラー(Ra)は、
太陽神であり、宇宙の創造者、全ての生命の源とされる重要な神です。
概要
ラーは
エジプト神話における最も重要な神々の一柱であり、その象徴である太陽は生命や秩序そのものと考えられていました。
彼の物語や役割は古代エジプト人の日常生活や宗教観に深く根付いており、その影響力は後世にも及びます。
ラーの基本情報と特徴
- 名前
- 象徴
- 信仰の中心地
- 外見
- ハヤブサの頭を持つ人間の姿で描かれ、頭には太陽円盤を載せることが多い
- 1. 太陽神としての役割
- ラーは太陽そのものであり、朝に東から昇り、夕方に西へ沈むことで昼夜を司ります
- 太陽の運行は「昼間は天空を航行し、夜は冥界を旅する」とされ、その旅路で混沌の蛇アペプ(アポフィス)と戦う物語が有名です
- 毎朝の日の出はラーがアペプに勝利した証とされています
- 2. 創造神として
- ラーは「闇より生まれし光」と呼ばれ、宇宙や生命、人間を創造した神とされています
- 人間はラーが流した涙から生まれたと伝えられています
- 3. 王権と秩序の象徴
- 古代エジプトではファラオ(王)は「ラーの子」とされ、ラーの化身として統治しました
- ラーは宇宙秩序「マアト」を維持する役割も担い、その秩序をファラオに託しました
主なエピソード
- 1. アペプとの戦い
- 夜間、ラーは冥界を旅する際に混沌の蛇アペプと戦います
- この戦いは光と闇、秩序と混沌の永遠の対立を象徴しています
- 2. セクメトによる人類罰
- 人間がラーを敬わなくなった際、自らの目から女神セクメトを生み出し、人類を罰しました
- しかし、その怒りが激しすぎたため、赤ワインを血に見立てて飲ませることでセクメトを鎮めたというエピソードがあります
- 3. イシスとの知恵比べ
- 女神イシスがラーから彼の「真の名前」を聞き出すために毒蛇を送り込みました
- 苦しむラーは解毒と引き換えに名前を教え、その結果イシスが強大な力を得たという話もあります
- 他神との関係・習合
- ラーは他の神々と習合することでさらに影響力を拡大しました
- アメン・ラー
- テーベ地方のアメン神との習合
- 中王国時代以降に最高神として崇拝されました
- ホルスとの関係
- 太陽神ホルスと結びつき、「ラー・ホルアクティ」として信仰されることもありました
- アトゥム・ラー
- 原初神アトゥムとの同一視によって創造神としても崇拝されました
象徴物と外見
- 太陽円盤
- ハヤブサ
- 天空や太陽と結びつく鳥であり、ラーの頭部として描かれることが多いです
- 太陽船
- 昼間は天空を航行し、夜間は冥界を渡る船として描かれます
- 信仰と影響
- ラーへの信仰は古代エジプト全土で広がり、第4王朝から特に重要視されました
- 第5王朝以降、「ラーの子」という称号がファラオに正式採用されました
- ピラミッドやオベリスクなど、太陽崇拝に関連する建築物も多く作られました
関連ページ
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最終更新:2025年01月12日 14:23