バッドエンド
バッドエンドとは、
物語の結末で登場人物が不幸な状況に陥ったり、問題の克服に失敗したりする展開のことを指します。英語では「Bad Ending」と表現されます。
対義語に「
ハッピーエンド」があり、主人公の死亡となるバッドエンドを「
デッドエンド」と呼ぶことがあります。
概要
バッドエンドの特徴
- 強いメッセージ性
- バッドエンドは多くの場合、後味が悪くトラウマになりやすい傾向がありますが、その一方で強いメッセージ性を持つ作品も多いです
- テーマの暗示
- バッドエンドは、物語のテーマを否定的・逆説的・背理法的に暗示します
- 例えば、悪が勝利して世界が滅亡する結末は、「正義が勝たなければならない」というメッセージを逆説的に示すことができます
脚本技術としてのバッドエンド
バッドエンドは単なる
悲劇的な結末ではなく、脚本技術として意味を持つものです。
- 1. 説得力のある展開
- バッドエンドに至るまでの経緯は、説得力のある形で描かれなければなりません
- 2. 必然性
- 偶然の不幸やご都合主義的な失敗展開ではなく、必然の積み重ねによって絶望に至る展開が求められます
- 3. 希望からの転落
- 最悪のバッドエンドは、最高の希望を見せてから叩き落すのが優れた構成とされます
注意点
バッドエンドを採用する際は、単に観客にショックを与えるためや、ありきたりな展開を避けるためだけに安易に選択するべきではありません。
意味のある落ちが思いつかずに登場人物を皆殺しにするような展開は、低劣なストーリーとみなされる可能性があります。
バッドエンドの種類
バッドエンドにはさまざまな種類があり、それぞれが異なるテーマや感情を引き起こします。
- 鬱エンド
- バッドエンドの中でも特に悲劇度が高く、鑑賞者に深い虚無感や憂鬱感を与える結末。
- 救いが一切なく、登場人物が報われないまま終わる物語(例: ドラッグオンドラグーン)
- 後味が悪く、心理的に重い印象を残します
- デッドエンド
- 主人公や主要キャラクターが死亡して物語が終わる結末。ゲームでは「実質的なゲームオーバー」として扱われることもあります
- 主人公が敵に敗北し死亡する、または全滅する展開です
- 絶望感や喪失感を強調します
- 全滅エンド
- 主要キャラクター全員が死亡し、物語の希望が完全に断たれる結末
- 世界そのものが滅びる展開(例: ファイナルファンタジーVIのケフカルートなど)
- 圧倒的な無力感や虚無感を与えます
- メリーバッドエンド
- 見方によっては幸福にも不幸にも取れる結末。表面的にはハッピーエンドに見えても、根本的な問題が解決していない場合も含みます
- 登場人物が愛する人と共に死を選ぶ、または犠牲を伴う勝利(例: シュタインズ・ゲートの特定ルート)
- 複雑な感情を引き起こし、解釈次第で意味合いが変わります
- ビターエンド
- 鬱エンドほど悲惨ではないものの、苦味のある結末。完全な幸福には至らず、何かしらの犠牲や後悔が残ります
- 戦争で勝利したものの、大切な人々を失う展開(例: タイタニック)
- 悲しみと達成感が混在します
- 世界再編成エンド
- 世界そのものをリセットし、新たな始まりを暗示する形で終わる。ただし登場人物たちの記憶や存在は消えることも多い
- ループ系作品でよく見られる(例: ひぐらしのなく頃に)
- バウムクーヘンエンド
- 仲良くなると思われた二人のうち、一方が別の相手と結ばれる結末
- 恋愛作品で見られる意外性のある展開
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最終更新:2025年01月31日 13:45