エピローグ

人類、悪魔、そして“神”――各々の存在をかけた戦いは終結した。
それまで絶対的存在として君臨していた“神”は、自らの創造物の手によって葬られた。

消えゆく間際、“神”は言った。
「頼るもの、すがるものなく生きていけるほど、人間は強くない」、と。

たしかにそうかもしれない。
事実この悲劇でさえも、仲魔、そしてパートナーの力なくしては、
決して終わらすことはできなかっただろう。

今、君がどのような結末を目にしているのかは、私には分からない。
だがこれだけは言える。今回の結末は、“可能性のひとつ”にしかすぎない――と。
それは言われるまでもなく、君自身も、気付いているだろう?

どのような結末であれ、世界は、ここで一旦沈黙をする。
新しい時代、新しい価値観、新しい欲望――それらが再び生まれるその日まで、
世界は、一時の休息を得る。

しかし新しい価値観が生まれたとき、
またしても人間の争いが生まれないとも限らない。
それは局地的戦争か、あるいは人種間における支配構造か。
20世紀にも似た状況が再び繰り返されたとき、人は、“神”に、救いを求めるだろう。

時代が繰り返されたとき、“神”と呼ばれる存在は再び現れる。
しかし同時に、君もまたその世界に転生し、少女と、そして仲魔と共に、
世界を駆け抜けるのだ。

残念ながら、それがいつになるかは分からない。
分からないが、そのときはいつか必ずやってくるだろう、と、私は予感する。

199X年、世紀末と呼ばれた時代――
君がその時代に“自らの意思”で転生してくるそのときを、私は待とう。

東京・吉祥寺。
君もよく知るこの街で、私は、待っているよ。

それではいずれ、また会おう。


最終更新:2019年02月16日 16:38