「疫学都市エピデミリム」
[解説]
皇帝直轄領に存在する都市。
風土病である魔眼の研究のために集った研究者、医者たちが、反物質濃度の高い土地に設立した研究所を中心とし、被験者用の医療施設を周辺に立てた実験用都市が母体となっている。
帝国領土で最も充実した医療機関を持ち、各地に医療機関、医学校が点在している景観は、都市1つが巨大な医療施設に見えるほど。
都市に住む人は研究者や医者、医学を志す学生が多数を占めている他、魔眼を持つ故に捨てられた孤児を引き取る孤児院も多くあるため、身寄りのない子供たちのための児童教育機関、社会保障制度も完備している。
また、魔眼の治療、制御に関しても専門医が補佐としてつくため、魔眼の治療のために移住する人や、暗黒騎士を目指すために魔眼の扱い方を学ぼうと訪れる人もいる。
これらのことから魔眼を患うものを救うための機関が充実されている都市として評価されている一方で、魔眼を持つ住民たちは経過観察のためにその生活を全てモニタリングされており、定期検査を受けることを義務付けられている。
これらは便宜上、魔眼の暴走から患者を守るための措置とされているが、都市ぐるみで患者を対象とした人体実験を行っていると揶揄されている。
他にも元々反物質濃度の高い土地周辺に興されたことから、この都市に住むと魔眼に罹患するなんて都市伝説までもが流布しており、魔眼研究のための被験者を増やすために人を呼び込もうとしているなどと言う噂もまことしやかに囁かれているとか。
都市に住む研究者や医者たちが人格上問題を抱える者が多いこともそれに拍車をかけており、帝国最高の医療機関を持つ都市、と言う風評とは裏腹に黒い噂の絶えない都市である。