ノットゥルン(Nottuln)
[解説]
山の麓にある、小規模な農村。総人口は2,000人程度。主要産業は畜産、酪農、穀物農業である。この村で養畜している家畜として、乳牛、肉牛、豚などの他、周辺ではこの村でしか飼っていない八脚牛と言う牛型魔獣が存在する。この八脚牛を用いた闘牛は、観光資源としてこの村の大きな収入源となっている。
この村の外れには旧人類時代の遺跡が残存しており、その遺跡が関係しているのかどうかは不明だが、その周辺からは品質の良い地下水が湧き出している。この村では、その湧き水を農業用水や畜産に使うことが出来ているため、食肉や牛乳、それに穀物などの品質が保証されている側面がある。
前述したが、この村では八脚牛と言う、比較的穏やかで従順な魔獣を飼育している。その肉は肉質が柔らかく美味であり、かなり昔からこの村の特産品だ。またこの八脚牛は畑作の労働力としても使われ、犂を牽いて畑を耕す際に多用されている。
他にもこの八脚牛は、繁殖期には牡同士で喧嘩をする性質がある。前述した様にこの村では、それを利用した八脚闘牛が行われているのだ。これを見物しに来る観光客は多く、この村にとって貴重な観光収入をもたらしている。ちなみに他の八脚牛の生産地でも、八脚闘牛を真似ようと言う試みはなされている。しかしいずれの例も、八脚牛が大暴れして事故に繋がるなど、大失敗したのだ。噂ではこの村には、八脚牛の飼育に関しての秘伝があるのではないか、との事だが……。
ちなみにこの村では、しばらく昔から旧式従機を各種農業に活用しようと言う試みが為されていた。だがその一部は、八脚牛を労働力に用いての農作業と同様の作業であるため、機体メンテナンスの費用が高く付くとして一部の村人からは敬遠されている。
なお村外れの遺跡には、以前公安第3特務部隊が調査に来た事がある。しかしその際にたいした発見は無かったらしく、三特はそれ以来二度とこの村に足を運ぶ事は無かった。本当に何の発見も無かったのかどうかは、三特の上層部以上しか知る事は無いのであるが……。