ゼオン

概要

「紫電の眼光」と「白銀の髪」を持つガッシュ・ベルの双子の兄。
ガッシュ・ベルとは外見こそ瓜二つだが、似ても似つかぬ冷徹な性格をしており、先代の王にして父であるダウワン・ベルからは「修羅な部分を多く引き継いでしまった」と語られている(第272話)。
父より「バオウ・ザケルガ」を受け継いだのが自分ではなくガッシュ・ベルだった事に加えて、王家を離れ自由の日々が与えられたガッシュ・ベルに対し*1、自身には厳しい教育と訓練の日々ばかりが与えられた事によって、ガッシュ・ベルに深い憎悪を燃やす。

父より受け継いだ「とても強い雷の力」と、厳しい英才教育によって育まれた極めて高い戦闘能力を有する。
具体例としては抜群に高い身体能力に加え、下級術の「ザケル」すら並々ならぬ威力に底上げする魔力、呪文の力無しで「瞬間移動」「記憶を奪い取る」「マントを盾や武器として操る」「ザルチムの優れた魔力感知能力からも逃れられるほどに自身の魔力をコントロール」「髪の毛を使い魔(アニメ版によるとカカシ)や手紙に変異させる」といった多彩な能力を見せている。

リオウにはゼオンの存在及びその才覚が伝わっていたらしく、「雷帝ゼオン」の異名もリオウの発言より判明した(第216話~第217話)。
一方でティオロブノスは「ガッシュにそっくりな魔物」としか認識しておらず、一般の者には伝わっていない王族の情報という事が窺える。

ガッシュTCBにおいて、初登場は第2弾と早く、それからも不定期に魔物カードは登場していた。
一方、術カードパートナーカードに関しては原作の描写が少なかった分、掘り下げが難しかったためか乏しい時期が長く続き、本格的な追加は晩期まで待つ事となった。
当初登場したカードは彼の冷徹非情な性格を表してか魔物破壊がコンセプトの傾向が強かった。
しかし、後半に登場したカードは魔物破壊に偏ってはおらず、S-595 テオザケルS-627 ゼオ・ザケルガといったビートダウン向けのカードもある。
ゲームバランスに配慮したためか、原作やアニメの圧倒的実力が再現されているとは言えないものの、ゼオン《絶望へのスタート》デュフォー《違う景色》、前述のビートダウン用術など、環境に適したカードが目を引く魔物となっている。
最後の魔界王決定戦優勝準優勝魔本にそれぞれ採用されているという証左もあり、ポテンシャルの高いカード群に仕上がっている事は疑いようがないだろう。


代表的なカード

魔物カード

ガッシュ・ベルの「ザケル」を使える「魔物のルール」、MP7を消費して相手の負傷状態の魔物1体を捨て札にする効果を持つ。
S-216 ザケル等が攻撃の選択肢に加わる事で他のゼオンにはできない攻め方が可能になる。
効果についてはコストがかなり重たいが、魔物破壊としての活躍及び、この効果に警戒して相手にかばうを躊躇させる働きが期待できる。

捨て札にする事で、相手の魔物1体を負傷状態にできる効果を持つ。
ダメージではないため妨げられにくく、狙った相手魔物1体を確実に負傷状態にできるのでレイラ《堕ちたものね》ゼオン《憎悪》等とコンボさせると効果的。
別の見方をすればコストとして捨て札にする必要がある上、負傷状態にするだけに留まるとも言えるので、負傷状態にした事を役立てるカードの用意は必須。

相手の場にカードが6枚以上あれば、MP2を支払い、相手の場のカード1枚を捨て札にする効果を持つ。
条件を満たしていればカードの種類を問わず低コストで除去が行える反面、その条件は完全に相手依存となるカード。
安易に採用する事はできないが、「場にカードを並べる事が多い環境」と予想する場合には検討に値するだろう。

MP3で、合計魔力8000で魔物を目掛けて攻撃する格闘効果を持つ。
コストの高さは課題になるが、魔物狙いの格闘効果はとても珍しいため、魔物狙いの格闘魔本を組む等の目的があれば検討できるか。

捨て札にする事で、この魔物よりも魔力の高い相手魔物1体を捨て札にできる。
そのまま使う場合、魔力6000以上の魔物が対象となる。
ゼオンパムーンビクトリーム&レイラ《ベリーメロン!》等、刺さる相手を想定して使うのであれば採用を検討できる。

お互いのエンドフェイズごとに相手のMPを1減らす効果を持つダブルフェイスカード。
往復でMP-2というペースで減らしていけるだけでも優秀だが、PR-047 赤い魔本等の「ジャマー」を受ける事がないというのが大きな特徴。
これによりウォンレイ《愛のために》のような予防しておくタイプの効果がなければ毎ターンMP枯渇が仕掛けられる。
また、ダブルフェイスカードの特性によって石版状態になる事がない上、ガッシュ・ベル面のお互いのエンドフェイズごとに自分のMPを1増やす効果も強力。
魔物破壊戦術を狙う場合には、このカードを裏返す処理で高嶺清麿《王になれ》を捨て札に置くというのも効果的。

ゲーム中に1回だけ、「魔物カードを場に出す」アクションを無効にし、そのターン中普通のアクションでは場に出せなくなるジャマー効果を使える。
場に出すアクションを無効にするという唯一の効果を持っており、相手の展開妨害としての働きが見込める。
なお、通常の魔物カードとしては珍しく 中級 のカードなので、序盤のページに入れる事ができない点には注意。

MP2を支払う事で、このターン中、相手魔物1体の効果を封じる事ができる。
繰り返し使う事を考えるとコストは安くないものの、「魔物の効果」を封じられるというのはとても有用。

自分のバトルフェイズにMP1を支払う事で、相手の魔本から上級の術カード1枚を捨て札にでき、更にMPを3減らす事で最後のページの術も捨て札にできる効果を持つ。
相手の攻撃手段を削る事で、後に受ける被害を防ぐ事が期待できる。
最終ページのカードを捨て札にできる数少ないカードでもあるため、ゼオンVSガッシュ・ベル《決戦》とコンボさせる場合においても有効。

H魔物カード

オモテ向きになった時に相手の魔本を1枚めくる効果を持ち、MPを4減らせば2枚めくりに変更する事もできる。
お手軽な魔本めくり効果として攻めの手段に使用でき、相手ターン中にオモテにする事で行動妨害目的でも利用可能。
他にもバディオス《空輸》《回収》とコンボで何度も魔本めくりを行う等の活躍も見込めるカード。

オモテ向きになった時に相手魔物1体を捨て札にし、その後相手は好きなページから魔物1体を出す事ができるという効果を持つ。
単純に使っただけでは、相手に強制的に魔物を入れ替えさせるだけの効果で終わる。
しかし、アポロ《自由人》等とのコンボによって場に出す処理を封じれば、除去だけで効果を終了させられる。
また、ゴールドリストで「ゲーム中に1回だけ使える。」というテキストが削除されたため、繰り返し使う事で相手魔物を全滅させるという事も狙えるようになった。
バディオス《空輸》《回収》等で出し入れして魔物破壊を狙う専用構築を検討する価値はあるだろう。

S魔物カード

場にあるだけで相手の「捨て札にならない」効果を封じられる。
ウォンレイ《愛のために》キャンチョメ《僕が守るんだ!!》といった定番の除去メタ効果を封じる事ができ、E-187 小腸の罠等と違って「このカードが場にある→」効果なので解除効果にも強い。
《憎悪》デュフォー《違う景色》等といった除去を確実に通していきたいなら採用したいカードと言える。

「このカードが場にある→」でこの魔物の術のダメージを1増やす事ができる。
他のゼオンのS魔物VS魔物等と択一になるのは悩ましい点だが、S-595 テオザケルS-627 ゼオ・ザケルガで積極的に攻める場合には採用を考えたい。

VS魔物カード

ロップス【ラストVS】を持つカードで、効果は場にあると相手は1ターンに合計1回までしかジャマー効果や、術・攻撃・防御を無効にする効果を使えなくなるというもの。
相手の妨害を制限できるものの、1ターンに1回までなら妨害を許してしまい、それらが多用される状況も多いとは言い難い。
どちらかといえば【ラストVS】によってロップス《かう!》アポロ《自由人》を封じられる点、逆に自分がアポロ《自由人》アポロ《協力者》を使いつつ、ゼオンの併用もできる点を活かして使うべきカードと言えるだろう。

リオウ【ラストVS】を持つカードで、効果はゲーム中に1回だけ、自分と相手の魔本の残りページの差が5枚以上あれば、相手の魔本を2枚めくれると言うもの。
効果の使用条件がかなり厳しく、ゲーム中に1回だけというのも苦労に見合うとは言い難いため、「リオウ【ラストVS】」という点を重視して使いたいところ。

この魔物が攻撃するバトル中、相手は「この魔物の魔力」の半分以下の魔力の魔物で、術やかばうが行えなくなる効果を持つ。
条件はややシビアだが、防御やかばうを防げる点は見所があるため、魔力を増やす効果と組み合わせたりして活用を考えてみる価値はあるだろう。
VS魔物である事を活かしてゼオンリオウの除去目的で採用も可能。
こちらは【ラストVS】を持たないので対リオウとしての性能は落ちるが、【ラストVS】がないおかげで再度場に出す事はでき、ゼオンへの除去としての性能なら上と言える。

お互いのエンドフェイズごとに、自分のMPを1増やすか、相手のMPを1減らす効果を持つ。
ゼオン《表裏一体》/ガッシュ・ベル《金と銀》VS魔物バージョンと言うべきカードで、効果を適用するタイミングにてどちらを使うか選ぶ事ができる。
その効果も然る事ながら、ゼオンガッシュ・ベルも使用される事が多い魔物であるため、除去目的でも非常に有用なカードである。

VS-S魔物カード

ゲーム中に1回だけ、「使用を宣言する→」でこのターン中、お互いに最後のページの術をコスト0で使えるようにする効果を持つ。
ワンターンキルS-647ab バオウ VS ジガディラスのサポート等、上手く使う事で勝利に大幅に近付く効果と言える。
ただし、相手にも最後のページの術の使用を許す点には気を付けて使いたい。
VS-S魔物であるため、ゼオンガッシュ・ベルの除去を行う事ができ、尚且つ自分の場にそれらがいる状況でも相手のそれらの除去が狙えるという事に注目したい。

パートナーカード

捨て札にすると相手の「魔物以外のカード」1枚を捨て札にできる。
E-070 黒い覇道と同等の除去をパートナー効果で使用できるため、大変汎用性が高い。

場にある時、相手は自身の攻撃のダメージを増やす事ができなくなる。
汎用性はやや低いが、ワンターンキル魔本ガッシュ・ベル《レベルアップ》ゼオン《大きな力》等への妨害として働く事が見込める。

捨て札にする事で、「ステイまたはスタンバイを解除する効果」にジャマーできる。
現環境では解除効果が使われる事が珍しくないため、どうしても解除効果から守りたい効果がある場合に検討できるか。

術カード

―第1の術「ザケル」
どちらもMP3で相手魔物1体に攻撃する術カード。
前者は魔力が+3000と高く、後者は魔力+2000と劣る代わりにコイントス次第でかばうを防ぐ効果がある。
どちらかと言えばかばうを封じる可能性のある後者の方が扱いやすいか。
コストパフォーマンスはあまり良いとは言えないが、魔物への攻撃手段が欲しい場合には検討しても良いだろう。
また、PR-031 うなれ ! 友情の電撃 2に対応しているので、そちらで集中攻撃を仕掛ける手もある。

基本性能はMP1で魔力+1000・1ダメージの術、術の使用時に「魔力+2000」か「ダメージ+1」のどちらかを使用できる。
よってMP1で2ダメージの術として使用でき、ゼオンの術の中ではコストパフォーマンスの良い攻撃が可能。
こちらもPR-031 うなれ ! 友情の電撃 2に対応しているので、その効果でかばうを封じるというのも検討できるか。

―第3の術「テオザケル」
MP2で魔力+4000・2ダメージの術で、コストを2増やす事でかばうを封じる効果が付く。
ビートダウン魔本として組むなら主力となり得るカード。
魔力も+4000と高く、ゼオン自身の魔力と合わさり簡単に防御される事もない。

―第4の術「ジャウロ・ザケルガ」
攻撃としてはMP3で魔力+3000・追加効果のない2ダメージという平凡な術。
一方で防御に使う場合は、魔力勝負に勝つと【カウンター】によって相手魔物1体に、かばえないダメージを与えられる。
【カウンター】による性能が高めなのでそちらを目的として使いたい。
また、一応2ダメージの攻撃になるので、状況次第では攻撃に使う事を検討しても良いだろう。

―第Xの術「ゼオ・ザケルガ」
MP6の魔力+6000・3ダメージ術で、自分の魔本が最後のページならかばうを封じる効果が付く。
術の効果によってかばうを封じられるのが強力であるため、最終ページ用の有力候補。

―第Xの術「ジガディラス・ウルザケルガ」
MP10で魔力+10000・10ダメージの術。
S-588 ファウード主砲と同等の性能を誇る、特別な効果を持たない火力全振りの術カード。
かばうを封じる効果を持たないため、S-595 テオザケルS-627 ゼオ・ザケルガのような汎用性はない一方、10ダメージという圧倒的火力は特筆に値するだろう。
使うのであれば、かばうを封じてワンターンキルを狙うといった専用の構築を行いたい。

―専用コマンド
MP0で魔力+2000・1ダメージの攻守両用術で、相手が「魔物の効果」で攻撃している時に防御で使えば、魔力勝負の勝敗にかかわらずに攻撃を無効にした上、魔本へのダメージを与えられる。
コスト0で使えるため汎用性が高く、特に攻防ページを構築する上では役立てやすいカードと言える。

相性の良いカード

ビートダウン用術カードや除去カード等が揃っているため、目的に応じて幅広い魔物と組み合わせられる魔物と言える。
中でも第7回魔界王決定戦優勝準優勝魔本は参考になり、ビートダウンを狙うならデュフォー《違う景色》ニコル《男装》で呼んで攻撃をアシスト、ゼオン《絶望へのスタート》を活かして魔物破壊を狙うならブザライデモルト《咆哮》を活用するのが基本となってくるだろう。
MP枯渇魔物破壊等のコントロール系戦術への対抗手段は乏しいので、不安があるなら対策カードを取り入れておくのも良いと言える。

関連カードリスト

+ 魔物カード
―魔物カード
―H魔物カード
―S魔物カード
―W魔物カード
―VS魔物カード
―VS-S魔物カード
+ パートナーカード
―パートナーカード
+ 術カード
―術カード

関連リンク

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年04月18日 19:14

*1 実際には、年老いた先代には手に負えなくなってしまった「バオウ・ザケルガ」を安全に封印し、子達や魔界を守るための「苦渋の決断」であったことが描写されている(第272話)。