ウルトラマンレオの特訓一覧

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ウルトラマンレオの特訓一覧 - (2017/04/30 (日) 11:24:32) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/10/28 (金) 19:01:36
更新日:2024/05/03 Fri 18:23:24
所要時間:約 7 分で読めます






その顔は何だ!


その眼は何だ!


その涙は何だ!


その涙で奴が倒せるか?


この地球を救えるか!?




ウルトラマンレオ』放映当時、世間では『燃えよドラゴン』等のカンフー映画ブームが起こっていた。
また前作の「タロウ」のようにヒーローがあまりにも身近に寄りすぎ、放送当時の現代っ子がヒーローへの甘え癖がついてしまっている問題点が指摘されていた。
そこで、『レオ』本編においても、格闘ドラマにつきもので過酷な状況へ己自身を鍛え上げる「特訓」が取り入れられる事となる。

若く実戦経験も少ない主人公・おおとりゲン=ウルトラマンレオが、変身能力を失ったモロボシ・ダンウルトラセブンに代わって、
怪獣や宇宙人に立ち向かう為、MAC隊長であるダンから数々の特訓を受けるのだ。

しかも、ただの特訓ではない。
文字通り地獄のように過酷な内容ばかりである。

『セブン』当時に比べて優しさの無い性格になったダン。
だが、それもあくまでゲンの素質を見抜いたが故の愛の鞭。
そして、地球を守るためにはレオをすぐに戦えるようにする必要もあった。

結果的にゲンは強くなっていき、最後の特訓を終えた次の回ではダンは怪獣に対し「レオなら一発で倒せる怪獣」と言い放っている。

やはり特訓があったからこそ、今のレオがあるのだ。

セブン自身も宇宙警備隊所属ではないまま地球防衛についたので、自分自身の反省点だったのかもしれない。
またセブン自体が「厳しく対応する時には厳格に対応する」という部分はセブン時代から見られており、
青木隊員との一件では青木自身が問題児という事もあり、レオ時代と同様に厳しく対応したり怒鳴ったりする場面が見られる。

また、この一件で青木隊員が自分の力を過信しチームワークを乱し自らを死に追いやった事への反省なのか、
「力に溺れる、過信する」相手に対して厳しく対応しており、タロウやツルク星人戦のレオ、
強い力を求め禁忌を犯そうとした息子のゼロ(レオに厳しい修行を依頼したのも弛んだ精神を叩き直すのが理由)など、
自らの力に過信する過ちを繰り返させないようとする事は徹底されている。

なお、これを含めても従来のセブンやダンの性格を考えると厳しいこれらの特訓を課す鬼教官のような言動に違和感を覚えるファンも少なくないと思われるが、
これは元々MACの隊長として設定されていた川上鉄太郎役をオファーされた森次氏が「ウルトラシリーズにはダン役以外では出演したくない」と訴え、
それを受けて急遽ダンがMACの隊長となったが、その結果川上鉄太郎の「ゲンを鍛える鬼隊長」というキャラクター像がダンに反映されることとなり、
『ウルトラセブン』等で見られるモロボシ・ダン像とは異なる「鬼隊長」となったという。

ちなみにセブンは光の国では(少なくとも1986年までは)教官をしていたとのこと。
どんなスパルタ教育が……と思われることもあるが、レオへの特訓は緊急事態への対処だったのでそこまで厳しくはないだろう。たぶん
……まぁ、逆にレオの指導方針が自身の経験に沿ってスパルタ教育になってしまったという些細な影響はあったが。

このようにダンとゲンの絡みは多いが変身後のセブンとレオが共に戦ったのは実は第1話だけで、
ダンとゲンが同時に変身するのはディレクターズカット版の『ウルトラマンサーガ』までなかったりする。

下記にも書いてあるが特訓内容は当時の技術やリアリティのためか真夏竜氏本人が映像編集なしで行っている。
役者生命どころか本人の生命も危なかったこともあったり……

ほとんどの技はその回のみで、以後使われていなかったりする。



以下、現代でやったらいろいろな団体や視聴者に色々言われそうな特訓一覧



【特訓回一覧】


●2話 「大沈没! 日本列島最後の日」
双子怪獣ブラックギラス・レッドギラスのギラススピンに敗れた為、
「スピンにはスピンだ」という事で「きりもみキック」の習得をダンに言い渡された。
内容はまず天井にぶら下げられた装置で空中回転を習得し、その後外でジャンプして回転降下し、両足キックで巨大な岩を砕くというもの。
習得し、ギラス兄弟の首を切断する。
ダンは杖で岩を粉々に破壊しており、戦闘不能状態になっていなければ自分がこの技を使ってギラス兄弟を再戦で倒せるじゃんないだろうか。



●3話 「涙よさよなら…」
通り魔のように人を襲う奇怪宇宙人ツルク星人の左右の刃から繰り出す二段攻撃の対策として、三段攻撃を習得しようとする。
だが、ゲンはMACの窮地を見て特訓を完成させる前に変身、完敗する。

ダンはこの回で壊れたウルトラアイを見つめ、
本当はゲンに過酷な特訓をさせたい訳ではなくマグマ星人戦で怪我をしなければ自分がセブンに変身して戦えるのにとナレーションは語っている。


●4話 「男と男の誓い」
前回の戦いでゲンは重傷を負う。
だがダンはそんなゲンを真冬の小さな滝に連れていき、滝の流れを断ち切れと言い放つ。
特訓がうまくいかずに涙を流すゲンにダンはこの項目冒頭の言葉をぶつけて殴りつけた後、「滝の流れに目標を見つけろ」というアドバイスを残す。
そしてゲンは桜の花びらを目印に断ち切ることをなんとか成功。
ツルク星人との再戦で、流れ切りの技で星人の両腕を切断、それを胸に突き刺し勝利する。

この撮影は真冬に行われ、ゲン役の真夏竜氏は肺炎を起こしかけて誇張抜きで死にかけた。


●5話 「泣くな!お前は男の子」
凶剣怪獣カネドラスの必殺武器・ドラスカッター対策として、
何の前振りもなく体育館に設置されたカネドラス風の奇怪なマシンで訓練するハメに、

そして刃物状の腕部分を蹴り折ってしまった時、
たまたまその軌道に居た大村さんが真剣白刃取りをしてみせたのを見て(つまり全くの偶然で)「真剣白刃取り」を習得する。
実戦でもこの技でドラスカッターを奪って投げ返し、ハンドスライサーで真っ二つにして倒した。


●6話 「男だ!燃えろ!」
一番有名であろう特訓回。
宇宙の通り魔こと暗闇宇宙人カーリー星人の突進対策として丸太を振り子として使い、特訓に励む。
しかしダンは「丸太には殺気が無い」と言い、ジープでゲンを追いかけ回す。
だが、特訓の成果により、カーリー星人の突進は難無くかわせるようになった。
最後はバックチョップで角を折り、それが眉間に刺さりカーリー星人は倒れる。

この回ばかりは竜氏も「死ぬだろ!」と思ったらしく、目を血走らせ逃げ惑う姿は「演技じゃない」と述べている。
脚にバンパーが当たったとか……

そのエピソードと実際の映像のインパクトの強さでもっとも有名な特訓。大体特撮でジープといわれたらこれのことレベル。

因みにこのジープはれっきとしたMACの装備で、ババルウ星人戦などでも登場している。

獣拳戦隊ゲキレンジャー』で久津ケンが大好物であるメンチカツをジャンに先に食われた恨みでトラックで追いかけたのはこのシーンのオマージュである。


●7話 「美しい男の意地」
植物怪獣ケンドロスのブーメラン対策として、ダンは金属製のブーメランをゲンにぶつけていく。
ただしダンの訓練は途中でケンドロスの襲来をMACから告げられた為中断。
この時最後に見切りの切っ掛けとなる「ブーメランを取る」事が出来ていた。その後タケシ達と訓練しブーメランを手刀と蹴りで迎撃する術を体得。
習得後の再戦ではケンドロスのブーメランを全て捌き切り、ボディブーメランで倒す。

なお、倒れても問答無用で飛んでくるブーメランはかなり痛かったらしく、
竜氏は「本気で一発くらい投げ返してやろうか」と思った(先述の見切りの切っ掛けで取った時投げ返そうとしている)とか。

偶然だろうがブーメランの特訓に立ち会った野村猛は一年後『秘密戦隊ゴレンジャー』ミドレンジャー/明日香健二役でブーメラン型の武器を操っている。


●8話 「必殺!怪獣仕掛人
暴れん坊怪獣ベキラの弱点を背中だと判断したダンにより、我心山の寺の十貫という僧の元で修行させられる。
この時岩肌の斜面を使った三角飛びを披露したのでこれを修行し体得。
その後、十貫の二段蹴りから学び、レオキックをベキラの背中に叩き込み勝利する。
実は純粋なレオキックで怪獣を倒したのはこの回が初。(1話のマグマ星人はダメージを与えただけのため)


●9話 「宇宙にかける友情の橋」
宇宙星獣ギロの触れると凝固する泡対策として、気密室の中で発泡する液体を浴びせられ体を丸めて回転させられる。
この頃から少しづつ自分で修行で体得すべき内容を掴めるようになっていった。
フライングクロスチョップで泡を出す触角を折り、殺す。
だが、いろいろな理由から、レオはリライブ光線でギロを蘇生させた。(この回はレオの中でもなかなかの問題作に当たる)

この特訓を応用してか、レオは41話でブラックドームの泡攻撃を受けた時、高速スピンして泡を弾き飛ばしている。


●11話 「泥まみれ男ひとり」
無差別殺人を繰り返す怪異宇宙人ケットル星人の身軽さに対して、
着地した瞬間は無防備だと知り、サンドバックを投げ、落下する瞬間にタックルをかます自主練をする。
実戦でも、隙を突きレオキックで倒す。
この回で使用したレオヌンチャクはスチールによく掲載されゲームの使用技にされているが使ったのはこの一回だけ。


●13話 「大爆発!捨身の宇宙人ふたり」
夜な夜な通り魔事件を起こす透明宇宙人バイブ星人によって、ゲンは停職処分にされてしまう。
山篭り中に板が左右に震えるのを見て星人の透明化の原理を悟り、さらに偶然落ちてきた松ぼっくりがその板に当たって跳ね返るのを目撃する。
バイブ星人はダンがマッキー3号による捨て身の体当たりで倒し、レオは空中に投げ出されたダンをキャッチしてそのピンチを救った。
松ぼっくりの跳ね返る動きが、空中のダンの位置を知るヒントになったのだった。


●14話 「必殺拳!嵐を呼ぶ少年」
さそり怪獣アンタレスがレオを倒した後少年の姿でスポーツセンターに姿を現した為、
尻尾対策としてMAC隊員達と特訓する。内容はまあ簡単に言えば掛かり稽古or相撲用語のかわいがり的な物。
しかし、事情を知らない隊員達には理解されず、ゲンは孤立。

なお、これはダンが「アンタレスが正体を現せば隊員達は意地でも攻撃するだろうが、今のMACでは歯が立たない」と考えて、
一切事情を知らせていないのが原因で、ゲンに非があるわけではない。

だが、ゲンの特訓はタケシ達の下で続き、遂に逆立ちを応用した足技による攻防一体のカウンター技を発見する。
巨大化した際の戦いではレオは翻弄し、アンタレスは逆に切られた尻尾の先端を投げ返される事で自分の首を切断される
落ちた首を抱えてなおもレオに迫るが、事切れる(過去のウルトラ戦士の切断技でもよく有った表現)。


●15話 「くらやみ殺法!闘魂の一撃」
通り魔的な凶行を繰り返す分身宇宙人フリップ星人の分身攻略の為、星人を撃退した津山青年から学べとダンに言われる。
津山は実は盲目で、心眼によって対処していた。
次々と飛んでくるボールを目隠しをしながら躱す(途中からタケシに投げる役は交代)という特訓の末、最終的にレオも心眼を会得し、倒す。

この回でついにゲンはダンから「免許皆伝」とされたが、以下の通り特訓は続いている。

盲目状態に陥った20話でこの特訓の成果を忘れていたように見えるが、
心眼が元々分身を破る為に覚えた物であるのに対し、この回ではドギューに目潰しを喰らっていた為苦痛で心眼どころではなかったのだろう。
実際、ブラックテリナ戦では変身前に片目を潰されたレオが心眼を利用して勝利している。


●19話 「よみがえる半魚人」
半魚人ボーズ星人の鞭対策として、いきなりダンは一条鞭でゲンを打ち据える。
そして今度はゲンに自らを鞭で打てと渡しゲンは鞭を打つがダンは一発撃たれた後そのまま鞭に巻き付いて
絡めとる行動を取った。理由は自分から鞭に巻き付く事で接近戦に持ち込ませる為。
実際、ボーズ星人は鞭である右腕をレオのハンドスライサーで切断され武器を失い倒された。


●21話 「北の果てに女神を見た!」
宇宙の殺し屋ノースサタンの口から発射されるニードルを躱す為、スキーの回転競技を利用する。
内容はポールの下に時限地雷を設置し、短時間で左右のステップを踏み込ませ、出来なければ爆死するというもの。
まあ内容的にはボクサーが外の公園等でポール状の物を用いて行うウィービングの訓練を強化(凶化?)した様な物。
これがゲン最後の特訓となった。



【平成シリーズでの特訓】



男はいつも一人で戦うんだ。自分自身と戦うんだ…。

『レオ』終了から32年後、第34話「故郷のない男」で特訓回が帰ってきた。
ビームが一切通用しないリフレクト星人に敗れたメビウス=ヒビノ・ミライに対し、地球に再来したレオ=ゲンは勝負を挑む。
タイマンでメビウスをボコボコにした後、必殺のレオキックで完勝。

ミライをダンが自分に投げかけた言葉を使い、叱咤してかつて自ら着ていた胴着*1を渡すと、星人を倒す特訓を命じる。
今までは弟子の立場だったゲンが師匠になった瞬間。

ただし、内容はミライがひたすら木の棒を蹴り砕くだけであり、ゲンはそれを見守るのみ。
ダンのように鬼のように無理強いすることは無かった。流石にセブンのあれは無茶だったようだ(身も蓋もないことを言えば放送コードの都合だろうが)。

そしてGUYSの仲間達と共に一時休憩し、焼き芋を焼くためにリュウが木を擦って摩擦熱で火を起こした事が、ミライにヒントを与えた。

その後のリフレクト星人との再戦では、
メビウスは特訓の末に会得したメビウスピンキックを用いて前回の戦闘では傷一つ付けられなかったリフレクト星人の腕部のシールドを破壊。
傷つけられたことに憤ったリフレクト星人はGUYSのメンバーを人質に取るが、それに激怒したレオが参戦。

リフレクト星人は人質を開放された上にふたりがかりでボコボコにされた後、
レオからはレオキックを、メビウスからはバーニングメビウスピンキックを同時にお見舞いされて爆死した。

そして、星人が倒された後は、ゲンはミライに第二の故郷である地球を任せることを告げ、かつてのような優しい笑顔を向けるのだった。



それも修行の内だ!我慢しろぉ!!

師であるセブンから息子のウルトラマンゼロを預かったレオは、弟のアストラと共に彼を特訓。
便利な拘束アーマー「テクターギア」で力を封じられたゼロをボコボコにし、小手先の力ではない本当の強さを伝えようとする。
案の定、ゼロは強さの意味を知るまで逆ギレしまくっていた。

しかし、セブン譲りの光線技にレオの宇宙拳法が加わったおかげでゼロは最強ウルトラマン候補へとのしあがった。
以降もたまに手合せしている様子。



なお、これらの特訓では両ウルトラマンともレオキックを叩き込まれている。
実戦形式で身をもって会得すべき課題を悟らせ、あとは本人の自主性に任せるのが彼の特訓を課す上でのスタンスなのかもしれない。

ただし、特訓の末にどちらもキック関係の必殺技を手に入れているとはいえ、本来のレオキックは多くの怪獣や宇宙人を屠ってきた必殺技である。

無論レオも本気のレオキックを叩き込んだわけではないだろうが(メビウスでは後ほどリフレクト星人に放ったレオキックは星人を貫通する威力を見せている)、
いくら手加減されているとはいえ歴戦の先輩の必殺技を叩き込まれる後輩はたまったものではないだろう。

見て覚えろとか盗めとか、そういうレベルで出す技じゃねーぞ!


【番外】


劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!
今作ではついにゼロが師匠ポジに。ヒカルとショウに究極の力を授けるためにとある特訓をさせる。
とりあえず彼は自身の師匠ではなく、親父に似ていたようだ。ゼロには人間体がないためウルトラマンが人間を修行すると言うシュールな光景だった。

なお、舞台挨拶によると撮影日が夏場&合成ほぼなしのかなり辛い撮影だったとか。


ウルトラマンX
上記の映画でゼロから師事を受けたショウがついに師匠ポジに。
ゼロからエックスのことを聞いていたショウは大地達がまだエクシードXの力を最大限使いこなせていないと指摘。
大地はショウから指導を受け、猛特訓を開始することに。

ショウ曰く「俺はゼロよりも厳しい」ということで、学者肌の大地に対して体育会系のノリで木刀による訓練を行った。
ちなみにエックスは他人事の様にガヤをやっていた。


こうして現在、セブンから

           アストラ
              │          ヒカル
セブン──レオ──┴─ゼロ──―┤
        │                ショウ──大地&エックス
      メビウス

と師弟(指導)体育会系のノリ関係が続いている。
残念ながら現在最後となっている大地は理科系のやさしいヒーローなので、この関係はここで打ち止めか別の弟子が来るかであろう。



【おまけ】

ロストヒーローズ2
ユニコーンに修行を課そうとしたゴッドに対し、レオが「若い頃の話」としてこの特訓を話題に挙げていた。
DLCミッション「ギンガの意地」で、レオがギンガに対して「美しい男の意地」と似たシチュエーションでブーメラン特訓を施す場面が存在する。




ゲン!
逃げるな!!
車に向かってこい!!
    !
 ⊂(`・ω・)
⊆/ ̄三三 ̄ヘ⊇
/L○ ̄ ̄○」\
L=[MAC-J5]=亅
`Ш ̄ ̄ ̄ ̄Ш ブォォォォ

隊長!
やめてください!!
隊長ーっ!!
   ⊂〜个〜⊃
   (´・ω・`)⊃
   (つ   /
   | (⌒)
   し





追記・修正はジープの特訓をクリアした者にお願いします。

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