ウルトラマングレート

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ウルトラマングレート - (2020/08/20 (木) 22:12:07) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/02/23 Tue 11:09:37
更新日:2024/04/19 Fri 23:07:20
所要時間:約 4 分で読めます





円谷プロ制作の特撮作品『ウルトラマンG(原題は「ULTRAMAN TOWARD the FUTUER」)に登場するウルトラ戦士。オーストラリアが舞台。
次回作のウルトラマンパワードとともに、海外産ウルトラマンとしては高めの知名度を持つ。


出身:M78星雲・光の国
身長:60メートル
体重:5万8千トン
人間体:ジャック・シンドー


光の国における宇宙警備隊員の一人。
第8話でM78星雲出身であることがナレーションで明かされ、OP「僕らのグレート」二番の歌詞でウルトラ兄弟のことが歌われているが他のシリーズとの関係は曖昧である。

邪悪生命体ゴーデスを追って火星を訪れた際、オーストラリアの惑星調査員・ジャック達を戦闘に巻き込んでしまう。
戦闘の中でゴーデスは細胞となって地球へ逃走、ジャックの宇宙船も破壊されてしまった。
生き残ったジャックを地球へ帰還させ、そしてゴーデスと決着をつけるために二人は融合。
字幕版では自分の星(M78星雲)もゴーデスに浸食されているとジャックに語っている。

地球ではジャックが「デルタプラズマー」と呼ばれるアイテムを使って精神統一することでグレートへ変身する。
形状は、グレートのカラータイマーに鎖をつけてネックレスにしたようなもの。

グレートとジャックとは当然別意識のため、お互いの意見をぶつけ合う事がある。
その際、熱くなるジャックに対してグレートは窘めるような口調でこのセリフを放つのだ。

(́・ω・`)じゃあっくっ! と。

人間とウルトラマンの脳内会話は平成ウルトラシリーズにも受け継がれた。

しかし基本的にはグレートとジャックは強い信頼関係で結ばれているとされ、グレートのピンチをジャックが、ジャックのピンチをグレートが救ったこともある。
また、グレートの反対を押し切ってジャックがUMAに参加したり、ジャックが怪獣に同情していてもグレートが怪獣を倒したりと、
意見がぶつかり合っても最終的には行動の主体となる方(人間体ならジャック、変身していたらグレート)の意思を尊重している。

……ちなみにジャックもグレートも発言が唐突で会話が噛み合っていないことが非常に多い
しかも、グレートは脳内で語りかけるがジャックは口に出して会話するため、周囲からはいきなりひとりでぶつぶつしゃべっているように見える。
たまに完全に脳内だけでやり取りしていることもあるが、すると今度はジャックが急に黙りこくるため、やっぱり周囲からは怪しまれている。
本人同士は意思疎通はできているから、いいのだろう……。



地球に降り立った後は、グレートはゴーデス細胞や環境問題で現れた怪獣と戦っていく。
カラータイマーの音がエコーがかった警報音のようなものになっていたり、防衛隊に攻撃されたり、
悪化した地球環境のせいで3分しか戦えなかったり(第6話ではゴーデス(第2形態)にも縮小され束縛された際に汚染のために力を出し切れていないと言われた)、
と他のウルトラマンに比べると異色なところが多い。

なお、胸のデルタプラズマー(カラータイマー)は、現地で売っていたピルケース(薬容器)の改造との説を京本正樹が当時のTVや雑誌で唱えている。
日本語吹替版では初代ウルトラマンの掛け声があてられているが、オリジナル版の掛け声はかなり野太い声である。

身長が60mと大きく(それまでの最大は53mのウルトラマンタロウ)体形もマッチョで、
初代ウルトラマン~80までのウルトラ戦士を上回る能力を持ち、なんとキック一発でウルトラマンレオのレオキックと同等の威力である。

結構苦戦している描写が多いがグレートの戦闘能力そのものは高く、序盤に苦戦しても最終的には逆転勝利を収めている。
本編では12話でコダラーに敗北するまでは無敗であり、13話予告では「無敵のウルトラマンGが遂に倒れた」と言われた。


また、グレートに登場する怪獣の中にはゴーデス細胞に操られているだけのものや人間の破壊活動に怒り出現しただけで元々は無害のものもおり、
グレートが本編で倒した怪獣の数は小学館の書籍『ウルトラマンひみつ大百科』のカウントでは「9体」で、他のウルトラ戦士に比べ少なめになっている。
怪獣との共存は『ウルトラマンガイア』(後半以降)や『ウルトラマンコスモス』においてより掘り下げられている。

あまり知られていないが、光剣を使ったウルトラマンは彼が最初である。

また、ウルトラマンジャックと同じく、本編では「グレート」という名称で呼ばれることは(ナレーションを除いて)皆無であり、単に「ウルトラマン」と呼ばれている。
ちなみに文字としては「ウルトラマンG」と書くのが正しいようだ。

ウルトラ族においては非常に珍しい「ホワイト族」。
シルバー族とよく似ているが、顔面以外の体色が白い(「ウルトラ銀河伝説」におけるキングの演説のシーンでパワードやUSAトリオと並んでいるが、彼らと見比べると色の違いがはっきりとわかる)。


【能力】

特殊技術を担当したポール・ニコラはグレートの光線技は使用用途に応じ形を変えて使用しているだけですべて同一と解釈して演出していた。
だが日本ではそれでは子供は面白くないと言う事でそれぞれに技名や設定を追加している。

ちなみにグレートは、ウルトラ戦士の大半が持つことが多い、両腕を十字、またはL字型に組む形の必殺光線を使う描写がないが、
『新世紀ウルトラマン伝説』ではウルトラ戦士は最初スぺシウム光線を取得してその後他の光線技に発展させる設定があり、
グレートの使用用途に応じて形を変えるのもスぺシウム光線からの発展になる。

余談だが、技のエフェクトが全体的に地味。

・バーニングプラズマ
グレート最強の必殺技。
波動拳のようなポーズから空間にエネルギーを一点集中させて高熱火球「ウルトラ・ストゥリング」を二発生み出し、敵に放つ。
設定上はメイン必殺技であり、光線技の中では威力の高いウルトラマンタロウのストリウム光線に引けを取らない最強必殺技とされているが、第1話しか使われていない。
さらに一度目で相手の動きを止め、二発目で相手を倒しているなど困った必殺技。(このため、一発目と二発目が別の光線で二発1セットという説がある)。
だが海外では同一の技だったという認識なのでグレートがゴーデスからシラリーまで使った技はすべて(バーニングプラズマ)という解釈もできる。
日本側脚本段階ではマイクロブラックホールをぶつけ相手を亜空間に追放する「バーニングマスアクション」という技だった。
スペシウム光線やゼペリオン光線のポジションに該当する技なのだが、見た目は青白い光弾が二つ飛んでいくだけ、という非常に地味なものである。

・マグナムシュート
相手の攻撃をエネルギーに変換し、増幅して相手に放つカウンター技。デガンジャ戦では3連射していた為、エネルギーを小分けにもできるようだ。
グレートの技で1番多くの敵を倒しているため、紹介ビデオなどではバーニングプラズマではなくこちらが取り上げられることも多い。
ぶっちゃけバーニングプラズマよりこちらの方が派手。

・ディゾルバー
両拳から放つ原子破壊光線。
ゴーデスを分解したところ、細胞が地球へ逃げてしまった。ギガザウルスの死体を分解した事もある。第6話ではゴーデス(第2形態)に拳を密着させて放ったが、無効化された。

・グレートスライサー
腕から伸ばした光の刃で繰り出す、元祖光剣技。マジャバを斬り裂いた。
両腕で使用する「ダブルグレートスライサー」といった応用も可能で、最終話でシラリーに痛撃を与えた。島本和彦漫画版ではそのままシラリーの首を切り落としている。

・スタービーム
両掌を交差させて星の形を作り、そこに星型光弾を発生させて投げつける。
一部ではコダラーに使用した技がバーニングプラズマだという説がある(構えがほぼ同じ)が、実際に使用したのはこの技とマグナムシュートである。

・フィンガービーム
人差し指と中指から発射する小型の光弾。ゴーデス第二形態などに使用。
小型なぶん応用が効くらしく、山を崩してガゼボを地底に戻す、マジャバの卵を破壊するなど、要所要所で活躍。
両手から発射することもでき、それを五連射、計十発のダブルフィンガービームを撃ち込んでバイオスを倒したこともある。

・ナックルシューター
拳から放つ光線。精神エネルギーをビームにしているらしい。
左右どちらの拳からでも発射でき、両方から同時発射も可能。リュグロー戦では連続発射したが避けられた。
一話以降多用されているが、ほとんどの場合、繋ぎにしかならない。
しかし最終回で、ダブルグレートスライサーから最後の一撃として放ち勝利、有終の美を飾った。

・パームシューター
ナックルシューターの強化版らしい光線。こちらは掌から放たれる。
ブローズ、デガンジャとUF-0に発射した程度で、目立った活躍は無い。一部資料ではシラリーにトドメを刺したのはこの技だとされている。
ウルトラカプセル等の必殺技音声に採用されたりと、意外なところで存在感を見せている。

・トライアングルシールド
三角形のエネルギーバリアを作って攻撃を防ぐ。
ギガザウルスの冷気を防いだが、シールドが小さすぎて見るからに隙間だらけだったりする。

・ディスクビーム
両手の間に光の円盤を形成し、投げるウルトラスラッシュ系の技。
バランガスを怯ませ、ガゼボの足元に打ちだし体勢を体制を崩させ、マジャバ(雌)を消滅させた。

・アロービーム
弓を引くようなポーズで、引いた右拳にエネルギーを集約し、拳を突き出して発射する光線。
劇場版では左手から右拳に稲妻が集まるエフェクトが追加されていて、かなり格好いい。
バランガスを倒した。


【シリーズでの活躍】

客演は特になし。
同時上映の全員集合で踊っている程度しか出番がない。

だがM78星雲出身という設定から、宇宙警備隊員の一人として、2009年にようやく映画デビューを果たす。
『G』本編は他作品との関連性がなかったため、パラレル設定の可能性が高い。

または、グレートの別宇宙での活躍を描いたものが『G』本編とも解釈できる。
(別の宇宙へ旅立つには、光の国の全エネルギーを使っても一人が限度なため、客演がなくても不自然ではない)


◆『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE
光の国に襲来したウルトラマンベリアルを他のウルトラ戦士たちと迎え撃つも、まとめてコテンパンにされてしまった。
ラストシーンではパワードやUSAトリオなどの海外ウルトラマン達と共にキングの演説を聞いていた。

そして次回作では再び姿を消した。



※以下ネタバレ










【最後の戦い】

本編でグレートが戦うラスボスは、環境悪化で人類を滅ぼすために目覚めた二体の伝説怪獣である。
一体は“深海に閉ざされし者”コダラー、もう一体は“天空に追放された者”シラリー

その中でコダラーは共生している藻をオーストラリア近海にバラ撒き、死の海(赤潮を超える無酸素状態)へと変えてしまう。
人類を滅ぼすための行動だが、これによって被害を被るのはもちろん海洋生物である。なんというとばっちり……

そして現れたグレートと戦い、共に光線技の増幅技の投げ合いの末、
グレートは次元のエネルギーを使い果たして次元のはざまに落ちて残り一回しか変身できない状態となった。
これは元々の脚本でバーニングプラズマの初期設定の相手をブラックホールに追放する「バーニングマスアクション」を使用する名残である。

最終決戦においてグレートはシラリーと戦い、激闘の末にこれを倒す。
シラリーの体内のエネルギーによる被害を宇宙へと逃がすため、グレートとジャックはここで分離し、別れることになった。

その間、コダラーと戦っていたのは……





しかも、最終兵器プレートビームで攻撃→コダラーが反射→攻撃を増幅して反射→コダラーが反射のループを繰り返し、増幅された攻撃に耐えられなくなったコダラーを撃ち破った。







その他

「グレート」の日本名は京本政樹によりオーストラリアのグレートバリアリーフから命名した。
日本語版におけるカラータイマーの変更、ジャック・シンド-の吹き替え、OP、EDを歌うなど京本が番組PRに深く関わっている。

企画段階では初期のウルトラシリーズ(ウルトラQウルトラマンウルトラセブン)と『マイティジャック』を支えていた成田亨に、新しいウルトラマンと怪獣たちのデザインを依頼。
苦心の末、成田氏は金色と黒ラインを持った「ウルトラマン神変」としてデザインを描き上げるが、デザイン料として著作権の30%を要求したため、円谷プロとの意見が付かず、その案は実現には至らなかった。


ビデオ売れ行きが良かったことから続編企画も複数存在し、1991年暮れ公開予定だった日本を舞台にした劇場用新作、
詳細不明のオーストラリア案の(第14話 - 第27話)のテリーラーセンによる第2シリーズ案、
特に日本サイド案は第2シーズン(第14話以降)の新シリーズ案として、シノプシス集が會川昇によりまとめられており、
第14〜17話はバルタン星人編」として、地球へ来襲したバルタン星人に合体巨大化して立ち向かうリュグローとヴェロニカ夫妻の危機に、
グレートが帰還するという展開で、当初はジャック.シンド―ではなく若い刑事に乗り移っており、その刑事が瀕死の重傷を負いながらもジャックに「デルタ―プラズマ―」を届けるという内容でウルトラ兄弟の客演も検討されていた。
バルタン星人のデザインも吉田穣によって描かれており、通常の個体の他にトライポッドのような3本足のバルタン星人も描かれている。
プロデューサーの鈴木清は、様々な事情で実現しなかったことを証言しており、後年のインタビューでも無念の思いを語っている。

原語版と吹き替え版では原語版でしか語られない設定も多い。

ビデオシリーズ(全13話)の他に各話を再編集し未使用シーンを追加しただけでなく、
本編でビデオ合成処理されていた光線技が新たにオプチカル処理されているほか、
グレートの巨大化場面などが日本で新規に作り直された『ウルトラマンG ゴーデスの逆襲』と『怪獣撃滅作戦』が、
1990年12月15日に日本語吹き替え版二本立てで劇場公開され、6話以降の話は後に発売されるビデオ版に先駆けての公開となっている。

そして2016年、「パワード」共々DVD化をすっ飛ばしてブルーレイ化が決定した。

ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY』の朽ち果てた巨人の中にウルトラマングレートそっくりな石像が存在する。

ウルトラマン列伝』第100話には名前のみ登場。
放送100回を迎えた祝いにナビゲーター役のウルトラマンゼロが紹介する予定だったが、
ウルトラマンベリアルがビーコンを使って番組ジャックしたため登場しなくなる。

ちなみにゼロは「グレート先輩」と呼んでいたが、自分からのメッセージについて紹介されないまま放送は終了した。
海外との権利問題もあり本作の映像は取り上げられないと思われたが、
『新ウルトラマン列伝』最終回で新世紀ウルトラマン伝説の使い回しであるがようやく取り上げられた他、
公式カウントウルトラマン全員が登場する新撮映像の中にも含まれている。『ウルトラマンオーブ直前スペシャル』のOPにもちゃんと写っていた。

2020年7月よりCS放送の「スーパードラマTV」にてHDリマスター版が放送スタートしている。
放送は1回のみだが、CMでは次回予告を担当している玄田哲章さんが新録。


そして最後に大切なことを一つ。

エイプリルフール企画におけるネタはあくまで1日限りのジョークである。
公式設定とは一切関係がないことに留意し、コメントでもこのネタを持ち出すことはやめてほしい。
どうしてもやりたいのなら、エイプリルフール企画の項目へ行こう。
グレートは確かにマイナーなウルトラマンだし、エイプリルフール企画でしか知らないwiki籠りも多いだろうが、
画面の向こうにはグレートに憧れて育ったファンも大勢いるということをどうか忘れないでほしい。






火星で酸素が尽きる前に追記・修正お願いします。



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