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更新日:2022/08/15 Mon 18:31:41
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『ウルトラマン』は1966年(S.41年)7月17から1967年(S.42年)4月9日にかけてTBS系列で全39話が放送された空想特撮ドラマ。
タイトルでは『空想特撮シリーズ』と銘打たれている。
『
ウルトラQ』に続く円谷プロ製作の
『ウルトラ』を冠するテレビシリーズ第2作目で、後継作の『
ウルトラセブン』と並び、第一期ウルトラシリーズを代表する作品。
本作のヒットが無ければ、後のウルトラシリーズはおろか、円谷プロも無かったかもしれない。
前作のコンセプトを引き継ぎつつも、放送局であったTBSの要求に従い『ウルトラQ』から大幅なパワーアップと路線変更を遂げた円谷初のカラー作品は、
人類の味方として怪獣と戦う巨大ヒーローという強烈なエポックメイキングを提示し、文字通りに『
ゴジラ』以来の特撮の歴史を変えた作品となった。
番組タイトルでもある巨大ヒーローについては
ウルトラマンを、
作品に関連した詳細な情報については各関連項目を参照。
“特撮の父”たる監修の円谷英二が繰り返し語ったとされる
「見終わって夢が残るものじゃなきゃダメだよ。汚ならしいもの、目を背けちゃいけない現実は別のリアリズム映画がやってくれる」
この言葉に従い生み出された奇跡の超人は、現実をも呑み込む“現代の寓話”として後に誕生する兄弟達と共に今日まで人々の心に生き続けているのである。
初放送は1966年7月17日だが、
先週の7月10日には本作放送以前に杉並公会堂で1966年7月9日に行われたイベントの中継録画番組(VTR収録)のウルトラマン前夜祭が放送された。
当初、5月15日に放映が予定されていた『ウルトラQ』の「
あけてくれ!」は、「怪獣が登場しないうえに内容が難解」という理由で、4月末頃に本放送見送りの処置が下された。
つまり、『ウルトラマン』の放送開始は7月10日に繰り上がることになったのである。
それにもかかわらず、3月中旬から始まった飯島俊宏監督の第一回制作分(放映上の2、3、5話)は1ヶ月以上かけて撮影、
放映第1話の特撮班は6月に入ってようやくクランクインという、とてつもなく遅れている撮影スケジュールを危惧したTBSプロデューサーの栫井巍が、
1週間の時間稼ぎにと急遽企画したものがこの前夜祭だった。
ちなみに、「ウルトラ作戦第一号」の完成品フィルムがTBSに納品されたのは7月13日。
まさに栫井氏GJである。
最終スケジュール日程は、7月6日に技術スタッフの打ち合わせ、翌7日と8日にリハーサル、9日の午後1時より開演となった。
本番では演出用の豚が暴走したり、視界が悪いマスクのためにウルトラマンがつまずいてしまったりなどのトラブルが続出した。
また、
アントラーのスーツが前後逆になるというミスも生じている。
そうした状況を恥じたTBSの担当ディレクター・実相寺昭雄は、独断で自身の名前のテロップを抜いてしまった。
その後、本番での数々のトラブルは編集で削除され、さらに完成していた第3話のハイライトシーンが加えられての放送となった。
その結果、『ウルトラマン前夜祭』は30.6%の高視聴率を得たため、実相寺はお咎めなしで済んだという。
カラー放送だったと伝えられるが、当時のマスターテープの現存が確認されていないため、詳細は不明。
現存する映像は『タケダアワー』のオープニングキャッチ、CM、提供画面、新番組予告を含むモノクロのキネコフィルムで、
『現代の主役 ウルトラQのおやじ』とのカップリングで1988年にビデオ化された。
その後、LD-BOX・DVD-BOX・BD-BOX等に特典映像として収録されている
【解説】
“M78星雲光の国”からやって来た身長40メートルの超人
ウルトラマンの活躍する空想特撮ドラマにして、
後継作である『
ウルトラセブン』と共に、以降の『ウルトラシリーズ』の礎を築き上げた……というか凡てのオリジナルとなった作品である。
『ウルトラQ』から更に進化した、カラー放送された“怪獣退治の専門家”の姿は瞬く間に子供達を虜にし、初回放送にて34%。平均で36%越え。
最高視聴率に到っては42.8%を記録する超人気番組となった。
……尤も、その熱狂とは裏腹に製作している当人である円谷プロでは直ぐに製作費を回収する事が出来ずに資金難に喘ぎ続け、
結局は39話までで
打ち切らざるを得なかったとの裏話もある。
以降『メビウス』らへんまで40年以上こんな感じの制作体制が続き、結果的に円谷プロ破産にまでつながったのはなんというか…
こうした事情は後に少しずつ解消されていくようになるものの、
朝から晩までが費やされた撮影環境の悪さと、怒号すら飛び交った現場の思い出は苦笑混じりに当時の関係者から繰り返し繰り返し語られる程。
1エピソードを作るのにだいたい1月分の撮影を擁したとの証言もある辺り、同時進行による過密スケジュールを急ごしらえでよくも乗り切れたものである。
その興奮は放送終了後も収まらず、最初の再放送でも視聴率18%台を記録。
これ以降も四半世紀以上にも及ぶ各都道府県での再放送と、主人公であるウルトラマンの後継シリーズや他ジャンルへの客演により、
非常に幅広い層にまで浸透する知名度と支持を得る事となった。
作品単体としての評価は子供番組にこだわり過ぎた部分もある為か、マニア層からは『ウルトラセブン』程の支持を得てはいないものの、
やはり以降のシリーズの殆ど“凡て”に先鞭を付けたと言える多彩な脚本は見返すことで新しい発見もある程である。
この他にも時代を先取りしすぎたした成田亨らによるウルトラマンや怪獣、秘密兵器のデザイン。
世界観に説得力を与える精緻なミニチュアや着ぐるみの数々。
そして、何よりも資金難に喘ぎながらも試行錯誤と職人芸により産み出された特撮演出の妙は半世紀を経た今も色褪せない魅力を伝えてくれる。
近年のシリーズと比較すれば流石にVFXなどがなかった当時の技術の限界を感じる部分はあるものの、
各話をしっかり見るとむしろ限られた技術を上手く活用して臨場感を出しており、昭和41年のドラマとしては非常にクオリティが高い。
DVDで発売する際には当時の最新技術により映像フィルムを長時間のデジタル修復作業を経て鮮明化と音声を追加してステレオ化されてデジタルリマスター化。
2012年には円谷プロとWOWOW共同企画でハイビジョンリマスター化して高画質で再放送され、
さらにこのバーションを当時の雰囲気を残しつつレストアされ「HDリマスター2.0」としてブルーレイソフト化している。
現在の円谷プロが公式配信する初代ウルトラマンの本編の映像はこの「HDリマスター2.0」である。
シリーズが進行してからは円谷プロの思惑とは別の雑誌展開などで勝手に設定が固められたりした結果、
不当に初代となる本作が貶められたような形になってしまっていた時期もあったが、
元祖にして最大の知名度を誇る“初代ウルトラマン”の名は今日でも唯一無二の輝きを放ち続けているのである。
【世界観】
時代設定についてであるが本放送当時の公式資料と、『
週刊少年マガジン』1966年31号(8月7日号)でのグラビアページの時代設定は、「1975年頃」という記載がある。
しかしスタッフの認識は近未来という程度で明確な合意はなく、 第23話で
ジャミラの墓標に没年が1993年と記されていたり、
第26、27話は放送当時の現代(1966年)が描かれていたり、第39話で「1930年代から40年以上」との台詞があり、
全てをまとめると
ウルトラマンは27年間も地球に滞在していることになってしまうのでその回限定だと思っていいだろう。
地球は未知の生物たる怪獣による災害や宇宙からの訪問者による接触を受けており、
それに科学特捜隊も所属する国際機関「国際科学警察機構」が対処している世界である。
一連のストーリー作品ではあるものの、時系列がハッキリとしていなかったり、
シナリオによって基本設定に食い違いが見受けられる等の矛盾も抱えているが、
これは前作『
ウルトラQ』同様に『ウルトラマン』がオムニバス作品としての形態を引き継いでいる為であろう。
事実、ウルトラマンと怪獣達の活躍を描く事こそがシナリオの最優先課題であり、
この時点でのウルトラマンは自らの意思で地球に残ることを決意した善意の異邦人でしかなかったからである。
尚、前作である『ウルトラQ』とは何となく世界観が繋がっており、
ラゴンや
ケムール人といった怪獣が本作にも登場。
科特隊もそれらについての情報を予め持っているという描写となっている。
円谷公認のQと本作の間に起こった出来事を描いたPCゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出動せよ!』が発売されている。
【国際警察機構】
フランス・パリに本部を置く国際的な地球防衛機関。
後の『ウルトラシリーズ』に比べると宇宙人による侵略行為がまだまだ目立っていない時期なのか、宇宙に対する防衛や調査技術が未発達な点が垣間見える。
この、国際機関の日本(極東)支部が主人公の属するチームという設定は後の第二期『ウルトラシリーズ』にも引き継がれていく事になるが、
国際機関としての組織全体に目を向けた演出は『ウルトラセブン』を頂点として、以降は前線でのチームの活躍に絞った演出が多くなっていった。
本作『ウルトラマン』でも、他国の支部からのエージェントがゲストとして登場する回が見られる辺り、
第一期『ウルトラシリーズ』が純粋な特撮SFドラマを目指していた事が伺える描写となっている。
【科学特捜隊】
国際警察機構極東支部に属する、怪事件の調査と原因究明。
それらの事件が怪獣や宇宙人によるものだった場合には、その対処や排除をも受け持つ特殊部隊。
正式名称は「科学特別捜査隊(Science Special Seach Party)」 で、劇中では更なる略称の「科特隊」と呼ばれることもあるため子供には微妙にややこしい。
Something Search Peopleではない。そりゃ別のウルトラ作品だ
東京近郊にある特徴的な形状のビルディングは特に隠蔽されたりしていない反面、
あらゆる熱線や光線を遮断する強固な防御力を誇ると説明されている鉄壁の要塞でもあり、彼らの使用する専用機ジェットビートルの発進設備もある。
ムラマツキャップ以下の隊員達は常時この基地に駐留して、時には民間からも寄せられる怪事件の発生に備えているのである。
■ムラマツ隊長(演:小林昭二)
通称キャップ。
冷静沈着で決断力に優れた人格者。
おやっさんではない。
生真面目な性格だが、皮肉を利かせたツッコミが冴える場面もチラホラ。
■
ハヤタ(演:黒部進)
科特隊養成学校を首席で卒業したエリートで、単独でパトロールの任務に就いていることも多い。
科特隊では副隊長的な役割を果たす事も。
■アラシ(演:石井伊吉)
怪力自慢で射撃の名手。
怪事件にも勇気を奮って突撃するが、それが仇となってしまう場面も。
スパイダーショットといえばアラシ隊員である。
■イデ(演:二瓶正也)
コミカルな三枚目に見えるが、実は科特隊を支える頭脳にして、劇中に登場した様々な新兵器や装備を生み出した“ある意味”最も危険な男。
感情表現が豊かな分だけ傷つきやすく、ナイーブな面も。
「ハヤタのやつはどこ行ったんだ?」
■フジ・アキコ(演:桜井浩子)
科特隊唯一の女性メンバーで、主に通信担当だが1話にしてビートルを単独で操縦して現場に駆けつけた。
ホシノ少年と仲がよく、彼とともに出かけて思いもよらぬ事件の発端に巻き込まれたことも。
■ホシノ・イサム(演:津沢彰秀)
科特隊に憧れる少年で、何故だか本部への出入りが許されている科特隊のマスコット。
フジ隊員と行動を共にする場面も少なくない。
後にブルトンの引き起こした事件(17話)での功績を認められ、正式に準隊員として迎え入れられるが、
役の津沢氏が負傷した都合で、番組中途で降板してしまった。
■岩本博士(演:平田昭彦)
ジェットビートルオキシジェンデストロイヤーの設計者。最終回では……。
※この他、各国の隊員が時折登場しては世界観の豊かさを印象付けていた。
■ジム
パリ本部所属。バラージの国の調査に同行する。(第7話)
■アンヌ・モーハイム
パリ本部所属。特別任務の為にハヤタを迎えに来たが……?(第22話)
■アラン
パリ本部所属。国際平和会議の妨害事件の調査の為にやって来た。(第23話)
本編後の彼の動向は、
『メビウス』の小説版にて触れられている。
■ゴトウ
20年振りの帰国を果たした南米ボリビア支部所属の隊員だがケロニアが入れ替わっている。本物の安否は劇中では不明だが脚本では熱病で死んだことになっている。(第31話)
■パティ(演:真里アンヌ)
休暇を満喫する為にやって来たインド支部所属の美人隊員。エスコート役を勝ち取る為にインチキまでするハヤタの意外な一面が。(第32話)
【科学特捜隊の主な装備・専用機】
■制服
身体にピッタリしたオレンジ色の防護服。
かなり薄いらしく、フォーマル服でもあるブレザー姿の時にも下に着込んでいる。
■ヘルメット
バイザーは防弾。
頭に被ってるだけだが放射能防護機能も持つ。
◆防毒マスク
あらゆる毒ガスを防げるアタッチメント。
■流星バッジ
科特隊のシンボルでもある超小型無線機。
OPの「胸に付けてるマークは流星」はこれのこと。
■危険探知機
ネクタイピンとして付けられている。
放射線等を感知すると点滅する。
■スーパーガン
科特隊の基本装備である小型光線銃。
掌に乗る大きさの
拳銃サイズながら、怪獣に対しても十分な威力を発揮する
時もある未来の武器。
5話では
グリーンモンスを
巨大化させてしまったりもしたが。
アタッチメントにより、主にイデの開発した以下の特殊な効果を持った弾を発射する事も可能。
3人が集中して放ったトリプルショットは再生テレスドンを仕留めた実績もある。
逃走したゴモラに撃ち込まれた。
光弾を連続発射する強力兵器。再生ドラコと
ジェロニモンを仕留めた。
岩本博士の新発明で、最終回での切り札となった。
■スパイダーショット
主にアラシが携行していた大口径の光線銃で、光線や火炎といった8種類に及ぶ攻撃が可能。
スパイダーショット用の特殊弾。
スカイドンを浮き上がらせる為に使用した。
■マルス133
イデの考案した新型光線銃で、理論上は
スペシウム光線にも匹敵する威力を持つというトンデモ兵器。
ビートルの銃座に取り付ける事も可能で、
バルタン星人も仕留められた。
■QXガン
イデ開発の怪獣を即コロ可能なトンデモ新兵器。
絶命させない限り強化復活を遂げてしまう
ザラガスに使用。退治に貢献する。
■マッドバズーカ
イデが開発した対
ケムラー用新兵器。
ウルトラマンとの連携により見事に仕留める。
■ニードルS80
Q星にイデが持ち込んだ新兵器。
スパイダーの約10倍の威力という触れ込みだったが、強敵キーラには通じず。
■ナパーム
手榴弾
多々良島で襲撃してきたマグラーを返り討ちにした。
■バリア・マシン
ドドンゴの怪光線を防いだ。
■スペクトルα・β・γ線
隠蔽されたジャミラの宇宙船を発見する為に使用。
※後継作では怪獣戦で成果を挙げられない事を怒られたりするチームもある中で、中々の戦績を納めているのは、
製作陣が初代にしてワンパターンを嫌ったこと等の理由から。後、つくづくイデが凄い。
■
ジェットビートル
■小型(三角)ビートル
科学特捜隊の使用する専用機である「光のジェット」。
詳細は当該項目参照。
小型ビートルは途中から登場した垂直離着陸機能を持たない偵察用小型機。
■特殊潜航艇S号
ビートルで空輸も可能な水中探査艇。
■科特隊専用車
車種は1961年式のシボレー・コルベット。
■地底戦車ベルシダー
やっぱりイデが開発した新兵器。
■白鳥
科特隊専用の宇宙船。
Q星に向かうのに使用された。
白鳥に搭載されている惑星探査用の特殊車両。
SNKミサイルが装備されている辺りは科特隊の装備らしい。
Q星でサイゴを仕留める。
【エピソード】
※()は制作順 <>は制作NOと脚本NOが一致しない場合の脚本順
■第1話「
ウルトラ作戦第一号」(5)<9>
監督/円谷一 特技監督/高野宏一 脚本/関沢新一、金城哲夫
※ウルトラマン誕生。光の巨人伝説の始まりを見よ!
■第2話「
侵略者を撃て」(1)
監督/飯島敏宏 特技監督/千束北男 脚本/的場徹
※記念すべき制作第一話。格安(真空)パック旅行に出掛けたら帰れなくなったでござる
■第3話「科特隊出撃せよ」(3)
監督/飯島敏宏 特技監督/的場徹 脚本/山田正弘
※ホシノ少年の復讐
■第4話「大爆発五秒前」(7)<4>
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/南川龍
※フジ隊員の休暇のお相手は…。ウルトラQから初のゲスト出演。
■第5話「ミロガンダの秘密」(2)
監督/飯島敏宏 特技監督/的場徹 脚本/藤川佳介
※珍しいからって動植物を勝手に持ち帰るのはやめましょう
■第6話「沿岸警備命令」(8)<5>
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/山田正弘
※ホシノ少年危機一髪。
■第7話「バラージの青い石」(4)<6>
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/南川龍、金城哲夫
※不思議の国バラージとノアの神……ん?
■第8話「
怪獣無法地帯」(6)<8>
監督/円谷一 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫、上原正三
- 登場怪獣:どくろ怪獣 レッドキング、有翼怪獣 チャンドラー、地底怪獣 マグラー、友好珍獣 ピグモン、怪奇植物 スフラン
※子供にも大人気の怪獣盛り合わせ回
■第9話「電光石火作戦」(9)<7>
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/山田正弘
※キャンプとウランで一つ話を作ってみました
■第10話「謎の恐竜基地」(11)<10>
監督/満田かずほ 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫
※ウルトラマンvs
ゴ○ラ。やっぱり魚食ってるような奴はダメだな!
■第11話「宇宙から来た暴れん坊」(10)<12>
監督/満田かずほ 特技監督/高野宏一 脚本/宮谷達男
※ふしぎないしのおはなし
■第12話「ミイラの叫び」(12)<11>
監督/円谷一 特技監督/高野宏一 脚本/藤川佳介
- 登場怪獣:ミイラ怪人 ミイラ人間、ミイラ怪獣 ドドンゴ
※先住民族との不運な出会い
■第13話「オイルSOS」(13)
監督/円谷一 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫
※ド迫力のコンビナート火災とウルトラマンの意外な能力(水流)
■第14話「真珠貝防衛指令」(15)
監督/実相寺昭雄 特技監督/高野宏一 脚本/佐々木守
※美しいものは人間の物!
■第15話「恐怖の宇宙線」(14)
監督/実相寺昭雄 特技監督/高野宏一 脚本/佐々木守
- 登場怪獣:二次元怪獣 ガヴァドン(A) 二次元怪獣 ガヴァドン(B)
※子供の夢の実現(物理)
■第16話「科特隊宇宙へ」(17)
監督/飯島敏宏 特技監督/高野宏一 脚本/千束北男
■第17話「無限へのパスポート」(16)
監督/飯島敏宏 特技監督/高野宏一 脚本/藤川佳介
※アンバランスゾーンへの招待
■第18話「遊星から来た兄弟」(19)
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/南川龍、金城哲夫
※初代にして特撮史に残る“ニセモノ”像を確立
■第19話「悪魔はふたたび」(18)
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/山田正弘、南川龍
※二大怪獣の(傍迷惑な)激突
■第20話「恐怖のルート87」(20)
監督/樋口祐三 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫
※伊豆シャボテン公園へgo
■第21話「噴煙突破せよ」(21)
監督/樋口祐三 特技監督/高野宏一 脚本/海堂太郎
※惚けた顔した屈指の強敵
■第22話「地上破壊工作」(23)
監督/実相寺昭雄 特技監督/高野宏一 脚本/佐々木守
※一歩先行く地底の情報収集能力
■第23話「
故郷は地球」(22)
監督/実相寺昭雄 特技監督/高野宏一 脚本/佐々木守
※『ウルトラマン』屈指の鬱回。鎮魂の物真似も流行した
■第24話「海底科学基地」(24)
監督/飯島敏宏 特技監督/高野宏一 脚本/藤川佳介
■第25話「
怪彗星ツイフォン」(25)
監督/飯島敏宏 特技監督/高野宏一 脚本/若槻文三
- 登場怪獣:どくろ怪獣 レッドキング(二代目)、彗星怪獣 ドラコ、冷凍怪獣 ギガス
※元日放送の御節みたいなお祭り回
■第26話「怪獣殿下(前編)」(26)
■第27話「怪獣殿下(後編)」(27)
監督/円谷一 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫、若槻文三
※怪獣殿下(あだ名)
■第28話「人間標本5.6」(28)
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/山田正弘
※初代ウルトラマン屈指のホラー回。新たなブスの代名詞になったとかならないとか
■第29話「地底への挑戦」(29)
監督/野長瀬三摩地 特技監督/高野宏一 脚本/南川龍、金城哲夫
※地底を舞台にした決死の救出劇と史上最も倒して美味しい怪獣
■第30話「まぼろしの雪山」(31)
監督/樋口祐三 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫
※『ウルトラマン』屈指の幻想譚
■第31話「来たのは誰だ」(30)
監督/樋口祐三 特技監督/高野宏一 脚本/海堂太郎
※異常進化したハイスペック植物の恐怖
■第32話「果てしなき逆襲」(32)
監督/鈴木俊継 特技監督/高野宏一 脚本/藤川佳介
※Q
日本の名物と言えば? A 地震・怪獣・ウルトラマン
■第33話「禁じられた言葉」(33)
監督/鈴木俊継 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫
※後々まで続く因縁の始まり。
■第34話「空の贈り物」(34)
監督/実相寺昭雄 特技監督/高野宏一 脚本/佐々木守
※子供達も大喜びのスプーン変身
■第35話「怪獣墓場」(35)
監督/実相寺昭雄 特技監督/高野宏一 脚本/佐々木守
※ウルトラゾーンと怪獣墓場とお葬式と泣き虫怪獣
■第36話「射つな!アラシ」(36)
監督/満田かずほ 特技監督/高野宏一 脚本/山田正弘
※事件は現場で起きているんです!
■第37話「小さな英雄」(37)
監督/満田かずほ 特技監督/有川貞昌 脚本/金城哲夫
- 登場怪獣:怪獣酋長 ジェロニモン、彗星怪獣 ドラコ(再生)、地底怪獣 テレスドン(再生)、友好珍獣 ピグモン(再生)
※最高視聴率と小さな英雄の勇気
■第38話「宇宙船救助命令」(38)
監督/円谷一 特技監督/有川貞昌 脚本/上原正三
※アポロによる月面着陸前の時代に撮影された異星編
■第39話「
さらばウルトラマン」(39)
監督/円谷一 特技監督/高野宏一 脚本/金城哲夫
※長らく語り継がれる『ウルトラマン』伝説の最終回。終わりにして始まりの時を刮目せよ!
【余談】
●番組のアイディアが固まるまでの仮題は『WOO』『科学特捜隊ベムラー』『
レッドマン』…等。
元々は敵怪獣と戦う善玉怪獣というコンセプトを提示されていた為かフジテレビ用の企画であった『WOO』のコンセプトを流用する事から初めたが難航。
『科学特捜隊ベムラー』と『レッドマン』は企画的にはかなり『ウルトラマン』に近くなったものの、
前者はカラス天狗。後者は獣神。と、怪獣の概念から脱しきれない姿をしていたらしい。
こうして試行錯誤を繰り返す中で番組プロデューサーから出されたのが「メタリックな宇宙金属」の様なイメージであり、
これに対して彫刻家である成田亨が解答として示したのが「卵形の顔にギリシャ彫刻の様なアルカイックスマイル」の統合を目指して誕生したウルトラマンだったのである。
因みに、成田氏のイメージによれば銀色の肉体は鈍い銀ではなく、鏡面の様なイメージだったとか。
また、ウルトラマンのイメージが仏像。
特に弥勒菩薩像に似ているという説は昔から存在しており、
仏像マニアとしても知られる漫画家のみうらじゅん氏らにより指摘されたそれらの噂を「特撮と怪獣」にて成田氏自身も認めているとの事。
文芸担当でもあった脚本家の金城哲夫がウルトラマン関連の副読本や雑誌記事で賛否を集めた大伴昌司との会話の中で、
怪獣をモンスターとしか捉えられない大伴氏に対して、日本的なカミである怪獣をウルトラマンが鎮魂しているという構図を説明しているが、
単なる“悪い怪獣vs正義のヒーロー”にはしようとしなかった円谷プロの願いを考えれば、同じくカミであるウルトラマンが仏像の様な姿に落ち着いていった事も当然だったのかもしれない。
何にしても、そうした経緯を経て生み出されたウルトラマンの姿の斬新性は半世紀を経ても色褪せぬどころか、
その姿を借りた兄弟達と共に現在でもヒーローとしての威光を失っていないのは御周知の通りである。
●ウルトラマンのドラマは大人向け
ストーリー展開自体は子供向けだが、ドラマパートの演者は大人向けドラマと同じように演技している。
撮影現場でも芸歴の関係で演者達のリーダー的存在だったムラマツキャップ役の小林昭二氏が「子供に媚びない、大人の芝居をしよう」と提案したらしい。
子供向け番組でも大人向けの芝居をするという慣例はその後もシリーズの不文律として脈々と受け継がれている。
レギュラー出演者も主演やメインヒロイン枠は若手俳優になるが、中堅からベテラン俳優が隊長役などでストーリーに絡んでくることも多い。
出演俳優にとってはこの中堅やベテランが演技指導をしてくれるため、成長できる部分があるのだとか。
●ウルトラマンの掛け声と言えば「シュワッチ!」である。
これは文芸段階から確かに「シュワッチ!」なのだが、
実は文字の段階では様々に出された掛け声を纏めてアルファベットで書き起こした「SHWACH!」だった。
これを正確に「シュワッチ!」と日本語で初めて表現して見せたのは何と“ギャグ漫画の神様”赤塚不二夫。
代表作『天才バカボン』の第一話で
バカボンのパパがウルトラマンの掛け声を「シュワッチ!」表記を使用したのが、
ウルトラマンの正しい叫びが国民に定着するキッカケとなったのだという。正に天才!
ただし、ウルトラマン本人が明確に「シュワッチ!」と言ってるのは勝利後の飛び去るシーンのみ。
戦闘時は「ヘアッ」「シュワッ」などと叫んでいる。
●音楽
前作『
ウルトラQ』に続いて音楽を担当したのは宮内國郎氏。
アニヲタ的には
カオスアニメとして悪名高いチャージマン研!の
キチガイレコードBGMが有名。
ウルトラQからの流用曲も多く、同じく氏が音楽を担当した東宝映画作品『
ガス人間第一号』からもBGMが流用されており、
コミカルなシーンでは前者が、映画さながらのシリアスなシーンでは後者がよく用いられた(
ジラース回のラストや
ザラガスなど)。
ウルトラマンの戦闘BGMとしては下記の「進め!ウルトラマン」をアレンジしたものが有名だが、
ベムラー戦などで使われた「戦い」という曲は、
元々制作上3話までに「
ウルトラマンが戦うBGMが弱いなあ」という理由で急遽作られたもので、Mナンバーが不明という不思議な逸話がある。
初期でたった6回しか使われなかったためか、「進め!ウルトラマン」よりややマイナー気味なのが惜しまれるところである。
●ウルトラマンの歌
OPはウルトラマンのことを歌った歌詞……かと思いきや、1番2番3番全て末尾以外は科学特捜隊のことが歌われているなどおかしくなっている。
ウルトラマンと科特隊が織りなすドラマなので、繋がりがおかしい点を除けば一応言ってること自体は別に間違っちゃいない。
それでも有名な曲であることには違いなく、近年では矛盾を気にせず、ウルトラマンを「怪獣退治の専門家」と評することさえもある。
なお「進め!ウルトラマン」という主題歌候補だった曲は最初から最後までウルトラマンの内容になっている。
また、「ギャラクシーレスキューフォースボイスドラマ」第22話「歌は魔法」では、
この曲は「地球でウルトラマンをイメージして作られた名曲」という設定になっており、どうやら光の国でも有名な模様。
●没エピソード
映像化された以外にも没に終わってしまったエピソードが多々存在している。
これらの内、「
サイボーグ恐竜」、「侵略基地を叩け」、
「
怪獣用心棒」「リプロスが狙っている」は一峰大二の漫画版でエピソードが採用されており、
また劇場用脚本を想定していた『ジャイアント作戦』は川崎郷太の漫画版、並びに千束北男による小説版が後年刊行された。
●その後のウルトラマンとハヤタ
その人気故、後続シリーズでもちょっとした客演からがっつりメインまで、多くの作品に登場しているウルトラマンとハヤタ。
マルチバースによってその後のハヤタの歩みは様々だが、ウルトラマンは「宇宙警備隊の中でも凄腕として、怪獣退治や後進の育成に関わっている」とされることが大半。
以下、ハヤタの歩みをまとめる。
- 本編ラスト:ウルトラマンと分離。最終回には「ウルトラマンってなんです?」というハヤタの没台詞が存在し、これを信じるならば、
ハヤタは分離してゾフィーに蘇生された際にウルトラマンと一体化していた時の記憶を失ったと思われる。- 『帰ってきた』~『メビウス』~『銀河伝説』『サーガ』:ハヤタ本人は不明だが、ウルトラマンが地球人態としてハヤタの姿を使用。宇宙警備隊員の他、一時地球にとどまった際は神戸空港の空港長を務めた。
一説にはこの時には既に本来のハヤタは故人であるとも、歴代防衛チームの偉い人としてウルトラマンが地球にいられるよう各所に働きかけているとも。
- 『甦れ! ウルトラマン』:ゼットンに敗れた後もウルトラマンが地球に駐留するため、それまで通り科特隊員とウルトラマンを兼業。
- 『ULTRAMAN(漫画)』 :科特隊を辞め、日本国内閣の防衛大臣に。この宇宙においてもずっとウルトラマンの記憶を失っていたが、物語冒頭に記憶を取り戻している。
- 『ウルトラマン怪獣伝説 -40年目の真実-』:最終回以降も科特隊(本作の宇宙では地球防衛軍に改編された)に残り、そのまま引退(おそらく定年退職)。
この宇宙では「ウルトラマンと融合していたころに科特隊員として経験した事件」は覚えていたが、肝心のウルトラマンの記憶はやはり忘れている。
ある理由からウルトラマンに頼まれ事をされ、無意識のまま科特隊メンバーに召集をかける。そして…?
- 『ウルトラマン THE FIRST』:最終話でゼットンとの戦闘で死亡したウルトラマンと分離し、ゾフィーに授けられた命によって蘇生したが、記憶は失わなかった。
- 『大決戦!超ウルトラ8兄弟』:最終回とはつながっていない宇宙。一介の自転車屋さんだが、後にいつもの宇宙同様ウルトラマンと一心同体となって戦う。
項目の変更は、我々wiki籠りの手で守り抜いていこう!
- え?今までなかったのこの項目。 -- 名無しさん (2016-08-13 15:08:07)
- 昭和ウルトラは、作品自体の項目がないものがチラホラあったからねえ。 -- 名無しさん (2016-08-13 16:26:29)
- 伝説の始まり -- 名無しさん (2016-08-13 16:34:24)
- 円谷プロの果てしなきチャレンジ魂 -- 名無しさん (2016-08-13 18:33:34)
- うーん……ジャミラの回の某国のエゴは、汚ならしいもの、目を背けちゃいけない現実なのではないんだろうか…… -- 名無しさん (2016-08-13 19:17:48)
- ↑そもそも初代ゴジラ作った人が言ったことだしねえ(苦笑)。まあ、リアルな物でも寓話に収めるのを目指すのが大事って事かもしれない。 -- 名無しさん (2016-08-13 19:26:35)
- バルタン回とジラース回のコメ笑ったw -- 名無しさん (2016-08-13 20:30:42)
- ↑2 なるほどー……深い -- 名無しさん (2016-08-13 20:32:17)
- あらゆる熱線に耐えるといっていながら真っ向からぶち抜けるゼットンの強さが際立つな。回転万能説を覆したのもゼットンが最初だし。 -- 名無しさん (2016-08-14 10:56:45)
- ↑一兆度の光弾なのに、窓ガラスが割れるだけで済むんだぞ…… -- 名無しさん (2016-08-14 11:54:10)
- ↑あれは一兆度の火球とは別物だって聞いたよ、ウルトラマンを数発でダウンさせてたのは一兆度らしいけど -- 名無しさん (2016-08-14 20:51:49)
- 全39話なのにシチュエーションはシリーズ屈指。街や山中、海・湖みたいなポピュラーなものから宇宙やコンビナート、怪獣島、雪山、砂漠と色々揃っているのが当時の子供たちに支持された理由の一つかと。そのおかげてバリエーション豊かな怪獣が生まれた訳だし -- 名無しさん (2016-08-15 03:04:48)
- 元々は「あくまで主人公は防衛チームでウルトラマンはそれを助けてくれる存在」ってスタンスだったんだよね・・・・この頃はウルトラQ時代の余韻も残ってて。それはそうと話によって70年代だったり1993年だったり1966年だったり世界観が1話ごとにパラレル化してる気が・・・・(帰マン~メビウスの設定では1966年に固定されてるけど) -- 名無しさん (2016-08-17 07:48:22)
- ↑第一期ウルトラは世界観を描く物語で、第二期ウルトラ以降はウルトラマンを描く物語とスタンスが変わってるからね。結構設定とかを注意してくと第一期は独自に完結してたタイトルだったってのがよく解る。 -- 名無しさん (2016-08-17 08:00:59)
- ↑オムニバス形式で一部除いてストーリー繋がってない作風は近年ではマックスとかがそうかな? -- 名無しさん (2016-08-17 08:05:36)
- 「科特隊ってウルトラマンの前座じゃん」と言われる前にイデがウルトラマンによって侵されるアイデンティティに苦しみ、「ウルトラマンの力って正当化された暴力じゃん」と言われる前に非暴力の悪・メフィラス星人を出す。「視聴者にツッコミを入れられる前に作中で自らツッコむ」という描写が時々見られる。 -- 名無しさん (2017-02-08 00:41:03)
- ↑シリーズ化された後は平均的に面白い作品を目指してパターンを踏襲するのが世の常だけど、以外にも初代にあたる作品程そのパターンに収まらないんだよね。 -- 名無しさん (2017-02-10 12:10:54)
- Qとウルトラマン、セブンは放映した回と制作した順が違うんだよな -- 名無しさん (2017-02-28 11:18:41)
- 今日7月10日がウルトラマンの日であることを今日初めて知った -- 名無しさん (2017-07-10 09:34:49)
- 52回目の「ウルトラマンの日」、おめでとうございます。 -- 名無しさん (2017-07-10 10:43:15)
- ここでいうのもなんだけど楳図かずお氏がコミカライズを担当してたんだよな。ここでいうのもなんだけど、楳図氏の怪獣や宇宙人は確かに氏の怪奇性が現れててユニークなんだけど、怪獣たちよりもレギュラーキャラのイデのキャラクターデザインが一番怖かったwwwなんせ役者とは全く違う顔つきのポパイ風作画で、ものすんごいギョロ目なんだものwww -- 名無しさん (2018-03-15 02:04:51)
- 2021年7月10日、『ウルトラシリーズ』55周年の「ウルトラマンの日」おめでとう! -- 名無しさん (2021-07-10 06:43:52)
- 制作と放送が追い付いて打ち切りになっちゃったけど、今だったら初期の話を傑作選とかいう形で一か月ほど再放送して時間稼ぎできてれば2~3話くらい伸ばせたかもね。 -- 名無しさん (2021-11-27 14:16:49)
最終更新:2022年08月15日 18:31