登録日:2011/11/03 Thu 10:30:00
更新日:2024/09/08 Sun 01:57:13
所要時間:これから約 21 分間、あなたの目はあなたの身体を離れ、この不思議な時間の中へ入って行くのです。
『ウルトラQ』とは円谷プロダクションが製作したTVシリーズであり、以降も続いていく『
ウルトラシリーズ』の原点となった作品。
ただし
ウルトラマンは登場しない。
【概要】
元々の企画時タイトルは『アンバランス』であり、海外ドラマ『
ミステリー・ゾーン(The Twilight Zone)』や『アウターリミッツ』を意識した
SF色の強い路線を目指していた。
東京オリンピックにて流行語となった、当時の最高難度の技『C』を超える技『ウルトラC』も意識して、
「アウター」を「ウルトラ」に、「ミステリー」を「Q(クエスチョン)」に変えて『ウルトラQ 』に決定した。
しかし、世は
怪獣ブームの真っ只中であり、東宝を始めとする様々な映画会社が怪獣映画を製作して子供達を魅了していたことから、放送局であるTBSサイドからの「怪獣をメインに据えた番組にしてほしい」という要望により、怪獣路線に変更。
なんせ
ゴジラの生みの親である
円谷英二の肝いりの企画なのだから、「怪獣映画のパイオニアとして、元祖の貫禄を見せつけてほしい」という気持ちもあったのだろう。
本作にはウルトラマンのようなヒーローは登場しないが、結果的にその後のウルトラシリーズと怪獣のキャラクターの原型を作った原点となった。
また、当時は何もかもが手探りの状態であったが故に、まだスポンサーや放送枠も決まっていない段階から製作が始まっており、あらかじめ全話を完成させてからの放送となった。
放送順は後から決めたため、それぞれ製作時期によって少しずつ作風が異なっている。
円谷プロはとにかくクオリティの高さを最優先していたため、ハンパじゃなく高額だったオプチカル・プリンターなる映像合成装置を後先も考えずにポンと購入したり、
一般的なテレビ映画に使われる16mmフィルムではなく劇場映画に使われる35mmフィルムを採用したりと命知らずな行動を連発したが、それ故に今でも色褪せないほどの傑作群が世に生まれることとなった。
また、そのクオリティ最優先ゆえの賜物か、他のウルトラシリーズと違いシネテープが現存しており、高品質な音声が保たれているのも後世の人間が観賞するにあたって嬉しい要素だったりする。
怪獣映画全盛期、しかも娯楽の少なかった当時にあって、「テレビさえあれば怪獣映画を毎週タダで観られる」という衝撃は相当なもので、日本中の子供たちが釘付けになった。
当時『マグマ大使』の実写化で怪獣路線の先駆者となるも、結局客を本作に取られた
手塚治虫曰く
「週刊ゴジラ」。
本作に登場した怪獣達はその後のウルトラシリーズにも登場することが多く、ウルトラシリーズにおける本作の位置づけとしては、『ウルトラマンZOFFY』及び『
ウルトラマンメビウス』において、「
ウルトラマンが
地球を訪れる以前、人間が自分達の力で怪獣と戦っていた時代」として扱われている。
【登場人物】
●万城目淳
(演:佐原健二)
民間航空会社・星川航空のパイロット。
高い行動力と冷静沈着な判断力と窃盗団と戦う勇気も持ち合わせている。
SF作家の副業も持っている。
『ウルトラQ倶楽部』やウルトラマンメビウスの外伝小説『
ウルトラマンメビウス アンデレスホリゾント』では正式にSF小説家となり、後者では遭遇した不思議な事件を『ウルトラQ』というタイトルで発表している。
なお、万城目淳としての再登場は無いものの、演じる佐原健二氏は度々ウルトラシリーズに出演している。
●戸川一平
(演:西條康彦)
星川航空のパイロット。
ひょうきんな性格で淳の弟分の様なポジション。
由利子に好意を寄せているのか、ネックレスの様な物(実は怪獣の卵)をプレゼントしたりした。
ちなみに後年の『ウルトラQ倶楽部』では、パイロットを辞めレストランバー「ベム」経営を始めている(
中の人ネタ)。
●江戸川由利子
(演:桜井浩子)
新聞社・毎日新報の社会部のカメラマン。
好奇心旺盛な明るい性格。
特ダネを求めて日夜、怪事件を追い掛け、
日本を飛び回る。
演じた桜井浩子は本作で役者デビューし、次作「ウルトラマン」でもフジ隊員として続投。その
イマイチ微妙な演技力は今なお健在。
●杉本
(演:宇野晃司)
毎日新報のカメラマン。
新婚だったが故に後半のエピソードで事故に遭い死亡。
●相馬
(演:加藤春哉)
毎日新報の記者。
●関
(演:田島義文)
毎日新報の社会部のデスク。
特ダネを優先しながらも、ゴローを助けたりと、情に厚い所もある。
超常現象に懐疑的ながら、一度原因がはっきりすると一転して対策に尽力する頼もしい存在となる。
●一ノ谷博士
(演:江川宇礼雄)
文字通り、一ノ谷研究所の博士。
この手の番組ではお馴染みの、
もはや何が専門なのかも分からない万能すぎるチート科学者で、事件を解くには欠かせない人。
実は制作順では1クールで降板している(本作は放送順と制作順が異なるため)。
本作と『
ウルトラマン』の間に起こった出来事を描いたPCゲーム『ウルトラ作戦 科特隊出動せよ!』によると、
科学特捜隊は、一ノ谷博士らが中心となって日本支部を立ち上げたという設定になっている。
当初は彼自身もメンバーであったが、第1話「科特隊日本支部誕生」にて、六角村で核露怪獣ゴルドキングと戦った際に大けがを負って引退を余儀なくされ、その後ほどなくして亡くなった。
●本多
(演:岡部正)
一の谷研究所の助手。
●ナレーター
その正体は当時まだ一介の大学生だった石坂浩二(24歳)。アルバイト感覚で引き受けていたらしい。
ファンによっては星川航空、毎日新報、一の谷研究所も合わせてウルトラQにおける防衛チームと認識されており、作中では以下の怪獣達が万城目たちによって撃退されている。
- ナメゴン(二体を撃破。二体目は本編では直接描写されないが倒されたことが示唆されている)
- ジュラン
- ゴルゴス
- タランチュラ(二匹を撃退)
- ガラモン(二回登場。電子頭脳の電波を遮断して全10体(1回目:1 2回目:9)が倒された)
- パゴス
- ケムール人
- ボスタング
- スダール
- ゴーガ
- トドラ
直接倒せてはいないがゴローは眠らせて無力化し、二回登場した
ペギラやバルンガはいずれも撃退はできなかったが追い払うことには成功。
巨人やリリーは倒したとは言えないが、どちらも一の谷博士の発明によって事態が解決した。
このため、半ばジョークではあるものの万城目たちが倒した巨大怪獣の数は
科学特捜隊や
ZATをも追い抜いて
1位という驚異的な記録となっている。
【主な登場怪獣・宇宙人】
●古代怪獣 ゴメス
1話に登場した怪獣。リトラと共に、ウルトラシリーズの記念すべき初怪獣となった。
地殻変動の影響で目覚め、工事現場を襲う。
弱点はリトラの持つシトロネラ酸。
着ぐるみはゴジラの改造品。
●原始怪鳥 リトラ
ゴメスと同じく、工事現場から卵として登場。
生まれると、ゴメスに立ち向かう。
最後は自分の命を失うシトロネラ酸を使用する。
後の『大怪獣バトル』シリーズでは、主人公
レイを乗せて活躍する。
『ウルトラマンティガ』に登場した
メルバ、『ウルトラマンコスモス』に登場した
リドリアスはリトラをモチーフとしている。
●巨大猿 ゴロー
聾者の青年・五郎と共に育ったクモザルが旧日本軍の体力増強剤・青葉くるみを食べ過ぎたことで巨大化した姿。
キングコングではない。
イーリアン島という南海の島にも同じく青葉くるみを食べたことで巨大化してしまった猿がおり、現地民と共存している。
●火星怪獣 ナメゴン
火星から贈られた金の玉の正体。2体存在する。
その名の通りナメクジのような姿をしており、塩水をかけると溶解する。目からは殺人光線を発射する。
●巨大植物 ジュラン
古代に咲いていた巨大な
吸血植物。「マンモスフラワー」と呼ばれる。
根で人間の血を吸い、花からは毒花粉を撒く。
登場回を製作するにあたって、スタッフは無謀にも皇居のお堀でゲリラ撮影を敢行しようとしてエラい目に遭った…という逸話が、
都市伝説的に語り継がれている。
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』にも登場。ピンク色の花を咲かせ、リトラと戦う。
『シン・ウルトラマン』では「巨大不明生物第2号 マンモスフラワー」として冒頭のみに登場。
●冷凍怪獣 ペギラ
南極に棲息する怪獣。
口から零下130度の冷凍光線を吐く。
弱点は南極の苔に含まれるペギミンHであり、それを詰めた気象観測用ロケットをくらい、姿を消す。
一年後に南極の温暖化を理由に東京に飛来し、真夏の東京を襲う。
本作終了後、新しく耳を付けられて『ウルトラマン』の
チャンドラーに改造された。
『シン・ウルトラマン』では「巨大不明生物第3号 ペギラ」として冒頭のみに登場。
●大ガメ ガメロン
太郎少年の飼っていた亀が人間大にまで巨大化した姿。
空を飛べるが、
ガメラではない。
●万蛇怪獣 怪竜
蛇なのか竜なのかどっちなんだい
太郎が迷い込んだ不思議な空間で出会った謎の少女、乙姫のボディガードを務める怪獣。
操演人形は特撮映画『
海底軍艦』に登場したマンダをほぼそのまま流用している。
●岩石怪獣 ゴルゴス
富士山の麓の泉から飛び出てきた巨大岩石が怪獣化した存在。
体内に核を持っており、破壊されない限り岩石の体をバラバラにされても復活する。
●モグラ怪獣 モングラー
新開発の栄養剤・ハニーゼリオンを摂取し過ぎたことで巨大化してしまったモグラ。
●大グモ タランチュラ
古ぼけた洋館に住む巨大な
蜘蛛。2匹登場する。
クモ男爵と呼ばれるをクモをこよなく愛していた人物と、その一人娘の化身ではとされている。
●人工生命 M1号
地底超特急「いなづま号」に手違いで乗り込んでしまった人工生命体。
当初はケースに保管された素体の状態であったが、カメラの
フラッシュを浴びたことがきっかけで細胞が急成長し、猿のような姿になった。
ワタシハカモメ、ワタシハカモメ……
『
ウルトラゾーン』では準レギュラー格として活躍した。
『ウルトラマンX』第19話「共に生きる」にも登場。こちらは長い年月のうちに高い知能と
超能力を得ていたようだ。本作のM1号と同一個体であることが示唆され、公式ブログでは同一個体と明言されている。
『ウルトラマンZ』第20話「想い、その先に」にも登場。こちらは巨大化しウルトラ戦士と初の戦闘となった。
●風船怪獣 バルンガ
宇宙を漂い、どんなエネルギーでも
吸収して無限に成長していく怪獣。というか、もはや生物なのか何なのかも分からない。
東京に出現し、都市機能を麻痺させた。
力での排除ができないので歴代ウルトラシリーズの中でも屈指の難敵と言われる事もあるが、
ゲーム『怪獣バスターズ』ではじゃんじゃん狩られていく。
ちなみに、どんな体色をした怪獣だったのかはスタッフの間でも記憶が食い違っており、カラー化の際には想像で彩色をせざるを得ない状況になったと言う。
なお、元ネタは
アメリカのSF短編小説と言われており、そちらではさらに恐ろしいオチになっている。
『ウルトラマンメビウス』に登場した肥大糧食シーピン929は怪獣では無いものの、バルンガをモチーフとしている。
●古代怪鳥 ラルゲユウス
第三氷河期以前に絶滅した鳥の一種。
通常は文鳥くらいの大きさと生態だが、夜になると凶暴化し数十メートル大にまで巨大化する。
1000年近く前の船と共に
タイムスリップして現代に現れた。
当時の資料では「ラルギュウス」だったり「ラルゲリュース」だったりしたが、現在では「ラルゲユウス」に統一された。
『シン・ウルトラマン』では「飛翔
禍威獣 ラルゲユウス」として冒頭のみに登場。
●コイン怪獣 カネゴン
金を集めるのが趣味という少年・加根田金男が手に入れた繭の影響で変身した姿で、金を食べ続けないと左胸のカウンターが0になり餓死してしまう。
元の姿に戻るには、彼と敵対し、「ヒゲ親父」と呼ばれている口うるさい現場監督を逆立ちさせよ、と胡散臭い占い師からお告げを受けたことがきっかけで、友人も巻き込んでの珍道中に発展。
占い師の言っていたことは本当であり、最終的になんとか金男の姿に戻ったが、今度は(日頃から彼の意地汚さを叱っていたはずの)彼の両親が、人の落とした金をネコババしたためカネゴンになっていた。
この回のみ、淳たちレギュラー陣が登場しない。
ウルトラQに登場する怪獣の中でもトップクラスの知名度を誇り、度々再登場したり、リメイクキャラが登場している。
『
レッドマン』では、凶暴な怪獣ではないにも関わらずレッドマンと戦わされる羽目になっていた。
『
ウルトラマンゼアス』ではリメイクキャラ「デジタルカネゴン」として登場し、こちらではカネガネー星の珍獣という設定になっている。
『ウルトラQ dark fantasy』ではリメイクキャラ「カネゴンヌ」が登場した。
『ウルトラマンメビウス』に登場したファントン星人はカネゴンをデザインイメージとしている。
データカードダス『大怪獣バトル』ではレイオニクスとしてまさかの登場を果たした。
CGアニメ『
大怪獣ラッシュ』では商売人キャラクター「カネゴン・ア・キンド」となって武器やアイテムを売っている。
『
ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル ウルトラ怪獣☆ヒーロー大乱戦!』には少しだけであったが登場した。
そして2020年(令和2年)の『ウルトラマンZ』第13話「メダルいただきます!」で、ついにTVシリーズにゲスト出演した。
また2024年の『ウルトラマンアーク』では、キャッシュレス経済に対応した新種「インターネット・カネゴン」が登場。
元々はある女性研究者が作ったAIなのだが、それにカネゴンの名と動画配信者の役割が付与された結果、街の地元電子マネーを投げ銭として喰らい(溜め込み)、街の経済を(「金を使う」概念を持たない)カネゴンへの電子マネー一極集中で物価高に追い込むはた迷惑な怪獣と化し、ついにウルトラマンとの直接対決が実現する事に…。
●隕石怪獣 ガラモン
地球を侵略しようとする遊星人から送り込まれた
ロボット怪獣。激しく暴れ、ダムを破壊する。
再登場では複数出現し、東京を廃墟にする。
怪獣図鑑では身長40m、体重6万tと書かれているものが多いが、再登場したものは個体ごとに大きさが異なるらしく、
東京タワーを倒した個体は明らかに40mでは縮尺が合わない。
そのため、一部の資料では再登場版は身長 40m~100m、体重6万t以上とされている。
『ウルトラマンコスモス』に登場したガモランはガラモンをモチーフとしている。
『ウルトラQ dark fantasy』ではリメイクキャラ「ガラゴン」が登場した。
『セブンガーファイト』では複数体登場。特空機1号
セブンガーとの
プロレス戦闘を繰り広げた他、ピグモンとの共演も果たした。
『
ウルトラマンブレーザー』ではとうとうメイン怪獣として抜擢。防衛隊のロボット怪獣
アースガロン及び57年の月日を経てのウルトラ戦士とのTVシリーズ初戦闘を行った。
●宇宙怪人 セミ人間
ガラモンと共に遊星人から送られた派遣社員。
中性的な容姿の人間に化け行動する。準備稿では中性的な風貌の美輪明宏がイメージキャストとして挙げられていた。
見た目は
キャストオフした初代
バルタン星人。と言うかバルタンがこのセミ人間の改造。
●八分の一人間
人口が増えたことに対処するために小さくなり暮らす人々。だが、
実は……?
●地底怪獣 パゴス
かつて北京にも出現したこともある地底怪獣。
口からは金色の破壊光線を吐き、好物のウランを求めて暴れ回る。
『ウルトラマン』では再登場が予定されていたが、実現はせず新怪獣
ガボラとして生まれ変わった。
『
ウルトラマンマックス』でも再登場の予定があったが、
ネロンガをリファインした「ゲロンガ」に変更された。
『ウルトラマンタイガ』で50年以上の時を経てついに再登場。
ウルトラマンタイタスを負傷させるほどの強敵感をアピールした。
以降『ウルトラマンZ』『
ウルトラマントリガー』『ウルトラマンデッカー』と度々登場。
『シン・ウルトラマン』では「放射性物質捕食禍威獣 パゴス」として冒頭のみに登場。
●誘拐怪人 ケムール人
2020年の世界に住む宇宙人であり、人類のひとつの可能性とも言える存在。
医学の発達によって500歳まで生きるが、肉体は衰えていく。そのために若い地球人を誘拐し、その生命力を取り込もうとする。
タクシーで追跡しても普通に走って逃げ切れる程度には身体能力が高く、この場面はファンの間では有名。
『ウルトラマン』にも少しだけ登場。特に何もせず、ただ立ってただけで消えたので、立体映像という説もあり。
後にスーツを着込み、頭を少々ずらしてゼットン星人になる。
スーツアクターを担当した
古谷敏氏はそのスタイルの良さに惚れた成田享氏の強い要望により
ウルトラマンのスーツアクターを担当する事になる。
デザイン(全身ラバースーツの巨大な宇宙人)としても中の人(古谷敏氏)としてもウルトラマンの前身と言える存在であり、ケムール人がいなければウルトラマンの歴史は大きく変わっていたことだろう。
『ウルトラゾーン』では準レギュラーとして活躍し、同じウルトラQ怪獣のM1号やラゴンとの共演もあった。
『
ウルトラマンギンガ』ではスパークドールズという形とはいえ、初のウルトラ戦士との対決が実現した。
『ウルトラマンX』第9話「われら星雲!」ではラグビーをしたり、宇宙人犯罪組織の一員として登場したりした。ちなみに前者はゼットン星人と共演している。
『
劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』にも少しだけ登場。一行にリメイクキャラのレキューム人や他の宇宙人と纏めてしばき倒された。
そして2020年、『
ウルトラマンZ』第17話「2020年の再挑戦」では……?
●海底原人 ラゴン
かつて地球を支配していたという海底原人。知能は
ゴリラ程度だが、音楽を好む性格。
登場した個体は雌。おそらく爬虫類から派生した生命体であるくせに胸が膨らんでいる。
ウルトラQに登場した怪獣では珍しく、『ウルトラマン』でも雄の巨大な個体がメイン怪獣として再登場。口から光線を発射しウルトラマンと激戦を繰り広げた。
『
ウルトラゾーン』でもレギュラーとして活躍し、『
ウルトラマンギンガ』でも雌が再び活躍の機会を得た。
『ウルトラマンオーブ』では親子で登場、『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』では水の惑星リクエターの住人として登場し、どちらも怪獣に襲われたところをウルトラマンに助けられる存在であった。
『ウルトラマンデッカー』では村で祀られている土地神のような扱いで登場。
●キール星人
地球を狙い、「宇宙エイ ボスタング」を送りこんだ宇宙人。名前のみが語られ、劇中でその姿を現す事は無かった。
その後、『
大怪獣バトルシリーズ』にて大々的にフィーチャーされ、地球人によく似た全身も明らかになっている。
●宇宙エイ ボスタング
キール星人が操る怪獣。その名前の通りエイそっくりの姿をしている。
●ルパーツ星人
キール星人と敵対する宇宙人。地球人には友好的。
●巨人
由利子の友人あや子の婚約者浩二が
巨大化した姿。
巨大モルフォ蝶の毒鱗粉を浴び、喉に猛烈な渇きを覚えて近くにあった沼の水を飲むことによって変身。
記憶や理性を失い、村を襲う。
最終的にはあや子の心の叫びにより正気を取り戻し、一ノ谷博士によって開発された熱原子X線によって人間に戻る。
演者は後に
ウルトラセブンで
バド星人に利用されるミヤベ博士を演じている。
書籍によっては、モルフォ蝶の鱗粉が巨大化した原因としている。
『ウルトラQ』企画時のタイトル『UNBALANCE』としての最初の台本(第1稿)では、骨子は完成作品とほぼ同一だが、クライマックスで巨人となった浩二があや子と会話を交わすシーンの存在、浩二が熱原子X線によって元の姿に戻った直後に絶命するという点が異なる。
特にこれといった着ぐるみを使っているわけでもなく普通に人間が演じており、しかも無事に事件が解決したため死んでもいないが、後に
ベリュドラのパーツになる。
●大ダコ スダール
南海のコンパス島近辺を根城にする巨大なタコ。
島の原住民からは守り神と同時に祟り神としても恐れられている。
東宝特撮映画によく登場する
巨大ダコ怪獣の中ではサイズが最大で100メートルもある。
参考までに『キングコング対ゴジラ』に登場したものが30メートル。圧倒的にサイズに差がある。
●貝獣 ゴーガ
サザエのような貝殻をした
カタツムリのような怪獣。
6000年前にはアランカ帝国を一夜にして滅ぼした伝説も持つかなりの強者。
目からは溶解光線を発射し、貝殻の
ドリルで地底を掘り進んだりとかなりの芸達者。
『シン・ウルトラマン』では「溶解禍威獣 カイゲル」として冒頭のみに登場。
●悪魔ッ子 リリー
魔術師の養女リリーの肉体から分離した精神。
数々の人間を事故死させ、本体のリリーを殺そうとする。
『ウルトラQ dark fantasy』ではリメイクキャラ「リリー」が登場した。
●深海怪獣 ピーター
アリゲトータスという学名を持つ深海に生息するトカゲ。
周囲の気温の高さに応じて体の大きさが変化し、水中では小さいが陸上では人間大にまでなる。
更に火などの高温にさらされた場合、数十メートル大にまで巨大化してしまう。
●四次元怪獣 トドラ
霧に覆われた謎の四次元空間に住むアザラシのような姿の怪獣。
初回放送時は27話が最終話で次話には怪獣が登場しないため、事実上のウルトラQにおける
ラスボスを務めている。
●異次元列車
最終話「あけてくれ!」に登場。
現実に疲れた人々を異次元へといざなう
空飛ぶ列車。
異次元への道中に乗客の思い出の中を走り抜けるが、ぶっちゃけ
死の直前の走馬灯にしか見えないため、それに危機感を覚えた乗客が脱出の意志を示すと普通に降ろしてもらえる。
しかし、ひとたびそうなると、その後如何に過酷な現実に疲弊しようと、二度と異次元列車に乗ることはできなくなる…。
ロマンスカータイプや都電タイプがある。
この話はあまりにも内容が難しいと言う事で初回放送の時には放送が見送られてしまった。
その後、初回再放送時の1967年12月14日に第24話として初めて陽の目を見たため、新24話とも呼ばれている。
現在の再放送やDVD,BDでは27話の後に放送されており最終話として扱われている。
本放送時は7月10日にウルトラマンの放送が繰り上げられることになったが、第1話「ウルトラ作戦第1号」がまだ納品されていない等スケジュールの遅れ(納品されたのは7月17日放送の4日前の13日)から、
急遽「ウルトラマン前夜祭」が放送された。
ちなみに、この話の中で登場した異次元列車の元になった車両はどちらとも引退しているが、都電の方(7514号)は現在も都内に保存されている。
同人誌「NEO FERAS ウルトラQ特集」ではアンバランスゾーンから生還した男を迎えた現実こそが真のアンバランスゾーンであったことからこの話をウルトラQの最終話としている。
また本来「怪獣」ではないはずなのに、なぜかジュランやM1号等を差し置いて『
ウルトラ怪獣擬人化計画』で萌え少女化した。
【余談】
「ウルトラQ」放送後、その好評を受けて円谷プロは「ヒーロー役の怪獣を設定したうえで続編を作ろう」と考えたが、「主人公は怪獣よりヒーロー然とした姿にしよう」という意見が通り、地球人に友好的な宇宙人「
ベムラー」が考案された。
そして、よりヒーローらしい姿を模索して「レッドマン」に変更された後、海外受けも考慮された結果、単純の美しさを追求した銀色の巨人となった。「ウルトラマン」の誕生である。
2004年にはリメイク版の『ウルトラQ dark fantasy』が放送された。内容はオムニバスであり、一部のストーリーは原作の続編になっている。
また、2003~2004年にはラジオドラマ『ウルトラQ倶楽部』が放送。こちらは完全なる続編となっており、それぞれSF作家兼旅行会社顧問(万城目)・レストランバー「ベム」オーナー(一平)・フリーカメラマン(由里子)となった未来の3人が再び怪事件に遭遇する事に。
ちなみに同ラジオ内の設定によると、一平は妻と共に店を営んでいるが、他二人はバツイチだそうな。
そして、『ネオ・ウルトラQ』が2013年に放送されている。
また、これらとは別に、2011年になって長年の間構想が続けられてきたウルトラQのカラー化が実現。
『総天然色ウルトラQ』として発売され、映像の一部は『
新ウルトラマン列伝』でも使用されている。
なお製作初期における『トワイライトゾーン』フォロワー的部分は、後に同社で制作したオムニバスホラーミステリー『恐怖劇場アンバランス』に受け継がれ、『恐怖劇場アンバランス』の「オムニバスホラー」要素は放送された
フジテレビによって、『
世にも奇妙な物語』に受け継がれた。
ウルトラマンが登場しないため、本作品の登場人物はのちのウルトラシリーズに客演することはほとんどなかった(名前が出てくるくらい)が、
『
大決戦!超ウルトラ8兄弟』では怪獣の専門家として、厳密に言えば「Q」本編の人物ではないが、万城目淳がテレビ出演するファンサービスがあった。
これより30分間、あなたの目はあなたの身体を離れ、この項目へと入り追記・修正していくのです。
- 祝・放送開始50周年 -- 名無しさん (2016-01-02 19:35:03)
- 裏番組に手塚治先生のアニメがあったけど撤退に追い込むほど子供人気をかっさらったそうだね -- 名無しさん (2016-01-02 20:42:36)
- パゴスがとってもかっこよくて子供の頃から好き。再登場するチャンスが巡ってこないのが悲しい。 -- 名無しさん (2016-02-22 14:34:15)
- ウルトラQって(時代的にしょうがないかもしれないけど)五郎や三郎みたいな障碍者や社会的弱者への配慮は全然ないのに、モングラー回の伊丹みたいな魔がさしたとはいえ社会に大損害を与えた人物の最後を美談っぽく仕上げてるんだよな。別にこれだけを見てそうとは言い切れないけど、エセ・ヒューマニズムに溢れた時代に作られた作品だってのがよくわかる -- (2016-03-12 20:42:36)
- ↑ 個人的には、カネゴンの回に出てきた子ども達の間に口がきけない子がさも当たり前のように溶け込んでいて、しかもそのことに誰もツッコまないというのは製作スタッフのさりげない優しさだと思う。 -- 名無しさん (2016-03-28 19:18:01)
- ↑3 パゴスはQのオマージュ要素が強いマックス29話で再登場の予定だったが、「虹の卵」の脚本を手がけた山田正弘氏に許可を取ってから出演させようとしたところ山田氏が無くなったために取りやめられたという逸話がある。代わりに登場したのがパゴス(というかバラゴン)を意識したゲロンガ。ゲロンガは元はQの没脚本に登場する予定だった怪獣の名前でもある。 -- 名無しさん (2016-09-18 09:37:39)
- 拳銃の扱いも慣れてるし腕っ節も強く度胸もある万城眼ってただ者じゃないよな -- 名無しさん (2017-02-21 18:23:39)
- 手塚眞(幼少期)「Q面白すぎワロタwwwww」 手塚治虫「週刊ゴジラ(戦慄)もうだめだぁ…おしまいだぁ…」 -- 名無しさん (2017-09-17 12:36:27)
- 一の谷博士は超闘志列伝ではギャグキャラになってたな。ノタニー博士になって -- 名無しさん (2018-01-29 20:35:44)
- よくよく考えるとリトラって怪獣界屈指のポンコツじゃね?溶解液はいたら自分も死ぬとか。 -- 名無しさん (2018-03-11 01:32:12)
- ↑まあ、最後の手段だし……それでも呼吸器官とけるのは改善の余地ありか -- 名無しさん (2018-03-11 01:40:46)
- 同族を守る意味があるのかもね。自身を襲ってくる奴は同族の脅威になりうるからやっちまおう的発想。ミツバチの熱攻撃とかそんな感じ -- 名無しさん (2018-09-03 14:46:45)
- とすると、実はリトラは真社会性昆虫のように一羽の女王リトラが遺伝子の同じ多数の働きリトラの卵を産む生物なのか? -- 名無しさん (2018-09-03 16:18:37)
- 最近テレ玉でやってて、それを頑張って見てたなあ…でも火曜の夜9時であるがゆえに寝落ち寸前になったり野球で度々潰れて毎週放送とは?ってなったのも、いい思い出です。 -- 名無しさん (2018-12-09 16:12:19)
- 「甘い蜜の恐怖」や「鳥を見た」の総天然色版は、一応「空の大怪獣ラドン」を参照すれば色指定は楽だったろうけど、色褪せた感じも出さなきゃいけないからその分手間暇はかかったろうな。 -- 名無しさん (2021-04-02 21:14:36)
- 映画版の併映が「五郎とゴロ―」「1/ -- 名無しさん (2021-04-02 21:19:47)
- (t -- 名無しさん (2021-04-02 21:20:06)
- ↑2「1/8計画」ですね。見ましたよ! -- 名無しさん (2021-04-02 21:42:50)
- バルタン星人が実はセミ人間の改造じゃない説、一時期取り上げられてたけど結局否定されたんじゃなかったっけ? -- 名無しさん (2021-07-12 21:30:36)
- ラゴンとノンマルトが互いの事をどう思っていたのかすごく気になる。ラゴンから見ればノンマルトも新参者の侵略者ということになるのかもしれんし。 -- 名無しさん (2021-08-17 18:37:16)
- 一の谷博士が製作順ワンクールで降板した理由ってそんなチャチな理由だったのか…(てっきり江川さんが体調を崩したとかスケジュール調整がうまくいかなかったとかそんな理由だと思ってた) -- 名無しさん (2021-09-23 16:54:11)
- ウルトラQと初代ウルトラマンは世界観が繋がってるのがはっきりしてるし二つで一つ、という感じかな。ラゴンやケムール人も続役してるし。そう考えると初代ウルトラマンは3クールまでしかないから怪獣の種類は少ないように見えて実は50話以上ものレパートリーがあるのがよく分かる。 -- 名無しさん (2021-12-02 23:50:55)
- ゲーム設定とはいえ、一の谷博士、ウルトラマンが来る前に死亡していたのか.. -- 名無しさん (2022-08-07 14:37:22)
- ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-08-07 14:52:05)
- ログ化しました -- (名無しさん) 2023-02-18 06:30:41
- Wikipediaから丸写しの内容を削除 -- (名無しさん) 2023-03-02 22:47:20
- それにしても博士役の江川さんって僅か15歳でオトナの女性と駆け落ち事件を起こしたり、武勇伝にことかかないんだよなあ。若い頃は相当な美男子だったのね。 -- (名無しさん) 2023-04-03 18:09:25
- dark fantasyの方もどこかで配信して欲しいなぁ。Qの続編名乗るには怪奇路線に寄り過ぎているきらいがあるのは否定しないけど、個々のエピソードは面白いの多いし、あんまり黒歴史扱いはして欲しくないんだよね。セミ女やレキューム人はニュージェネでも普通に登場しているのもあるし。 -- (名無しさん) 2023-10-07 02:56:15
- そういえば、何気にカネゴンってアニヲタwikiでは個別記事が建てられていないんだね。 -- (名無しさん) 2024-07-13 21:32:56
- marvelとウルトラマンがコラボするって言っていきなりウルトラQから交えてくるとは思わなかった -- (名無しさん) 2024-08-14 07:59:35
最終更新:2024年09月08日 01:57