心意システム(アクセル・ワールド)

登録日:2012/05/23(水) 07:29:30
更新日:2019/11/04 Mon 08:42:31
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ネタバレ注意
この項目には『アクセル・ワールド』についての盛大なネタバレが記載されています。閲覧にはご注意下さい。


心意(インカーネイト)システムとは、川原礫著のライトノベル『アクセル・ワールド』及び『ソードアート・オンライン』に登場する、プレイヤーが条件次第で使用できるシステムのことである。


◆概要/Accel World


『アクセル・ワールド』での初出は3巻。ダスク・テイカーによって《飛行アビリティ》を奪われた有田春雪/シルバー・クロウが翼なしでテイカーに対抗するため、倉崎楓子/スカイ・レイカーに教わった。

《Brain Burst 2039》に組み込まれているイメージ制御系*1は本来補助的なものだが、プレイヤーの意識から速く、強く発せられるイメージはプログラムの制限を超え、具現化するというバグ(或いは製作者が意図的に組み込んだ仕様)があり、それを利用して加速世界で設定されている事象を自分の感情や心の力、イメージ等で制御し《事象の上書き(オーバーライド)》する…というのが主なロジック。この心意システムを利用した必殺技は《心意技》と呼ばれる。

多くのバーストリンカーが己の扱う心意技にそれぞれ独自の名前を付けているが、これは名前を付けて使用時には発声することによって、イメージの練りを短縮できるから。

心意技の特徴として、「必殺技ゲージが減らない」「光る」というものがあり、これらによって相手の使った技がシステムに規定された《必殺技》か《心意技》かを区別できる。
前者に関してはシステムに規定された技を使用していないので、ゲージが減らないのは当然。むしろ使い方によっては必殺技ゲージに限らず各種ゲージを増やすことも可能。
後者は《過剰光(オーバーレイ)》と呼ばれ、デュエルアバターと接続されているイメージ制御系を過剰なイマジネーションが通過する際、溢れたイレギュラーな信号をシステムが実体のないエフェクトとして処理することで起きる。
そのため熟練した心意使いが放つ過剰光は僅かしか現れず、逆に練度が低かったり心が乱れて上手くイメージを出力できないときにはより大袈裟に光る。

心意による干渉は規定のアビリティ等で防ぐことは出来ず、心意でしか防ぐことは出来ない。逆に心意による防御を心意以外で突破することも不可能で、例えばライム・ベルの《シトロン・コール》のような通常のアビリティでは心意による抵抗を突破することができない。
練度次第ではゲームバランスを崩しかねないシステムだが、危険な外部ツール等の対処は直ちになされるのに心意はこれまで一切対処がされていないため、ある意味加速技術より謎が多く、最初からBBに用意されたある種の罠だと危険視する人物もいる。

熟練したバーストリンカーであればあるほどその危険性を深く理解しているため、「心意による攻撃は、心意による攻撃を相手が使った時にしか使ってはならない」という誓約にも似た暗黙の了解が存在し、初めて心意を教わるバーストリンカーはその不文律を師から最初に叩き込まれる。
というのも、心意とは結局のところ自分の心の傷との対峙であり、その力を使おうとすれば必ず自身のトラウマに向き合うことになるため、現実ではせいぜいが高校生であるバーストリンカーが何の心構えも無く安易に使えば己の暗黒面に呑まれてしまう。
「こちら側が深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」とはよく言ったもので、純色の七王が心意の開示に後ろ向きなのは単にゲームバランスの崩壊を招きかねないからというだけでなく、こういった事情も存在する。

そして心意システムは「イメージ次第でどんなことでも出来る魔法のシステム」なんて都合のいい代物では決してなく、デュエルアバターによって出来ることと出来ないことが大きく左右される。
一例として《スカーレット・レイン》は「世界を遠ざけたい」という願望から生み出されたため強力な強化外装を持つが、どれほどデュエルアバターが強くなろうと中身の《上月由仁子》はひ弱な女子小学生のままであることを自覚しているので、後述の《攻撃威力拡張》と《装甲強度拡張》に分類される心意は使用できない。本人曰く「絶対的な限界」。


◆正と負

心意は感情によっても区別され、勇気や希望などに根ざす《正の心意》と怒りや憎しみに根ざす《負の心意》がある。それによって過剰光も変化し、正の心意の場合は銀や赤など鮮やかな色に、負の心意だと黒や灰色など暗い色になる。
前者が己の欠点やトラウマを受け入れたり克服しようとする意志から来るものなら、後者はトラウマやそれらに起因する破壊衝動を引き摺り出すことによって力を発揮する。
当然後者の方が心の闇に飲み込まれる危険性も高いが、心意攻撃を行うだけならそのままで攻撃的な負の心意の方が扱いやすいらしい。

心意が向けられる広さと、その正負をXY軸と見ることで、心意技を四つに分類することができ、これらのどれか一つに属する心意技は《心意技の第一段階》と呼ばれ、心意技の中では基本とされる。
第一象限と第四象限はそれぞれ《希望》と《憎悪》の心意と言われている。

  • 第一象限【範囲を対象とする正の心意】
例:スカイ・レイカー《庇護風陣(ウィンド・ヴェール)
空色の旋風が発生し効果範囲内(半径三メートル)を防御する。

  • 第二象限【個人を対象とする正の心意】
例:シルバー・クロウ《光線剣(レーザー・ソード)
手刀から光の剣を伸ばし、手刀の射程を拡張する。

  • 第三象限【個人を対象とする負の心意】
例:ISSキット使用者《ダーク・ブロウ》
どす黒いオーラを纏わせた拳による突き技。

  • 第四象限【範囲を対象とする負の心意】
例:ラスト・ジグソー《錆びる秩序(ラスト・オーダー)
憎悪の心意の究極型である《空間浸蝕》の心意技。周囲のものを全て《劣化》させ、《崩壊》させる。


◆第二段階
前述の4つの基本技術を組み合わせる、もしくはその枠に収まらないイメージを具現化させることでオーバーライドの規模を高めたもの。
第一段階よりも圧倒的に派手で大規模に効果を発揮する。

例:グラファイト・エッジブラック・ロータス奪命撃(ヴォーパル・ストライク)
右の剣から打ち出される紅蓮の槍。ロータスの場合は遠隔特化状態の《モード・レッド》を使用することで更に射程が拡張される。


◆第三段階
第二段階よりも更に大規模でド派手…ではなく、第二段階では広範囲に広げたイマジネーションを、第三段階では極限まで一点に集中させる。
そのため効果範囲は下手すれば第一段階のそれよりも小さいが、《無制限中立フィールド》よりも更に加速倍率が高い《ハイエスト・レベル》からの直接的情報干渉が起き、
「俺がそうなるって言ってんだからそうなるんだよ!」と言わんばかりの強制力で結果が発生する。グラフはこれを《絶対理論》と呼んでいる。

例:グラファイト・エッジ《解明剣(エルシデイター)
刀身を分子レベルにまで薄くして、対象を切断する。先述の通り《ハイエスト・レベル》からの直接干渉であるので、事実上射程無限の一撃必殺技。


◆基本技術

先述した通り心意には大きく分けて4つの基本技術があり、それぞれ
  • 《射程距離拡張》
  • 《移動能力拡張》
  • 《攻撃威力拡張》
  • 《装甲強度拡張》
のいずれかに分類される。


◆心意由来の現象一覧

  • 零化現象(ゼロフィル)
負の心意によりアバターへ出力される信号が全て「0」になり、行動不能に陥る。バーストリンカーが無力感や絶望感に苛まれると起こる現象。

  • 逆流現象(オーバーフロー)
零化現象の上位版。怒りや憎しみ等より攻撃的な負の心意が溢れ、制御不能になること。
基本的には加速世界でアバターが起こす現象だが、稀に負の心意を身につけたバーストリンカーが現実世界でも起こす場合がある。

  • 《オーバードライブ》
零化現象とは逆に闘志を高めることで若干だが能力を高めるコマンド。所謂軽い自己暗示である。現在使用を確認しているのは黒雪姫のみ。どちらかというと心意というより《黒》というカラーの特徴に近いらしい。
「あらゆる色を内包し、光を取り込むから黒く見える」という黒色の特性に関係があるかもしれない。

通称《災禍の鎧》。《七星外装》の一つ《ザ・ディスティニー》と《スター・キャスター》が負の心意によって同化・変質したもの。
詳細は項目参照。

  • 《ISSキット(インカーネイションシステム・スタディキット)》
加速研究会が加速世界にばら蒔いた不正プログラム。
いわば《量産型災禍の鎧》であり、装備すると負の心意由来の強力な心意技を使うことが出来るが、負の感情を食い物にして技を発動しているため使用者の精神に非常に負担をかけ、また場合によっては性格さえ豹変させてしまう。
さらに一定以上負の感情を溜め込むと分裂し拡散するといった非常にやっかいな性質を持つ。使用技は基本的に《ダーク・ブロウ》《ダーク・ショット》のみ。
例外としてシアン・パイルはライトニング・ダーク・スパイクを使ったが、直後にライトニング・シアン・スパイクを使ったので、ダークはシアンをオーバーライドしたものだと思われる。
シアン・パイルの項目でも解説されているが、シルバー・クロウがダーク・スパイクの早さに反応できなかった。

  • 《デュエルアバター》
生成の段階で心にアクセスしているのは勿論、そのままの形を保っているのも心意によるもの。



追記・修正はイマジネーションを具現化させてお願いします。

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最終更新:2019年11月04日 08:42

*1 簡単に言うと、「こうしたい」と思った行動をゲーム中にその通りに出力するためのシステム。クロウの飛行も何も旧時代的なスティック操作ではなく、このイメージ制御系を介することで半ば無意識的に行うことが可能となっている。アニヲタ的にはエヴァやファフナーを操縦するシステムをより直感的に扱えるようにした感じ、と言えば分かりやすいか。