忍者戦国編(パワポケ)

登録日: 2011/08/27 Sat 12:06:59
更新日:2025/10/12 Sun 08:13:04
所要時間:約 5 分で読めます




忍者戦国編とは、パワプロクンポケット5のサクセスモードのひとつ。
裏サクセスの第三弾。

クリア条件や戦闘の要素は前作4と大体同じであり、クリアだけなら「他の2つの勢力を制圧する」だけでも可能。特にチュートリアルとなる水虎を選べばかなり簡単にクリア可能。
そのため難易度自体は低いのだが、非常にこまごまとした独自の仕様*1を理解するとやりごたえ十分な難易度となり、オールAはおろか「パワー255、ミート7、走肩守15、超特殊能力+威圧感」なんて選手も簡単に作れるようになってしまう。
特に最も強い選手を作れる月光は仲間の選択肢が多岐にわたることから、「初日に誰をクビにするか」をはじめとした攻略理論はそれこそ千差万別。2020年代に入り新たな育成理論が知られるようになる*2など、現在でも研究されているタイトルである。

味方は2人までかつ融通がきかなかったせいで一部のイベントでデメリットを被る仲間*3がいた「RPG風ファンタジー編」と異なり、今作では11人まで仲間にできる上に戦闘に出す仲間も自由に選択できる。
特にイベントのない「下忍」というステータスの低い忍者を仲間にすることもできるほか、「クビ」というコマンドがあり、いらなくなった仲間を解雇することもできる。
下忍以外でクビにした仲間は敵に雇われ、戦闘の際に敵ランダムパーティの1~2人目に紛れて襲ってくる。これを倒すとかなりの額の金を入手できる。
手元に置いていても人件費がかかるし、仲間は自由に動かすことができないので、アルバム埋めや一連の連続イベントが終わったりした戦力外の仲間はどんどん切って金にしよう。
ただし基本的に「ステータスが高い者ほど相手にした時に強力」なので注意したい。万全の状態を整えてからクビにすること。

その仕様の複雑さや強い選手を作りやすいこともあって現在でも非常に人気の高い裏サクセスであり、そのうち1両だって無駄にしたくなくなってくる。
そのためやりこんでいくうちにだんだん思考回路が任月みたいになってくる。
「水木ィ!術出し惜しんでじゃねぇよ!やっぱクビチャートのが安定するわ!」
「チッ!なんで下忍が逃げてんだよ!死ね!戦って死んで来い!」
「爆忍の仕事ははじけることだろうが!何自爆する前に死んでんだ!」

あらすじ
時は戦国
大名の娘が南蛮で開発されているという野球人形を見たいと言い出し、使いの者三人が風賀の国に派遣された。
しかしこの三人が二色パンをめぐって喧嘩になり、それぞれ敵対する3つの里に野球人形を持ってくる依頼を届け出る

この3つの里とは水虎火竜月光
その三国は日頃からライバル・敵対関係にあり、さらに独自に野球人形を動かすのに必要な珠を1つ手に入れてしまったものだからさあ大変。
依頼を遂行するためには3つの珠が必要だが、話し合いでどうにかできるような相手ではない。
「こうなったら戦争だ!」

果たしてどの勢力が野球人形を完成し、大名に献上できるのか?
そしてこの風賀の支配者となる者は誰なのか?

▼概要
作品の元ネタは「三國志演義」
勢力はそれぞれ
水虎→呉
火竜→魏
月光→蜀
となっている。
妖怪?知らないな……袁本初とか董卓とか?
前作4と比較すると1〜5までのキャラクターがバランスよく出演している

期間は120日で、それまでに野球人形を動かすための「心・技・体」の3つの珠を集める必要がある
その珠は3つの里が一つずつ所持している。つまり、攻め込んで珠を略奪するしかない。

▼3つの里
水虎
最初から選べる南東部に位置する勢力。
総大将は教頭斎(ポケ1)だが、他の作品と比べると主人公に優しく接してくれる。
水地での戦いに強い忍者が集まっていて、訓練所で日々訓練に明け暮れる。
最終兵器に「極悪戦車」や「南蛮魔人」などの独自のからくりを所持している。

こうした軍事に金を出しているためか、領地からの収入はあまり多くない。

もっともクリアしやすい勢力で、最初から外藤(ポケ1)が仲間になる他、序盤で村上(ポケ1)や根呂(ポケ1)等を雇えるので戦力強化は簡単である。
また、専用の下忍である鉄忍と砲忍も優秀でこちらも雇っておけば楽になる十字手裏剣忍者も雇わせろ
敵の仕様も他2つの勢力と異なり、レベルが低めに設定されている。敵に「十字手裏剣忍者」が出てこないだけでもだいぶ楽。
音楽もかっこよく、パワポケ13でもデジーマの曲(どうも、ペリーです。)としてリメイクされている。
その分収入の低さが祟って強い選手は作りづらいというかほぼ不可能(単純計算で領地収入や十八鬼神戦の報酬が月光の半分で、パーツの値段は据え置きのため)で、慣れてくると資金管理に明け暮れる縛りプレイと化してくる。


火竜
水虎をクリアすると選択できるようになる勢力。
北東部を中心に形成されている勢力で総大将は任月(ポケ2)。息子の駆も火竜に所属していれば会える。
3つの里の中では最も広大な領地を有し、謎の集団「黒羽根党」を傘下に治めている。

南蛮牢という大砲を持ち、世界の危機以外で使うことを禁じられた秘伝の竜を最終兵器に持つ
基本的に領地の統治は圧政で、収入が高めなのは無理に搾り取っているためとされている。
この重税に端を発する一揆イベントなどもあり、「いいか、所詮忍者は消耗品だ。儂ら上忍以外はな。ハハハハハ!」「任月様もあそこまでハッキリ言わなくていいのに……(主人公のセリフである)」という会話が最序盤にあるなど、極悪非道な勢力として描かれている。でも重税って割には月光より安いのはなんで……?*4
駆も「貴重な資金を浪費して変なパーツを買ってくる」「女キャラを強制的にクビにしてくる(愛人にするが逃げられたという設定)」などデメリットイベントが妙に多く、月光と比した際の独自の利点がほぼない。日出子を仲間にできるくらい?
駆は資金源としての活用も可能だが、デメリットがいくらなんでもでかすぎる。

開始時に仲間が誰もおらず、専用の下忍も「あまり役に立たないが回復の術のために仕方なく起用する」速忍と、「他のキャラが逃げるラインになると自爆することだけが取り柄」の爆忍しかいない。せめて火炎忍者が使えれば…
領土内で雇える綾華(ポケ5)は仲間にしてもデメリットイベントが多いためパーツ集めに専念させる場合が多く、威流(ポケ4)は契約金が必要(払わなくても仲間になるが後に離脱する)と事情のある者が多く、序盤の戦力補充に難がある。
……とされてきたのだが、実はここ最近で有名になった育成理論に「森忍と水忍を序盤にレベル16にまで育成し、全体攻撃化した大術の暴力で序盤を戦い抜く。中盤は他勢力でも仲間にできる定番の仲間(小角、愛、ユイ、美咲、畑中、三鷹など)を雇う」というものがある。
この下忍チャートはプレイヤーにとって完全な盲点だった。クリアだけなら火竜もそこそこ簡単なんだもんなぁ……。


月光
水虎を二回クリアするか火竜でクリアすると選べる最後の勢力。
西部の山岳地帯に領地を有する勢力で総大将は野々村(ポケ2)。一人娘の「愛」が跡継ぎとなっている。
風賀三国の中では最も貧しいが、300年以上の伝統を誇る少数精鋭の忍者集団。
この里だけは専用の兵器がないので最後まで残しておいても問題はないが、領地ひとつあたりの収入が最高。
デメリットとなる勢力専用のランダムイベントもほとんどない。ただし頭領に会ってもお金はほとんどもらえない。

しかも少数精鋭と言われているが実際には仲間の層は非常に厚い。演義の蜀そっくりだ!
一日目から上記した愛と水木(ポケ2)と倉刈(ポケ2)が戦力に加わり、近くの村では小山(ポケ4)も追加で仲間にできる。
専用下忍の影忍は火力の高い専用攻撃を持ち、(徴用できる下忍では唯一の)くノ一である月忍も回復の術とかまいたちの術を使えて強力。

ここでプレイしてクリアできればオールAだの球速160kmだのなんてほとんど入口。「いかに節約し、強いパーツを調達して空きを作るか」を緻密に考えていく必要が出てくる。
そして仲間が最初から3人いるということは、取れる選択肢も多いということ。
「水木と倉刈をクビにするか否か」は当時のプレイヤーの間でも喧々諤々の論争であり、現在でも意見が分かれている。
収入の高さと仲間の多さによって安定した攻略が可能であり、慣れてくると月光でしか攻略できなくなってしまう。やっぱ火竜と領地収入設定間違ってないかなぁ……。

この勢力でも下忍チャートは結構有用。特に影忍が水忍のほぼ上位互換(MP管理が必要ない)と至れり尽くせり。


・妖怪軍団
昔から風賀に住み着いている連中で、風賀の国の三分の一の領地を有する。特殊地形用の固有敵も多く、プレイヤーの攻略を悩ませる要素。
四天王(アンヌ野球仮面・曽根村・あの御方)を除いて主に人間じゃない化け物ばっかりのろくでもない奴ら。
個々の妖怪は弱いものの、特定の場所に居る妖怪はいずれも強力で攻略には手こずる場合もある。
特に全領土を統一した後に現れる伝説の十八鬼神は、ラスボスですら弱く感じてしまう程の強さを持っている。最後の「般若邪鬼神」のみ、防衛に成功すると超特殊能力がもらえる。
全国統一を成し遂げてもランダムイベントで妖怪が攻めてくることがあり、特に猛犬軍団イベントは統一後も常にプレイヤーを悩ませる。


切り札としてZガンダーゴーレムを所持しているが、勝っても負けてもそのままストーリーが進むのでほとんど空気。


独自の仕様が非常に多く、特にRTAブームの際に有名になった「愛を2番目にクビにすることで、侵攻時の敵として出てくる敵が愛をかばうようになる」という仕様は追い剥ぎが安定するようになるため重宝されている。
「侵攻が遅れている場合、特定勢力を制圧していない場合、仲間の数が多い場合にのみ起こるイベント」というのも存在する。
上述した兵器(敵勢力が残っている場合にのみ起きる)や曽根村の暗殺イベント、珠子加入イベントなどは効率的な攻略をしているとそもそもフラグが立たない=見ることが絶対にないので、
やりこんだプレイヤーほど見たことのないイベントが出てくるという実に奇妙なゲームである。
さらにパワポケの裏サクセスはスターシステムを採用しているが、この作品のみ少し特殊な立ち位置。4裏から設定上も同一人物となるキャラとしてイル(天本威流)が登場し、綾華は後に7裏で「綾華伯爵」という敵として登場する。
4裏のツツミのイベントで登場した「聖ドリッジオの虐殺」のもうひとつの真相も威流の連続イベントで語られるなど、イベントの作りこみは随一だけに攻略目的だとどんどん見れなくなってしまうのは実に惜しいところ。

発売当時は様々な育成理論をクラスメイトが提唱し、現在でもYoutubeやnoteなどで育成理論を提唱される。
シナリオとしても育成ゲーとしても裏サクセス随一の出来の良さであり、現在でも人気が高い。


言い方が悪いだとか中立性だとかはな、口実に使われるとこれ以上残酷なもんはないで?
人間は群れると、自分の頭で考えへんようになるヤツが多すぎるしな。
おかんアク禁にした連中は、笑っとったわ。ちっぽけな正義感を満たしてな。
なにが・・・追記・修正や・・・クソが。



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最終更新:2025年10月12日 08:13

*1 一部は水虎で教頭斎からチュートリアルしてもらうことができるが、あんな文字だらけの解説で理解できるかというと怪しいところ。しかもあれですべてではないため、かなりやりこんだプレイヤーすら見たことのない『イベント(仕様ではなく)』が『いまだに(2025年)』存在するほど。

*2 元々は他走者RTAを追い抜くために作ったチャートが育成に応用できることが分かったという経緯。

*3 ランダムイベントがマイナスしかないアルベルト、ヒラヤマ、アカサカ、フユノや、「トイの宝」イベントを中断してしまうユイ、ハヅキ、ツツミなど。一部の仲間はお別れイベントで育成リソースと交換できる。

*4 チュートリアルとして設定されている水虎と異なり、火竜は難しいだけで選ぶメリットが皆無である。おそらく制作側の事情で月光を最も高収入の得られる勢力にしようということになったのだろう。