魔法少女隊アルス

登録日:2012/06/12(火) 16:22:05
更新日:2021/01/19 Tue 12:02:36
所要時間:約 6 分で読めます







この物語は、魔法の世界に迷い込んだ一人の少女の物語だ……決して目を反らすな!





魔法って人を幸せにするものじゃないの!?



『魔法少女隊アルス』は、2004年にNHK教育の番組「天才ビットくん」の枠内で放送されたテレビアニメ。1話あたりだいたい10分程度で全40話。

原作 雨宮慶太
制作 STUDIO 4℃

EDテーマ:「DuDiDuWa*lalala」 歌:KOTOKO

概要

ストーリーは魔法少女アニメには珍しいハイ・ファンタジー(異世界ファンタジー物)であり、独自の世界観と設定が特徴。
タイトルに『魔法少女』とはあるものの、ジャンルの定番である魔法の力を与える可愛いマスコットが出てくるわけではなく、変身シーンもない。
大まかな雰囲気はハリー・ポッターシリーズをイメージすればわかりやすいかもしれない。

主人公が異世界の住民との価値観の違いに思い悩む場面があるなど、物語も子供向けにしてはやや重め。
とはいえ主人公が結構フランクでコミカルな掛け合いも多いためそこまで暗くは感じないだろう。
前番組の「ワンダーベビルくん」が教育番組らしいコメディ色が強い作品だっただけに、作風にギャップを感じた視聴者も多いのではないだろうか。(後番組の「おでんくん」でまたコメディ路線に戻ったが)

作画の質は2004年当時の10分アニメとは思えない程に高く、キャラクターデザインや背景、色彩も世界観と良くマッチしている。
アニメージュの2004年4月号の付録DVDには本作のパイロット版映像が収録されており、本編に迫るどころか上回るレベルのクオリティとなっているため一見の価値あり。
この映像はDVD第一巻にも収録されている。

2011年放送のアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』以降、ダークな魔法少女は珍しくなくなったが、当時のアニメ(しかも教育番組枠)としては中々の異色作であり、そのクオリティも含めて当時のアニヲタの一部で話題になった。
この手のショートアニメとしては珍しく、本編の外伝的なOVAが放送後に発売されている。


●ストーリー

ふと、気がつくとアルスは見たこともない森の中におり、妖精のように見える生きものに見つめられていた。
すると空からほうきに乗った魔女が飛んでくる。攻撃を開始する魔女。わけがわからないまま、逃げる妖精とアルス。
その日の朝まで、アルスは5年3組の教室で、つまらない授業を上の空で聞いていた。
父から譲り受けた「魔法使いになれる本」(=真の魔導書)を開いて空想を膨らませる、ただの魔法に憧れる11歳の少女であったはずなのに…。
アルスは妖精もろとも魔女につかまり、妖精捕獲所に押し込められてしまう。
やがて、見習い魔女のシーラとエバがやってくる。人間が魔法の世界にいることに驚くシーラとエバ。
アルスもだんだんとここが本物の魔法の世界だということに気付きはじめる。
そんな中、アルスはつかまっている妖精たちに同情し、事情もわからないのに檻から解き放してしまった。
これは一大事! 魔法界は最大の危機を迎えてしまった。
魔女界のグランドマスターに罰として、大人になれない呪いをかけられたシーラとエバはアルスとともに妖精を一匹残らず捕獲するという使命を帯び、
魔法界に飛び出していく。


【主要人物】


アルス
CV:小島幸子
魔法に憧れる人間の少女。11歳。甘栗が大好き。←これ重要。
おちゃらけた性格で、他人(主にシーラ)を弄っては冷たくされたり呆れられたりしている。でもめげない健気な子。
魔法の伝統を重んじる魔女たちの排他的な世界は、現代人であり「魔法は人を幸せにするもの」と考えるアルスの目にはあまりにも受け入れがたいものだった。
しかし魔女界での生活を続けても魔法への思いは変わらず、魔法で人を傷つけたり、魔法の源である妖精の自由を奪う行為には強く反発する。
物語序盤は今は行方不明の父から貰ったという『真の魔導書』を所有していたが、ある理由で消失する。

序盤の出来事は大体こいつのせい。
魔女界の大危機を引き起こした張本人であるにも関わらず、その解決(というか妖精の自由を奪うというその手段)には否定的。
魔女界が危機を住民に公表できない都合上、監視付きで泳がされている状態である。
彼女の魔法に対する頑なさを許容できるか、または彼女のキャラクターを好きになれるかでこの作品の評価が分かれると言えるかもしれない。

シーラ
CV:桑島法子
A地区の見習い魔女のリーダーで風紀取締役。12歳のオレっ娘。
優等生であり、魔女として大成することを夢見ているためアルスとは何度も衝突する。
仕事柄厳しい発言も多いが、何だかんだで仲間を心配してしまうツンデレ。
物語中盤、魔族界で「世界の真実」を知ってしまった彼女は、世界と仲間の為に一人奔走する。

魔女界の常識を年相応に体現したような人物であり、アルスとは対極的な存在。
アルスに反発してはいるが、共同生活を続ける内に彼女の考えにも一定の理解を示すようになり、終盤では一番の理解者になった。

エバ
CV:広橋涼
見習い魔女。10歳。
魔法の腕は半人前だが、人間であるアルスにも分け隔てなく接する心優しい少女。
料理が得意で、いつでもお嫁に行けるレベル。
あまり語られなかったが、実は良家のお嬢様であり彼女達が生活しているドラゴンハウスは元々彼女のもの。
また、魔法が上手く扱えないことにコンプレックスをもっており、何か壁にブチ当たるとすぐ弱気になってしまう。
そして終盤では……。

魔女界の住民ではあるが、そのコンプレックスから人間のアルスにも好意的という中庸に位置するキャラクター。


◇番外編

本編放送から3年後に番外編『魔法少女隊アルス THE ADVENTURE』が発売されている。
各巻2話収録でアルス巻、シーラ巻、エバ巻の3つが発売中。初回版は3巻セット+収納ボックス付き。
店によってはレンタルもされているので興味があれば観てみると幸せになれる。笑ったり、泣いたり、頑張ったりと忙しい内容。


◇サウンドトラック

音楽の評価も高く、サントラが今でも高値で取引されたりしている。現在新品の入手は難しい。


◆作画

本作の作画は総じて高水準ではあるのだが、一部の回はキャラデザのクセが非常に強く(人によっては作画崩壊レベル)、そこに難色を示す人も多い。終盤に頻発したのも痛い。
ただしこれはアニメーターの個性や昔のアニメのような雰囲気を出すために意図的に行なったもの。言いたいことはあるだろうが、あくまで演出として割り切ろう。


■マジカルスロット魔法少女隊アルス

2011年にはパチスロ化もしている。
メーカーがパチスロでは糞台ばかりの藤商事ということもあり期待はされていなかったが独特のシステムや世界観からコアなファンを獲得した。


●余談

  • また本作では、日本のアニメでは珍しく、アフレコではなく、声優の声を先に収録してから画面作りを行なうアクターズ・レコーディング(アクレコ)を制作手法として取り入れている。
  • 公式のHPが存在し、おしらせや各話の紹介などもあったのだが、現在は無くなっており閲覧できない。 



「アニオタwikiってあると思うかい?」


「うん!項目を作って追記・修正する……」


「どんな項目を作りたい?」


「うんとね……お空の向こう側!」


「じゃあその“思い”を大事にとっておかなきゃな?」


「思い?」


「そう“思う心”だ」


「“思う心”があれば、誰だって項目は作れるんだよ?」


画像出典:魔法少女隊アルス
© 雨宮慶太/魔法少女隊 Project

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最終更新:2021年01月19日 12:02