パリイ

登録日:2010/11/16 Tue 02:34:55
更新日:2025/02/15 Sat 11:31:17
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💡
ピコーン!
ベア「パリイ!」
ユリアン「パリイ!」
ブンッ キィーン!

パリィ/パリイ(parry)とはかわす、受け流すという意味を持つ英単語である。
ボクシングやフェンシングでも使われている言葉だが、フェンシングにおいての正式名称は「パラード」である。
この項目においては主にサガシリーズの「パリイ」を解説する。


💡パリイ、その極意―――

その効果は使い手の素早さと剣の腕前に応じて相手の打撃攻撃を剣でかわし、ダメージを無効にするというもの。
対象は広く、飛び道具とて武器ならば例外ではない。
まさにパリイを伴侶とし、パリイを磨き、パリイに命を賭け、パリイと共に学び、パリイと共に生き、パリイと共に死ぬ、パリイの到るべき境地を示す技である。


💡パリイ、その役割―――

初登場したのはロマンシング サ・ガ2
ゲームスタート直後のパーティーに居るロマサガ2屈指の人気キャラである「帝国重装歩兵のベア」がよく、というかほぼ確実に閃く技である。そのため知らない人・覚えられないという人はまずいないだろう。
陣形インペリアルクロスの最前線で戦い、常にLP-1と隣合わせのベアにとってこの技は自分の命、さらには背後に控える忠を尽くす皇帝レオンとパジャマ皇子を守る強力な手段である。
まさにベアの代名詞であり、ベアと言えばパリイ、パリイと言えばベア、パリイ一人旅プレイするならベアなのである。

こちらの最大HP999に対して被ダメ998までなら掠り傷、戦闘が終了すればHPは全回復する今作において、必然的にパリイは重要な役割を帯びてくる。
序盤はパリイ次第で帝国の歴史が変わるといっても過言でもないかもしれない。

続編のロマンシング サ・ガ3にも登場。
基本的に序盤から使われる技で、初期設定ならユリアンが主に使う。
今作では比較的敵の攻撃からのダメージが良心的になったうえに、他の武器のカウンター技が充実しているので、パリイを使わない剣士が増えてしまった…
それでもその「最初からある技」としての偉大さと格好良さは失われることはない。

…そして以降のシリーズ作品からはパッシブ技や武器固有特性に変化した「ディフレクト」にその座を奪われ、長らくパリイは採用されず「パリイ=ベア」の印象をますます強くしていった。

ようやくにしてパリイが復活したのはソーシャルゲーム「エンペラーズ サガ」であり、実に17年ぶりとなった。
こちらは剣技の「パリィ」とベアの固有奥義「パリイ」が別々に存在してるが、もちろん双方の効果は攻撃回避であった。

そして「インペリアルサガ」にてアクティブ技としてパリイが復活、
さらに「サガ スカーレットグレイス」では長剣技・棍棒技・大剣技のガード技を閃く事で手に入るロール技能としてガード率と狙われやすさをアップさせる「パリィスター」が登場。
ソーシャルゲーム「ロマンシング サガ リ・ユニバース」「インペリアルサガ エクリプス」でもダメージつきの攻撃全てに対応して続投している。確実にガードするため信頼度があり、価値を一気に押し上げた。

こうして形を変えながらもパリイの系譜は脈々と受け継がれているのだ。


💡パリイ、その血脈―――

●ソードバリア:斬属性を100%パリイする術。
●風車(かざぐるま):敵の物理攻撃をパリイしつつ反撃を加える「槍」技。まさにパリイは百芸に通じる証明であろう。
●マタドール:その名の通り、闘牛士の如く敵の攻撃を赤マントでパリイしつつ反撃を加える「小」剣・「細」剣技。まさにパリイは百芸に通ry
●カウンター/ジョルトカウンター:敵の物理攻撃をパリイしつつ反撃を加える「体」術。まry
マルチカウンター:敵の物理攻撃をパリイしつつ反撃を加える「陣形」技。まry

その他にもパリイの眷属は数え切れない。

□似て非なるもの
●ディフレクト:邪道。サガシリーズではほとんどこちらのほうが出張っている。
●パリイ:イビョンホンの写真集。アニオタ的にはパリイされる物。
●レッツ・パーリィ:古の武将が使ったとされる、6本もの刀による斬撃の嵐により敵を無力化する。馬をハーレーの様に扱う技術必須。
●武器ガード:ゲームシリーズが ちがいます
●切り払い:踏み込みが足りん!
●盾ガード:ゼルダの伝説シリーズの一部作品では、盾を構えながら攻撃を受ける瞬間にタイミングよくボタンを押すと攻撃を振り払える。例えナベのフタであろうともガーディアンのビームだって跳ね返せる。


💡パリイ、その真実―――

ここまで書かれたが、実はパリイは特に重要な技でも何でもなく、ただ攻撃をかわすだけの技である。
実際には、他に技を閃いたり極意を覚えたら即封印される程度の技なのである。
攻撃を回避しつつダメージを与えたり(カウンター技)、自動で発動したり別の味方を守ったり(ディフレクト)、果ては武器を奪い取る(無刀取り)という上位互換や、殺られる前に殺れる全体攻撃(上位の技や術)が存在する中、
貴重になる1ターンを潰して、態々物理攻撃だけかわすだけの技を入れるようなプレイヤーは残念ながらそうそういない。制限プレイでも脚色を当てるのは難しい所である。
しかし、この技に感銘を受けたファンは閃いた瞬間、成功した瞬間は充実した時を過ごすことが出来ているはずである…

ちなみに上記で散々ネタにされているベアとインペリアルクロスだが、実はこのパリイとの相性が最悪に等しく、後半まで通用させるのは無謀である。
まずパリイの発動率は素早さと斬技能Lvに依存しているのだが、ベアは素早さが高くなく、無理して補うより扱いの難しい重装備で固めたほうがいい傾向のキャラクターである。
最悪でも発動率は「40%」と結構保障されているのだが、より素早さに優れたキャラ、身軽さを損なわない装備、素早さ補正に優れた陣形が増えてくると、その条件下で他のキャラに回避技を使わせた方が効果的になり、工夫すれば倍ぐらい上がったり、確定で回避できる。
「妖精光」という合成術で素早さを大幅に上げれば、発動可能な攻撃は「ベアでも」まず対応できる。

また、インペリアルクロスは前衛のキャラに防御ボーナスがかかる特性があるものの、それは行動後に発動する上に、素早さダウンまでついてくるせいで、まず陣形の恩恵を全く得られない。
一応ベアがパリイを発動させ損なった時でも、本人のHPの高さや初期装備のお陰で序盤の内ならフォロー出来るが、わざわざ不利な状況や伝統に燃える人以外ではこだわる必要はない。
どうせなら、素早さアップでパリイの成功率を上昇させられるインペリアルアローでやろう。
また、こんだけがんばってもパリイしづらい物理攻撃(有名な「触手」「巻き付き」)や、対応できない術やブレス攻撃(言わずもがな終盤は増える)なんかもあるので、やはり序盤の生命線として有難んで使ってこそ華である。
ちなみにロマサガ3では極意を取る前に削除してしまうと、後でうっかり閃いてしまうので面倒でもさっさと極意を取った方がいい。


💡パリイ、その変貌―――

ロマサガ2のリメイクである「リベンジオブザセブン」では帝国重装歩兵やインペリアルクロスとともにパリイの性能が向上した。
パリイの成功率が『40%かつ使用者の素早さに比例して成功率アップ』から『使用者の素早さに関係なく常に80%』に仕様が変更されたことで、素早さが低い上にインペリアルクロスで前衛に立つと更に素早さが下がってしまう帝国重装歩兵にとっては正しく追い風となった。
投射攻撃やカマイタチでさえ「効かんな!」と無力化できるようになり、ウオッチマン戦やクジンシー戦でその有難味を実感できる。
特に難易度「オリジナル*1」以上では敵の攻撃が激しい中、それを先頭でパリイで弾く頼もしいベアの姿が親しまれるようになった。
少し話は逸れるが、システムの変更から帝国重装歩兵の耐久力が大きく上がっている*2ため、仮にパリイに失敗したとしても踏ん張ってくれることが多く、原作から一転してこちらの意味でも頼もしい。

また、各地の制圧を進めると各クラスに固有のアビリティが追加されるようになる(条件解放から30戦勝利することで追加)。
このアビリティのおかげでオリジナル版より遥かに使い勝手が向上したクラスは多いが、ベア族こと帝国重装歩兵もその一つで、アビリティはなんと「オートパリイ」。
発動率は40%固定だが、剣装備時なら攻撃に加わりつつもパリイできるようになるのだ。
もっと正確に言うと、戦闘開始時に剣さえ装備していれば(大剣・小剣・風の術『風神剣』による剣装備は不可)別の武器や術で攻撃していても発動してくれる。
実はファイナルストライクで装備中の剣を壊しちゃってもその戦闘中はオートパリイしてくれたりする。
しかも盾とも重複するので片手武器や術なら盤石、両手武器にしても盾が発動できない分の守りの弱さをある程度補える形になる。
明らかにベアとパリイのネタを意識しているが、非常に有用なためネタの範疇を完全に超えている。

さらにさらに、パリイの発動対象も原作から増えており、その中にはあのワグナスの必殺技であるサイコバインドも含まれている。
しかもラストバトル最大の脅威である7連携の一番手としてもサイコバインドが飛んでくるので、なんと最終決戦においてもパリイに価値が生まれることになった。

かくして、全体的に「一撃で倒されはしないが、被弾した際のダメージを抑えるのも難しい」というリメイク版では強敵攻略の要となった。



💡その他のパリィ

「受け止める防御」とは別の「弾き飛ばす防御」が存在するゲームは数多くある。
アクションならタイミングを合わせないといけない、RPGなら確率で発動するなど扱いにくい代わりにダメージを完全に無効にできる、敵を隙だらけにできるなどの特性を持つハイリスク・ハイリターンのアクションとして扱われることが多い。
特にハイスピードなシステムだと受け止める防御が存在せずカウンターや回避のみで攻撃を凌ぐゲームも見られる。

類似システムで「タイミングを合わせて回避アクションを取ると敵を隙だらけにできる」などの特性を持つ「ジャスト回避」などと呼ばれるシステムも見られる。

  • パリィ(ソウル系)
Demon's Soulsなどソウルシリーズ(フロムソフトウェア)の戦闘システムのひとつで、敵の攻撃を盾などで振り払うことで弾く。
上手く決めて敵を崩すことで致命の一撃を入れられる。ドンッ!
最近でパリイというとロマサガよりこちらの方が思い浮かぶという人も多いだろう。

基本的には中盾や小盾で行うが、素手や拳武器や爪武器、曲剣や刺剣、パリングダガーといった一部の武器でもできる。
相手の攻撃に合わせてボタン入力で発動…と説明では簡単そうだが、パリイの成功タイミングには若干の癖があり慣れがかなりいる。
盾パリィはパリイ失敗時にもガード判定が残っているためリスクが低く、また中盾より小盾の方が性能が高い。
武器パリィは攻撃できるサブウェポンとして使えるが失敗時のリスクが高い。
盾や軽い拳武器を祝福派生などで強化しておくことでリジェネ用のお守りとしても使えるだろう。
一部の盾にはスペルパリイという魔法などの飛び道具を返すパリイもある。ろくに相手の方に飛ばなかったり、かき消して魔法弾を生成したりと性能はシリーズによってマチマチ。

攻略においてはパリイを使いこなせれば一気に楽になる敵も多く、特に初代ダークソウルのラスボス薪の王グウィンはガチで戦うとかなりの強敵だがパリイで戦うと驚くほど簡単になることで有名。
対人戦においても重要なテクニックであり、決まれば相手に即死級の攻撃を叩き込めるが迂闊なパリイはバクスタの餌食になる。
また特大武器の両手持ちやジャンプ攻撃、ムチやフレイルなどパリイ不可な攻撃もあり非常に奥深い。
パリイを成功させた後も炎の槌追撃や薬包致命など、致命の一撃の火力を増すテクニックも存在する。一瞬のうちに操作することが多いので難度は高めだが。

DARK SOULS IIでは他のソウルシリーズと仕様が異なる部分が多く、パリイが成功すると相手は尻もちをつくので他と比べると大きな隙を作りやすい。
致命モーションも独自のものが採用されている。
また、特大剣や大槌などでもパリイができるなど変わった特徴も。

ELDEN RINGにおいては基本的に同じだが、より性能の高いパリィが戦技として登場している。
●バックラーパリィ:バックラー固有戦技。独自モーションで硬直が他より短い
●嵐の壁:矢やバリスタ等の飛び道具を逸らす。パリィ性能自体は小盾パリィと同等。使用時FP消費
●カーリアの返報(戦技):魔術をかき消して自身の輝剣に変換する、いわゆるスペルパリィで反射時のみFP消費。普通にパリィとして使っても小盾以上の高性能
●トープスの力場(戦技):魔術や祈祷などを逸らす。FP消費はなし。性能自体は中盾よりは優秀
●黄金パリィ:パリィ判定が広めで距離が若干遠くてもパリィしやすい。性能自体もカーリアの返報と同等だが空振りでもFP消費

Bloodborneにおいては相手の攻撃に合わせ銃を撃ち込むことで体勢を崩し内蔵攻撃を入れることができる。
他のソウルシリーズに合わせ銃パリイと呼ばれることが多いが、実は公式の名称ではない。そもそもパリイ(受け流し)じゃないし。
銃を撃ち込むという性質上やや離れた位置からも成立し、弾数の概念もあるので他のソウルシリーズをは結構性質が異なる。

SEKIRO:SHADOWS DIE TWICEは「弾き」をメインにしたゲームである。
受け流すという点では他のシリーズのパリイと同じだが性質としてはかなり別物で、こちらはいわゆるジャストガードでありリズムよく連続で入力する。


小説家になろう」で連載されているノベル。
アニメ化もなされ、2024年夏に放映された。
この作品のパリイは剣で相手の攻撃を弾くと言う基礎的なスキルだが、鍛え続けた主人公のパリイはあらゆる攻撃を弾いて防ぐと言う設定。


「追記修正」

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ピコーン!

「パリイ」

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最終更新:2025年02月15日 11:31

*1 「オリジナルを経験した人向け」という内容で、難易度はいわゆるハードである。

*2 体力が最終的な物理防御力に影響するようになっている