登録日:2010/10/12(火) 20:30:20
更新日:2024/11/10 Sun 10:18:41
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2004年7月にアトラスからPS2で発売されたゲーム。ジャンルはRPG。
位置付けとしては真・女神転生シリーズの一つだが、タイトルから「女神転生」を廃し、デジタル・デビル・ストーリーから改め
デジタル・デビル・サーガという完全新作を謳った、ライトユーザー向け(但し難易度は高め)に作られている。
略称は『DDSAT』。稀に『DDS』が略称として用いられることがあるが、「ストーリー」と被るので大変紛らわしい。
戦闘システムは
真・女神転生Ⅲと同じくプレスターンバトル。
悪魔召喚の仕組みは無く、パーティメンバーが悪魔に変身(後述)して戦う。
本作は所謂前編であり、2005年1月に発売された続編『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2』と合わせて1つのストーリーとなっている。
下記の主要悪魔を見ればわかる通り、これまでの女神転生ではあまりスポットが当たらなかったインド神話や仏教になぞらえた要素が多い。
シナリオは1と2合わせてもかなり短く、実質ダンジョンの長さとムービーで尺を稼いでいる作り。時期の近い真・女神転生Ⅲとファーストダンジョン同士を比較するとよくわかる。1の伏線を2で回収する様は唸る所もあるのにダンジョンの長さが台無しにしている。
ちなみに、ダンジョンの長さに隠れがちだが、1にしても2にしてもシナリオの経過時間は凄く短く、特に2は「夕方から次の日の朝まで」と、たった数時間の話である。ダンジョンの長さと濃密な内容で見過ごされがちだが、弾丸どころのシナリオでない。
2011年にはシナリオ原案を担当した五代ゆうによる、原案をベースにした小説「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナー」が発売された。
ストーリー的にはキャラ名や最低限の設定のみ共有したパラレル作品で、特にゲーム版とは「過去」を描いた3巻部分でキャラ名などが大幅に異なるが、シナリオの時間経過は前半・後半それぞれで数週間程とゲームより長くなっている。
【システム】
本作の戦闘システム。
敵味方の共通ルールとして、有利な行動をとると行動回数が増えるが、逆に不利な行動をとると減る。
敵が雑魚でも適当に行動するとすぐ死ぬので戦略を立てる必要がある。
主人公達が装備して使用する技。
- HPを消費して攻撃する物理スキル
- MPを消費して攻撃、回復、補助をする魔法スキル
- MPを消費してバリアを張るウェイトスキル
- 装備しているだけで効果がある自動効果スキル
の4種類に区分される。
初期は4つしか装備できないが、レベルを上げると最大8つまで装備可能。
スキルを獲得するのに必要な物。
設置されているカルマ端末(セーブポイント)で装備可能。
装備してもすぐにスキルは使用出来ず、敵を倒す事で手に入るAPを貯めなければならない。
一度覚えたスキルは失われない。
戦闘中に仲間同士が特定のスキルを装備していると使用できる連携技。
使用すると、行動に参加した人数分行動を消費する。
【あらすじ】
謎の物体ツボミを巡りトライブ、エンブリオンとアサインメンツは交戦していた。
彼らはツボミから放たれた光球によって悪魔に変身出来るようになり、トライブ同士の抗争は激しくなっていく。
【用語】
本作の舞台。水銀色の雨が休みなく降り注ぎ、瓦礫と錆で覆われた都市。
カルマ教会の治める「サハスララ」を中心に、各トライブが根城とする「ムラダーラ」「スワディスターナ」「マニプラ」「アナハタ」「ヴィシュダ」「アジュニャー」の地区で構成され、
街外には過去の建築物の残骸に覆われた荒野が果てしなく続いている。
機械的に争い続ける戦闘集団。
「エンブリオン」「アサインメンツ」「メリーベル」「ソリッド」「ハウンズ」「ブルーティッシュ」の六大トライブの他小規模なトライブが散在し、
その中で唯一生き残ったトライブが楽園ニルヴァーナに行く資格を得られる。
ジャンクヤードの支配と抗争の審判をする組織。
黒髪の娘を連れた勝者がニルヴァーナに行ける掟を出す。
ツボミに感染された者が獲得する、悪魔への変身能力。
一人一人違う印があり強力な能力を得られるが、代償として感情の発生と抑えられない飢えが待っている。
この力を得た者をアバタールチューナーまたは、喰人(くらうど)とも。
【登場人物】
本作の主人公。トライブ「エンブリオン」のリーダー。
寡黙だが的確な判断力の持ち主で、随所で重要な決断を下す事でエンブリオンを導いてきた。
物静か一見クールそうだが実際には意外とお人よしの一面も。
ウォータークラウン(水の冠)のアートマ印を持ち、変身後の姿は仕込みブレードを持つヴァルナ。氷結に強く、火炎に弱い。
エンブリオンの攻撃の要。
覚醒以前から好戦的な気性を覗かせていたが、覚醒後は常にギラギラした殺気と闘争心を隠そうともしなくなる。
サーフの事もライバル視し何かと突っかかる一方で、仲間に対する想いは強い。
ファイアーボール(火の玉)のアートマ印を持ち、変身後の姿は双頭を持つパンドンアグニ。火炎に強く、氷結に弱い。
エンブリオンのスナイパー。
覚醒後は慈愛に満ちた性格となり、人を食らわねば生きられない現状を憂い元の身体に戻る事を強く望むようになる。
その関係上、好戦的なヒートやリアリストなゲイルとは衝突する事が多い。
サイズミックウェーブ(地震波)のアートマ印を持ち、変身後の姿は腕を鞭のように伸ばせるプリティヴィー。地変に強く、衝撃に弱い。
エンブリオンの参謀。
冷徹かつ機械的に物事を割り切り、当初は芽生えたばかりの感情に振り回される仲間達の姿を一歩離れて見ていた。
しかし覚醒後は一転して誇りを強く重んじる性格となり、感情を表に出す事も多くなった。
ツイスター(竜巻)のアートマ印を持ち、変身後の姿は足から刃を出すヴァーユ。衝撃に強く、電撃に弱い。
サーフが無口系主人公なことや攻略におけるスペックの高さ、ゲーム・小説版ともに後半でかなり目立つ活躍シーンがあることから一部では優遇されてると言われているとか
エンブリオンの主要メンバー。
覚醒後は明るいムードメーカーとなり、サーフを兄貴と呼んで慕う。
ゲイルとは相性が悪そうに見えるが、実際は意外とそうでもなく二人で組んで行動する事も多い。
レインボーアーチ(虹)のアートマ印を持ち、変身後の姿は翼を持ち、飛行が可能なディアウス。電撃に強く、バッドステータスに弱い。
本作のヒロイン。サーフ達に保護された記憶喪失の黒髪の少女。
悪魔化を防ぐ歌を歌う。
トライブ「アサインメンツ」のリーダー。
縄張りが隣接するエンブリオンとは長い間抗争を続けていたが、覚醒後は「生きたまま喰われる」事に怯える臆病な性格となる。
…まあ、悪魔化が蔓延し出した直後で、何も状況が分かっていなかったため仕方のない所もあるのだが。
バーニングステーク(燃える杭)のアートマ印を持ち、変身後の姿は一角のシマウマのような姿をしたハヤグリーヴァ。
最初のボスだけに技数は少なく行動も単調。実質プレスターンバトルのチュートリアル的存在である。
トライブ「メリーベル」のリーダー。
六大トライブ中唯一の女性のリーダーで、覚醒以前から仲間の犠牲と無用な殺生を嫌う理性的かつ穏健な人物。
対ソリッドに向けたサーフたちとの共同戦線の申し込みを受け入れるが…?
尻に刻まれている事をよくネタにされるアウローラ(極光)のアートマ印を持ち、変身後の姿は頭部から長い触手を伸ばしたウシャス。
お供にユニコーンを2頭召喚し、放置しておくと強力な破魔攻撃「セラフィックロア」を発動して来る。
メリーベルのナンバー2。
凄腕のナイフ使いであり、ジナーナとは対照的に狡猾で気性が荒い性格。
エンブリオンとの共闘には賛成出来ず、しかしナンバー2である自分よりエンブリオンを信用したジナーナを憎み、それが彼を凶行に走らせることに。
ソニックウェーブ(超音波)のアートマ印を持ち、変身後の姿はコウモリのような姿をしたカマソッソ。
ゲーム中では3回戦い、そのたびに使用スキルが増えて手ごわくなって行く。
トライブ「ソリッド」のリーダー。
ヒートが「肉達磨」「ミートボール」と罵るほどの肥満体の巨漢で、覚醒以前から用心深く堅実さを重んじる性格であったが、覚醒後はそれに加えて狡猾さと卑劣さがむき出しになった。
しかしそれでも部下はノリ良く彼の卑怯な作戦に従うので、意外と求心力はあるのかも知れない。
ソーラーイクリプス(日食)のアートマ印を持ち、変身後の姿は頭部と胴体を分離する事の出来るラーフ。
戦闘中も分離して攻撃し、頭は味方を捕えて体力を吸収し、胴体は地変スキルを使用する。
トライブ「ハウンズ」のリーダー。
団結力が強い事で知られるハウンズを束ねるだけあって、彼自身も冷静かつ思慮深い気質であり、覚醒後は誇り高くある事を尊ぶようになる。
ブルーティッシュにハウンズを壊滅させられた後、打倒バロン・オメガと自身の首を条件にエンブリオンに共闘を持ちかける。
ラヴァフロー(灼熱の氾濫)のアートマ印を持ち、変身後の姿は三つの首を持つケルベロス。
他シリーズにもケルベロスという名前の悪魔は登場するが、本作のそれはサメをモチーフとしたオリジナルのデザインである。
頭三つだけに3回行動が可能で、強力な火炎スキルと物理攻撃を繰り出す。
トライブ「ブルーティッシュ」のリーダー。
ジャンクヤード最大勢力であるブルーティッシュを率い、傲慢かつ冷酷な軍人気質の持ち主。
覚醒後はサーフとセラへの激しい憎悪と殺意を抱き、ジャンクヤードの覇権よりむしろ彼らの抹殺を望むようになる。
また同時に何故か部下や周囲の者たちに自分をバロン・オメガではなく「ベック大佐」と呼べと迫り、さらに自分達は一度死んだ人間なのだと語るようになるが、その真意は…?
タービュランス(乱気流)のアートマ印を持ち、変身後の姿は透明化能力を持つラーヴァナ。
体力を一度0にするとイベントを挟んだ後第2形態となり、衝撃スキルやこちらを飢餓状態にしてくる「渇きの波動」を使用するように。
第2形態が何処となく某AAキャラに似ている事から、「モナー大佐」「八頭身大佐」とネタにされている。
カルマ教会でトライブに命令している謎の人物。
ジャンクヤードに悪魔化ウィルスをばら撒いた張本人であり、自身も「メイルシュトローム(大渦巻)」のアートマ印を持つ。
変身後の姿ハリ・ハラは魔法攻撃に特化したヴィシュヌと物理攻撃に特化したシヴァの二形態を持ち、さらに物理・氷結・火炎・電撃・衝撃・地変の六属性を操る事が出来る、まさに本作のラスボスに相応しい能力を持つ。
彼女、あるいは彼の正体は『2』で明かされる事となる。
- 作品よりも隠しボスの方が有名かもしれない、何せRPG最強ボスに挙げられるくらいだし -- 名無しさん (2013-11-22 04:43:04)
- エンディングの最後に浮かぶ“Shanti Shanti”の文字が消えた後の気分は表現しにくい。 -- 名無しさん (2014-08-19 21:03:54)
- ↑ 「真・女神転生」のニュートラルENDみたいに茫漠としてるよな。 地上に残ってたところでアートマの本能にとらわれて残った人間を喰らうことでしか生きていけないから仕方ないにしても、データから生まれて最後まで戦い抜いたエンブリオン達が居なくなったという実感をユーザーが痛切に感じる終わり方。 -- 名無しさん (2014-12-18 01:22:20)
- リメイク出ないかなぁ…もしリメイクなんてことがあったら、支払わないといけないAPは下げて欲しい -- 名無しさん (2014-12-18 01:31:07)
- 原案小説ではセラが正統派ヒロインをやってて好感度大幅アップした -- 名無しさん (2014-12-18 02:55:04)
- 小説も出てることだし、ペルソナみたく映像化してくれないかと今でも期待しています -- 名無しさん (2018-01-05 17:21:13)
- 小説版は謎解きに当たる3巻が一番読みにくいのがしんどかった…でもラストのカタルシスが半端ないのでアニメでもリメイクでもいいからまた会いたい作品 -- 名無しさん (2020-06-05 21:25:17)
- リメイクなんて贅沢言わないから、HD版出してほしい -- 名無しさん (2022-02-06 21:10:42)
- ゲイルのような頭脳派キャラが主人公サイドに居ると滅茶苦茶便利に話が進むので、実質主人公になってしまうのも致し方ない気もしなくはない -- 名無しさん (2022-02-08 23:18:16)
- ↑しかもゲイルの元ネタの人、非業の死を遂げなかったらそもそもこの災厄が回避できた可能性すらあったからな。 -- 名無しさん (2022-06-28 18:58:33)
最終更新:2024年11月10日 10:18