サラ(牙-KIBA-)

登録日:2013/06/26 Wed 00:31:41
更新日:2023/02/11 Sat 06:22:29
所要時間:約 5 分で読めます





あの力を…もう一度この手に…



牙-KIBA-」の登場人物。
CV: 井上喜久子

主人公ゼッドの実母。17s……42歳。
長い黒髪とゼッドと同じ浅黒い褐色の肌を持つ女性。

本編第一話から登場したが、なんらかの理由で精神を病み半ば廃人と化しており、カームの病院の病室で水槽のクラゲを呆然と見つめ生活していた。(ノアの回想からゼッドの幼少期にはすでにこの状態であったと思われる)

毎日のように見舞いに来るゼッドにも反応を示すことは無く日々を過ごしていたが、ある日ゼッドがノアから贈られた御守りを見せた際それに付いていたハヤブサの羽に反応し急速な回復を見せ、その直後にゼッドを襲ったタスク人をシャードの力で返り討ちにする。


その後しばらく姿を見せることは無かったがシーカーズの一員となっており、中盤のジーモット進攻の前後にネオトピアで暗躍。
戦争のドサクサに紛れて発掘中のモナディを、ゼッドが倒したヒューの亡骸からプロニモをそれぞれ盗み出しサギリを誘拐。

そしてシーカーズから抜け出したサギリを追い今度は単身テンプラーを襲撃、ゼッドと再会を果たすが……



ゼッド……私のゼッド…愛しいゼッド

私はお前を愛し


お前を憎む






以下、ネタバレ


サラは元々カームに住むごく普通の女性だった。

しかしあるときカームの調査にやってきたシーカーズの男と出会う。
その男はタスク人に襲われ負傷しており、サラは男を介抱し二人は子を成した。その子供がゼッドである。
だが男は傷が元でサラと彼女のお腹にいたゼッドを残し死亡してしまう。


時を同じくして戦乱を治める為の力としてアミル・ガウルの適合者を探していたジーコはアミル・ガウルが示した映像からサラが適合者であると判断。
ジーコはサラをテンプラーへと誘拐しアミル・ガウルを与え彼女を「救世主」とするべく過酷な戦闘訓練を施した。
確認しておくがこの時サラは妊婦である。

しかしサラはアミル・ガウルを召喚することが出来ず、ある夜起こったジーモット進攻の最中ジーモット兵に追い詰められる。
この時初めてアミル・ガウルが出現。その圧倒的な力でサラを守るがそのまま彼女の手を離れ何処かへ飛び去ってしまう。

この一連のアミル・ガウルの行動は適合者がサラではなく彼女が宿していたゼッドであったことに起因しており、彼女が一時的とはいえアミル・ガウルを手に出来たのもゼッドの存在によるところが大きかったと思われる。
そんなこととは知らぬジーコはサラが適合者ではなかったとして半ば強引にカームへ送り返してしまう。
……勝手に誘拐しといてあっさりポイするとはジーコ様マジ外道。


カームへと送り返されゼッドを出産したサラだったが、一度は手にし魅了されたアミル・ガウルの力を失ったことで精神を病んでしまい記憶を失い前述のような廃人となってしまう。
そして十数年後ゼッドの御守りの羽を見たことでアミル・ガウルのことを思い出し、ゼッドの下に現れたアミル・ガウルを手に入れようと決意。
その為に他のキースピリットを集めようとシーカーズの一員となった。



○人物
元は普通の女性であったが力への執着と過去の経験から極めて冷酷な性格となっている。
アミル・ガウルに対する執着は凄まじく、アミル・ガウルを手に入れる為ならサギリのような子供や一般人、果ては実の息子であるゼッドすら殺そうとするほど。

ジーコから施された戦闘訓練の賜物か戦闘力は高くおもに炎のスペルシャードを使用。
限定的とはいえキー・スピリットを扱える程の技量を持ち、それ以外にも首の後ろの紋様から触手を出し他者の生命力を吸い取る技等も身に着けている。
一方でアミル・ガウルを一度体内に取り込んだことや他のキー・スピリットを無理に扱ったことが肉体にはかなりの負担をかけており徐々に衰弱し始めている。




テンプラーでゼッドと再会した際には本気で攻撃しアミル・ガウルを奪おうとしたがサギリやタスクの横槍で失敗。
その上ジームにプロニモとモナディを奪われてしまい逃亡を余儀なくされる。


そして物語も佳境を迎えた第49話、タスクの地でサラはゼッドの前に再び現れる。
既に肉体は衰弱しきっていたサラだったが今までのことが嘘のようにゼッドの成長を喜び母親としての言葉をかける。困惑しつつもゼッドは手料理を振舞いたいという母に付いていくのだが……




アミル・ガウルは私のもの……私の大切な…もの…



ゼッドが目撃したのはスープの鍋に怪しげな薬を入れ不気味に笑うサラの姿だった。

既に精神まで壊れたサラはゼッドが見ていたことにも気付かずそのスープを出す。
ちなみにこのスープ、見るからに体に悪そうな黒味がかった紫色である。

ゼッドは器を払いのけ「次にアミル・ガウルを体に入れたら死ぬんだぞ!」と怒鳴りつける。

しかしサラは「アミル・ガウルを手に出来るなら命などいらない」と言い放ちゼッドにアミル・ガウルを渡すよう懇願しすがり付く。
その様を見たゼッドは心が折れてしまい遂にアミル・ガウルを渡してしまう。


念願のアミル・ガウルを手にしたサラはそのシャードを体内に取り込み恍惚の表情を浮かべ、直後に現れたジーコのファイロンを召喚したアミル・ガウルの力で一方的に撃破してしまう。
だが心身ともに衰弱し本来適合者でも無い彼女がアミル・ガウルの負担に耐えられるわけもなく、拒絶反応による発作に襲われる。

薄れゆく意識の中、サラはアミル・ガウルが見せた映像によって自分がアミル・ガウルという力を求めた本当の理由が最愛の我が子を、ゼッドを守る為だったことを思い出し力への妄執から解放される。


そして事切れる直前、ロイアにアミル・ガウルのシャードと「私の大切なゼッド…ありがとう」という言葉を託し安らかな表情で亡くなった。

守りたいものの為に力を欲し、その力の為に守りたいものを傷つけてしまった悲しい女性の人生はこうして幕を閉じたのであった。



  • 話題
最期こそ救われたが、誘拐され用済になれば捨てられ、心を病み愛する息子を本気で殺そうとするなど、朝アニメとは思えないほどドロドロした展開と狂気を見せたキャラとなった。
そのため異常にハードな展開が多い本作でも屈指の被害者と言われる。
特にタスクでのシーンは中の人の演技も相まってかなり不気味。

またサラの過去を知ったゼッドは母を戦いに引き込んだジーコに対し少なからず憤りを感じるようになっており、最終決戦でタスカーの支配から脱するきっかけとなっている。



追記・修正はアミル・ガウルを手に入れてからお願いします。

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最終更新:2023年02月11日 06:22