登録日:2012/06/30 Sat 23:49:09
更新日:2024/12/24 Tue 20:22:02
所要時間:約 5 分で読めます
ホーンテッドマンションとは、世界各国のディズニーパークに存在するアトラクション、及びこれを題材にした映画である。
なおこの項目では、主に
東京ディズニーランドにおけるアトラクションとしてのホーンテッドマンションについて記述するが、東京以外のパークにある同名ないし類似のアトラクションや、関連する作品についても触れることとする。
所在地と外観
東京ディズニーランドではテーマランドの一つ、ファンタジーランドの最奥部にある。なお、このアトラクションのすぐ横にの道は別のテーマランドであるクリッターカントリーに続いている。
全体的にカラフルで明るい雰囲気のファンタジーランドだが、ホーンテッドマンションのレンガ造りのゴシック風洋館が生い茂る木々や墓石に囲まれた光景は異彩を放っており、周囲とは対照的である。
また崩れた壁や破れた窓等からは廃屋らしさが漂っている。
概要
いわば
西洋お化け屋敷。
この館には999人の幽霊が棲んでいて、ゲストを1000人目の仲間に引き入れようと企んでいるのだ。
ゲストはまずプレショーとして、最初の部屋でこの館の主人・ゴーストホストの「年老いていく肖像画」を、次の部屋で彼の一族とその末路を暗示する「伸びる肖像画」を見る。
そして「ドゥームバギー」(
死の車)と呼ばれるライドに乗り、幽霊達の世界を体験する。
こちらをずっと見つめてくる絵、怪しく動く棺桶……恐怖の世界でゲストが目にするものとは?
登場人物(登場幽霊?)
●ゴーストホスト
ホーンテッドマンションの主人。本名は不明。アトラクションの案内役も務める。
最初の部屋の肖像画と、次の部屋の天井にある首吊り死体が彼である。ちなみに肖像画を見るとわかるがケツアゴ。
安全バーをおろしてくれたり、トラブルでアトラクションが止まったりしたら注意してくれるなど、どことなく優しい。
本名は「マスター・グレイシー」と言い、この館に登場する主要な霊も多くがグレイシー家の人間。
マダム・レオタと遭遇して以降オカルトに傾倒していき、彼女の言いなりになってしまった挙げ句、妻を二人も亡くす。
遂にマダムが館を霊界への入口にするという計画を打ち明けた事で恐ろしくなり逃亡。
追い詰められるが、自責の念から彼はマダムの手にかかる前に首を吊って自殺してしまった……のだが?
●マダム・レオタ
水晶球に頭だけ入っている、緑色の肌をした女性。
降霊術師であり、巧妙にグレイシー家に取り入って館を霊界への入口にしようとしていた。
自分の怒りに触れた人物は様々な手を打って殺してしまうなど残忍な人物。
最終的に館を乗っ取るべくマスターを追い詰めるが、呪術を使う前にマスターが自殺してしまった事で
対象を失った呪術が自分へ反転してしまった。彼女が水晶玉に閉じ込められているのはこれが理由である。
ホーンテッドマンションの惨劇の元凶と言える人物。
舞踏会の幽霊や動く棺など、ほとんどの幽霊の死因に彼女と娘が関わっている。
●リトル・レオタ
アトラクションの最後のあたりにいる女性。「死んだら死亡証明を持ってきて」と呼び掛けている。
見ての通りマダムの娘。恐らくマスターとの不倫によって生まれた子であると思われる。
母親に劣らず残忍な人物で、資産目当ての結婚詐欺と殺人を働いた事がある。
●幽霊達
この館の住人達。
こちらに敵意を持って何かしてくるわけではなく、踊ったりなんだりして好き勝手に過ごしている。中でも墓場にいる彼らはフリーダムの極みである。
●花嫁の幽霊(ゴースト・ブライド)
屋根裏部屋に佇む、純白のウェディングドレスを着た幽霊。彼女のみ、心臓が赤く光っている。
本名は「エミリー・グレイシー(旧姓キャバノフ)」。二人目の妻であり、16歳のお嬢様。
しかし彼女との再婚を勧めたのは金目当てのマダムの策略によるもので、
資産を手に入れ邪魔になったエミリーを排除するため、エミリーがかくれんぼ中に入ったトランクの鍵をマダムが閉めた事で窒息死させられる。
●墓守
番犬と一緒に墓場の様子を見に来た、墓場の
管理人。
実はこのアトラクションでは唯一の生存者で、墓場の入口で幽霊に怯えている。
……と思いきや終盤でひっそりと幽霊として混ざっている。墓守は999人目なんだろうか?
●ヒッチハイク・ゴースト
墓場を抜けたところでヒッチハイクをしており、ゲストのバギーに乗り込んでくるなんだか陽気な連中。
名前はそれぞれガス、エズラ、フィニアスでガスはグレイシー家の人間。他の二人はガスの友人である。
なお陽気に見えるもガスはペットや家族を手にかけようとして監禁された異常者である。
エズラとフィニアスも覗き魔とイカサマ師の薬中でありやっぱりろくでなし。
背景を知るとヒッチハイクをされている状況がなかなか笑えない。
●伸びる肖像画
前述の通り伸びていくことでその不吉な末路が見える恐ろしい絵画。すべてグレイシー家の関係者。
ダイナマイト樽の上にいたのはマスターの叔父エドワード。
財産の使い込みが原因で甥と喧嘩別れになり、その後ビルマ大使になるも大使館を武装集団に襲撃されてしまう。
武装集団の仕掛けたダイナマイトで逆に脅しをかけるも、結果的に大使館もろとも木っ端微塵になって死亡。
ちなみにパンイチだったのは着替え中だったから。
綱渡りをしている女性は一人目の妻リリアン。綱渡りをしているのは元サーカス団員であったから。
マダムが館に現れ、オカルトに傾倒する夫を心配してマダムを追い出そうとするも夫に無視され、冷遇されてしまう。
挙げ句これに怒ったマダムにパーティで綱渡りをするように仕組まれ、途中でロープが切れて川の中にいたワニの餌食となる。
流砂に呑まれる三人組はエイサ、エディ、ダニエルの元サーカス団員の使用人たち。
同僚のリリアンに揃っ想いいを寄せていたが友情を優先してそれを胸にしまう誓いを立てた紳士たちである。
あるときリトル・レオタによって誘惑されるが、紳士である彼らはこれを跳ね除ける。
それを不愉快に思ったのかリトル・レオタによって無茶振りを仕掛けられ、道に迷った挙げ句流砂に落ちてしまった。
墓石に座る女性はマスターの母親メアリー。
自由を好む人物で、勝手気ままに暮らしたいがため息子を寄宿学校に追い出すほど身勝手。結婚もデキ婚じみた不承不承だった。
ジョージの不倫と隠し子が発覚した事で彼を殺害、あろうことが裁判で無罪を勝ち取りヨーロッパに飛んでいってしまった。
その後の消息は不明のため、絵画の人物では唯一生存している可能性があったりする。
世界のホーンテッドマンション、及び類似のアトラクション
アメリカ合衆国のカリフォルニア州アナハイムの「
ディズニーランド」、およびフロリダ州オーランドの「
マジック・キングダム」にそれぞれ同名のアトラクションがある。
なお東京版とマジックキングダム版の外見はほとんど同じだが、これは後者をもとに前者を作ったため。但しマジックキングダム版はリニューアルが行われたため、東京のものとは異なる部分も存在する。
フランスのディズニーランドパリには「ホーンテッドマンション」という同じ名称のアトラクションは無いが「ファントムマナー」というアトラクションが相当する。ちなみに「マナー」とは荘園領主の邸宅のことである。
ホーンテッドマンションとの共通点はお化け屋敷であること以外ほぼ無いといってよく、外観もストーリーも全て異なるほか見た目がグロテスクな幽霊が多いので、世界のディズニーパークの中でも最も恐ろしいアトラクションとして名高い。
ちなみに、東京以外にも上記3施設には「伸びる肖像画」がきちんと存在するが、「上に伸びているのか下に降りているのか」がよく議論となる。
+
|
それとも諸君の目の錯覚なのか…?※ネタバレ注意 |
実は東京版およびマジックキングダム版は「部屋が上に伸びている」。逆に本家と「ファントムマナー」は「下に降りている」。
これはそれぞれ事情があり、
- 本家は建屋の後ろにディズニーランド鉄道が通っており、それを避ける必要があるから
- ファントムマナーは建屋が高台にあるから
といった理由がある。反対に東京とマジックキングダムはそういった地理的事情がないため、単純に部屋が上に伸びる構造となっている。
ちなみにコロナ禍の最中は都合で仕掛けが停止し出入り口両方が解放されていたため、上に伸びている事が分かるようになっていた。
|
香港ディズニーランドにおいても同名のアトラクションは無く 「ミスティックマナー」が相当する。
こちらはコミカルな要素が強く、東京で言えば「プーさんのハニーハント」に近いか。さらに、Qラインの絵画にはとある人物の姿が……。
映画版について
2003年にエディー・マーフィー主演で実写映画化された。
ホラー要素もほどよく入りつつ、ディズニーらしく家族で楽しめる良作である。
その後2023年にも映画化されたが、2003年の作品とはストーリーもキャストも全く異なる。2023年の作品ではマダム・レオタの吹き替えを歌手の小林幸子氏が務めた。
マペット版について
2021年からは動画配信サービス『ディズニー+』にてテレビ映画『マペットのホーンテッドマンション』の配信が開始された。
メインはマペットの「ゴンゾ」と「ペペ」で、彼らがひょんなことから
ハロウィンの日にホーンテッドマンションに迷い込み、どこかで見たようなマペットや、人間のお化け達と遭遇しながら脱出を目指すというもの。
日本語吹き替え版のメインキャストは『
マペット放送局』『マペットの
オズの魔法使い』基準となっており、カメオ出演したジョン・ステイモスの吹き替えには『
フルハウス』と同じく
堀内賢雄が起用されるなど豪華仕様。
余談とトリビア
- ディズニーランドのキャスト(従業員のこと)は笑顔でゲストと接するよう教育されるが、
このアトラクションの館内にいるキャストは基本的に無表情で笑わない。これは不気味な雰囲気を演出するためだという。
ただし館外にいるキャストはこの限りではないようだ。
- キャストのコスチュームは男女とも深緑色を基調にしており、
女性はくるぶしまで届くほどのロング丈のメイド服にエプロン、頭には黒いコウモリのワッペンが真ん中に付いた白いカチューシャを着ける。男性は燕尾服を模したデザインとなっている。
いずれも屋敷に仕える使用人のイメージだろうか。
高いデザイン性から大変人気があるコスチュームの1つで、現役キャストに対して実施されたコスチューム人気投票でも上位に入賞している。
ちなみに防寒用ケープは二種類あり、コスチュームの色と同じで通年着用されている深緑色のものと、下記の『ホーンテッドマンション ホリデーナイトメアー』開催中限定の紫のものとがある。
- 2004年からは期間限定で『ホーンテッドマンション ホリデーナイトメアー』が開催されている。
期間中は『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のキャラクター達が随所に登場し、通常バージョンに比べるといくぶん雰囲気が明るく賑やかになる。
更に、アトラクションがホラーチックなクリスマス風に飾り付けられ、ライドを「黒いソリ」と呼んだり、それらしいアレンジがされた音楽が流れたりして、怪しくも愉快なムードが楽しめる。
なお、『ホリデーナイトメアー』終了後および開始前は数ヶ月に亘りクローズするので、通常版を楽しみたい方はよく調べてからインパークすることをお勧めしたい。
- 隠れミッキーはボールルームにいる。また隠れドナルドがどこかにいる。
- 演出として待ち時間を4分、9分、13分のように忌み数で表示することがある。混雑中はなかなか見られないので目撃できたらラッキーかも。
- 温室を抜けたあとの扉が並んでいる場所に絵が一枚かかっているが、タイミングが合うと……?この絵があるのは世界のディズニーパークの中でも東京だけ。なお、「ホリデーナイトメアー」期間はこのギミックは見られない。
- ほとんどのパレードは、このアトラクションの出口横にあるゲートから出発する。ちなみにパレードの終点となるゲートはトゥーンタウンの奥にある。
- 2007年の秋には当アトラクションからインスパイアされたハロウィン限定のパレード『ハッピー・ホーンテッド・パレード』と『ホーンテッド・ロッキン・ストリート』が開催された。
- 出口左手にある墓碑銘に刻まれているのは、全て青ひげに殺された女性たちの名前である。
しかし最後の妻だったルクレチアだけは、兄と協力して青ひげを返り討ちにして生還できたので没年が刻まれていない。
- 同じく出口左手にある墓石の墓碑銘は、よくよく見ると名前に見せかけたジョークになっている。
例として「C. U. Later」は「See you later」、つまり「またね」という意味。暇つぶしに解読するのもアリかも。
- ファストパスの廃止前は対象アトラクションの一つでもあり、イメージに合わせて発券機は墓石を模していた。
- ライドが緊急停止する際には、雰囲気を壊さないようゴーストホストの声で「いたずら好きの亡霊たちがまた邪魔をしたようだ」といったアナウンスが入る。
アナウンスのパターンはいくつかある。また、ライドから降りる際には「セーフティバーは私が上げる」というアナウンスがかかるが、お隣の東京ディズニーシーにいる某インチキマジシャンがこれをオマージュしたセリフを言っている。
- 1998年~2003年までセコムがスポンサーを務めていた。その際、「ホーンテッドマンションはセコムが全身全霊で守っています」という洒落たメッセージが掲げられていた他、出口には「またここに還る日までどうかご無事で」というメッセージもあった。
- 本当に999人幽霊がいる……らしいが、正確に数えるのは至難の業だろう。
- お化け屋敷だからかやはり、「本物」が出るらしい。特に無限の廊下あたりでの目撃情報が多数……。
Hurry back, hurry back……
Be sure to should correct this article……, if you come to ANIWOTAwiki…….
(アニオタWikiに来たら必ずこの項目を追記・修正してね……)
- 非公式のバックストーリーがあったな -- 名無しさん (2014-07-07 15:52:14)
- 2007年のハロウィンのパレードはこのアトラクションをモデルにしてたんだよね… -- 名無しさん (2017-12-14 17:15:30)
- 最初にここに行ったときに実際、例の廊下の辺りでそれらしいもの(人影らしきもの)をちらっと見たことがある -- 名無しさん (2017-12-15 21:33:55)
- ナイトメアバージョンの方が好き。というかナイトメアバージョンに慣れるとそこにあるものが通常バージョンではただの虚空になってるのが怖くてな…あと隠れドナルドの模様見てると不安になるのは私だけかね…? -- 名無しさん (2019-07-25 13:34:44)
- 暗くて他ゲストが見えにくいせいか、怪しいカップルが結構いる。見えにくいとはいえ見えることもあるから子連れへの配慮もよろしくね! -- 名無しさん (2019-10-05 23:26:48)
- 最後の鏡の演出が面白い。ディズニーの凄さが伝わるアトラクションの一つ。 -- 名無しさん (2019-12-08 16:10:39)
- 今年9月に映画公開 -- 名無しさん (2023-03-19 01:40:22)
- シーにあるマジックランプシアターの「セーフティバーは私が降ろす」がこれのパロだって知ってから好きになった -- 名無しさん (2023-03-19 05:50:31)
- 最近公開された映画版、元はデル・トロが監督する予定だったと聞いてビックリしてる -- 名無しさん (2023-09-02 20:10:09)
- 無限廊下、構造としては合わせ鏡の片側をマジックミラーにしてる形だから不吉なのは確かなんだよね -- 名無しさん (2024-08-01 21:14:21)
最終更新:2024年12月24日 20:22