忌み数(欠番)

登録日:2012/01/16 Mon 11:37:56
更新日:2025/01/30 Thu 07:12:31
所要時間:約 3 分で読めます





知らねーのかッ マヌケッ

「4つ」のものから ひとつ選ぶのは縁ギが悪いんだ!

5つのものから選ぶのはいい(・・)!3つのものから選ぶのもいい(・・)

だが「4つ」のものから選ぶと良くない事が起こるんだ



忌み数(欠番)とは、、語呂がよくない等の理由で避けられる数字の事。
4(死に通じる)や9(苦に通じる)が日本では代表的で、キリスト教圏では13が有名*1
また、実際に起きた事件や事故にまつわる数字も忌み数とされることが多く、フィクション作品では使うことを避けていることが多い。
この場合、ある特定の事件や事故等を連想させる可能性があり、それに巻き込まれた関係者達への配慮の為である。

ただし、原因となった事件や事故を取り上げる際に、ニュースやドキュメンタリーで使われる場合は除かれる。
例えば『衝撃の瞬間』や『メーデー!:航空機事故の真実と真相』といった番組では日本航空123便が実際に取り上げられている。

それ以外の数字は永久欠番を参照のこと。


代表的な欠番例

  • 122便、123便・8119(航空機の便名と機体番号、日本航空)

1985年8月12日、羽田発大阪・伊丹行きの日本航空123便・ボーイング747-100SR型機が、相模湾上空で圧力隔壁が吹き飛び
さらに垂直尾翼までも吹き飛び油圧系統全喪失で操縦不能に陥り群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落した事故の為。
8119は墜落したのが機体番号JA8119であるためだが、機体記号についてはどのような機材でも1度登録されれば再度使われることはないため、どちらかと言えば創作物での使用自粛の意味合いが強い*2
事故発生3日後から欠番となり、これの往路になる122便も同様に欠番となっている。
日本のエアラインでは他に同じくJALの350便も欠番となっている。これも1982年に発生した「羽田沖逆噴射事故」に起因する。
なお、当該事故以来日本航空はたったひとつの例外…「事故を風化させないため、ひとつだけ123便事故を強く連想させるものを残しておく」として決定された、電話による空席案内システムのフリーダイヤル0120-747-123(現在はサービス終了)以外は徹底して123という数字を用いることを避けている。



2005年4月25日、JR宝塚線塚口~尼崎間で発生したJR発足後史上最悪の脱線事故の為。
当該列車は5418Mという列車番号であった為、事故後欠番となった。
また、現実のみならず鉄道を扱う作品でも極力避けられている。


  • 第13編成(大阪市交通局→Osaka Metro)
南港ポートタウン線住之江駅構内で発生した暴走事故の被災車両が100系第13編成のため、現在運用されている200系は製造当初から第13編成を欠番としている。



その他の番号

  • 4・9(観光バス、病院の病室、一部旅館・ホテル等)
観光バス等の場合は、4という数字が「死」を連想させる為、3号車の次が5号車*7となることが多い。
病院の場合も同様で、3号室の次は5号室となる。また、病院では9という数字が「苦しむ」と連想すると言われている為、8号室の次が10号室という場合がある。これ等の為に号数を付けない倉庫や保管所、待機室などを忌み数の部屋に該当する場所に挟むなどする。
旅館・ホテルの場合はまちまちだが、古くからあるホテルは4、9、13(下記)を欠番にしている場合が多い。しかし全国チェーン系のホテルだと特に気にせずそのまま振られている場合もある。
…とはいえ、観光バスについては、飛騨川観光バス転落事故(5号車・6号車が土砂崩れの直撃を受けて氾濫した川に転落)のように、大惨事に遭う時は遭うので気持ち以上の効果があるかと言われると「ない」と言うしかないのだが。
実は航空機の登録番号もかつては同様の理由で番号で使われることはなかったが、登録番号がパンク寸前になったために解禁されている。


  • 私鉄における「4000系・4000形」
先の4・9と同じ理由だが、9000は各社に存在するにもかかわらず4000については避けられる傾向が多く、そうでなくても富士急行のように「製造順部分の4・9を飛ばす*8」事業者は珍しくない。
長らく小田急電鉄の吊りかけ更新車が唯一の事例だったが、2000年代以降は名古屋鉄道横浜市営地下鉄ブルーライン、福岡市営地下鉄など全国各地に登場するようになり、西武鉄道には4000系に加え日本初となる「40000系」も登場した。
小田急では初代全廃後、2007年に登場した千代田線直通用の車両が2代目4000形を名乗っている。


  • 車のナンバーに於ける42・49で終わるナンバー
それぞれ「死に」「死苦」「始終苦(しじゅうく)」「轢く」などを連想して縁起が悪いので払い出し番号としては欠番。
駐留米軍車両用のナンバーでは42・49が欠番となっていない代わりに「13」が欠番扱い。
逆に42・49で始まるナンバーは普通に払い出されてるので、42-19(死に行く)とか49-89(四苦八苦)みたいなナンバーは存在する。
なお希望ナンバー制度を利用すれば42・49が下2桁に来るナンバーを取得できる。


日本国外の忌み数

中国でも同様に、「四」も「死」も「スー」と発音するため4は忌み数となっている。
中国社会は4を避けることが日本よりも徹底しており、普通の建物でも4の付く階や部屋番号がスキップされていることが多い。
なお、中国では「六四」や「八九六四」もタブー視されているが、これは1989年の天安門事件を連想させるのが理由で忌み数とは言いがたい。

人民解放軍空軍(中国空軍)に至っては、軍用機は型式番号に4が付くことを嫌った結果、1~4を飛ばして5から始めている。
例:初めて制式化した戦闘機にJ-1ではなくJ-5と名付け、J-1からJ-4までを欠番にした*9
ちなみに腋臭がきつい拳銃使いが嫌ってることでも有名。これは彼の過去に由来するものである。

また欧米では13がタブーなので、その影響を受け日本でもタブー視しているところもある。特にエレベーターは13階をすっ飛ばし、12階の次を14階にしているホテル等も多い。
しかし欧米では4はタブー視されない。漢字圏ではないため。

海外の忌み数で著名なものでは、「新約聖書」の中の「ヨハネの黙示録」13章18節で「獣の数字」とされる「666」がある。悪魔を讃える数字として、特にキリスト教圏では忌み嫌われるという。

日本のプロ野球では避けられる42や49という数字は外国人選手が好んでつけるが、その理由は元祖アフリカ系大リーガーのジャッキー=ロビンソンの背番号が42で、大リーグ全体の永久欠番となっている為。
日本人選手でも忌み数を気にしないか、番号へのこだわりを持っていたりこの逸話を知った上であえて着用する人もいる。
ところ変われば忌み数も変わるのだ。

余談

東京ディズニーランドのアトラクション「ホーンテッドマンション」では、他のアトラクションが5分刻みで待ち時間を表示するところ、ここだけは忌み数で表示することがある。
また、このアトラクション中盤にある柱時計の文字盤の数字も、よく見ると普通の時計のように1~12までではなく1~13までとなっている。お化け屋敷らしく不吉な雰囲気を演出するためだろう。

これに限らずホラー系娯楽や創作品では敢えて忌み数を出す(先述の存在しない筈の忌み数号室が突然出現する等)事で恐怖感を煽る演出を採用するケースが多々ある。



追記・修正は4回願います。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 大人の事情
  • 黒歴史
  • 忌み数
  • 封印
  • 欠番
  • 事件
  • 事故
  • 数字
  • 番号
  • 航空機
  • 航空会社
  • 鉄道
  • JR西日本
  • パンプキン・シザーズ
  • セックスピストルズ
  • 4恐怖症
  • 13恐怖症
  • トリスカイデカフォビア
  • 4
  • 9
  • 13
  • 天安門
  • グイード・ミスタ
  • 666
最終更新:2025年01月30日 07:12

*1 一説にはキリストの弟子で裏切り者であるユダを指しているとも。

*2 以前は8118も忌み数と解説されたがこの事故以降事故機と同じJALの747SRは94年までにすべて退役しており、8118はボーイング社が金属疲労試験のために引き取っただけの話である。

*3 NH58:新千歳→羽田。当時は新千歳が未開業だったため、千歳発の便だった。

*4 他の533便は羽田→高松で使用されているが、58便と同航路の60便は現在欠番。ただし2016年頃までは普通に使用されていた。

*5 コムエアー5191便墜落事故。デルタ航空のグループだったためそちらでも同じ番号でチケットを発売していた。

*6 イラン航空655便など。ただしこれに関しては誤認による撃墜事件という性質が大きい。

*7 4号車はバックアップ用の車両を指し実際に客を乗せる場合は脱落交代する別の号車の番号を付けるという形式にする場合もある。

*8 ただしここは上述のOsaka Metroと同様の「以前にこの番号の車輛が事故を起こしたことから避けている」ことによるもの。

*9 ただしこのへんは諸説あり、ライセンス生産ではなく完成品輸入の機種にJ-2(本国で言うMiG-15がこれとしている)と附番したとする説を採用しているケースもある。ゲーム『WarThunder』など。