イサカ M37

登録日:2011/07/08(金) 21:22:38
更新日:2025/09/03 Wed 20:28:36NEW!
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I like to keep this handy......(接近戦には……)


\ジャキッ!!/

for close encounters.(コイツが一番だぜ。)

ドウェイン・ヒックス伍長 映画「エイリアン2」より






性能

全長:1010mm
銃身長:760mm
重量:3400g
口径:12/16/20/28ゲージ
装弾数:4/5/7+1発
作動方式:ポンプアクション



概要

アメリカのイサカ社により1937年より製造されているショットガン
戦中を除いて生産が続けられ、現在まで累計200万丁以上が生産されている。



イサカ社とは

「イサカ」と聞くとまるで日本人の名字のようだが、この名はニューヨーク州Ithacaが由来である。
1880年にウィリアム・ヘンリー・ベイカー氏とリロイ・スミス氏によって設立され、2連ショットガンやM37で一定のシェアを築いていた。
1967年までスミス家が経営していたが、ジェリー・ボルドリッチ・アンド・アソシエーション(ジェネラル・レクリエーション)に売却された。しかし1978年に破産申請を行い1987年にイサカ合併会社が新オーナーとなった。
2007年までにフロイド・マーシャル氏に売却され、作業機械の近代化を行ったものの資金難により手放すこととなりデイブ・ドルバック氏に売却、今に至る。
幾多のトップ入れ替わりにより現在はイサカではなくオハイオ州アッパーサンダスキーに移っている。



構造

多くのショットガンは下装填・右排莢(レシーバーの下から弾薬を装填し、右側面から排莢する)だが、本銃は下装填・下排莢(下から装填し、そして同じ場所から排莢する)となっている。

このアイデア自体は元々天才銃器設計者ブローニングのもので、これを元にレミントン社の技師ジョン・ピダーセンがレミントンM17を開発している。
しかしレミントン社はM17以降このタイプのショットガンを出すことはなかった。そのためブローニングの特許が切れる1933年、ピダーセンの特許が切れる1937年を待って世に出たのが本銃である。

余計な開口部を減らせるこの設計は、構造の強化と軽量化を可能とする。
本銃は全スチール製にもかかわらず、乾重量で3.4キロという軽量化を実現した。
異物侵入も防ぎやすく、砂漠の砂塵やジャングルの泥にも耐える。
更には真下に排莢されるため、利き手も選ばない。

また、この時期にはトレンチガン同様スラムファイア*1が可能であった。
危険極まりないため1990年に禁止されている。

これらの利点から軍用銃としても広く用いられ、第2次世界大戦からベトナム戦争まで、相当数があらゆる戦場で使用された。

米軍のほか、ニューヨーク市警やロサンゼルス市警を始めとするアメリカ各地の法執行機関でも多く採用され、よくパトカーに車載されている。
民間でもレミントンM870やモスバーグM500などと並び、スポーツ用や自衛用ショットガンとして大人気のモデル。

現在はスチールモデルのフェザーライトと、より軽量なアルミ合金モデルのウルトラライトの2つが主流となっている。

SEALs使用時には散弾を横に散らばらせるダックビル・スプレッダーが装着されることがあった。



フィクション

  • ターミネーター
  • エイリアン2
  • Mr.&Mrs.スミス
  • メタルギアソリッド(3、MPO、PW)
弾倉が空になった際のみ筒状のスピードローダーで装弾する。

国内エアガンではK.T.Wがソードオフ、フェザーライト、ポリスなどのバリエーションを出している。
安価な癖に素直な弾道で良く当たり、連射も比較的簡単であるなどマルゼンのCA870シリーズに勝るとも劣らないエアコキの雄である。
しかし、独特なマガジンのおかげで弾層交換・保持は慎重を極め、激戦区では馴れていなければまずミスを犯すかもしれない。
最近給弾をスムーズに行うパーツが社外製として極少数生産された。




追記・修正は本銃のバレルをパイプにヤクをキメてからお願いします。


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最終更新:2025年09月03日 20:28

*1 トリガーを引いたままフォアエンドを操作して撃発する。意図的な暴発と言えるが、より早く連射できる。