エイリアン2

登録日:2012/07/29 Sun 15:55:19
更新日:2025/04/07 Mon 13:25:04
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Get away from her, you BITCH!!(その子から離れなさいバケモノ!!)



今度は戦争だ!!(This time it's a war!)


A L I E N S


概要

エイリアン2とは、1986年製作のSFホラーアクション映画。
1979年に公開されたSFホラー映画「エイリアン」の続編である。
英文タイトルは「ALIENS」。

監督は「タイタニック」や「アバター」でお馴染みのジェームズ・キャメロン。
主演は引き続きシガニー・ウィーバーだが…前作の静寂な恐怖とは打って変わって、上の売り文句の通りSF戦争パニックアクション

監督の大好物である「メカ」「ドンパチ」「強いネェちゃん」の三本柱がこれでもかと詰め込まれた、ファンや一部の趣向の方には堪らない作品である。
作風は1とは変わってホラー色は薄れ、恐怖させるというよりはスプラッターなアクション性が強くなっている。
そして英文タイトル通り、本作のエイリアンは複数形。そりゃあもうものすごい数でぞろぞろわさわさと迫り寄ってくる。
対する宇宙海兵隊メンバーも正規の訓練を積み、重火器で武装したプロの戦闘集団なので簡単には殺されない。
弾数VS頭数の激しい押し合いが展開されるが、エイリアンどもの特攻すぎる人(?)海戦術に海兵隊側は対抗しきれず押しまくられて1人、また1人と倒されていく。それでも断固屈しない人間の強さの描写はキャメロン監督の本領と言える。
SF戦争モノらしく兵器や機械の設定が非常に凝っている。圧倒的な存在感を見せたエイリアン・クィーンや、パワードスーツの新機軸であるパワーローダーは本作が初出である。
前作が1億ドルを超えるヒットだったが、こちらも興行収入1億3106万ドルを記録し、6年後の『エイリアン3』の制作に繋がった。

■[STORY]■……いや


■!!STORY!!■

前作の悪夢から辛うじて生き延びたノストロモ号のクルー、エレン・リプリー航海士は57年近くもの永きに渡る遭難を経て、ようやく地球に辿り着いた。
しかし、凶悪なエイリアンがクルーを皆殺しにした事実をノストロモ号のオーナーである「ウェイランド・ユタニ社」の幹部達は信じなかった。
それどころか逆にリプリーは社所有の船を木っ端微塵に吹っ飛ばしたとして諮問され、航海士の免許を剥奪されてしまう。
一方でエイリアンがいた惑星LV-426は20年前からテラフォーミングが行われ、すでに多くの入植者達が移住していた。
リプリーが毎夜エイリアンの悪夢にうなされていると、探索していた開拓団からの通信が途絶えた事から事態は一変。
派遣される海兵隊から唯一の生き証人のアドバイザーとして同行を持ちかけられた。
最初は拒絶していたリプリーだが、自身の悪夢との決着をつける為、再びLV-426へと向かう。

■!!STAGE!!■

嘗ての惨劇の舞台でもあるレチクル座ゼータ第2星系の小惑星「LV-426」
20年前からテラフォーミングが行われており、移住計画の一環ですでに60~70もの世帯が入植している。
ウェイランド・ユタニ社がこの星の環境を整え、数十年かけて宇宙植民地を作る計画をしていた。表向きは
前作では大気がなく宇宙服が必要だったが、本作ではすでに巨大な大気処理装置を建設済みで特別な装備もなく生活が可能。
処理施設で作られた大気は通風管により、生活圏内の隅々まで行き渡っている。
大気処理施設の動力源は核融合炉で地下に熱交換器があり、地下3階がその真下にあたるメンテナンスエリアになっている。

開拓地を広げる為の一環として、入植者達が自力で発見した鉱物等の価値のある「お宝」は、発見者の物として手に入れられる事になっている。
この為、特に楽しみもない入植者達は未開の奥地に出かけて趣味で宝探しをしている。ユタニ社ェ…
ちなみに入植者は入植時にPTDという発信機を植え付けられているので、どこにいるのかは分かる。


■!!登場人物!!■

名前の後ろ()は演者、吹替は多種多様なバージョンがある。

  • エレン・リプリー (シガニー・ウィーバー)
我等が主人公で宇宙最強のカアチャンであり、元・ノストロモ号二等航海士。
前作でやっとの事で逃げ出したが、帰って来たら57年近く経っていて娘は死んでしまっていた*1
証言も証拠不十分で信じてもらえず、挙句会社からはイカレポンチ扱いされるわ、ウザい会社の人間にはつきまとわれるわでいい事なさ過ぎる人。
おまけに責任追及で賠償金代わりに航海士免許も剥奪のうえ左遷されてしまい、今では倉庫での荷役作業に従事させられている。
この作業の為にパワーローダーの二級免許を取得したが、これが最終決戦の伏線となる。
LV-426へ同行を願われるがトラウマで毎晩悪夢を見ていた為、最初は拒絶していた。
だがケジメをつけるべく「エイリアンの研究や持ち帰りはせず、殲滅させるのみ」という条件で悪夢の舞台へと向かう*2

経験者故か、混乱しまくる周りをよそに割と冷静さを保っており、娘を亡くした故か、ただ一人の生存者であるニュートを娘のように可愛がる。
最終決戦ではSF映画史上最高のビッチ発言で啖呵を切り、「母」と「母」の激突に持ち込む。映画界火炎放射器スキー連合の重鎮。
ちなみに演者のシガニー・ウィーバー女史は、「銃や殺人シーンのある映画は見ない」と公言する程の熱心な銃規制の賛同者である*3
そのためパルスライフルを撃ちまくる今作のリプリーを演じるのは「とても難しい決断」だったと語っている*4
実際は脚本をよく読まずに出演を承諾していたからだったらしいが

  • ニュート (キャリー・ヘン)
本名レベッカ・ジョーダン。
エイリアンによって壊滅した開拓団ハドリーズ・ホープ唯一の生存者であり、幼女。
隠れんぼで良く通気ダクトを使う為、ニュート(イモリ)の渾名で呼ばれ、兄以外からはレベッカと呼ばれないらしい。
エイリアンに襲われ家族を皆殺しにされたショックで心を閉ざしている。ちなみに両親と兄は完全版のみ*5に登場。
だが救出部隊の中で同じ境遇を味わい、唯一親身に接するリプリーに次第に心を開いていき、最終的には親子のような絆で結ばれた。
だが次回作では…演じた子役が成長してしまった為、冒頭で溺死させられてしまった。
ちなみに演じたキャリー・ヘンは初めてエイリアンの着ぐるみを見せられたとき、スタッフの心配を他所に大爆笑したという。映画よりも逞しい・・・

  • ドゥエイン・ヒックス (マイケル・ビーン)
植民地海兵隊の伍長で、リプリーと共に派遣された海兵隊部隊の一人であり、年代物のショットガンを愛用。
大気圏降下中でもいびきをかいたりと、若干能天気な男だが、リプリーを勇気付たりと心遣いを忘れないナイスガイその1。
エイリアンによる襲撃後はゴーマンを除けば部隊内で最も階級が上の為、事実上の指揮官となった。
リプリーとは短い付き合いながらお互いに心を通い合わせ、ファーストネームを教え合う等、交流を深める。
中々優秀な兵士であり、アドバイザーであるリプリーの意見から防御策を講じる等、下記のゴーマンの立つ瀬がなかったが…
ジョン・コナーの父ではない。

  • ビショップ (ランス・ヘンリクセン)
部隊付きの医療用支援アンドロイドで、APCの運転も担当する他、降下艇の操縦の資格も持つ。形式番号「341-B」。
リプリーはノストロモ号で起きたアッシュの件もあって、アンドロイドと知ると露骨に不快と嫌疑の目を向けていた。
彼は「旧式のアッシュとは違い、自分は行動抑制装置により人間を攻撃する事は出来ないので、何ら問題ない」と説明している。
それでもリプリーは彼を信用していなかったが、彼が部隊の為に危険な任務を自ら請け負った事から彼を信頼し始める。ナイスガイその2。
彼曰くアンドロイドも恐怖を感じるらしい。
特技はナイフを使った曲芸であり、得意技は牛乳噴射
3に登場したオリジナルは悪人だった…もっとも描写から察するにアレも…

  • ジェニット・バスクエス (ジャネット・ゴールドスタイン)
分隊支援火器であるスマートガンを扱うマッチョな女性で、階級は上等兵で狙撃手、翻訳次第ではバスケスとも呼ぶ。
男顔負けの筋力と度胸を持つ戦士だが、同時に仲間思いの一面も併せ持っており、小説版によると志願終身兵らしい。
お世辞にも優秀な指揮官とは言えないゴーマンに苛立ちを隠せないが…下記のドレイクとは仲が良い。
核融合炉で誘爆の恐れがある銃と弾薬を預けろという命令に従わず、スマートガンのバッテリーを隠し持っていた。
その命令違反の独断のおかげで命拾いする。
決してジョン・コナーの養母ではない。

  • マーク・ドレイク (マーク・ロルストン)
二等兵で機関銃手であり、上記のバスクエスと仲が良く、スラコ号内では懸垂を競い合う仲である。
バスクエス同様ゴーマンの重火器禁止の命令を無視し、バスクエスと共にスマートガンでエイリアンと戦う。
核融合炉から撤退する際は殿を務め、弾が切れたスマートガンを投げ捨て火炎放射器で最後まで応戦した漢。
だが死角から襲ってきたエイリアンを咄嗟にバスクエスが撃った際、飛び散った強酸の体液を全身に浴びて死亡する。

  • スコット・ゴーマン中尉 (ウィリアム・ホープ)
海兵隊指揮官であり、すっとこ傲慢ではない。
リプリーに航海士の資格復活を条件に、アドバイザーとして同行してくれないかと依頼した。
一応士官だがシミュレーション訓練ばかりで実戦経験がほぼない。
新任の指揮官らしく部下からの信頼は薄く、動揺するとショックで固まり動けなくなる。
戦術に関してもズブの素人であるリプリーとバークに気づかされる等、かなりボンクラである。
だが終盤で思わぬフラグが立ち男をあげる。

  • カーター・J・バーク (ポール・ライザー)
リプリーの監視役のウェイランド社社員であり、サラリーマンの鑑らしく生存より会社の利益を優先する。
だがSFホラーの世界では、そういう行動は限りなく死亡フラグが立つ事を理解していなかった哀れな男。
後に実は今回の事件はこいつのせいだった事が発覚し、問い詰められて本性をあらわした。
サンプル確保と口封じを兼ねてリプリーとニュートにエイリアンを寄生させ、冷凍睡眠で持ち帰ろうとするが失敗に終わり、最終的に自業自得な最期を遂げた。

通信機器を専門とするメカニック担当の工兵で、階級は上等兵。通称メーン。
今作きっての愛されキャラであり、弱音は大半がこいつの発言であり、皮肉屋のお調子者という分かりやすいトラブルメーカー。
全シリーズに登場する我らが主役のエレン・リプリーの項目はないのに、何故かこいつの個別項目だけ作られている始末。
字幕版では「メーン」の発言数で観客の腹筋を攻撃し、吹き替え版では原作を超えるヘタレ発言で完膚なきまでに腹筋を破壊する。
気になる人は某笑顔動画の「AVH」で検索してみよう。だが最終的には何だかんだで男を見せた。
ターミネーターでシュワちゃんにケンカを売ったモヒカンに似ているが別人である。
シュワちゃん扮するスパイの妻に浮気を唆した中古車セールスマンにも似ているが別人である。
余談だが、別作品プレデターとも戦った事がある(両シリーズを通してこの2作品に登場したのは彼のみ)。
中の人は監督のジェームズ・キャメロン氏とは映画人として駆け出しの頃からの親友同士でハドソン役に採用されたのも、
ジム、新しく映画を作るんだって?俺にも何か役をくれよ」と冗談半分で言ったら本当に出演する事になったとのエピソードがある。

  • アル・エイポーン(アル・マシューズ)
前線部隊の部隊長と第一分隊の分隊長を兼任している軍曹…のはずだが曹長とか表記がまちまち。
名前もアポーンやアポーネ、エイポン等、媒体によってバラバラという制作や提供側からもどうでもいい扱いの悪い可哀想な男。
一応これでもバスクエス達の上官なのだが影は薄く、最終的には生きたまま…。
ちなみに小説版ではゴーマンの命令を無視してパルスライフルの弾倉をパニック状態のハドソンに手渡す場面がある。

  • リッコ・フロスト(リッコ・ロス):二等兵・APC運転手・♂
  • シンシア・ディートリック(シンシア・デイル・スコット):伍長・衛生兵・♀
  • ティム・クロウ(ティップ・ティッピング):二等兵・♂
  • トレヴァー・ウィズボウスキー(トレヴァー・スティードマン):二等兵・♂
雑多な紹介になるが、全員核融合炉付近での戦いでピタゴラスイッチ方式で死亡する海兵隊員達。
登場時に分かりやすくタフガイっぽい台詞を並べまくってフラグを建てまくってるので無理もない*6
核融合炉近くでの戦いでは実弾使用を禁止された為、リッコが他の兵員達の弾薬を預かっていた。
そして…
①シンシアがエイリアンに寄生された女性を発見し、直後にその女性からチェストバスターが飛び出す。
②エイポーンが火炎放射器で始末するが、これが引き金となって周囲のエイリアンが目を覚ます。
③壁に溶け込んで周囲から迫るエイリアンの発見に手間取るうちに、シンシアが背後から襲われて火炎放射器を暴発させる。
④シンシアの火炎放射を浴びたリッコが火達磨になって階下に落下して死亡し、預かっていた弾薬はその場に残り、引火爆発してクロウが死亡。
⑤上記④の巻き添えでウィズボウスキーが負傷し、致命傷は避けられたがエイリアンに襲われて死亡し、全滅した*7

全滅した状況に堪えかねたバスクエスとドレイクが、禁止された重火器を乱射して応戦している最中にリプリーがAPCで救助した。

  • コレット・フェッロ(コレット・ヒラー)
伍長で降下艇のパイロット。
相棒のスパンクマイヤーともども1号機「Bug Stomper」を操縦する。
ヒックスからの撤収命令を受けて救出に向かうが、いつの間にか機内に潜り込んでいたエイリアンに不意打ちされて殺された。
原語版での喋り方が妙にセクシー。

  • ダニエル・スパンクマイヤー(ダニエル・カッシュ)
降下艇の副操縦士を務める二等兵で、フェッロの相棒。
劇中ではフェイスハガーの死骸を解剖するビショップに必要機材を受け渡していた。
フェッロと共にエイリアンに襲われ、降下艇が墜落した際に死亡。


■!!登場兵器!!■

  • パルスライフル
正式名称は「M41Aパルスライフル」。
海兵隊が装備する10mm自動小銃で、装弾数は100発。銃の下部に30mmグレネードランチャーを装備している。
残弾数は銃の側面にデジタルで表示される仕様。射手から見えなくね?とか言ってはいけない。演出の都合ってやつです
コンパクトながらエイリアンにも通用する殺傷力を発揮したものの、逆に火力が高すぎたからか、
最初の大気製造プラントの戦いで誘爆の可能性がある為に弾薬を回収されて使用できなくなり、
さらに後半においてもエイリアンの数があまりに多すぎた為、苦戦を強いられるという微妙に残念な扱い。
ちなみに設定上はケースレス弾を使用しているはずだが、普通に排莢しているシーンがある。
ベースとなったのはトンプソンサブマシンガンであり、外観の一部にフランキ・スパス12の部品を流用している。
  • グレネード弾
上述のようにパルスライフルのオプション装備で、ポンプアクション式グレネードランチャーから発射する。
手榴弾としても使え、弾体の起爆スイッチを押せば数秒後に爆発する。正式名称は「M40 HEDP」。
小説版と完全版で、ある人物に手渡されるシーンが印象的。

  • スマートガン
海兵隊が装備している分隊支援用の大型機関銃で、正式名称は「M56スマートガン」。
10mm口径ケースレス徹甲弾を300発装填可能、目標を自動で追尾できる。ただしかなり大型で取り回しも悪く、扱うには並はずれた筋力が要求される。
更にオートターゲットだが照準コンピューター制御なのでバッテリーが無いと使えない。劇中ではバスクエスとドレイクが主に使用した。
ベースとなったのはMG42機関銃で、それに撮影用カメラを組み合わせたシロモノ。グリップにはカワサキのハンドルが使われている。

正式名は「M240A1」で、軍用の強力な火炎放射器であり、外見はM16をベースにしている。
強力な火炎流を発生させるが、エイリアンの成体には怯ませる程度の効果しかない*8
むしろ銃の弾薬に引火して状況を悪化させる等、終盤まであまり良いところがなかったりする。
劇中では海兵隊の他に、リプリーがエイリアンの卵を焼却する為に使用。この際ダクトテープでパルスライフルと一纏めにして携行している。
ちなみに小説版ではエイリアンを殺傷しており、さらに成体には効果がないが、チェストバスター以下の形態には銃よりも効果的である。

  • ショットガン
ヒックスが背中に隠し持っていた旧式のショットガンで、外見からしておそらくイサカ M37
ヒックス曰く「接近戦にはコイツが一番だぜ」との事であるが、こんな骨董品よくあったな。
実際に劇中ではエイリアンに対してゼロ距離で発砲し、頭部を一撃で吹き飛ばしたものの、エイリアンの血液を浴びて銃身が融解して使用不能となった。
小説版ではヒックスの家系に代々伝わっていた型式不明の二連銃身のショットガンになった。
ちなみにこんなもんが通用するのは本作のエイリアンだけである。

  • ハンドガン
植民地海兵隊の制式拳銃で、あくまでもサブの護身武器でしかない為、威力は低い。
それでも至近距離から発砲すれば、エイリアン・ウォーリアーを数発で撃ち抜く事ができる。
モデルはH&K VP70…というかそのまま使用しており、同銃は元からSFチックな見た目だったので改造されない状態で使用された。
アニヲタ的にはバイオハザード2に登場するレオン・S・ケネディのハンドガンと言えばわかりやすいか。
しかし同銃は欠点だらけでわざわざ使う理由がない上、その問題からすでに製造されていないコレクター品。
よって恐らくVP70をモデルにした未来の拳銃だと思われるが、資料がないので不明。
ちなみにバスクエスのみなぜかS&W M39を使用しているが、私物だろうか?
2170年代に旧式銃のリバイバルモデルブームでもあったのかもしれない。

  • セントリーガン
ノベライズと完全版にのみ登場した自動制御の機関銃で、形式名は「UA 571-Cオートメイテッド・セントリーガン」。
設置式の自動機銃であり、プログラムを入力すると”一定以上のサイズの動く物”をオートで攻撃してくれる優れ物。
エイリアンにも効果があり、劇中ではエイリアンへの罠として狭い通路に設置されて威力を発揮した。
このセントリーガンのシーンでの「刻一刻と減っていく弾数表示」は緊張感の演出に一役買っている。
後のSF作品に多大な影響を与えた兵器であり、後に映画やゲームを含む多くの作品でこれを模した武器が登場している(THE 地球防衛軍シリーズ等)。
そしてその有用性から近年、現実の軍事兵器として実用化された

  • 宇宙戦艦スラコ号
宇宙海兵隊を惑星LV426まで運んだ地球の宇宙戦艦。
…なのだが、残念な事に本当に兵士を輸送しただけで戦艦らしい戦力的な活躍の場はなかった。
これは調査・救助ミッションだった為と、肝心の救難信号が核融合炉からだった為、APCと歩兵の上陸作戦になったせい。
船級は「コネストガ級兵員輸送船」であり、全長385m×幅50m×高さ85m、排水量78000t、貨物積載量20000t。
名前はジョゼフ・コンラッドの小説『ノストローモ』の舞台となった港町からとられている。
乗員定員は90名だが、コールドスリープ装置使用時には2000名まで収容可能であり、戦闘降下艇3機と非常用の緊急脱出艇1機を搭載している。
動力源は3.6Gwのウェスティングランド・A-59水素化リチウム核融合炉。
推進装置はゲーツハイドマン・GF-240ロケット。
ロンバーグロックウェル・シグナス5タキオンシャントハイパードライブを搭載している。
最大速度で航行した場合、地球時間の一日(24時間)でなんと約0.74光年移動できる。
以下、全く出番のなかった設定上の主兵装。
  • XIM-28A長距離ASAT(対衛星)ミサイル8基
  • 射程距離10万キロの800メガボルト中性粒子ビーム砲2門
  • 2連装レールガン4門
  • 80メガワット赤外線レーザー砲2門
  • 軌道地雷60発
  • 高性能爆薬や核爆弾を搭載可能なバンカーバスター


  • 降下艇「シャイアン」
植民地海兵隊が運用するVTOL(垂直離着陸)機能を有した降下艇で、ドロップシップとも呼ばれる。
形式番号はUD-4Lで、シャイアン(Cheyenne)はペットネームであり、スラコ号には3機が搭載されている。
単体で大気圏突入・離脱能力を持ち、隊員を乗せた兵員輸送車を格納してスラコ号の下部ハッチから発進する。
機体下部にはカーゴスペースや補充用の武器庫があり、機首には大型ガトリング砲が付いている。
出撃前のハドソンの説明によれば
「街を半分焼き払える自動照準式粒子ビームガン」(機種のガトリング?)
「高性能ミサイル」(機体背部に展開式ランチャーポッドが4基ある)
「パルスライフル」(歩兵用携行火器)
「RPGロケット弾」(〃)
「音波と電子で攻めまくる玉砕マシン」(?)
「核爆弾」(!)
チ○ポ
…という凄まじい武装を搭載した機体だったらしく、単なる着陸艇とは思えない装備であるが、もっともそれらが活躍する場面はない。
序盤でフェッロとスパンクマイヤーが乗っていたのは1号機「バグスタンパー」。
2号機「スマートアス」をビショップが遠隔操作し、3号機はLV-426降下直前のメンテナンス中に整備不良で使用不能だった。
ちなみに上記の武器の他にセントリーガンも搭載されており、これが無事だったおかげで終盤の作戦を実行できた。

  • APC(装甲兵員輸送車)
形式名は「M577装甲兵員輸送車」。
輸送車両だが主兵装として前方に20mmガトリング砲2門、後方上面に2連プラズマ砲塔を搭載する。
このプラズマ砲は車体背部に格納可能であり、車内にはガンラックや兵員用シートが備えられているが乗り心地は最悪。
作戦指揮用のコンソールとモニターも完備されているので、移動拠点としても使える。
これ一台でもエイリアンと戦えそうだが、フェッロが襲われて墜落した降下艇とぶつかって爆発大破した。

  • 植民地海兵隊制式装備
ヘルメット
正式名「M10 PATTERN BALLISTIC HELMET」。小型カメラとマイクおよび単眼式の赤外線ゴーグルが装着されている。
カメラとマイクが捉えた映像や音声はAPCでモニターされている。
ボディアーマー
正式名は「M3 PATTERN PERSONAL ARMO」。前線部隊の全員が着用。
携帯式溶接機
正式名は「ME3 HAND WELDER」。ドア等を切断および溶接するために使用する。
赤外線双眼鏡
正式名は「INFRARED BINOCULARS」。エイポーンがコロニーの施設へ潜入する際に使用。
発煙筒
正式名は「M-94 MARKING FLARE」。ポーチに5本の発煙筒が収納されている。
小型発信機
ヒックスがリプリーに手渡した発信機。専用の探知機で信号を受信し、居場所までの正確な距離を表示できる。
リプリーはこれをニュートに渡し、物語後半で重大な役割を担うことになった。

■!!その他マシン!!■


  • 動体探知機(モーション・トラッカー)
ハドソンが装備している探知機で、動く物を感知して距離を測定できる。正式名は「M314動体探知機」。
動く物ならエイリアンでもジャンガリアンハムスターでも感知できる。そしてその識別ができないという致命的欠陥
しかも感知できるのは対象との距離だけで高さを認識できず、また当然ながら『動体』探知機なので動く物でないと反応をキャッチできない。
その為、劇中では屋根裏と床下から侵入してきたエイリアンを至近距離まで接近させてしまっている。

正確には兵器ではなく作業用の重機であり、簡単に言えば二足歩行のフォークリフト。
正式名称は「キャタピラー・P-5000」であり、貨物船の荷物の運搬等に使用される。
アームには溶接用トーチがついており、リモコンで艦のエアロックの遠隔操作もできる。
劇中では輸送船に侵入してきたクイーンとの最終決戦でリプリーが搭乗し、エイリアンクイーンとのガチンコ肉弾戦を展開した。
構造は単純だがそのおかげか重機らしくかなり頑丈で、クイーンの攻撃を何度も受けながら問題なく動作していた。
出番はそれほど多くはないものの、そのリアリティ溢れる無骨なデザインでファンも多く、フィギュア化もされている。
こちらも後のSF作品にこぞって似たものが登場しているが、詳しくは項目参照。



■!!エイリアン!!■

本作のエイリアンは蟻や蜂のような社会性生物に近い特徴を持つ。
キャメロン監督は1954年の映画「THEM!/放射能X」を参考に、この生態系を創り上げたとの事である。

○エイリアン・ウォーリアー

今作で大量に登場するモブエイリアンで、前作に登場したビッグチャップとは細部のデザインが異なっている。
蟻でいう働きアリのような存在で、獲物の捕獲や産卵中のクイーンの護衛と居住場所に近づく外敵の排除等を行う。
ただしウォーリアーという大層な名前の割に前作のビッグチャップのような無敵さはなく、銃撃によりあっけなく普通に死ぬ
それも時代遅れの骨董品ショットガンや拳銃数発でも殺せるほど弱い。ナンバリングタイトル全体でも最弱レベル。
その代わりに登場する数が尋常ではなく、その数は実質150匹以上であり、おまけに景色に溶け込むステルス能力まで持ち合わせている。
また倒せても強酸性の返り血を浴びれば良くて装備溶解、最悪即死なので接近戦に持ち込まれたら実質詰みである。
ちなみに大量に出てくる理由は入植者達が前作「エイリアン」で登場した船を発見し、エッグから寄生されてしまった為。
しかし住人らはシリーズでも珍しいフェイスハガーの生け捕りに成功しており、研究所のカプセル内に保管されている。
前述の通り、設定上はおびただしい数のエイリアンが登場するものの、撮影の為に製作されたスーツは5体程度。
それらに模型や人形を組み合わせて巧みに編集する事でエイリアンの大群を見事に表現している。


○エイリアン・クイーン

蟻でいう女王アリに当たる存在。
通常のエイリアンに比べて倍以上の巨体を持ち、腕も四本あるが、身体は天井や柱に固定されて動けない。
基本的に延々とエイリアン・エッグを産み落とす係であり、通常のエイリアンと違い、知性や理性を持っている描写がある。
最後は卵を燃やしたリプリーに怒り狂い、パワーローダーとステゴロタイマン勝負になった。
天井や柱に固定されていないと卵を産み落とせないのかと思いきや、終盤のシーン切り替えの隙間時間に産んでたりしている。

余談・逸話


  • ドロップシップのデザイン
今でもファンの多い海兵隊の降下艇のデザインたが、当時メカデザインが難航しており、デザイナーがあれやこれやしていた脇で

監督「見ろよコレ、かっこいいだろ!!」

とばかりに監督がプラモから模型を勝手に作って遊んでた。
しかも

監督「コレでデザインラフ作ってくれよ」

とか言って採用する気満々だった。
でもお世辞抜きにかっこいいデザインだった為、あの戦闘ヘリの親玉の様なイカしたデザインの降下艇が完成した。
デザイナーの立場が…

  • 代役
終盤にバスクェスが至近距離でエイリアンをハンドガンを撃つシーンでは本物の銃と実弾を使用しているが役者が銃を扱った事がなかった為、
当時監督の奥さんでもあった映画のプロデューサーがバスクェスの格好をして代役を演じた。
髪の毛を短く切る必要があったのでものすごく嫌がったらしいが*9
また、当初ヒックス役はマイケル・ビーン氏ではなく別の俳優が採用されていたのだが、その俳優は麻薬中毒に陥っており、
なんと撮影開始早々に薬物所持で逮捕されてしまうという事態が発生。当然ヒックス役は降板となる。
突然のトラブルに困り果てる制作陣だったがキャメロン監督の鶴の一声で『ターミネーター』でも監督と仕事をしていたマイケル・ビーン氏が代役として招聘され、
無事に映画は完成まで漕ぎ付けられたのだった。

  • 撮影現場
制作はイギリスで行い、現地のスタッフを使っていたが、仕事はしないくせにティータイムの時間は守るサボり魔集団だった。
しかも毎週恒例で仕事中に賭けをしていたり等で、キャメロンがぷっつんして「全員クビだ」と言う事態になる等、かなり酷い現場だったようだ。
ちなみに全員クビにこそならなかったものの、撮影監督はマジで解雇された

  • 類似品
映画は原題が"ALIENS"で邦題が「エイリアン2」であるが、本作製作前の1980年のイタリア映画に原題が"Alien 2"で邦題が「エイリアンズ」という映画が存在する。

  • ゲーム化
「無限に思える程にまで大量のエイリアンが襲ってくる」というその題材のアクションゲームとの相性の良さから、アーケードゲーム、Commodore64、MSX等、複数のハードで様々なゲームが発売され続けている。
また、1993年に発売されて社会現象を引き起こしたFPSシリーズ「DOOM」も、本作のゲーム化企画からスタートしており、ショットガンやパルスライフル、収容違反を引き起こす巨大企業というプロット等、様々な要素が本作から受け継がれている。





最終的に間一髪のところで逃れ生き残った生存者達は、海兵隊の宇宙戦艦スラコ号でハイパースリープに入り、そして……

追記・修正は研究せず、持ち帰らせず、殲滅する人だけがお願いします。


SERIES PREVIEW:ALIEN_
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最終更新:2025年04月07日 13:25

*1 ちなみに作中で登場する年老いたアマンダの写真に写っているのはリプリー役であるシガニー・ウィーバーの実母。そりゃ似てるはずだ

*2 ちなみに前作で一緒に逃げ延びた愛猫のジョーンズ君とはLV-426に行く事が決定してからお別れした。

*3 あっちでは銃乱射事件なんかが起こると「規制しよう!」ではなく、「やられないように武装しよう!」と思考ベクトルが向くらしい。

*4 なお、実際にパルスライフルの空砲を撃ってみた感想を聞かれたところ、「悪くないわね」と語っていたとか。おいおい……

*5 父ラス・ジョーダン、母アン・ジョーダン、兄ティモシー・ジョーダン。一家で入植地の遠くにある異星人の遺棄船を探索中にエッグを発見、父がフェイスハガられて病院に運びこまれ、それがきっかけで開拓団は壊滅した。

*6 おまけにリプリーがエイリアンの危険性を必死に訴えているのに隊長を含めほとんどの隊員は危機感もなく、冗談混じりに茶化すばかりであった。

*7 ちなみにウィズボウスキーはヒックスが悲鳴で振り返った時には消えており(生体反応はなし)、シンシアはヒックスらが核融合炉から脱出後にまだ生命反応があった事から、その場では殺されずに繭にされたと思われる(ちなみに隊長のエイポーンも同様である)。

*8 AVPゲーム版等、例外もある

*9 かなり短髪に刈り込んでいるバスクェスに比べて代役のプロデューサーは少し髪が長いためよく見ると違いが分かる