瀬尾静音

登録日:2012/01/26(木) 10:33:36
更新日:2024/09/06 Fri 19:30:20
所要時間:約 6 分で読めます





瀬尾 静音(せお しずね)


※本項目では『空の境界 未来福音』のネタバレを多分に含んでいます。
















私の世界は二つある。
どちらがどちらの影であるかなんて、正直、確かめる事さえ忘れてしまった。



『空の境界 未来福音』に登場するキャラクター。本編『空の境界』では名前のみの登場。




礼園女学院の生徒。作中登場時点(1998年)では高等部1年A組。中等部の頃から礼園に在籍している。
黒桐鮮花のクラスメイトにしてルームメイト、親友にして悪友。

実家は二百年以上の歴史を持つ北陸の有名な酒蔵で、一応お金持ち。
彼女自身も幼少期からお酒が友達らしく、利き酒なら礼園の誰にも負けない自信がある(もちろんそんな発言したら反省室コースへ直行だが)。

実家ではお酒造りにしばしば駆り出されたせいで、自由な時間が作り出せず、独房のような礼園に入学することで念願の自由を得た。
また、(シスターに気をつければ)趣味に没頭できる理想的な環境と喜んでいた。
ただし、親から送ってくれないため制服以外の服を持っていない。

基本臆病なクセにここ一番で開き直る性格。
よくイヌとも喩えられる。

映像より音声に前世の因縁的な拘りを持つ。

タイトルだけでシスターが貧血を起こしそうな海外バンドとか好む。
夏の海辺の一大決戦を楽しみにしていた。


【未来視】
他人の未来を「予測」することができる。超能力の一種。
静音の場合は高度な情報処理能力。
現在の情報から未来を推測し、視覚的に未来を視る。

普通の人間が処理しきれず、棄てざるを得ないような膨大な情報を無意識に拾い集め、それを決して“忘れない”。
周囲の状況を人間以上の精度で判断し、無意識に未来を予測演算する。

なので、根拠の無い直感や予言とは違い、高度な予測の結果。限定的な「ラプラスの悪魔」。
シオン・エルトナム・アトラシアが戦闘時に行っているものがイメージ的には近い。


本来、視覚や聴覚が得ている情報。
知性が持つ未来への展望、予想。
それらを統合し、現実の域にまで高めたモノが未来視だ。
彼らは“数分後の未来”を視ているのではなく、
現実を作り出す“数分後の結果”を視ている。


静音の「時折突拍子もない質問をする癖」も、未来視のための情報収集の一環だと思われる。

静音の視る未来は大抵一日先。だが風景としてなら三日後くらいまでははっきり視え、ひどく曖昧で断片的なものになるが一カ月後や一年後くらいまで視ることも可能。
自分の意思で視るのではなく、突然の目眩と同時に「視えてしまう」。
頻度は三日先までの風景なら一日に2、3回ほどで、断片的な遠い未来を視ることは極稀。

目眩の後に自分の視点が切り替わり、未来が客観的に視える。
この時はバックミラーに映った風景をバックミラーに映った自分が視ているような不自然な感覚となるらしい。
また、体感的に10分間の未来を視ても、実時間では2秒程度と、未来を視ている間は非常にゆったりと体内時間が流れる。

当然、個人の認識できる「周囲の状況」はごく狭いものであるので、この未来予測は確定的なものではない。そのため回避・改変が可能。

しかし、静音はその事をはっきり理解しておらず(能力を自覚したのは中学生の頃。生まれつき)、確定的な未来だと思い込み、自分にとって厭な未来が視えても「きっと大筋は変えられない」と諦めて従っていた。
けれども「他人の未来死」などは我慢できずつい口を出してしまったりする。

「ホントに、このままだとお兄さん、怪我というか、事故というか、控えめに言ってダンプに巻き込まれて挽肉っていうか!」

いきなりこんな事言われてどう思うかは人次第。
閉鎖された環境である礼園ではこのような「他人の未来死」を視ることもないので、その面も都合が良かった。

また、未来視の能力からテスト内容や呼び出しなどが事前に分かるため、学院内では優等生だった(鮮花が編入するまで学年トップだった)。
しかし、友人たちに対しズルをしている、という罪悪感。それと「自分は世界という絵巻の外にいる」という疎外感も持っていた。



『未来福音』では、爆弾魔の事件の裏、同じ時間に起こった黒桐幹也との出会いが描かれた。

1998年8月3日に帰省のためJR観布子駅の近くまで来たところ、たまたま見知らぬ男性の「未来死」を未来視してしまう。
なんとか助けようと声をかけたが、まあ上のようなことを言って当然のように口論となる。

それを仲裁に入り、さらに静音の曖昧な根拠を信じて男性も助けてくれた幹也に尊敬と憧れの念を抱き、ホレる。

以上がコトの始まりにしてほとんどおしまい。
わたしこと瀬尾静音と、黒桐幹也さんとの運命の出会いなのだった。ばきゅーん。


ちなみにホントに瀬尾静音の未来視にまつわる事件はこれで終わり。他二人の未来視の事件と比べるとなんともスケールの小さい事件である。


その後、喫茶店 アーネンエルベに連れ込まれた静音は幹也に未来視について、その悩みを打ち明ける。
そこで幹也から自身の未来視について説明を受け(といっても蒼崎橙子からの受け売りだが)、
自分の悩みと弱さを同時に指摘され、なんとか自分の能力に折り合いをつける。

ちなみに、彼女の初恋だが、そのすぐ後に両儀式を見て不吉な未来を視ると同時に、幹也の恋人だとわかり晴れて失恋する。
式はいるだけで容易に未来を予測させる、強烈なファクターらしい。

この時幹也に「このままその人と付き合ってると、いつか命を落とす」と忠告する。
『俯瞰風景』『矛盾螺旋』『殺人考察(後)』で幹也が語った「未来視の少女」とは彼女のこと。
予言の通り酷い目にあったと幹也は言っているが、結局この予言の場面は現れなかった。
……というより待ち合わせしている幹也が自分(女の子)とお茶してるという状況から導かれた未来予測である可能性も…
他ヒロインと違ってヤンデレ属性のない「普通」の可愛い女の子ということで式はかなり危機感を抱いたとか


後のルームメイトとなる鮮花とはこの事件の後に知り合うが、長い間、幹也の妹だと気付かなかった。



劇場版『忘却録音』では短いながらも出番があった。
妖精事件の頃は家族で海外旅行に出ていたが、「休み中に例の事件が解決する」ぐらいは視えていた。
また、劇場版では「アキラ」という犬をペット厳禁の寮で飼っていた。
犬好きらしく、アキラの前にクリスという犬も飼っていた。


月姫』の瀬尾晶とは従姉妹同士だとか。
犬に従姉妹の名前って…
こちらが原型ともあちらが原型とも。
空の境界の一章から存在は明かされていたが本編での出番は無かったので、まともな登場は晶の後塵を喫することとなった。
時系列的に静音の方が年上。
同じ未来視に見えてその構造は異なっている。



余談だが奈須きのこは彼女のパートを書くのが楽しくて仕方なかったらしく(久々の同人活動というのもあっただろうが)、
礼園ガールズの中の好みのタイプを聞かれた際も「瀬尾一択」と答えていた。
また、下手したらツラヌイみたいになるとこだったとか。
3巻マダー?





「ところで、微妙に外れてますね」
「……面目ない。まさか今日のお薦めじゃなくて、その横にあるチャレンジメニューを選ぶとは思わなかった」

幹也さんの未来視にはヒマワリ分が足りなかった。
この通り。ちょっとした限界があるのも、人間らしい希望(ゆらぎ)なのでした。



追記した未来を読み上げ、修正内容を予測してください。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 空の境界
  • 未来福音
  • TYPE-MOON
  • 竹箒
  • 未来視
  • 引っ込み思案
  • 親友
  • 悪友
  • お嬢様
  • 子犬系
  • お酒が友達
  • 声ヲタ
  • 愛犬家
  • 井口裕香
  • ばきゅーん
  • 瀬尾静音
最終更新:2024年09月06日 19:30
添付ファイル