大地の知識/Earthcraft(MtG)

登録日:2011/07/20 Wed 10:40:07
更新日:2023/03/07 Tue 01:13:10
所要時間:約 3 分で読めます






土地は何事もなかなかあきらめてはくれない。だが、我々は説得の名人だからね。
葉の王エラダムリー



《大地の知識/Earthcraft》とは、TCGMagic the Gatheringのテンペストに収録された緑のエンチャント。レアリティはレア。

マジックのカードは時にデザイナーの意図に反して使用される場合がある。この大地の知識はその最たるものだろう。

性能

大地の知識/Earthcraft (1)(緑)
エンチャント
あなたがコントロールするアンタップ状態のクリーチャーを1体タップする:基本土地1つを対象とし、それをアンタップする。

解説

このエンチャントは元々、自軍のクリーチャーを擬似《ラノワールのエルフ》(こちらはマナを自身が生成するので、厳密には違うが)に仕立てるマナ加速用のエンチャントとしてデザインされていた。


しかし。
デザイナーはこれらのカードの存在を思い出すべきだった。

繁茂/Wild Growth (緑)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(土地)
エンチャントされている土地がマナを引き出す目的でタップされるたび、それのコントローラーは自分のマナ・プールに(緑)を加える(そのマナは、その土地が生み出すマナに追加で加えられる)。
聖なるメサ/Sacred Mesa (2)(白)
エンチャント
あなたのアップキープの開始時に、ペガサス(Pegasus)を1体生け贄に捧げない限り、聖なるメサを生け贄に捧げる。
(1)(白):飛行を持つ白の1/1のペガサス・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

この二枚と大地の知識が組み合わさるとどうなるか。


1.繁茂をエンチャントした《平地》をタップし(緑)(白)で聖なるメサを起動してペガサス・クリーチャー・トークンを戦場に出す。

2.ペガサス・クリーチャー・トークンをタップして大地の知識の能力を起動。繁茂をエンチャントした平地をアンタップする。

3.1から繰り返す。

4.あれ、ペガサス・クリーチャー・トークンが数百…。


以上のように、無限コンボが可能になってしまったのだ。

三枚コンボではあるが手札に揃えるのは比較的容易であり、またコンボパーツが全て1マナ〜3マナと軽いため、開始から数ターンでコンボ発動できる
後はとりあえず次のターンに飛行持ちトークンで殴ればだいたい死ぬ。ライフは20点しかないのに軽く10000体以上に殴られるのだから当たり前である。
色やパーツが増えるが《ゴブリンの砲撃/Goblin Bombardment》で射出したり《狂気の祭壇/Altar of Dementia》でライブラリアウトさせてもよい。こちらなら相手にターンを渡すことなくゲームを終わらせられる。


こうして、大地の知識は、マジック史上でも悪名高いコンボパーツへと姿を変えてしまった。


上記のコンボを利用したデッキはメサクラフトと呼ばれる。
他にもこの原理を利用したデッキは様々存在し、それらはクラフトと呼ばれる。

以下、いくつかバリエーションを紹介する。

  • ゴブリンクラフト
ゴブリンの巣穴/Goblin Warrens (2)(赤)
エンチャント
(2)(赤),ゴブリン(Goblin)を2体生け贄に捧げる:赤の1/1のゴブリン・クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。

ゴブリン・クリーチャー・トークンを無限に生み出す。勝ちパターンはメサクラフトと同じ。


  • カニクラフト
カブトガニ/Horseshoe Crab (2)(青)
クリーチャー - カニ(Crab)
(青):カブトガニをアンタップする。
1/3

こちらはトークンではなく、無限マナを目的としたデッキ。
《島》に繁茂をエンチャントとし、タップして(青)(緑)を生む。カブトガニをタップして大地の知識を起動。繁茂をエンチャントした島をアンタップ。(青)でカブトガニをアンタップし、また大地の知識で……を繰り返し、無限にマナを出してゆく。あとはそのマナを全て注いだ《猛火》で相手を焼き尽くすか《天才のひらめき》でライブラリーが無くなるまでドローさせればよい。


  • リスクラフト
リスの巣/Squirrel Nest (1)(緑)(緑)
エンチャント - オーラ(Aura)
エンチャント(土地)
エンチャントされている土地は「(T):緑の1/1のリス(Squirrel)・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。」を持つ。

エターナル環境で開発されたクラフトデッキ。今までのものとは違い、単色で組めるのが強み。コンボパーツも二枚で済むため、非常に安定している。


こうして産み出されたクラフトデッキは、当時全世界で猛威を振るった。
その凶悪さから、スタンダードでは1999/4/1より禁止、エターナルでは2003/04/01より規制(Type1制限、Type1.5禁止)となっていた、
2004/09/20にエターナルが現行の制度になった際、レガシーでは禁止のまま、ヴィンテージでは制限解除となり、以降そこから動いていない。


何気に統率者戦では使用可能。
今ではクラフトコンボに持ち込まなくとも《繁茂》系エンチャントを張った土地をこれでぐるぐるして凄まじいマナ基盤を一瞬で生み出せる。緑絡みの統率者で余裕があるなら採用してみても面白いかもしれない。


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最終更新:2023年03月07日 01:13