ラノワールのエルフ/Llanowar Elves

登録日:2014/03/28 Fri 23:24:39
更新日:2024/11/28 Thu 16:07:04
所要時間:約 4 分で読めます





小枝を踏み折れば、骨を折ってあがないとする。

―ラノワールのエルフの、侵入者への処罰


《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》とは、TCG『Magic the Gathering』に登場するカード。
のクリーチャー。初出は最古のエキスパンションであるアルファ。レアリティはコモン。


カードテキスト

ラノワールのエルフ/Llanowar Elves (緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(緑)を加える。
1/1

解説

極楽鳥》と並ぶマナ・クリーチャーの代表格。
緑の十八番である「恒久的なマナ加速」を体現するカード。お世話になった人も多いだろう。

《極楽鳥》と比較すると、緑マナしか出せない点、飛行を持たない点で劣っている。
逆に長所は、パワー1で殴りにいけるのでビートダウンに合う、コモンなので財布に優しい、エルフは緑の主要種族なので「味方エルフを強化」「味方エルフの数を参照」するカードを多用するエルフデッキに最適、といったところか。

基本セット2012までの基本セットに第8版を除き収録されていたので、始めた時期を問わず馴染み深いカードであったと思われる。とはいえその基本セット2012を最後に基本セット2014と基本セット2015で《エルフの神秘家》として実質的に再録されていたのを考慮しても中々再録(=スタンダードで使用可能に戻)されなかった。


しかし、ドミナリアと基本セット2019にて遂に新たなイラストとフレーバーテキストを引っ下げて約7年(《エルフの神秘家》込みでも4年)ぶりに再録。


生命のように強靭で寛容。自然のように厳格で残酷。


昔を知るプレイヤーに懐かしい1枚はKLD~DOM期からXLN~M20期まで、緑入りデッキの屋台骨として主に《鉄葉のチャンピオン》や《原初の飢え、ガルタ》と共にスタンダードを戦い抜いた。

そしてGRN~ELD期以降は令和の極楽鳥こと《金のガチョウ》とその立ち位置を入れ替えるようにしてスタン落ち。下環境では相変わらず《エルフの神秘家》などと共に緑マナを生み出してマナ加速に貢献しており、エルフデッキでは更に時たま攻撃に加勢している。パイオニアでは更に《恋煩いの野獣》に恋されているそうな。

その後スタン落ちから4年経った2024年、基本セットの後継セット「ファウンデーションズ(FDN)」で再録。
スタンダードで2029年までの5年間利用できる特殊セットであり、長きに渡ってスタンダード環境に腰を据えることとなった。
登場後はさっそく緑絡みのデッキでの採用が見られる。
またジャパンショーケース版を百瀬寿が担当し、可愛い女の子ラノエル×3のイラストとということで話題となった。この子達も骨折ってくるのだろうか
コレクターブースター限定ということもあり、案の定紙ではとんでもない値段が付いている。
なおMtGAではコモンの別イラスト扱いでわずか1000ゴールド*1で購入できるため紙では手が出ないという人はMtGAでこちらにするのも一興。

関連カード

緑はマナ・クリーチャーの宝庫なので、同様のカードも多い。
が、とても網羅しきれないため、エルフのマナ・クリーチャーに絞っていくつか紹介。

フィンドホーンのエルフ/Fyndhorn Elves (緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(緑)を加える。
1/1
エルフの神秘家/Elvish Mystic (緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(緑)を加える。
1/1

どちらも同型再版(以前のカードとカード名以外が全く同一のカード)。
フォーマット次第では、ラノワールのエルフが実質8枚とか12枚積めることになる。
またEDHでも実質3枚積めることに。

《フィンドホーンのエルフ》は、当時のセット「アイスエイジ」で世界観が大きく変わった為に作られた同型再販なのだが、スタンダード環境でもラノワと同居しており上記の8枚積みが可能だった。
初登場から長らく再録されてなかったが、約25年を経て特殊セットで再録され、日本語名を得た。

《エルフの神秘家》は「将来の再録に合わせて」作られた同型再販カード。
WotC曰く、ストーリー性を考えて再録する以上、固有名詞付きの汎用カード(ラノエルの場合は「ラノワール」がドミナリアの固有地名)は再録しにくいとと考えており、将来的にどこでも再録出来るように固有名詞を廃した同型再販を作る必要があったとのこと。
しかし基本セット2013の頃から1マナのマナ・クリーチャーの収録に慎重になってきており、現にラヴニカのギルド以来、1マナのマナ・クリーチャーの土地加速やマナ能力の全てに条件が課せられている事から、エキスパンションや基本セットでの再録は望みがたい状況にあった。

その後「ドミナリア」でドミナリアに再訪した際には名称の問題もなく、環境的にも問題ないと判断されたのかラノエルが再録された。
基本セット後継となる「ファウンデーションズ」でもこれらではなくラノエルが再録されたのはやはり知名度の差か。
結局エルフの神秘家は初収録の基本セット2014と翌年の基本セット2015を最後に本流のセットではさっぱり登場していない。

スカイシュラウドの強兵/Skyshroud Troopers (2)(緑)(緑)
クリーチャー - エルフ・戦士
(T):(緑)を加える。
3/3

マナエルフにビートダウン用の戦力をもたせようとした結果、序盤のマナ加速の役割を担えなくなりサイズも緑としては中途半端になってしまったどっちつかずのエルフ。

このデザインの成功作はオデッセイブロックの《熊人間/Werebear》*2まで待つことになる。


東屋のエルフ/Arbor Elf (緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):森1つを対象とし、それをアンタップする。
1/1

マナを出す代わりに森をアンタップする。
基本土地タイプを持つ多色地形と組み合わせると多色マナとして使え、《楽園の拡散》のようなマナを追加で出すオーラで爆発的な加速を見込めるといった利点を持つ。

深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow (緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(黒)を加える。深き闇のエルフはあなたに1点のダメージを与える。
1/1

緑ではなく黒を出すが、その度にライフが削れる。
同様に白マナを出す《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim》もあるが、こちらはダメージは受けない(エルフではないので割愛)。

ボリアルのドルイド/Boreal Druid (緑)
氷雪クリーチャー — エルフ(Elf) ドルイド(Druid)
(T):(◇)を加える。
1/1

氷雪クリーチャーであるため、無色とはいえ氷雪マナである。

スカイシュラウドのエルフ/Skyshroud Elf (1)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(緑)を加える。
(1):(赤)か(白)を加える。
1/1

1マナ重いが、友好色へのマナフィルターが追加。
タップは必要ないので何マナでも変換可能であり、自身の出した(緑)も変換できる。

アーボーグのエルフ/Urborg Elf (1)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(緑)か(青)か(黒)を加える。
1/1
アニマのドルイド/Druid of the Anima (1)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(赤)か(緑)か(白)を加える。
1/1

緑とその対抗色・友好色の各3色が出せる。
後者は《スカイシュラウドのエルフ》の下位互換だよね、とか言ってはいけない。

クウィリーオン・エルフ/Quirion Elves (1)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
クウィリーオン・エルフが戦場に出るに際し、色を1色選ぶ。
(T):(緑)を加える。
(T):選ばれた色のマナ1点を加える。
1/1

緑+選んだ1色のマナが出せる。
大体上2つの下位互換。

ティタニアの僧侶/Priest of Titania (1)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):あなたのマナ・プールに、戦場に出ているエルフ1つにつき(緑)を加える。
1/1

エルフの数だけ緑マナを出す。エルフの数が揃っていれば強烈、エルフデッキミラーともなった日にはエライことになる。
クリーチャーをアンタップするカードとの相性は抜群。

エルフの大ドルイド/Elvish Archdruid (1)(緑)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
あなたがコントロールする他のエルフ・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
(T):あなたがコントロールするエルフ1つにつき、(緑)を加える。
2/2

こちらは自軍のエルフ限定。実用的な意味では大差ないか。
それより所謂ロード能力(特定サブタイプ持ちの全体強化のこと)が嬉しく、採用もこちら目当てが多いそうな。

ラノワールの使者ロフェロス/Rofellos, Llanowar Emissary (緑)(緑)
伝説のクリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):あなたがコントロールする森1つにつき、(緑)を加える。
2/1

森の数だけ緑マナ。中盤以降で強力な効果を発揮する。
伝説のクリーチャーなので統率者に採用出来るが、軽い癖に1タップでとんでもない量のマナを出せてしまうため、あえなく統率者戦禁止推奨カードに。

楽園のドルイド/Paradice Druid (1)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
楽園のドルイドがアンタップ状態であるかぎり、これは呪禁を持つ。(これは対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象にならない。)
(T):好きな色1色のマナ1点を加える。
2/1

マナ・クリーチャーながらパワー2にアンタップ時限定ながら呪禁とその他カードパワーも良好で、下環境でもエルフデッキなどに時折採用される。GRN~THB期には警戒(攻撃に参加してもタップしない)を他のオーラや装備品諸共付けて攻撃していくP/T隆々の逞しい姿が散見され、そのマナ能力が飾りと化していた。

ラノワールの幻想家/Llanowar Visionary (2)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
ラノワールの幻想家が戦場に出たとき、カードを1枚引く。
(T):(緑)を加える。
2/2

往年の人気クリーチャー《エルフの幻想家/Elvish Visionary》と《ラノワールのエルフ》が合体。
しかしマナコストまで合算されているため、双方の売りだった軽さが損なわれている。ランプデッキ向け。

死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman (黒/緑)
クリーチャー - エルフ・シャーマン
(T):いずれかの墓地にある土地カード1枚を対象とし、それを追放する。好きな色1色のマナ1点を加える。
(黒),(T):いずれかの墓地にあるインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を対象とし、それを追放する。各対戦相手それぞれ2点のライフを失う。
(緑),(T):いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。あなたは2点のライフを得る。
1/2

墓地から土地を追放することで好きな色のマナ。を含む色々な事をする「オマケで」相手の墓地対策もする
悪名高き「1マナのプレインズウォーカー

書いてあること全ておかしいが、かろうじて墓地コスト、特に土地が墓地にが必要という点から、
墓地に土地が落ちにくいフォーマットでは適正なパワーとなる。

まあ墓地に行く土地ことフェッチが標準搭載のモダン、レガシーでは言うまでもなく禁止なんですけど。

Jaspera Sentinel / ヤスペラの歩哨 (緑)
クリーチャー - エルフ・ならず者
到達
(T),あなたがコントロールしていてアンタップ状態であるクリーチャー1体をタップする:好きな色1色のマナ1点を加える。
1/2

《ラノワールのエルフ》の下位互換として刷られることの多い「自身と他のクリーチャーをタップしてマナを出すドライアド」のエルフ版。
単独のマナクリーチャーとしてははっきり言って使いづらいが、序盤から横並べにしていくデッキであれば《ラノワールのエルフ》と結局対して違いはなく、タップされることを条件に効果を発動するカードとのコンボも考えられる。
あと地味にどの色のマナも出せるのはありがたいので、パイオニアやパウパーのエルフデッキで採用される。

ラノワールの部族/Llanowar Tribe (緑)(緑)(緑)
クリーチャー - エルフ・ドルイド
(T):(緑)(緑)(緑)を加える。
3/3

「モダンホライゾン」で登場した直接の派生種で、3人集って性能も3体分になった。
マナ加速としての性能自体は破格で打点も十分だが、マナの使い道と除去された際のカバー手段が課題となるか。
ちなみに3倍するのに味を占めたらしく、モダンホライゾン2では《癒し手の鷹》を3倍にした《癒し手の群れ》、モダンホライゾン3では《モグの狂信者》を3倍にした《モグの群衆》が登場している。

ラノワールの助言者/Llanowar Mento (緑)
クリーチャー — エルフ(Elf) スペルシェイパー(Spellshaper)
(緑),(T),カードを1枚捨てる:《ラノワールのエルフ/Llanowar Elves》という名前の緑の1/1のエルフ(Elf)・ドルイド(Druid)・クリーチャー・トークンを1体生成する。それは「(T):(緑)を加える。」を持つ。
1/1
コイツ自身はマナクリーチャーではないが、手札1枚を名前を含め《ラノワールのエルフ》のトークンへと変えることができてしまう。ちなみに収録された「未来予知」には他にも実在するカードと同名のトークンを生成するサイクルが存在する。
同性能のトークンを出すカードは他にもあるが、デジタルのアリーナには《ラノワールのエルフ》そのものを戦場に生み出す*3《マーウィンの身内/Marwyn's Kindred》なんてカードもある。


アニオタたちがwikiで追記するときは、どの項目もそれぞれ1つずつは手つかずのまま残していく。彼らはそれを次の人が修正する分と考えているのだ。

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最終更新:2024年11月28日 16:07

*1 デイリーミッション2日分ぐらいやれば買えるレベルの安さ

*2 《ラノワールのエルフ》より1マナ重いが自分の墓地のカードが7枚以上になると4/4というなかなかのサイズになる

*3 創出という、トークンやコピーではないカードを生み出すメカニズム