原始のタイタン/Primeval Titan(MtG)

登録日:2010/09/23(木) 23:25:14
更新日:2023/11/19 Sun 15:31:43
所要時間:約 7 分で読めます




《原始のタイタン/Primeval Titan》はマジック・ザ・ギャザリングの基本セット2011に収録されたクリーチャー。
神話レアで登場したタイタン・サイクルの緑担当。


原始のタイタン / Primeval Titan (4)(緑)(緑)
クリーチャー:巨人(Giant)
トランプル
原始のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、あなたはあなたのライブラリーから最大2枚までの土地カードを探し、それらをタップ状態で戦場に出し、その後、あなたのライブラリーを切り直してもよい。
6/6


基本セット2011には各色にタイタンが収録されているが、緑のタイタンは緑らしく土地を運んでくる。

一度戦場に出るか攻撃する度に土地を2枚ライブラリーから探して戦場に出せるため、驚異的なマナ加速とライブラリー圧縮になる。
普通なら土地は1ターンに1枚しか出せないのだから、この能力の凶悪さは想像が付くだろう。
これで6/6トランプルとかふざけんな。

甲鱗のワーム》様の立つ瀬が無い。


特筆すべきは土地であるなら特殊地形もサーチできる点。マジックには強烈な特殊地形が山のように存在する。ウルザランドの様な莫大なマナを生み出す土地を一気に出してしまえばもはや雌雄は決したも同然だろう。


キャスティングコストが6マナであるのがネックと言えばネック。もちろんスペックを考えると明らかに軽いが、ストンピィのような軽量デッキには向かない。
また、6マナ出せる状態でこれ以上土地を増やしても、マナが余ってしまっては意味がない。そのため、余ったマナを注ぎ込むためのカード、もしくは土地セットを活かせる構成を同時に採用する必要がある。

とはいえ、直近のゼンディカー・ブロックは土地ブロックであるため非常に相性が良く、相方に困る事はない。赤緑ヴァラクートならば、出すだけで3点以上焼ける。状況次第では出した瞬間に20点ダメージ飛ばして相手プレイヤーが死ぬ。

緑の絡むデッキには大抵入る活躍ぶりで、参入当時から値段も《悪斬の天使》を上回った。


その後、基本セット2012も再録。

相方のヴァラクートやエルドラージ土地などは消えたが、新たに《ケッシグの狼の地》と言うとんでもなく相性の良い相棒をゲット。なにせこいつ、土地である上に、起動型能力で「パワーをXマナ上げる」という、マナを伸ばせば強くなる=緑タイタンと組み合わせるために存在するようなカードである。
ついでに、《墨蛾の生息地》と言う強力なミシュラランド(クリーチャー化する土地)も有り、こいつがまた《ケッシグの狼の地》と相性バツグン。そしてこのカードで両方呼べる。
【赤緑ケッシグ・ランプ】と言うデッキで世界選手権11優勝や、*1や、プロツアー「闇の隆盛」での優勝をもぎ取っている。
…が、活躍はここまで。
闇の隆盛で完全体になり、スタンダード単独フォーマット大会全6戦での決勝進出率117%、勝率83%*2という【Delver-Blade】の暴虐がこの後のスタンダードシーンを駆け抜けるのであった。


その後、基本セット2013では再録されず、緑を支えてきた彼も表舞台から去……らなかった。

モダンでも少数ながら成立している【ヴァラクート】系デッキや、《精力の護符》とラヴニカのバウンスランドを組み合わせたコンボデッキでも採用されている。
更にテーロスブロックの登場で、《ニクスの祭殿、ニクソス》を中心に据えた【緑単信心】という疑似コンボデッキに4積み。
《楽園の拡散》が貼られた森を《東屋のエルフ》や《野生語りのガラク》でアンタップしたりして、3ターン目に《原始のタイタン》が着地し、効果で《ニクスの祭殿、ニクソス》を持ってきたなら、次のターンには《ニクスの祭殿、ニクソス》から10越えのマナを捻出し、《起源の波》X=15とかやったりする。

また、レガシーでも地雷気味のデッキだが【Nic fit】というランプ系デッキに採用されている。
ついでに統率者戦では高い使用率を誇り、暴れすぎて禁止を食らっている。

ちなみにウィザーズ・オブ・ザ・コーストの射場本氏によれば、元ネタはデュエル・マスターズの《大勇者「ふたつ牙」》とのこと。
開発当時タイタンサイクルの中で緑担当のこのカードの能力に悩んでいた所射場本氏がデュエマには「ふたつ牙」というカードがある(から参考にしてみてはどうか)とアドバイスした事で「ふたつ牙」を参考に土地を引っ張ってくる効果になったとか。
ルールやゲーム性の違いとはいえあっちは好きなカードをマナに置けるわけでもないしアタックトリガーでのブーストもなかったんですけどね。
その後登場したの《スーパー大番長「四つ牙」》はこのカードを参考にしたのかアタックトリガーでのマナブーストも付随している。

タイタン・サイクル

原始のタイタンの仲間である4人のタイタン。

タイタンは基本セット2011の神話レアとして各色に存在し、ともに「6マナ6/6の巨人」「出た時と攻撃する時に誘発する能力」を持つ。

後者の「出た時と攻撃する時に誘発」と言う条件はタイタンの大きな特徴であり、「出て即除去されても一定の仕事はする」し、「攻撃できればさらに仕事する」側面から腐りづらいのが特徴。後にこの能力は『タイタントリガー』と俗称され、後の世ではギリシャ神話の巨人である《死の飢えのタイタン、クロクサ》《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などにも引き継がれていくことになる。そして後者は原始のタイタン以上にカチ壊れる

太陽のタイタン / Sun Titan (4)(白)(白)
クリーチャー:巨人(Giant)
警戒
太陽のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、あなたの墓地にあるマナ総量が3以下であるパーマネント・カード1枚を対象とする。あなたはそれを戦場に戻してもよい。
6/6
白のタイタンはリアニメイト。スタンダードでは青白コントロールなどに使われたものの、同時期の白には悪斬の天使がいたので……
とはいえ、環境が広くなるほど「3コスト以下のパーマネント」は強力になるため、かつてはモダンやレガシーでも採用され、現代でも統率者戦で使われることがあるいぶし銀なカード。
現在の主戦場はヴィンテージで、《ドルイドの誓い》から《太陽のタイタン》をリアニメイトして《サヒーリ・ライ》に繋ぐ【サヒーリオース】のキーカードに。
霜のタイタン / Frost Titan (4)(青)(青)
クリーチャー:巨人(Giant)
霜のタイタンが対戦相手1人がコントロールする呪文や能力の対象になるたび、それのコントローラーが(2)を支払わないかぎり、それを打ち消す。
霜のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、パーマネント1つを対象とし、それをタップする。それはそれのコントローラーの次のアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
6/6
青のタイタンは凍結。だが、疑似除去に過ぎないこと、スタンダードには他に有力なフィニッシャーが居たこと、そもそも青のファッティを使うくらいなら多色にして他の色のファッティを出したほうが強いことなどもあり、あまり使われなかった。
正直サイクル中一番弱い。

墓所のタイタン / Grave Titan (4)(黒)(黒)
クリーチャー:巨人(Giant)
接死
墓所のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、黒の2/2のゾンビ(Zombie)・クリーチャー・トークンを2体生成する。
6/6
黒のタイタンはゾンビ
事実上6/10/10という極めて高いマナレシオを持つ優秀なクリーチャーであり、対処されなければ2ターンでゲームが終わる。スタンダードの黒系デッキで多く使われたほか、下環境のリアニメイトデッキで使われることもあった。

業火のタイタン / Inferno Titan (4)(赤)(赤)
クリーチャー:巨人(Giant)
(赤):ターン終了時まで、業火のタイタンは+1/+0の修整を受ける。
業火のタイタンが戦場に出るか攻撃するたび、クリーチャーかプレインズウォーカーかプレイヤーの組み合わせを1つまたは2つまたは3つ対象とする。業火のタイタンはそれらに、3点のダメージを望むように割り振って与える。
6/6
赤のタイタンは火力。
クリーチャーを焼いてよし、本体を焼いてよし。起動型の火吹き能力も併せて、「ライフと盤面への圧力」は相当なものがある。
赤単なので6コストは出しにくいが、それでも下環境の「スニークアタック」や「オース」のような踏み倒しデッキで使われた。

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最終更新:2023年11月19日 15:31

*1 この年はスタンダード+モダン+「イニストラード」ブースタードラフト。

*2 GPリール12で2位が一度、他は全て優勝、1度決勝がミラーマッチになっている。