登録日:2011/12/07(水) 19:51:05
更新日:2023/09/08 Fri 23:05:06
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MTGにおけるゴチ!/Gotcha!は、TCG
マジック:ザ・ギャザリングの公式ジョーク・エキスパンション(アンヒンジド)に存在する能力語。
特定の条件を満たしたときに「ゴチ!」と言うと、そのカードを墓地から手札に戻すことができる誘発型能力を表す。
ゴチの誘発条件はいずれも対戦相手の行動となっており、相手は条件を満たさないように注意をはらって動く必要がある。
また自分は相手に合わせて「ゴチ!」と素早く叫べるようにしていなければならない
というわけである。
ゴチを持ったカード
白
Cardpecker/カードツツキ
飛行を持ったウィニークリーチャー
ゴチの条件は対戦相手がテーブルを触った時に発動できる
Save Life/命はお助け
ライフ回復と軽減を持ったカード
ゴチの条件は対戦相手が「助け(る)」または「ライフ」という度に発動できる
青
Number Crunch/面倒な計算
バウンスカード
対戦相手が数字をいう度に発動できるが、数字と同字・同音異義語は認められない(「1」と「位置」など)
Spell Counter/呪文カウンター
確定カウンターカード
ゴチの条件は対戦相手が「呪文(Spell)」と「打ち消(す)」、「カウンター」という度に発動できる
黒
Kill! Destroy!/殺せ! 破壊しろ!
単体除去カード
ゴチの条件は対戦相手が「殺(す)」か「破壊」をいう度に発動できる
赤
Deal Damage/ダメージ与え
バーンカード
ゴチの条件は対戦相手が「ダメージ」か「与え(る)」をいう度に発動できる
Touch and Go/一触即発
土地破壊カード
ゴチの条件は対戦相手が自分の顔を触るたびに発動できる
ちなみに顔の内部(鼻の穴や口の中など)も顔の一部に入る
緑
Creature Guy/クリーチャーなやつ
そこそこな性能を持つクリーチャー
ゴチの条件は対戦相手が「クリーチャー」か「やつ」という度に発動できる
Laughing Hyena/笑う
ハイエナ
標準サイズのクリーチャー
ゴチの条件は対戦相手が
笑うことで発動できる
含み笑いだろうが嘲笑でも相手が笑っていればゴチできる
Name Dropping/名前落ち
墓地にあるカードにゴチの能力を持たせるカード
ゴチの条件は対戦相手が自分の墓地にあるカード名にある単語をいうことで発動できる
さて、一見すると「シャカパチ対策」だとか「相手を笑わせることに注力できる」だとか、いかにゴチを誘発させるかを考えられる楽しいカードのように見える。
しかし実際にプレイしてみるとこれが結構イラっと来る。なにせ思わず笑ってしまったら「ゴチ!はいハイエナ手札に戻すね!」と相手が勝ち誇ったように言ってくるのだ。
使う側からすれば実際策に嵌めたのだから「してやったり!」とうれしくなってしまうのは当然なのだが、やられる側からすれば「Gotcha!/ゴチ!」が持つ後述の意味が意味なせいで、
何度もやられているうちに自分の間違いを指摘されているような気分が生じ、どうしてもむかむかしてくるのである。
プレイしてみると分かるのだが、普段意識しない行動を逐一指摘されるというのは意外とイラっと来るものである。
小中学生の頃、クラスメイトに自分の癖を真似されて不快になったり、逆に相手の癖を真似して気を悪くされたりしたことがあるだろう。ニュアンス的にはアレに似ているのだ。
「それは単に怒りっぽいだけじゃないか」という指摘ももっともなのだが、ゴチと言われることを楽しむにせよ根本的な問題がある。
ゴチされてしまえば相手が一方的に得をするので、駆け引きとしても結局
そのうち相手にゴチられないようにするため、ゴチに引っ掛かりそうな行動を軒並み止めるようになる。
そうすると
ゲームは笑うことも話すこともできなくなるという、にらめっこのような味気ないものになってしまう。
そもそも
これはゲームを楽しむためのジョークセット特有の能力としてデザインされているのである。
つまり「
何が悲しくて勝敗度外視のジョークカードでイラっとしなきゃならんのだ」というわけ。
もちろん実際に怒りをあらわにする人のほうが問題なのだが、このメカニズムはイメージ通りに愉快なもの
というわけでもない。
ゴチ!のデザイナーであるマーク・ローズウォーターは公式コラムでこのように語っている。
「問題は、ゴチを防ぐための正しい方法が、何もしないことだ、ということに発売まで気づかなかったことである。話すのを止め、動くのを止め、笑うのを止める。そう、マジックを楽しむためにデザインされたこのセットには、楽しむときにやろうとすることを明確に禁止するようなメカニズムが含まれていたのだ。」
そして実際、以降の銀枠セットにゴチ!は再登場していない。
ちなみにGotchaは「(I've) got you」の略である。
辞書によると意味は「(発言に対して)わかった!」「つかまえた!」「(からかいなどに引っかかった相手に対して)やった!」「(イタズラなどを見つけて)みーちゃった、みーちゃった」など。
蛇「ゲッチュ!!」
そして
"Gotcha"という単語そのものは、実は「ゴチ」とは発音せず「ガッチャ!」か「ガッチョ!」が正しい発音、
どこぞの決闘者の口癖でもある。
「ゴチ」というのは「ごちそうさま」の略で、主に一方的に利益を得た時に「ゴチになります」とからかい交じりで言うものである(高級レストランで値段のチキンレースをして敗者が全額負担するという趣旨の同名番組もある)。
相手のミスに対してからかい交じりで言うというのは共通しているが、実際は「ガ行とチしか合ってない」ため相当な意訳だったりする。
公式記事で失敗メカニズムと名指しされてしまった「ゴチ!」だが、逆に『へんてこな縛りを破ったらゴチ』という効果のカードならば、「使用者に縛りを課し、対戦相手がそれを指摘するとペナルティを与える」という形で複数枚存在している。
「相場よりも強力だがペナルティを持つカード」の変種と考えてよい。これらのカードはゴチ!持ちではないので「あ、ちょっと待って」でOK。
「普段と違う声でしゃべらなければならず、普段通りの声でしゃべると生け贄に捧げられるアーティファクト《Bronze Calendar》」
「唱えることなくこっそり場に出せる代わりに、それを対戦相手にただちに指摘された場合は追放されてしまう(つまり不自然な行動をどうごまかし抜くかの駆け引きがある)《Cheatyface》」
「常に質問形式で発言しなければならず、質問以外のことを発言した場合はそれを指摘したプレイヤーに奪われてしまうクリーチャー《Question Elemental?》」
あたりが有名で、ほかにも何種類か存在する。
この中でも特に《Cheatyface》は人気が高かったようで、「別のカードの下にこっそり出す」「あ、UFO!などの古典的な方法で気を逸らす」「あらかじめマナを出した後に無言で出し、相手が素出ししたものと誤認することを狙う」「《Cheatyface》を2枚重ねてセットでこっそり出す」「とっちらかったカードを整理するときにしれっと出しておく」など、様々なごまかし方が考案された。
しかし「ただちに指摘」という点がルール的にもめる場合があったため、その問題点を解消した後継カード《完全に普通の肘掛け椅子》が登場した。
マフィンが2個オーブンに入ってたんだ。で、片方のマフィンがもう片方に「追記・修正をお願いします」って聞いたら、相手のマフィンがこう言ったんだ。「うわぁ! マフィンがしゃべったぁ!」
- Stop Thatはどのゲームでも欲しいレベルwアレかなりうるさいんだよねw -- 名無しさん (2014-04-26 19:51:10)
- 黙って何もしないのが最適解になるので失敗だったと言われてしまったメカニズム -- 名無しさん (2016-11-15 14:11:57)
- ↑答えは沈黙(至言) -- 名無しさん (2020-10-15 13:23:13)
- 「1ターンに1度、あなたは10秒以内にジョークを言ってもよい。相手が笑わなかったゴチ」とかだったらよかったのにな・・・ -- 名無しさん (2021-02-09 10:08:10)
- こういう「○○禁止」系のボードゲームはそこそこあるから調整次第だったんだろうなぁ。「お互いにゴチの権利がある(早い者勝ち)」「ゲーム外の現象もゴチの対象になる(例えば『鳥の鳴き声が聞こえたら』とか)」「『(普通に行われること)をしたらゴチ』ではなく『(へんてこな縛り)を破ったらゴチ』にする」とか -- 名無しさん (2021-02-09 10:42:57)
- 魚のゴチとは関係ないのか -- 名無しさん (2021-02-09 11:02:40)
最終更新:2023年09月08日 23:05