お見舞い(シチュエーション)

登録日:2012/04/22 Sun 01:20:33
更新日:2024/12/02 Mon 18:16:25
所要時間:約 4 分で読めます




お見舞いとは創作作品におけるおなじみの展開、いわばお約束となるシチュエーションである。

【概要】
お見舞いとは主要人物が風邪をひき、身近な人物がそれを慰めたり時には看病する目的で部屋を訪れること。
この項目では恋愛もののストーリーにおけるそれに限定して取り扱う。
ヒロインの普段は見えない一面を描けるからか、主人公とヒロインの仲を縮めるのに都合がいいからか、
恋愛要素がある創作作品では大概このシチュエーションが発生する。

なお、風邪ではなくガチな重病や大怪我、臨終などはこれから語るシチュエーションとは大きくベクトルの違ったもの(要するにシリアス)なので、ここに含まないこととする。
また「ビンタをお見舞いする」などダメージを与える行為(これはこれで恋愛ものによくあるシチュエーションではあるが)、「暑中見舞い申し上げます」などの挨拶もここでは取り扱わない。


【特徴】
創作作品のお約束であるこのシチュエーション。では実際どんなものなのか。そしてどう萌えるのか、ここで列挙する。

■主人公とヒロインはだいたい幼馴染のはず、だが…
常識的に考えればこのシチュエーション、お見舞いに行けるような立地条件かつ、家(あるいは部屋)に自然に入れるほど親密な関係でなければ起こり得ない。
この条件をお手軽に満たす関係が幼なじみ、あるいは下宿や居候、義理のきょうだいなど元々ひとつ屋根の下で暮らしている関係だろう。

……いや考えてみてほしい。
むしろ「親しいクラスメイトや同僚」「友人」「友達以上恋人未満」「恋人だけどまだ部屋に行ったことがない」くらいの関係性でありながら異性の家(部屋)に行く状況に持っていけるのが「お見舞い」の強みではないだろうか。
もちろん恋人でもない異性の家(部屋)を訪れるのはいささか不自然なので、学級委員や部のマネージャーなど世話を焼いてもおかしくない(先生に頼まれてもおかしくない)立場だったり、
風邪の原因を作ってしまった、風邪をひいた側が一人暮らしなどお見舞いに行く積極的な動機があったりといった理由付けがなされる。
……とはいえ単に心配なので見舞いにきた、程度でも読者(視聴者)はそこまで不自然に思わず、むしろ「相手のことを好きな証拠」として好意的に受け止める傾向がある。


■保護者は不在
お見舞い先の家に保護者がいて看病してくれているなら、いくら親しい間柄でも手土産渡して多少おしゃべりして帰ることになるのが普通だろう。
それだと下記の手料理やサービスシーンには持っていきづらいため、(少なくとも見舞い側が訪れている時間帯は)保護者が不在であることが多い。無論、例外もある。
元から一人暮らし、保護者は仕事などで家を空けているのが定番。中には家庭が崩壊しており見舞い側は訪れて初めて知る……という重いパターンもある。
状況によっては見舞いついでに手料理から皿洗い、掃除まで甲斐甲斐しく世話を焼くこともある。


■デコピッタン
自分のデコを相手のデコにくっつけて「ん、熱はたいしたことなさそうだな」とか言うアレ。
必然的に顔が近付くのでやられた方はドギマギし、読者(視聴者)はニヤニヤするのである。
男性からする場合は大概天然ジゴロ。女性からする場合はだいたいさばさばした人か天然っ娘。無論、例外も(ry


■手料理
もはや王道中の王道。お見舞いシチュエーション、特に風邪を引いた側が一人暮らしかつお見舞いに来る側が女性のパターンが起きた場合、高確率でこのイベントが発生する。無論、例外(ry
料理は病人相手なのでおかゆ、おじやスープといった温かくて消化に優しいもの。稀に卵酒や蜂蜜レモネードなど飲み物も一緒に出してくる。
料理上手の本領発揮であるのはもちろんのこと、男勝りや大雑把や男性などが意外と料理ができるといういい意味でのギャップを見せることができる。
風邪で弱った心と体に染みる温かい手料理、運がよければ「あーん」が待っている(後述)。

だが世の中には料理下手という属性のキャラが一定の割合で存在する。このイベントはある意味料理下手の本領発揮とも言える。
料理下手キャラが作った場合、間違いなく不味い。コメディ色が強い作品ならほぼ間違いなくその不味さがオチに使われる。
なんやかんやと騒がしいお見舞いシチュエーションの終わり、ヒロインの残したおかゆがテーブルに置いてある。
それを食べた瞬間悶絶、あるいは卒倒、「それから○日間腹痛で寝込む羽目となった」のモノローグで〆、というわけである。
話のシメとしての汎用性の高さ、いつもより甘めなその話の最後のバランス調整のしやすさ、
そしてお料理下手というちょっと可愛い一面を描けるからか、本当にオチとしての採用率は高い。
現実に料理下手はおかゆ程度でも腹痛や吐き気が追加され悪化させてしまう。

料理下手、というよりは天然、ポンコツの範疇に入るが、「体力付けてほしい」「相手の好物を作ってきた」という名目で揚げ物やステーキといった胃に重い料理を作ってくるパターンもある。
こちらは一見避けられそうな悲劇だが、折角の好意だから、好きな人の手料理だからといった理由で食し、「それから○日間腹(以下略)になってしまう。
風邪を引いた側が食いしん坊だったならガツガツ食べて快復!もあり得るかもしれないが(ただしツッコミ役としての第三者が必要になる)。


■あーんor口移し
おかゆや果物を差し出されても呆然として身体が動かせない、そんな相手に「仕方ないなあ///」と言うが早いかやるが早いか、食べ物を「あーん」するのである。
とにもかくにも甘い!甘甘、そしてニヤニヤである。2人の距離がどれほど近いか読者に再確認させてくれる。そしてニヤニヤさせてくれる。
熱々のおかゆをふーふーしてからの「あーん」してくれる亜種もある。

もう一歩踏み込んだ関係、かつ作品がチョット大人向けだと口移しというのもあり得る。ただし食べ物よりは水などの飲み物、薬(と水)を飲ませる場合のほうが多い。
こちらはあーんと違ってエロい、只管エロい
流れてくる水に乗っかって舌と唾液が……うっ、ふう……。これを入り口にエロシーンが始まったりもする。そして大概オチとして風邪が移る。無r(ry


■サービスシーン
こちらは風邪を引いたのが女性であることを前提で語る。
ギャグとして男がかます場合もあるが、萌シチュエーションとして語る上では若干誰得感があるのでここでは割愛する。
風邪を引くと熱が上がる。汗が出てキモチワルイ。故に着替えようとする。そこに見舞いにきた男が……。
あるいは男に違う方向を向かせて半裸になって汗ふき、男は意識してドギマギ……とまあそういうことである。
「熱が上がって汗をかく」という性質上、着替えや汗ふきによるサービスシーンが発生するのである。
なお、サービスシーンとは若干違うが、熱っぽく潤んだ瞳と上気した顔とか貴重なパジャマ姿とか、
どことなくエロい一面が描かれるのもこのシチュエーションの特徴と言えるだろう。
なお女性向け作品なら、風邪をひいた側が男性でも立派なサービスシーンになる。
堂々と脱ぎ出す男性に対して女性が真っ赤になって大慌て、恥ずかしがらず着替えさせようとする女性に男性が真っ赤になって抗議、幼い頃のノリで何てことないと思っていたのに逞しくなった男性の体にドキドキ…といったパターンがある。
また、風邪をひいたのが男女問わず、ふらついた相手を支えたり抱き止めたりして密着するのもサービスシーンと言えるだろう。
昔の作品なら、お見舞いに来たときにちょうど往診に来た医師の前で服をはだけてて…なんてのもあったものだ。


■お姫様抱っこ
こちらも風邪をひいたのが女性であることを前提で語る。
男女の体格や力の差の都合上そうしないと基本的に成立しないからである(おねショタなど逆でも成立することはある)。
お見舞いにきた男性を出迎えたのはまさかの風邪をひいた女性本人。無理しなくていいよと労った刹那、女性は熱で体がふらつき倒れそうになる…ところを男性が支えお姫様抱っこで部屋へと連れていく……。
あるいは風邪で寝込む女性、トイレに行きたいが体が思うように動かない。そこを男性がお姫様抱っこでトイレまで運んで行く。もちろんベッドに戻る際もお姫様抱っこで運んで行く。
こちらは厳密には見舞いではないが、学校で熱を出して倒れたところを皆が見ている前でお姫様抱っこされ保健室へ……。
お姫様抱っこはベッドから運ぶ、あるいはベッドまで運ぶために起こりうることなので、男性が恋人でもない女性の部屋に入り、枕元まで近づくというハードルの高い状態に持っていけることができるのもポイント。
お姫様抱っこ自体が「女性の夢」であるシチュエーションのため女性向け作品でみられることが多く、男性向け作品はほとんどみない。


■三角関係
お見舞いシチュエーションは主人公とヒロイン二人だけの空間…とは限らない。
恋愛ものの定番三角関係、つまり恋のライバルがいる場合「お見舞いがかち合う」あるいは「ライバルに先を越される」パターンもある。
ライバルはポカリやプリン、写したノートといった有難いお土産を持ってくるなど優秀なパターンもあれば、心配するだけでやたらうるさいなどマイナスなパターンもある。

また病人相手ということで三角関係の一時休戦にもっていくシチュエーションもある。
恋敵同士が協力して看病に精を出したり、恋敵がお見舞いにきて想い人不在状態のなか初めて二人きりになったりする。
これによってライバルの違う一面を描写して、単なる邪魔者ではなく人間味のあるキャラクターにすることができる。




【三次元において】
三次元でもやっぱり萌えるだろう。想像してほしい。
気になるアイツ、大好きなアイツが自分の為に態々お見舞いしてくれたり看病してくれるのである。
それはもうとても嬉しいことだ多分な。まあ色々言ったが俺らには縁の無い話である。


追記・修正は風邪を引き、幼馴染に激マズおかゆを口移しで食べさせてもらってからお願いします。


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最終更新:2024年12月02日 18:16