Empires(無双シリーズ)

登録日:2012/02/12 (日) 07:39:50
更新日:2025/02/21 Fri 15:06:57
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Empiresとは『真・三國無双』及び『戦国無双』にある特殊な派生バージョンの一つである。


概要

初登場は『真・三國無双3』から。『戦国無双2』以外で概ね「無双→猛将伝→Empires」の発売順となっている。

本作品の特徴は、一本道な戦闘やストーリーが敷かれていない代わりに、旧コーエーお得意の国取りSLG要素を盛り込んだ争覇モードが搭載されていること。
内政・外政を行いつつ各敵国と無双アクションで戦い、最終的にはすべての地域を勝ち取って天下統一を目指すゲーム

バトルステージは本編と同様で進行ルートも概ね決まっているが、登場する武将はプレイ次第で様々に変わる。場合によっては展開もその時々で違ってくるかも。

また、Empiresには必ずエディット(新武将)モードが搭載されており、そういう意味でも「自分だけの」楽しみ方ができる。
なお『三國無双』では『3』と『4猛将伝』以外の殆どで、キャラクリエイトがEmpiresの専売特許になりつつある。


各シリーズについて

  • 真・三國無双3Empires
Empiresシリーズの初登場作品。基本はできているがSLG要素はかなり簡素。
争覇モードは三国志演義に沿って勢力が配置された「演義」、好きな武将を君主に選び、ランダムに配置された他の勢力と戦う「仮想」の二つが用意されている。
「演義」は、当時はシナリオや時代という概念がなく、黄巾の乱の時代設定に準拠した状態からの開始となる。姜維等の三国時代後半に登場する武将は後半までターンを進めないと登場しない。「演義」でのみ発生するイベントや特殊な戦闘もある。
100ターン以内に統一できないとバッドエンド。この時も専用のEDムービーが流れる。

本作はむしろ「ロックオンシステム」呼ばわりされた方向調整の効きづらさが改善され、アクションとして遊びやすくなっているのが大きかった。
Empiresの戦闘アクションで重要な「兵站ライン」「味方への指示」もこの頃から。要は一定ルートで結ばれた拠点を順番に奪って味方が有利になるエリアを押し上げていくという流れだが、
作品によっては味方の有利エリアに敵将をなんとか放り込んで捕縛したり、あえて奥の拠点を奇襲することでルートを寸断して有利エリアを広げたりすることもでき、これが展開のゆらぎを作る一助となる。

無双ゲーの面白さの一つであった各状況に対応する台詞会話やムービーも各武将に用意されている。自軍内に特定の武将がいると簡易的だがちょっとした会話やムービーが流れたり。そういったものを見るのもある意味醍醐味。
この時代の作品ではまだ珍しかった、敬語で話す曹操様を見ることも出来る。

  • 真・三國無双4Empires
SLG要素が前作から順当に改善され、カードシステムの概念が定着。「特定武将が提案してくる政略コマンド」の収集という形になっている。
隠し実績によって大量の一枚絵を収集するやりこみもある。
完成度は高く、後の戦国無双側の礎にもなったが、痒いところに手が届かない。

  • 真・三國無双5Empires
新武将のカスタマイズが大幅強化(登録数は最大100人)。さらに新たに君主としてでは無く、配下及び在野でプレイ出来るようになった。
配下でプレイ時は、途中で君主を裏切ったりして独立することも可能(後作品では穏当に昇進して君主の座を継承できるようになった)。

同性の仲間と義兄弟の契りを交わしたり、異性の仲間と婚姻を結べるようになったのが結構評判。これにより、様々な無双武将同士のカップリングや新武将同士のカップリングができるようになった。特に音声が活発の女性の新武将は結構いいのでオススメ。
反面、歯応えのあった内政や連舞システムアクション、どちらも戦略性が大きく低下したのは賛否が分かれる。

本作を機に『三國無双Empires』シリーズは(三國志で言う)武将プレイとエディット要素に大きくフォーカスしていくことになる。
また本作の武将エディットはその後戦国無双シリーズを経由して改良されていくこととなる。

  • 真・三國無双6Empires
6つの名声レベルが特徴。NPCの明確な性格付けに一役買っている他、プレイヤーはコマンドに対応する名声のうちどれを高く伸ばしたかで出来ることやエンディングも変化する。
善政や悪政を敷く、放浪軍のままでしばらくいる、果ては呂布のような強武将と対峙した時…等など、本作はムービーが非常に豊富。これらを見る為に何周もプレイしたくなる程。
内政のシステムが1年4ターンから1年12ターンに変わり、カードシステムの概念は本作では戦闘中に使える特殊技「絶招秘計」に。
また、これまではNPCだけだった再出撃がプレイヤーもできるようになった。が、その分モブ将も無双乱舞や秘計を使うなどかなり容赦がない仕様になっていて戦闘が『6』本編以上に手強くなった。(モブ将の乱舞は6Empiresが最後)

武器を自由に持ち替えできるシステムを活かし、得意武器と無双乱舞2枠をそれぞれ別々にできるようになった、音声が大幅増加&DLCでもさらに追加されたなどで新武将のバリエーションがかなり強化。
しかも既存武将をエディット武将に入れ替えられるシステムが導入され、「好きな武将が一向に無双武将化しない」というのをとりあえずは解決できるようになった。ちなみに性別不問である。
条件を満たせば無双武将をエディット武将(異性可)に入れ替えることもできるようになる。

本作から徐庶が無双武将として追加された。その独自性の強い性格から『7』以降、人気キャラとなっていくのはまた別のお話。

概ね順当に進化した作品といえるが、フリーズが割と多いことには注意。
5Empや6無印の逆移植の反省か、本作はPS3から移植されていない。

  • 真・三國無双7Empires
戦国無双4を経てエディット機能がさらに充実。エディット武将は枠数が850人、性能面だけでも90以上もの武器種×無双乱舞3枠×秘計4枠などと組み合わせが凄まじい数に。
加えて馬や兵士、旗の見た目をいじったりそれらと武将10名を軍団としてまとめたり、勢力・キャラ配置などのシナリオエディットを保存したり、外部データに保存したり公式サーバー上にアップロードして配布したりといった事ができるようになった。
本編の難易度は前作より少し控えめで性格付けシステムもシンプルになり、ムービーも減ってしまったが、
アップデートにより三國4Eより復活したフリーモード限定で無双武将とエディット武将がランダム登場する高難易度ルール「レイドシナリオ」が登場。
現在は根気強くアプデが重ねられて普通に遊べるようにはなったが、PS3/4版初期はバグが凄まじく多く、それが足を引っ張ってしまった。
一番動作が安定しているのは恐らく初登場のPCもといSteam版だろう。

『6Empires』に続いて本作でも荀彧が無双武将化している。ちなみに陳宮はファミ通のアンケートで荀彧から1位奪っての猛将伝参戦である。

  • 真・三國無双8Empires
エディット機能が縮小。前作ではできていたシナリオ・軍団・馬・兵士のエディットがごっそり消え、残る武将エディットシステムは仁王2から逆輸入されより細かい調整ができる…と思いきや痒いところに手が届かなくなってしまった。(具体的には体型の大きな変更ができない、少女・少年の顔が作れない、子武将専用の能力タイプが有り任意選択できない、得意武器と無双乱舞などがまたセットに逆戻りした、武将ダウンロードがID指定のみなど)
苦心して開発したという「重ね着システム」もパーツの種類が少ない(前作までの服装・鎧が大幅に減った、私服用の靴がないなど)ことから評判はよろしくない。
戦闘システムは従来の兵站戦ではなく攻城戦に変更。『5無印』から『5Emp』でできなくなったことをやろうとしたとも取れるが、要は拠点と兵器守りながら城の門開けて総大将の首取るだけ、という単調なものに。
他にも在野でやることがない、内政システムの劣化、アクションシステムが微妙に無印と違う、無印DLC武器専用の無双乱舞がない、前作が赤字になってたのかSwitch版・スマホ版や他シリーズに忙しいのかパーツ追加などのアプデが放棄されているなど前作よりも明らかに評価が芳しくない。大丈夫かよ…

  • 戦国無双2Empires
なぜか『2猛将伝』より先に発売された。このためガラシャは登場せず、利家と元親はモブ、小次郎と勝家は継ぎ接ぎモーションである。
基本は『三國4Empires』がベースだが、政略パートのカードに「陣形」「戦場策」が加わり、コレを使うことで戦闘を優位に戦えるギミックをストックできる。
特定の条件を満たせば武将同士の会話イベントが発生する。
因みにスタート出来る年代が1561年からなので今川義元の出番は仮想シナリオだけ。
中々安定した面白さがある良作である。

  • 戦国無双3Empires
武将の歴史を追体験できる戦史演舞と通常モードである争覇演舞がある。
当時の『信長の野望』シリーズに倣ったのか、様々な施設を建設して城下街を作る箱庭内政、合戦を繰り返し進行してゆくスタイルに。
戦史演舞は織田信長上杉謙信武田信玄伊達政宗豊臣秀吉、徳川家康、島津義弘、長宗我部元親、北条氏康、毛利元就の10名分用意されている。歴史に沿って進めるものから大いに脱線しているものと十人十色のストーリーを楽しめる。単に本編の外伝と捉えても遜色ない。
100万人の戦国無双と連動しており、箱庭の施設が増える。電波塔など戦国時代にはオーパーツな施設も
会話イベントこそ多いものの、箱庭作りが面倒に感じて飽きやすい、戦史演武の誰得なシナリオ、戦場で味方武将に指示が出せない、武将の配置を設定出来ない・エディット武将が不遇などEnpiresらしからぬ点が多いため、比較的否定意見が多い。

  • 戦国無双4Empires
前作の問題点が軒並み修正…というか戦略パートは『戦国2E』準拠に戻った
本作は血縁・忠臣・親友等、何らかの人間関係を持っているキャラだけ操作キャラ交代が出来るようになるため、シリーズの中でも特に人間関係の構築が重要になっている。さながら戦国版トモダチコレクション
デフォルトで各地の大名・武田四天王・毛利三兄弟等といった有名な武将約100人がエディット機能を利用した固有グラフィックに変更されており、大半が同じ顔のモブという問題点が解消(結構好評だったのか、後に発売された真田丸でも同じモデルになっている)。
さらに公式女性エディットキャラである姫武将もこれまた約100人追加。戦場に彩りを添えるだけでなく、本作の人間関係構築ゲーに一役買っている。


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最終更新:2025年02月21日 15:06