サイクロップス(X-MEN)

登録日:2012/05/31 (木) 13:13:52
更新日:2024/04/18 Thu 20:42:22
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X-MEN ATTACK!!



サイクロップス(Cycrops)は米MARVEL社の代表的なスーパー(ミュータント)ヒーローの一人(「サイクロプス」と表記されている場合もある(以下、サイクと呼称)。

X-MEN』のリーダーとして特に知られており、事情によりチームを離れていた一時期を除いては常にチームリーダーを務めており、チーム制故に群像劇が基本となるシリーズだが、時期によっては事実上の主人公として扱われていた時期もある。

『X-MEN』関連誌がMARVELの中心タイトルを占める様になった所為か、90年代以降は特にリーダー適性が高いキャラクターとなっており、嘗ては格上だった個人タイトルヒーローのキャプテン・アメリカやアイアンマンすら彼には敬意を払い指示に従う程。

以前はプロフェッサーX(以下、教授)の「理想の申し子」であり「後継者」と呼ばれる存在であったが、00年代以降の展開により教授に失望していた時期やミュータントを取り巻く環境の変化もあり、彼自身が「鉄の信念を持つ冷酷なまでの指導者」へと成長している。


【プロフィール】

コードネーム:サイクロップス
本名:スコット・サマーズ
身長:190cm
体重:79Kg
能力:オプティックブラスト
通称:サイク、スリム、スコット

演:ジェームズ・マーズデン(実写映画版X-MENシリーズ)
  タイ・シェリ(アポカリプスダーク・フェニックス
CV:山寺宏一(テレ東版X-MEN)
  楠大典(カートゥーンネットワーク版スパイダーマン)
  檀臣幸(実写映画版X-MENシリーズ)
  森川智之(マッドハウス版マーヴルヒーロー)
  吉水孝宏(ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ)
  木村良平(映画「アポカリプス」、「ダーク・フェニックス」)

戦後になり、教授が最初に保護した最初の新世代ミュータントで、最初の教え子として、初代X-MEN(ファーストファイブ)を率いて戦った。
コードネームは能力を制御する為に付けたバイザーがギリシャ神話の「一つ目巨人」に準えられた事による。
初登場時はガリヒョロの鉛筆みたいな体型だったのでスリム(痩せっぽっち)が渾名だった。*1

大怪獣クラコアとの戦いにより初代X-MENが壊滅した後も彼のみはチームに残り、リーダーとして新チームを率いた。
尚、第2期以降のX-MENは教授の教え子に限らず、ウルヴァリンやバンシーの様な裏世界で生きてきたプロを含む純粋な戦闘部隊と化しているのが特徴であるが、彼等にも劣らない一流の戦士に成長していた。

90年代ともなるとリーダーという部分を強調されたせいか個人としてはやや影が薄くなり、個性豊かなメンバーを纏める苦労性でムッツリで偽善的な位に生真面目なリーダーと云うイメージが強かったが、マグニートーやアポカリプス、オンスロートらとのMARVEL世界全体を揺るがす戦いの中で成長。
妻であるジーンと共にチームの支柱として絶大な信頼を得る。


賛否もあるが、00年代の展開で理想の指導者であった筈の教授が末弟バルカン(ガブリエル)やウルヴァリンの過去について秘密裏に精神操作を行っていた事態が明るみに出て彼と決別。

更に長年の恋人であり、妻であるジーン・グレイと死別。
ミュータントが種その物として存続の危機に瀕する等の事態を受けて、現在は強引な手段をもってしてもミュータントを保護するべく、ミュータントの「理想郷(utopia)」を建国。
自らが指導者として、世界の危機と戦うと共にミュータントを迫害する「敵」と戦う冷酷なまでの鉄の信念を持つ男へと変化している。

そんなサイクロップスに対して、兼ねてからのライバルであったウルヴァリンは勿論、一時は袂を分かった教授や宿敵マグニートーですらが力を認めサイクに協力していたのだが、
あまりに冷徹な面が強くなりすぎてきたことと、子供への教育方針を巡りウルヴァリンと対立。チームが2分化した。

さらに、ミュータントの再興を求め、それを可能とするフェニックスフォースを巡ってアベンジャーズと敵対。
仲間がダークフェニックス化したり暴れまわったりした挙句、最終的にサイクロップス自身がダークフェニックス化してマーベル全ヒーローを相手にしての大立ち回りを演じるハメに。
簡単に補足すると、フェニックスフォースとは宇宙を壊せる程の力を秘めていて(無限に力を引き出せる)、ダークフェニックスとはその力を持ちながら破壊衝動が極端に強まった状態。
なお、ダークフェニックスにはフェニックスパワーを得ている状態でちょっと負の感情を抱くところりとなったりする。
MARVELコミックでは全く珍しくもない話だが、ミュータント問題とか地球とか以前に宇宙危ない。

現在では以前のマグニートーと同じか思想的にそれ以上かもしれない立ち位置に居る。


魔神アポカリプスの求めた12人の強力なミュータントの一人。


【人物】

MARVEL世界でも屈指の呪われた家系サマーズ家の長兄。
幼い頃に飛行機事故で両親を亡くし、弟とも別れる。
更に保護された施設にて「眼を開けている限り史上最強レベルの破壊光線が発射され続ける」と云うトンデモ能力に目覚めてしまい監禁生活を送る。
しかし、理想に燃えていた頃の教授に拾われ能力の制御に成功。

上記の様に「恵まれし子らの学園」の生徒、X-MENのリーダーとして過ごす中で死別した筈の弟ハボック(次男アレックス)や父コルセオ(クリストファー)と再会する。

自分を拾ってくれた教授に深く感謝し、彼の息子代わりとして理想を盲信していたが、現在はミュータントの種を守ると云う信念の下で「ミュータントを守りつつ旧人類と共存する為にミュータントだけの楽園を作る」と云う、宿敵であった磁界王マグニートーの理想をも加えた方法論を選択している。
プロフェッサーXのことはほぼ完全に見限ってしまっており、むしろ「決して相容れない天敵」にまで仲は悪化していると言ってよい。

また、これにより以前の「甘ちゃん」の部分は形を潜め、ウルヴァリンらと同様に「殺る時は殺る」と云う冷徹な性格になっている(アポカリプスとの合体の影響か?)。

尚、サマーズ家は極めて優秀な遺伝子特性を持つらしく、中でもスコットは仇敵Mr.シニスターを始めとした存在に、様々な局面で遺伝子を狙われまくっているのが特徴。

パートナーは永遠の恋人であり2番目の妻のジーン・グレイ(マーヴルガール、フェニックス)の一択……だった筈だが、彼女の死んでいた時期に彼女のクローンであるマデリーンの他、エマ・フロストともパートナーシップを結び、マデリーンとは最初の結婚もしている。

以前はジーンがウルヴァリンを含めた三角関係的な微妙な態度を取り続けていた事(編集部が悪いけど)が人間関係に影を落としていたりしたのだが、元凶のジーンが死んで対立理由が無くなった事でウルヴァリンとは無二の戦友化。
新パートナーのエマとは相性が良すぎる上に、エマ自身が現行のMARVELヒロインでも最大の人気を獲得……と、なかなか本来のパートナーであるジーンとの再会が果たせない状況に陥ってしまっている。

以前は、サイクの子孫と云うとジーン(の遺伝子)との子孫だけだったのだが、遂に平行世界とは云えエマとの子孫までが登場している。
…さよならジーン!


【能力】

太陽光線を身体に吸収する事で、両眼より地上最硬の金属アダマンチウムをも貫く破壊光線「オプティックブラスト」を放つ。
前述の様にサイクが眼を開けている間中、ずうっと放たれる事になるので、唯一光線を中和出来るルビークォーツのバイザー(日常生活ではサングラス)を着用して周囲への被害を抑えなくてはならない。

非常に強力な反面、設定通りだと強力過ぎるが故に弱体化補正をかけて描写されがちで、イマイチ強い印象が無かったのだが、近年になってサイク自身が異次元世界との「境界」であり、光線は異次元の無限に近いエネルギーが流出した物だ……と云うトンデモ後付けが加わった事で、「エネルギーの調整は自由自在でサイクが無意識に威力を抑えてた」と云う設定で落ち着いた。
ちなみに最大出力だと都市や大山脈が軽く消し飛ぶ……いや、強くなるのは嬉しいけどちょっと待て。
この覚醒した状態の破壊力は凄まじく、若年時代に辛酸を嘗めた巨大怪獣クラコアを一撃で半分にしてしまった程。

因みに、何で眼を閉じてるだけで光線が出ないかと云うと自分には効かないから……である*2


また、格闘ゲームでの活躍からなのか、近年では本当に「格闘能力」が固有技能として定着してしまった。
光線無しでも非スーパーパワー系のヴィランなら纏めて圧倒出来る程であり、昔はリーダーらしく戦略とかを生徒達に教えていたのに、ウルヴァリンと並んで格闘戦を教えている有り様である。*3

また、多感で他人に隠したいこともいっぱい出来るであろう10代の頃から恋人にして最強レベルのテレパスにしてヤキモチ妬きのジーン・グレイと交際してきたという経験から、ナチュラルに精神攻撃への耐性を会得しており、そのせいかテレパスの方からも気兼ねなく付き合える相手として興味を向けられる傾向にある。
サイロックに誘惑されてたり、エマ・フロストに誘惑されてたのにはそれなりに理由があったのだ。
ジーン亡き後に交際していたエマ・フロストが破滅型の最強ヒーロー・セントリーを苦しめていたネガティブ人格のヴォイドを自分の精神世界の中に隔離しようとして失敗し、もう一つの能力であるダイヤモンド化能力で周囲への悪影響だけは避けようと頑張っていた時にサイクが自身の精神世界の中にヴォイドを移すように提案。

…何と、テレパスでも無いのに対“テレパスの恋人”用に作っていた心の中のブラックボックスにヴォイドを閉じ込めることで無力化してしまった。

リーダーシップに関してはヒーローの中のヒーローとして、MARVEL世界のヒーロー達からリーダーとして扱われるキャップからも反対に指揮官としてお墨付きを得られているほどで、そこに居る人間の能力と適性を瞬時に判断し、反論の余地をさせない内に命令を下せる決断力もある。ユートピアの指導者を務めていることなどからもうかがえる崩壊の原因も作っちまったけどな


【関連人物】

チーム結成当時からの恋人で、本来のパートナー。
心理的にウルヴァリンにも惹かれてもおり、それがスコットとウルヴァリンの対立を生んでいた。
マグニートーの偽物に殺されたら全てが上手くいったので10年近く死んだままだった。

現在のパートナーで、ジーンとはテレパス、サブリーダー適性の役割が丸被りしている上にジーンよりエロいわ可愛いしで大人気。
昔は悪女だったがスコットにはデレる。
現在のMARVELではNo.1のヒロインとの意見もあり……つまりは、さよならジーン!

  • マデリーン・プライヤー
最初の妻でジーンのクローン。
何故かヴィランとして復活した。

  • ケーブル
  • X-MAN
  • レイチェル
平行世界生まれも居るが、正史世界でのスコットとジーンの遺伝子を持つ子供達。
全員が最強レベルのミュータント。 

  • ハボック
  • バルカン
悪堕ちに定評のある次男と悪人の三男……ロクでもねぇな!
スコット同様に強力なエネルギーを操るパワーを持つ。

X-MENで一番人気の小さいオッサン。
昔はジーンの事でしこりがあったが、彼女の死後に無二の戦友となれたのは皮肉。
しかし、今後はサイクとウルヴァリンの対立が物語の中心になる模様。
ただし、ウルヴァリンの活動がスムーズに行くように影で敵対勢力を潰していたりと、やり口が過激だったりとウルヴァリンからは非難されるかもだが、決して完全に敵対しようとも対立しようとしてる訳でもない。

ミュータントの救済を掲げる指導者達。
サイクは実質的に両者の教えを等しく引き継ぐ事に……。

サイクとジーンと共に初代X-MENのメンバー。


【余談】

※実写映画版での扱いの悪さで有名。
空気な上に完結編では役者の都合であっさりと退場した為に原作ファンから皮肉を込めて「スットコ」と呼ばれる。

※格闘ゲーム『X-MEN VS. ストリートファイター』では何故か熱血キャラでリュウと拳の友情を語っており、その後の『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』『MARVEL VS. CAPCOM 2  NEW AGE OF HEROES』でもエンディングでリュウと友情の握手をしている。
前述の様に近年では格闘キャラにもなっているので、いつの日にか再会して欲しい所であるが、
『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』で欠場した挙句、リュウとの対比を豪鬼との因縁が無かったことにされたウルヴァリンに奪われ、更に続編の『ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3』でも呼ばれなかった挙句、C.ヴァイパーに彼の代名詞「オプティックブラスト」を「オプティックブライト」という新技でパクられるという憂い目にあった。

しかも近況はミュータントへの迫害の影響で思想の違いの果てにアヴェンジャーズやかつての味方だったX-MENと争いを起こしたり、ウルヴァリンのミュータントを守りながらの教育を陰ながら支えるためにミュータントへの脅威を片っ端から排除する道を選ぶなどといった、そこらの大物ヴィランですら顔負けの思想・行動を取っているため、イメージを崩さずにゲームに突っ込むことは難しくなっていると思われる。

※2011年のマッドハウス制作のアニメ版「ウルヴァリン」「X-MEN」では作画に恵まれテラ池面。
……なのだが、前者は原作初期を意識した真っ黒な全身タイツ。
後者はテレ東版や実写版と同じ頭髪が露わになるスーツで登場するが、ところどころ"だれだおまえ"と言わんばかりの圧倒的な顔芸を披露する。


※テレビ東京系で放送されていた『ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ』にも登場。
第2話で式典に出席していたところを笑いの神ロキと愉快な仲間達セレブリティ5の襲撃を受け他のヒーローとビースト共々ディスク化。
その後、ウルヴァリンにより回収されてエナジー属性を持つアカツキ・ヒカルの手に行き渡る。

スーツは頭髪の隠れた真っ黒な全身タイツで胸に輝くXマークが目立つ。
セレブリティ5の893ことオオクマ・ジュウベエが使役するバロン・ジモを圧倒する強さを持っており、活動時間がなければ勝利は間違いなかっただろう。もうスットコなんて言わせない。





追記修正は相手の目を真っ直ぐ見つめてお願いします。

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最終更新:2024年04月18日 20:42

*1 流石に、後になると過去編を描かれてもガリヒョロでは描かれなくなってるが。

*2 肉親にも効かない設定があったがこちらは消えたっぽい

*3 元々X-MENは宇宙技術のリアルホログラフィーで常に厳しい訓練をしており、サイクはそこで首席を修めてた人なので無理のある設定ではない。