ダイヤモンド

登録日:2011/06/26(日) 04:13:56
更新日:2021/05/01 Sat 09:02:34
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ダイヤモンド (diamond) とは鉱物の一つ。

和名:金剛石
記号表記:◇◆(トランプのダイヤ)

語源はギリシア語のadamas(アダマス=征服できないの意)から。

4月の誕生石で、石言葉は『不屈』『永遠の絆』『深い愛』など。

主な特徴
綺麗で高価
最硬の鉱物
割れやすさは水晶と同等
(ハンマーで砕ける)
電気を通さない


概要
組成が炭素の元素鉱物の一つ。この炭素系元素鉱物は他に黒鉛(グラファイト)がある。
見た目が全く違うが、これは炭素の結晶構造の違いによるもの。
ダイヤモンドは正四面体格子の三次元結晶、黒鉛は六方格子の平面の層。
双方とも結合力は強いのだが、この立体と平面の構造の違いは硬度などの性質に大きく影響する(後述)。

ちなみに炭などの無定形炭素の同素体は、上記二つの混合物に不純物を含んだものである。


天然ダイヤモンドの生まれ
ダイヤモンドは、地中深くの1500℃~2000℃/5~6万気圧という高温高圧下で黒鉛などの炭素塊が変化して出来る。
これがキンバーライト(マントル起源の火成岩)によって、一気に地表付近まで移動することで人が採掘可能となるのである。

しかしキンバーライトは古い地質構造の安定陸塊にしか存在しない。日本でダイヤモンドが採掘されないのはこのため。

天然ダイヤモンドは菱形をしている。トランプのダイヤがあの形なのはそれに由来する。


性質
硬度
これまでの実験研究の結果から、『天然で最も硬い物質』とされている。

勘違いしやすいが、「硬い=砕けにくい」ではない。
ダイヤモンドは「モース硬度」や「ヌープ硬度」が飛び抜けて高いのである。

  • モース硬度
鉱物に対する硬さの尺度の一つで、「あるもので引っ掻いたときの傷つきにくさ」を指す。
評価は10段階(修正モース硬度は15段階)だが、1と2、9と10の間には大きな差がある。

  • ヌープ硬度
こちらは「押し込みに対する硬さ」。
ダイヤモンドの針で対象の表面を一定の力で押し、出来た溝の大きさで硬さを決める。

ダイヤモンドの場合、モース硬度10(最硬)/ヌープ硬度8000(最硬)。
対して、二番目に硬い鉱物コランダム(鋼玉)はモース硬度9、ヌープ硬度2000。

つまり、ダイヤモンド以外ではダイヤモンドに傷をつけることはできず、
ダイヤモンドなら何でも傷つけることが可能というワケである。

人間の爪(2.5)に銅製硬貨(3.5)、プラチナ(4.5)、果ては水晶(7)だろうがルビーやサファイア(9)だろうが構わず傷つけてしまえるのだ。※括弧内はモース硬度
なので宝石類を一緒くたに保管するのはやめよう。


靱性(じんせい)
物質の粘り強さ≒割れ欠けに対する抵抗力。
ダイヤモンドは7.5。
低くはないが水晶が同じ値、ルビーやサファイアは8とダイヤモンドより高い。
これが前述した「最硬の鉱物だがハンマーで砕ける」理由の一つ。


劈開性(へきかいせい)
鉱物の特定方向への割れやすさのこと。鉱物では大まかに「完全」「明瞭」「不明瞭」「なし」の4区分があり、完全に近いほど簡単に割れる。

ダイヤモンドはこれが4方向に完全。
つまり正八面体の面に対して平行に、簡単に割れる。ハンマーで砕けるもう一つの理由である。


Q.つまり『ダイヤモンドは傷つきにくく割れやすい』?
A.その通り。逆に、自然金は傷つきやすく(モース硬度3)割れにくい(劈開なし)。
ダイヤモンドは砕けない(笑) まあ砕けないからこそ"クレイジー"ダイヤモンドなんだろうが。


安定性
ここでは薬品や光線による変化に対しての強さを指す。
ダイヤモンドは硫酸、塩酸などでは変化せず、日光に長年さらしても変化しない。
常温常圧で準安定状態だが、同条件では黒鉛の方がより安定する。


屈折率
ダイヤモンドの屈折率は2.42。
次いで高いガーネット(1.70~1.89)やルビー、サファイア(1.758~1.770)を大きく上回る。
その高い屈折率により内部で光が反射を繰り返し、独特の輝きを生む。
ただし、原石のままではその屈折と反射を活かせない。それを最も美しく見えるように磨いたものをブリリアントカットと呼ぶ(※後述)。
安価な人造宝石キュービックジルコニア(二酸化ジルコニウム:2.13)に肉薄された上、新たな人造宝石モアッサナイト(炭化ケイ素:2.65〜2.69)の登場で完全に負けてしまったのは密に、密に


分散率
波長の異なる光を分離させる性質。プリズムを想像してもらえると分かりやすいだろう。
ダイヤモンドは0.044で、上述の屈折率ほどではないが、それでも数多ある鉱物の中では高い部類。
こちらもダイヤモンド独特の輝きに関わる要素で、反射した光が虹色になる「ディスパージョン(もしくはファイア)」と呼ばれる効果を生む。
ちなみに分散率がダイヤモンドより高い鉱物はスフェン(チタナイト/楔石:0.055)やデマントイド(ガーネットの一種:0.057)、スファレライト(閃亜鉛鉱:0.156)などがあるが、いずれも硬度の低さという弱点がある。
でも結局キュービックジルコニア(0.060)とモアッサナイト(0.104)なら先の例と違って硬度という弱点なしでダイヤモンドに勝る。ただ後者に関してはこの値が高すぎてうるさく見えるという人もいるっちゃいるが……。



電気抵抗率
電気をどれだけ通しにくいか。金属だったら値が低い→通しやすく、ゴムのような絶縁体は値が大きい→通しにくい。
自由電子を持つ黒鉛は良く通す部類なのだが、ダイヤモンドは炭素の持つ価電子が全て結合に使われており、
構造欠陥によって大きなばらつきを示すものの、純粋なダイヤモンドでは>10^12Ω・mと非常によい絶縁性を示す。
……だが、ダイヤモンドの物性の面白さの真骨頂は高い絶縁性のみではない。
ダイヤモンドに微量の異なる元素をドープする(混ぜ込む)ことで電気抵抗率を下げることができ、半導体として扱う研究が盛んに行われている。
半導体はp型とn型の2種類の半導体を組み合わせることで様々な機能を持つ素子になるが、もちろんダイヤモンドでも両方を作り出せる。
微量のホウ素をドープしたダイヤモンド(後述のブルーダイヤモンドと同じもの)だとp型半導体に、微量のリンをドープしたダイヤモンドだとn型半導体にすることができる。
2021年現在主流のケイ素半導体に比べて熱に強く、高速な計算を行うことができる……かもしれないとの理論的な計算がなされている。



熱伝導率
価電子をすべて使った強固な共有結合に起因して、熱伝導率はとても高い。触れれば瞬時に体温を奪うため触れれば冷たさを感じ、殆どの類似石と比べても高いため厳密な機械を使って鑑定にも用いられる。
類似石のなかでは熱伝導率が最も高いモアッサナイトでさえダイヤモンドと比べればかなり低い…が、熱慣性値はダイヤモンドの範囲に収まっており、一部の機械では見分けがつかなかったりする


4C
宝飾用ダイヤモンドの品質評価の国際基準のこと。
カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、カラット(Carat)、カット(Cut)の頭文字から「4C」。

◇カラー
基本的に無色透明に近いほど高評価。評価は23段階。
カラーダイヤモンドの場合は、色次第で無色より高い評価になる。

◇クラリティ
透明度のこと。傷や内包物により評価が上下する。11段階評価。

◇カラット
重さのこと。1カラット=0.2g。勘違いしやすいが、大きさではない。

◇カット
唯一職人の腕が評価される要素で、ラウンド・ブリリアントカットのみの評価となる。5段階評価。
※ラウンド…円形という意味。ラウンド以外にはオーバル(楕円形)やマーキス(ラグビーボール状)などが存在。
※ブリリアントカット…ダイヤモンドを最も美しく見せる58面体のカット。

4C鑑定は、ブリリアントカットが施されたダイヤのみ適用される評価方式である。
近年では4Cに囚われずに見た目の美しさを重視するなど、評価の基準が見直されてきている。
特にカラーとクラリティはその面が大きく、上位のものは専門家ですら一目では分からないという粗探しの域であり、買い手となる素人には追求するだけ無駄に等しい微差である。



Q.ダイヤモンドって硬いのにどうやってカットするの?
A.宝石の加工では劈開性がかなり重要になる。
ダイヤモンドはこれを利用して割れやすい方向に手を加えることでカットができるのだ。この割れやすい方向を石目と言う。仮面ライダーWで知った人も多いのでは?
しかし、言い換えれば劈開性のある鉱石はカットの形がある程度制限されることになる。
これを無視してカットすると、研磨や日常生活で割れてしまう可能性を多分に含むことになる。

劈開性が無いものはこの性質を気にせず好きな形にできるが、当然劈開性を利用したカットは不可である。


Q.何でそんなに硬い?
A.結晶構造を思い出してほしいのだが、
ダイヤモンドの炭素原子は4本の手(=結合)で他の炭素原子と繋がっていて、炭素原子と手は正四面体の重心と頂点に位置する。

この距離と角度(0.15nm、109.5度)が安定した状態の歪みない形であり、
三次元的にいくつも繋がることで、非常に壊れにくい硬さが生まれている。

ダイヤモンドの場合、この正四面体が集まった構造が立方体を成すので『立方晶』とも呼ばれる。


Q.ダイヤモンドより硬いものってない?
A.理論上はある。ロンズデーライト(六方晶ダイヤモンド)と呼ばれるもので、黒鉛を爆発的加圧加熱(隕石落下など)した際に生じる。
ダイヤモンドとの違いはその結晶構造。個々の分子構造(正四面体)は変わらないが、結合すると黒鉛と同じような六方晶を成す。

つまり平面と立体のいいとこ取りをしたものなのだ……が、モース硬度は3、または7~8。
あれ?下がった?

否、これは生成の際に不純物が含まれてしまうため。
純粋なものなら通常のダイヤモンドより58%硬いと予想されている。


Q.炭素ならダイヤモンドも燃える?
A.燃える。というか800~900℃で気化して燃え尽き二酸化炭素になる。
これは結晶構造が高熱伝導性の構造でもあるため。


Q.触るとベタベタひっつくよ?
A.それはダイヤモンドの親油性が非常に高いから。
触って皮脂がつくと輝きを損なうが、洗剤で洗えば元に戻る。


カラーダイヤモンド
文字通り色のついたダイヤモンド。
通常の無色透明~黄褐色が、何らかの理由で別の原子を取り込んで結晶構造が変化した場合、カラーになると推測されている。科学的証明は未だない。

◇色と構造の一例
…窒素原子が取り込まれ、その隣の炭素原子が欠けた状態。

…取り込んだ窒素原子2個に挟まれた炭素原子が欠けた状態。

…炭素原子1億個中に5,6個以下の割合(0.05~0.06ppm)でホウ素原子が取り込まれた状態。

…取り込んだ窒素原子が、炭素原子100万個に対して10~5500個(10ppm~5500ppm)の状態。

◆…ブラックダイヤは肉眼で確認できない微量元素が要因ではない。
内部に鉱物(黒鉛や鉄鉱石)などが多く含まれ、これらの鉱物の色を反映して黒く見えるのである。
このダイヤモンドは劈開性を持たず、普通の単結晶ダイヤモンドより割れにくい。
また普通のダイヤモンドより需要は少ないが、天然で黒いダイヤモンドは珍しいため高値がつくこともある。
カーボンスポットだらけで黒く見えるダイヤモンドや、石炭のことをブラックダイヤモンドという事例もある。

ちなみに、1カラットのダイヤモンドは、96億×1兆個の炭素原子から成っている。


価値と希少性
ダイヤモンド、特に宝飾用途の物が高価なのは宝飾品としての加工費や天然産出物である事の保証費、
そして市場を荒らされない様にする為デビアス社などの会社によって採掘・価格調整されているためであり、実際は希少性はあまりない
鉱物としての純粋な希少性であれば、ダイヤモンドより産出量の少ないルビーやエメラルドのほうが高いといえる。
もっとも、あまりに珍しすぎると十分な量が仕入れられず商売にならない。なのでダイヤモンド、およびルビー、サファイア、エメラルドの「四大宝石」は多すぎず珍しすぎずの商売にぴったりな産出量なのだろう。

なお工場で生産されている人工ダイヤモンド(多くは研磨など工業用途)は安価で取引されている。
というのも先述の通り物質としてはどこにでも有る炭素の塊なので、現代の技術力なら炭素を含む原料から不純物を除き必要な高圧力で圧縮すれば簡単に生成出来るからだ。
一応それでも正体が炭素と判明してから安定した生産に漕ぎ着けるまで、工業用の砂粒サイズで約150年、宝飾用のサイズと品質(人工ダイヤモンドは不純物により黄ばんでしまうのが課題だった)は約200年の歳月を要したが。
ちなみに先のデビアス社も昔から人工ダイヤモンドを研究しており、ついには市場の住み分けを図るべく自らの手で宝飾用人工ダイヤモンドを売り始め、天然ダイヤモンドの価値を維持するべく目を光らせている。

また近年では遺灰や遺骨・遺髪などからダイヤを精製したメモリアルダイヤモンドといったものまである。
もはや錬金術の域にまで達してしまっているが、それだけダイヤモンドの輝きは人々を魅了してやまないのだろう。


追記・修正はダイヤを36個持ってる方お願いします。

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最終更新:2021年05月01日 09:02