X-MEN:ダーク・フェニックス(映画)

登録日:2019/07/10 (水) 21:52:03
更新日:2023/11/16 Thu 20:32:01
所要時間:約 14 分で読めます







すべてが、終わる。

フェニックス覚醒。X-MEN終焉。






概要


『X-MEN:ダーク・フェニックス(X-MEN:The Dark Phoenix)』とは、19年公開の米映画。
MARVEL社のコミックヒーローチーム「X-MEN」の実写映画化シリーズ第12弾。
ファースト・ジェネレーション』から始まった過去編シリーズの第4弾であり、シリーズ全体の完結編である。
監督は、X-MEN・ユニバースで脚本、製作として多数の作品に関わってきたサイモン・キンバーグ。本作が初の監督作品となった。

シリーズ完結の理由は、フォックスグループの映画部門である20世紀フォックスがウォルト・ディズニー・カンパニーに買収された事だった。
ディズニーのフォックス買収は、自社のストリーミング動画サイトであるDisney+で扱うコンテンツの拡充が一番の目的だったのだが、
もう一つの理由はフォックスが映画化権を所有するX-MENやファンタスティック・フォーの権利を取り戻す事だった。これにより、マーベル・スタジオ製作のマーベル・シネマティック・ユニバースへの将来的な登場がほぼ内定し、MCUファンの悲願であったMARVELの主要ヒーロー達の集結が現実味を帯びる事になった。
そのため、現行のX-MEN・ユニバースは終了し、MCUに合流できるよう準備を進めることとなったのである。
スパイダーマンのMCU合流に当たっては早期の映像化が急がれ、ファンタスティック・フォーも早めの公開を目指して企画が動き出したのに対し、現時点でのMCUにはミュータントの概念が存在せず、長年のユニバース展開との整合性などもあり、MARVELはX-MENのMCU合流を急いでおらず、準備期間を長めに設けるなど慎重な姿勢を見せている。

本作は、原作コミックの人気エピソード『ダークフェニックス・サーガ』の実写映画化作品である。
なお、ダークフェニックス・サーガ自体は、シリーズ3作目の『ファイナル ディシジョン』で映像化されてはいる。
しかし、3部作の完結編として話をまとめることや治療薬「キュア」の物語といった課題が山積みになって消化不良になってしまった、とキンバーグ監督は語っており、今作はそのリベンジの意味合いも込め、原作により忠実なストーリーとなっている。

ところが、いざ公開されると唐突に登場した異星人や人気キャラクターの雑な扱い、完結が急に決まったのために無理矢理話を纏めた感じが否めないストーリーといった点で批判が続出。チームのスーツもダサくなっている。更に、前作の賛否両論やMCUへの参加が内定した後の公開のため、シリーズファンの本作に対する興味も薄まってしまった事が興行収入の不振につながり、全米の興収はX-MENシリーズの中でもワーストの記録を更新してしまった。



ストーリー


アポカリプスの事件を経て、X-MENは人類のヒーローとして持て囃され、ミュータントは尊敬の的となり社会に受け入れられるようになっていた。
そんな中、NASAのスペースシャトルが太陽フレアに巻き込まれて故障するといった事故が発生。
すぐさま、レイヴン率いるX-MENは救助に向かうこととなる。
任務は完了するかに思えたが、最後に残った機長を助ける作戦の中で、誤ってジーン・グレイは崩壊するシャトルに取り残されてしまい、フレアの直撃を浴びてしまう。
ところが、彼女はそのエネルギーを全て吸収し、何事もなく生還した。
恋人のスコットの心配もよそに、気分も良くなり酩酊状態のジーンだったが、感情に飲み込まれるがあまり力の制御が出来なくなってしまう。
そして、幼い頃の自分のトラウマに気付き、実家に帰るジーン。それは、チャールズが記憶を操作し隠していた事実の露呈だった。
暴かれた欺瞞に激昂するジーンは力を制御できず、取り返しのつかない過ちを犯してしまう…。
それはやがて、ミュータントのコミュニティを作っていたエリックの知るところとなった。
そして、ジーンが手にした力を、宇宙から来た謎の存在が虎視眈々と狙っていた。
果たして、人類最大の脅威となったジーンの運命は…?





登場人物


X-MEN


  • フェニックス/ジーン・グレイ
演:ソフィー・ターナー/吹き替え:能登麻美子
今作の主人公。
生まれつき凄まじい「念動力(テレキネシス)」の持ち主であり、その力は太古のミュータントアポカリプスを一瞬で屠ったほど。
自分の能力が原因で起こしてしまった自動車事故によって両親を失い、それがきっかけでチャールズと出会い、「恵まれし子らの学園」へ入学した。
そんな中、X-MENの任務として赴いた宇宙で、謎の高エネルギーを体内に吸収してしまい、パワーが著しく上昇。
あまりに莫大な力を手にしてしまい、それに引きずられ感情が抑えきれなくなり、やがてチャールズが自分の記憶を操作したことを知ってしまう。
チャールズの、ひいてはX-MEN全体への不信感を抱いた彼女は学園を飛び出した挙句その力を暴走させ、人々を傷つけてしまう。
彷徨い歩く中で謎の女・ヴークの呼びかけにより、偉大なる力を持つ救世主としての欲を抱いてしまい、彼女の誘いに乗るのだが…。

  • プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビア
演:ジェームズ・マカヴォイ/吹き替え:内田夕夜
「恵まれし子らの学園」のハゲ学園長。
今やミュータントが人類の憧れとしての地位を築き上げたことに有頂天となっており、人間に貢献するため仲間に無茶な頼みをすることも多くなった。
そのため、レイヴンからは「社会から迎合されようとしているだけ」と批判されるようになる。
そして、ジーンの覚醒によって、幼少期の彼女を学園に迎え入れた際、「強力なテレパス」能力を使って彼女の記憶を操作したことが判明。
自身からすればジーンを助けるためだったが、そのせいで彼女の反発を受け、レイヴン、ハンクからの信頼も失ってしまう。
自身の過ちに気付きながらも認める事が出来ず、ミュータントが人間達から再び危険視され、遂にはジーンが命を狙われる状況まで発展する中、スコットの説得もあってようやく自分の非を受け入れ、ジーンを止める決意をした彼は自ら現場に赴くのだが…。

  • ミスティーク/レイヴン・ダークホルム
演:ジェニファー・ローレンス/吹き替え:牛田裕子
今やミュータントの英雄となった青いお姉さん。今作では「変身」能力はほとんど登場しない。
X-MENのリーダーとして若いミュータントたちを育成し、彼らと信頼を築き上げた。
社会に媚びるようになり、仲間の安全も省みないようになってしまった幼馴染・チャールズについていけなくなり、X-MENを抜けて穏やかに暮らすことを考えるようになる。
ジーンに行ったチャールズの処置について閉口するも、彼女を落ち着かせて受け入れようとする。

  • ビースト/ハンク・マッコイ
演:ニコラス・ホルト/吹き替え:浅沼晋太郎
X-MENの科学担当で、レイヴンの恋人。
エネルギーを吸収し、パワーが未知数となったジーンの検査結果を見て驚愕し、不安を抱く。
そして、レイヴンの身に起こったある事態によって、チャールズを全ての元凶とみなしてX-MENを去り、エリックの元へ行きジーンへの復讐を誓う。
強靭な獣の肉体」は今作では怒りを原動力にしているため荒々しさが目立っている。

  • サイクロップス/スコット・サマーズ
演:タイ・シェリダン/吹き替え:木村良平
ジーンと相思相愛関係にある青年ミュータント。
シャトルの事故の際は恋人のピンチに取り乱し、生還が発覚すると誰よりも安堵した。
当初はより元気になったジーンの様子を嬉しさ半分不安半分の様子だったが、暴走し始める彼女の身を案じ、やがて周囲に狙われるようになった彼女を助けようとチャールズに懇願する。
破壊光線オプティックブラスト」は今作でも健在。今作では反射によるトリッキーな戦術も披露する。

  • ストーム/オロロ・マンロー
演:アレクサンドラ・シップ/吹き替え:志田有彩
やる気十分な白髪少女。
天候を操る」能力によりサポートから広範囲攻撃に至るまで自在な活躍を見せる。

  • ナイトクロウラー/カート・ワグナー
演:コディ・スミット=マクフィー/吹き替え:内山昂輝
内気な青肌少年。
瞬間移動」能力はシャトルでのミッションで大いに貢献し、戦闘でも一撃離脱の奇襲攻撃によって相手を攪乱する。

  • クイックシルバー/ピーター・マキシモフ
演:エヴァン・ピーターズ/吹き替え:吉野裕行
お調子者な銀髪青年。
今作も「超高速移動」能力で大活躍すると思いきや、前半のジーンとの戦いで雑に一蹴され重傷を負い、物語からフェードアウトする。
父親疑惑のエリックとの絡みはなし。



ブラザーフッド


  • マグニートー/エリック・レーンシャー
演:マイケル・ファスベンダー/吹き替え:三木眞一郎
前回の戦いを経て、以前ほど人間への敵意を出さなくなった磁界王。
無人島にミュータント同士のコミュニティ「ジェノーシャ」を作り上げ、人里離れて穏やかに暮らしていた。
行き場を失くして押しかけて来たジーンの話に耳を傾けようとするも、彼女を狙う米軍が襲撃した事で、仲間を守るために彼女を追い出す。
その後やって来たハンクから彼女の「しでかしたこと」を知り、ジーンを殺すべく彼と組んで奇襲作戦に出る。
だが、彼の最強の「金属を操る」力を以てしても力を完全解放したジーンには太刀打ちできず…。

  • セレーネ
演:コタ・エバーハード/吹き替え:藤田曜子
エリックの補佐役を務めるスキンヘッドの女性。
広域テレパス」能力で周囲の索敵を務め、戦闘ではナイフによる格闘戦が主体。

  • アリキ
演:アンドリュー・ステリン/吹き替え:白熊寛嗣
ドレッドヘアの若い男。
髪の毛を自在に操る」能力で鞭のように攻撃する。




ドゥバリ帝国

宇宙を放浪する流浪の種族。母性をフェニックス・フォースにより滅ぼされ、その力を使って星を再生することを目的としている。
現地の住民に自在に姿を変えることが出来、普段は人間と見分けがつかない。また、そうした環境適応能力の為か通常の物理攻撃が通用しない。

  • ヴーク
演:ジェシカ・チャステイン/吹き替え:浅野真澄
宇宙の彼方より飛来した惑星・ドゥバリ帝国の生き残り。
人間の女性の姿をしているが、本来の姿はエイリアンじみた異形の姿をしており、地球に降りて初めて出会い、殺した人間の女性の姿をコピーしただけに過ぎない。
探し求めていたフォースがジーンによって吸収されたことを知り、彼女に甘い言葉を以て近づき、「巨大な力を持つ救世主」と持て囃し掌握する。
しかし、本当の目的は故郷の再生ではなく地球のテラフォーミングにあった。やがて本性を現すとジーンからフォースを少し奪い、X-MENに牙を剥く。



その他の人々


  • ジョン・グレイ
演:スコット・シェパード
ジーンの父。
ジーンの起こした自動車事故で亡くなったと思われていたが、彼女の力に恐れをなして娘をチャールズの元へ預け、自分は去ってしまう。
そのことを知ったジーンは激怒し、チャールズへの不信感を露わにした。

  • エレイン・グレイ
演:ハンナ・エミリー・アンダーソン
ジーンの母。
ドライブ中にジーンを注意し、そのためにパニックを起こしたジーンによって昏倒し、そのまま自動車事故で死亡してしまう。

  • 大統領
演:ブライアン・ダーシー・ジェームズ/吹き替え:こばたけまさふみ
人類を救ったX-MENの功績を称え、チャールズと懇意に接していた。
だが、ジーンの起こした数々の事件により、ミュータントの存在を危険視していき、チャールズに対する態度を翻した。










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