ファンタジックチルドレン

登録日:2010/02/10 Wed 13:47:16
更新日:2024/11/20 Wed 14:24:08
所要時間:約 5 分で読めます




僕は、ずっと君に謝りたかった

日本アニメーション製作による日本のテレビアニメ作品。2004年10月4日から2005年3月28日までテレビ東京系列で放送された。全26話。

オープニングテーマ「Voyage」(歌:いのり、作詞:酒井ミキオ、作曲:山崎ますみ、編曲:江口貴勅)

エンディングテーマ「水のまどろみ」(歌:ORIGA、作詞:濱田理恵、作曲・編曲:梁邦彦)


オリジナルアニメ作品で、SFとファンタジーの要素を盛り込んだ冒険活劇。
あまり話題にはならなかったが、輪廻、恋愛、嫉妬、裏切りが入り交じったストーリー及び透明感のある音楽が素晴らしい作品。
なかむらたかしがキャラクターデザインの為、絵柄の面で敬遠されがちである。
謎が積み上げられていく序盤はストーリーの動きも少なく、かなり難解。
しかし序盤に張り巡らさせた伏線が回収されていく終盤は、演出、声優の熱演が鳥肌が立つくらいに際立っている。

ストーリー>キャラなアニメが観たい人にはオススメである。


南の島で両親と暮らす11歳の少年・トーマは、ある日島の遺跡で一人の少女と出会う。少女の名前はヘルガ。無口で、どことも知れぬ場所の絵を描いては、そこに行きたいと言う不思議な少女。トーマは、ヘルガを慕う少年・チットと共に、ヘルガを“行きたい場所”へ連れていこうとする。

また同じ時に、何十年かおきに現れる謎の黒衣の子供たち“ベフォールの子供たち”と呼ばれる彼らは、長い長い年月をかけて、ある一人の人物を追いかけ続けていた。
少年少女の連続失踪事件を追う刑事・クックスは、捜査の中で“ベフォールの子供たち”と呼ばれる存在に辿り着く。
追い求めるほどに深まる子供たちの謎、不可解な現象、そして現れる謎の青年。
果たして謎の真相は…。


トーマ
CV:皆川純子
主人公。
パパン島の少年。やんちゃな性格で身体能力が高い。父に教わったパパン拳法の達人で、11歳ながら並みの大人より強い。
一目惚れしたヘルガの為に奮闘する。話の中盤以降、脳裏に謎の光景が…。例えるならガロード・ラン

ヘルガ
CV:河原木志穂
ヒロイン。施設に預けられている少女。不思議な絵を繰り返し描いており、その絵の場所へ行くために施設を抜け出し、トーマと出会う。
クールな性格であまり感情を出さなかったが次第に心を開くようになる。
なかむらたかし監督曰く、“主人公”。
例えるならティファ

チット
CV:小林希唯
ヘルガと仲のよい少年。ヘルガと一緒に施設を抜け出した。
まあ、おまけなキャラ。

クックス
CV:辻親八
ベフォールの子供たちについて調べている刑事。

  • ベフォールの子供たち
500年ものあいだ何年かごとに姿を現す謎の白髪の少年少女。

アギ
CV:浦田優
真面目でリーダー格的な存在。シスコン。

ソレト
CV:高口幸子
冷静で仲間思いな性格の少女。

ヒースマ
CV:原沢勝広
利己的な性格。鼻が高い。

ハスモダイ
CV:松本さち
繊細でおとなしい性格。彼のエピソードもまた暗い。

タルラント
CV:矢口アサミ
子供っぽい所があるがしっかり者。



以下中盤ネタバレ















ベフォールの子供たちは地球から離れた惑星ギリシアに住むギリシア人たちの転生した姿だった。
彼らは地球で転生した王女を捜す為に転生を繰り返していた。

16話から過去のギリシア星編が始まる。

濃い霧の中迷子になった幼いティナは泣きながらセスを呼ぶ、その時左半分が機械の男の子がティナを助ける。
ソランとティナの始めの出会いだった。

ティナにとって婚約者のセスは兄としか見ておらず、次第にソランとティナは親しくなっていく。
そんな二人を見たセスは、
「ソラン、今まで僕がティナを守ってきた。今度はお前がティナを守れ」
二人を見守っていくとともにソランと絆が生まれるセス。

だが、王タイタスの弟であるゲオルカが王暗殺を謀り、王は助かるが代わりにティナが犠牲になる。
セスはティナを守れなかったソランを責める。
ティナは医者から匙を投げられるが、娘を失いそうになり半狂乱となった王が、アギ達科学者にティナの蘇生を強要をする。

蘇ったティナだが、その体は生きた兵器となっていた。
ゲオルカにその事実を突き付けられたティナは絶望し、兵器と化し暴走する。

暴走するティナは辺りを破壊していく。いち早くセスはティナを止めに行く。
「ティナーーーー!!僕だよ!セスだよ!ティナーーーーーー!!!」
しかし、セスの声は届かず暴走したティナによりセスは左腕を失う。

その後ようやくソランが、ティナを止めに来た。
「無駄だよソラン、ティナはもう誰の声も聞こえない・・・」
セスの制止をふりきりティナを助けに行くソラン。
「ティナ、また迷ったんだね。俺と一緒にお城へ帰ろう」
優しくティナに語り掛けティナは正気に返るが、意識を失ったため抱き抱えてアギ達の元へ向かうソラン。

その瞬間を見て愕然とするセス。
「僕の声は聞こえなかったのに、あいつの声は聞こえたのか…」
「今まで、僕がティナを守ってきたんだ・・・」
幼い頃の記憶が走馬灯のように甦ってくる。
絶望を抱きながら雨の中ただ一人歩いていく…………


  • 登場人物

ティナ
CV:河原木志穂
主人公。
ギリシアの王女。絶世の美少女でお転婆な性格。
セスに守られながら育ち、やがてソランとの再会で急速に惹かれあい恋人となる。
テロに巻き込まれ死亡したが、科学者達によって蘇生し王の命令で兵器として再誕する。
その力を狙ったゲオルカに真実を告げられ、惨劇が起き我を失いギリシアを破壊する。
しかしソランの声により自我を取り戻し、兵器の体を捨てるべくソランと共に地球への転生を選ぶ。
同時に叔父の軍隊がティナを手に入れるべく押し寄せ、最後に彼女が見たものは…。この回は本当にやばい。
地球に五度転生した後は思い出の景色をハンカチ、油絵等に書き続けていく。

セス
CV:後藤哲
ティナの幼馴染で婚約者。ゴトーの息子。
誠実な好青年で剣術の腕も高く王に気に入られている。ソランとは親友同士。
ティナを心から愛していたが潔く身を引いた。自分より他人思う優しい心は、やがて自身を蝕んでいくことになる。
ティナが兵器として目覚めたとき、自分の声は届かず片腕を失う。そして絶望の中で研究所まで辿りつき、ゲオルカの軍隊からティナを守るべく撃たれながらも転生装置を起動させ、死亡した。
作中でダントツに悲惨。

ソラン
CV:羽多野渉
幼い頃に迷子になったティナを助けた青年。父に強引に戦に参加させらたときに身体が半分負傷して以来、機械である。
後に近衛連隊長になり、セスと友情を育む。ティナと再会してからは急速に惹かれあい、恋人となる。
ティナが兵器として目覚めたときは恐れず救いに向かい、救出した後は科学者達に元の体に戻すよう求めた。
恋人と共に地球へ向かうことを選び、再会を誓ったが転送装置を前にして撃たれ、死亡した。

デュマ
CV:花輪英司
正体不明の存在だったが、実はティナの異父弟。ゲオルカの息子とは思えない程の美男子
ギリシア編ではまだ産まれていない。地球ではデミアンと名乗りアギ達と同じくヘルガを探している。
ゲド機関とも深く繋がりを持ち、ゲルタからはとある事情で恐れられている。
父の命令で動いているが、実は姉を兵器に変えた科学者達と母を殺した父への復讐を胸に秘めている。
作中ではセスと同等に悲惨である。重度のシスコン…無理もないが。

タイタス
CV:大木民夫
ティナの父親で、惑星ギリシアの王。穏やかな人格者。
溺愛していたティナの死から精神を病み、科学者達に命じて彼女を兵器として再誕させる。
だが、自ら下した決断によって兵器と化したティナを見たときは驚愕していた。
ギリシアの惨劇後はティナの魂を再び元のゾーンへ戻すべく、科学者達に地球へ向かうよう命じた。

ゲオルカ
CV:小村哲生
タイタスの弟。惨劇の元凶。
兄に強い劣等感を抱き、王妃レダを籠絡しただけに飽き足らず王の座を狙う野望を持つ。
兄を狙ったテロでティナが死亡し、偶然彼女の秘密を知り姪を兵器として使いギリシアを手に入れるべく画策する。
だがティナに秘密を暴露するもコントロールできず、そのまま反乱を起こす。
後に形勢を立て直した王軍に敗北したが、魂を失ったティナの肉体を手に入れ宇宙へ逃亡。
息子を使い、再びティナを兵器として再誕させ兄への復讐を企てる。

ゴトー
CV:上別府仁資
タイタスの補佐役で、セスの父親。
ゲオルカに不審を抱き、警戒を見せる。王が錯乱して姫を兵器に変えたと聞くと愚かと苦言した。



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最終更新:2024年11月20日 14:24