ダンガンレーサー

登録日:2012/05/05(土) 01:57:13
更新日:2024/04/10 Wed 18:47:48
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ダンガーン、ファイッ!!


ダンガンレーサーとは、かつて田宮模型が製作・販売していた
小学生~中学生の男児をターゲットとした模型の事である。


最初はミニ四駆のようにスピードを競うホビーとして開発されたが、
ミニ四駆との最大の違いはレーンが1つしかない事である。
ミニ四駆は一度のレースに出場する人数以上のレーンがコースに用意されていた為、
よほどのアクシデントが無ければ対戦相手に直接影響を受けることは無かったが、
このダンガンのコースはパイプを半分に切ったようなコースで、レーンが1つしかない為他のマシンと頻繁に接触する。
それにより、ミニ四駆とは違い、幾ら自分のマシンがコースに対して完璧なセッティングを施せて居ても、
他者に当たり負けてコースアウトしてしまう危険性が非常に大きい、まさにミニ四駆には無い要素を取り入れたレースであった。
マシンの変遷は初期、中期、EVO.期に分かれ、
まず初期のマシンは画像のようにボブスレーのような形状をしており、凹凸に富まなかった。
また、この時期のマシンはタイヤがボディで覆われてしまっている。


しかし、折りしも世はベイブレードの大ブーム真っ只中であり、
同じコロコロコミックで販促ページや販促漫画が掲載されていたにも関わらずベイブレードとの人気は雲泥の差であった。
恐らくこの頃のコロコロはミニ四駆経験者が購買層の主力であり、
第二次ミニ四駆ブームが盛り上がる大きな要因の一つであった「ダッシュ!四駆朗世代」からの「レッツ&ゴー世代」の世代交代のタイミングに
まだ達していなかった為、とも言われている。

その後、ベイブレードブームに陰りが見えてきた2003年頃、
ダンガンレーサーは「勝負の方法そのものを変える」事で一発逆転を図ろうとする。
それがファイティングレースの導入である。


従来のスピードレースは、幾ら「対戦相手」という不確定要素があれど、
やはりレーサーの戦う相手はコースである、というミニ四駆の基本理念から大きな逸脱はしていなかった。
だがこのファイティングレースはレーサーの意識する比率を完全に逆転させる、まさに画期的なルールであった。
肝心のルールは、

・2名以上のレーサーが対角線上から同一方向に向けて同時にスタート

・対戦相手を2回追い抜くか、対戦相手をコース外に弾き出せば勝ち

以上2つが大まかなルールである。
これにより、従来のミニ四駆・ダンガンには無かった遅くても勝てるルールとなり、新たな戦略性が生まれた。
レースというよりも「格闘技」と称される事が増え、実際にタミヤ公認レースではコースの中央にゴングが置かれ、
ダンガンガッツ(現MCガッツ、要はミニ四ファイターのダンガン版)が
「ダンガーン、ファイッ!!」の掛け声と共にゴングを鳴らすのがお決まりであった。


また、上記のようにスピードレース時代のマシンはタイヤがボディで完全に覆われていたが、
この「ファイティングレース」からはタイヤを剥き出しにする事を要求された。
ファイティングレース提唱以降のマシンは全てデフォでファイティングレースに対応しているが、
勿論従来のマシンもタイヤを剥き出しにする改造さえすれば出場は認められていたし、
タミヤも公式HPでタイヤ剥き出し改造用のテンプレートを配布するなどしてレーサーをサポートしていた。
画像はファイティングレース「専用」として開発された初のマシン・シューティングフォース。


実は、マシン同士のぶつかり合いで「タイヤ」は非常に大きなウェイトを占めており、
背後から近づいてきたマシンに対してタイヤをカタパルトの様に用いる事でそのマシンを吹き飛ばしコースアウトさせたり、
逆に前方のマシンに体当たりしてバランスを崩したところにタイヤを捻じ込み、
その回転で転倒させる、等の迫力のあるレースが展開できたからである。


だが、コースやルールとの兼ね合いから、ひたすら重量を規定ギリギリまで増やしてパーツを大量に付けて
後ろから来た対戦相手を捕まえてコースの淵で弾き飛ばすタイプのマシンが
非常に強力だということがすぐに判明してしまい、実際に各地の大会での入賞マシンはそうした重量級が殆どを占めてしまう事態になってしまった。
要はHMS導入まで持久型のほぼ一強状態であったベイブレードと全く同じ道を辿ってしまったのである。

田宮模型側も重量制限をもっと軽いラインに定める等の措置を取らず、
逆に子供でも簡単な改造ですぐに取り付けられる重りをパーツとして売り出すなど重量級優位のルールには殆ど触れられず、最末期の公式レースでようやく重量制限が200gとなった。
(重量マシンは新規層の子供でも簡単に作る事が出来るが、
スピード重視のマシンは抵抗抜きなどの複雑な技術が要求される為、
重量マシンを勝ちやすくした方が新規層の定着に繋がると判断したのかもしれない)。


そうした現実が顕著になった辺りで、
コロコロコミックで連載されていたタイアップ漫画「音速バスター DANGUN弾」が連載終了、
そして「爆走兄弟レッツ&ゴー!!」を連載していたこしたてつひろ氏による「かっとびレーサー!ダンガン狼」の連載が始まり、
それに伴いシャーシを3分割したEVO.マシンの商品展開が始まるが、結局ダンガンレーサーがブームとなることは無く、
むしろ第一次・第二次ミニ四駆ブームを経験した世代が再びミニ四駆に着目するようになった為、
ミニ四駆に注力するためダンガンレーサーの展開は終了、何とEVO.マシンは僅か7台しか発売されなかった。

だが、一応現在でもタミヤ プラモデルファクトリー新橋店
たまに大会が開催されている(スピードレース)為、タミヤも完全にダンガンを忘れた訳では無い・・・筈。

当然ながら現在では商品展開は全く行われていないが、
現在でも絶賛展開中のミニ四駆でこのダンガンレーサーのパーツを使用することができる
(レギュレーションに従えばボディ・シャーシも一応使用可)。
一部パーツはミニ四駆のそれよりも高性能であると言われ、非常に高い人気を誇っている。



余談だが、アニメが放送されたりTVチャンピオンで特番が作られたりしていたミニ四駆とは違い、
ダンガンレーサーのメディア露出はほぼコロコロコミックでの紹介のみであったが、
なぜかダンガンレーサーのテーマソングである「ダンガン魂」が作られた。
だがこの曲、公式HPで公開されたのはサビのみであり、フルを聞くにはタミヤ主宰の大型レースに行くしか無かった。

2005年にたった2回だけこの曲のフルの入ったCDが入手できるチャンスがレーサーに訪れたが、

・次世代WHFでのタミヤブースで開催された『ノリノリコンテスト』という名のカラオケ大会、
 その出場者(各会場3名)の中で最も気合の入った歌い方をしていた1人にプレゼント

・コロコロコミックの懸賞でプレゼント(50名)

という、とんでもない倍率の方法ばかりであった。
その為、関係者以外に流通した枚数はたった54枚という非常に希少な曲である。
PVもなぜか2番がカットされている為、現在もしフルが聞きたいというのであればそのCDを所持している人を何とかして探し出す以外方法は無い。


ちなみに、あまりにも大量に売れ残った為か、シャーシをそのまま流用して
ボディは新幹線をそのままデザインした楽しいトレインシリーズという模型が一時期タミヤから発売されていた。
ダンガンレーサーのシャーシ+新幹線の車体の組合せはある意味弾丸列車(東海道新幹線の原型)と言えなくもない。


当然ダンガンレーサーの競技会では使うことはできないが、一部でこれを魔改造して
ダンガンレーサーとガチバトルに明け暮れたレーサーが多数現れたとか。


そしてこのダンガンレーサー何より止める際素手だととてつもなく痛いのである
痛いのである
大事な事なので二回(ry
重量級セッティングなら大したスピードが出ていないため普通に止められるが高速セッティングのファイティングタイプの場合なかなか止めづらく待ち構えて取ろうとすると暴れたダンガンのファイティングタイヤが手やら腕やらの皮をギャリギャリ巻き込む。そのため専用のキャッチカップは必須

●おまけ
めちゃイケにてエスパー伊東がネタの1つとして四角で囲まれた壁の中を走るダンガンレーサーを時間内に沢山取るというネタをした。
結果はご察しください。


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最終更新:2024年04月10日 18:47