スチームウッド(BRAVE FENCER 武蔵伝)

登録日:2013/12/05 Thu 01:54:17
更新日:2025/03/03 Mon 15:24:49
所要時間:約 8 分で読めます




スチームウッドとは、PS用ソフト『BRAVE FENCER 武蔵伝』に登場する施設の一つである。



【概要】

本作の舞台である、ヤクイニック王国の生活を支える重要な施設。
城下のアミヤクイ村と隣接する「スチームウッドの森」の奥にそびえ立つ。
管理人はフォレスという老人だが、この男、いかんせんお気楽で無責任な性格であることに加えて機械操作が苦手*1というお粗末な弱点があり、ちゃんとスチームウッドを管理できているのか不安になってくる。


地中から「ビンチョタイト」と呼ばれるエネルギー資源を採掘し、それを加工・精製して「ビンチョロン」を生産する工程を全自動で行う。
その外観はスチームの名が示すように、巨大な樹木をベースとした建物に無数のパイプが繋がった大型の装置である。
緊急時には内部のバルブを操作して蒸気を排出、暴走を抑える。



ここでスチームウッドの成り立ちを語るには、先にビンチョタイトとは何かを説明せねばならない。

ビンチョタイトは地中にあるうちは液状で、空気に触れると結晶化するという不思議な性質を持つ。
だが実は質量以上に大量のエネルギーを秘めており、加工できれば幅広い用途に使うことができた。
いわば石油やら石炭みたいなものだが、現実のそれを遥かに上回る万能性を誇る。
ヤクイニック王国が今日まで栄えてきたのは、このビンチョタイトの埋蔵量が膨大だったからであり、かつてはビンチョタイト採掘が国を支える重要な産業でもあった。
元々アミヤクイ村も鉱夫達が住む場所として作られ、風車小屋のウィドじいさんは当時の採掘場の責任者だった。



しかしビンチョタイトには強い毒性が含まれており、加工時に発生するビンチョロン廃液もまた人体に有害なものであった。
故にビンチョタイト採掘は非常に危険な作業でもあり、採掘場で命を落とす鉱夫(さまよいの森の一角にある墓場は、殆どが当時の犠牲者を弔った墓ばかりである)もいた。


そんな時に王国へ手を貸したのが、後に敵対者となるル・コアール帝国*2である。
優秀なスチーム技術を持つル・コアール帝国の協力により、王国ではビンチョタイトの採掘・加工を自動化する施設の建設が行われる事となった。

これがスチームウッドの誕生である。

スチームウッドが建設されたおかげで、危険な採掘作業に身を投じる必要が無くなり、採掘場は閉鎖された。
現在のヤクイニック王国が農業を中心に営めるのは、無人でも安全にビンチョロンをスムーズに生産できるようになったからなのである。
まさに産業革命。


役目を終えたアミヤクイ村には小数の鉱夫やその家族が残り、ビンチョロン精製時の蒸気エネルギーの恩恵にあずかり暮らしている。



すいまの森、ふたご山に見られる茶色のパイプは、全てこのスチームウッドから伸びたパイプである。
中には蒸気が漏れに漏れまくってムサシの行く手を阻んでいる事があり、非常に迷惑。*3
特にスチームウッドの森にあるパイプ群は漏れが酷く、完全に阻むとまではいかないがやはり迷惑。
どう考えてもフォレスの管理が行き届いていないとしか思えない。
お転婆姫に隠れてバカンスへ行った国王夫妻もそうだが、大丈夫かこの国……




追記・修正お願いします。


















お・あ・あ・あんた、大変じゃ!
スチームウッド暴走しちまったんじゃ~!!







あと24時間以内暴走をくいとめないと、どエライことになってしまう~!!







本題に入る。
スチームウッドの実態は、武蔵伝プレイヤーの大半を震え上がらせたであろう恐怖のイベントの舞台である。



【スチームウッド暴走】

第2章中盤、激しい川下りを追え、村で腕輪を鑑定してもらったムサシは村中に白いモヤが立ち込めているのを目の当たりにする。

とても嫌な予感がしつつ、早速鑑定してもらった腕輪―――ベンケイブレスで管理小屋の崖を登ると、フォレスの口からとんでもない事実が明らかになる。
何とスチームウッドが暴走し、爆発する前の 24時間以内 に食い止めないといけなくなってしまったというのだ!

説明したように、スチームウッドは王国のライフラインといっても過言ではなく、そんなものが爆発事故を起こしたら隣接するアミヤクイ村はおろか、国中が壊滅的な被害を受けてしまう。
管理人なら何とかしろ、というムサシに対しリウマチを言い訳に動こうとしないフォレス。
仕方なくムサシが引き受け、スチームウッドの操作メモを手に向かうのだが……


フォレスが言った通り、ここからは本当に24時間のタイムリミットが発生。
それまでに暴走を止められないとスチームウッドが爆発、ゲームオーバーになってしまう。
更に悪い事に、ゲーム内の1時間は現実の24秒に相当するため、ものすごい勢いでタイムが減っていく
つまり、ムサシ(もといプレイヤー)に残された本当の時間は約9分半(576秒)しかないのだ。
移動中にセーブすると時間次第で詰みかねないし、寄り道なんてもってのほか。
更に眠気が溜まって居眠りしようものならあっという間に時間切れになる。
すっきりミントを持参し、一直線にスチームウッドの森を駆け抜け、目的地に辿り着かねばならない。*4



スチームウッド前に着いて入口を調べると、メモをもとに暴走を止める大事な手順を練習することになる。
この時は時間が経過しないので、焦らずゆっくり練習するといい。


~スチームウッド暴走の止め方~

1.室内にあるバルブ1番から順にしめていって下さい。

スチームウッドは4階構造となっており、1~3番が2F、4~6番が3F、7~8番が4Fにあるので
無駄に上下を行き来することはない。

2.バルブ正面に立ちボタンスタートです。

「あれ?反応しない?」と思ったらもっとバルブに近づいて押す。

3.あつりょくゲージが上がるのでOKゾーンにきたらボタンゲージを止めます。
4.成功すれば、バルブゲージが上がります。失敗してしまうとバルブゲージがさがります。
5.それをくりかえし、バルブゲージいっぱいになれば完了です。

大事な部分。
圧力ゲージは画面左側に表示され、赤い部分緑色のOKゾーンまで延びた瞬間に押す。
するとバルブゲージの青い部分が一定量伸びる。これを満タンになるまで繰り返せばいい。
逆に失敗するとゲージが下がってしまい、タイムロスになる。
番号の数字が大きいほど圧力ゲージのスピードが速く、バルブゲージの溜まる量が少なくなる。

6.そのとき表示されるバルブタイマーになるまでにつぎのバルブをしめましょう。
7.バルブタイマーになるとすべてのバルブが開いてしまい、1番からやりなおしになります。

最も大事な部分。
ただでさえ爆発までのタイムリミットがある中、更にバルブごとの時間制限まで存在するのである。
これを過ぎたが最後、 どんなにいい所まで進んでいたとしても 全部ふりだしに戻されてしまう。
幸いにもバルブタイマーのスピードは現実の時間と同じ。隣の爆発までのタイマーに惑わされないように。

8.それではこの扉でれんしゅうしてみましょう!!

スムーズにバルブ間を移動できればいいのだが、スチームウッド内部は暴走の影響であちこち蒸気が噴出している箇所がある。
場合によっては延々と噴出し続け、回り道を余儀なくされることも。

が、一番問題なのが各階層を行き来するエレベーター。
1~4階を 自動で上下している 関係で、タイミングが悪いとすぐには上階へ移動できないことがよくある。
更に上へ行く手段はこのエレベーター1台のみであり、途中で蒸気に巻き込まれたり搭乗をミスって落下した日には絶望すること請け合い。

攻略の際は以下の2点を知っていればミスを防ぎやすくなる。

  • ①… 2~4階の通路の移動時は左スティックではなく十字キーで行うこと。
    倒した方向に360度反応してそのまま進む左スティック での移動と違い、十字キーでの移動はすぐに移動速度は上がらない反面 中央の軸を中心に 移動するため、誤って上キーを押さない限りは通路の移動中に落下する危険性が無くなる。

  • ②… バルブを締めた際にムサシの台詞が出るが、この時にボタンを押す事で台詞ボイスが中断されボタンを押すまで台詞が表示されたままになる。
    台詞が表示されてる最中も エレベーターが動き続ける が、爆発までの時間とバルブの制限時間両方のタイマーは台詞が消えるまで止まる上、次のバルブの制限時間開始も台詞が消えた後に始動する。
    エレベーターの搭乗をスムーズに行うためにも3番、6番バブルを締めた後はこのテクを活用する事。


緊迫感漂うBGM、なかなか来ないエレベーター、バルブを締めた後のムサシのバンザイによるタイムの浪費、刻一刻と減るバルブタイマーと失敗出来ないプレッシャー、そして迫り来るスチームウッド爆発のリミット……
これらが合わさり、プレイヤーの焦りと恐怖、そしてストレスは 本作一番のピーク に達する。
ゲームオーバーになったら最早トラウマものである。
武蔵伝をやった事があるプレイヤーに「 記憶に残ったイベントは? 」と訊ねた場合、大体の人がその1つにスチームウッドを挙げるんだとか……


ただ、一見難しそうに感じるがこれでもゲーム序盤のイベント。
極端に難易度が高いわけではなく、冷静にプレイすれば1回のチャレンジで攻略できる事もある。
問題のバルブ操作も各番号ごとのスピードは常に一定であり、それ以上のイジワルな要素も存在しない。
これほどまで有名になったのは、発売当時のプレイヤー層には子供が多く、まだアクション慣れしていない年頃(「でっかい夏のでっかいタッグ」という宣伝文句通り、発売時期が夏であったことも大きい)ゆえに、つまづきやすかった事も一因と考えられる。


数々の困難を乗り越え全バルブを閉めると、ようやくスチームウッドの暴走が収まる。
お疲れ様でした。

その後、フォレスから各地の蒸気が止まった事、そのおかげで管理小屋との近道ができたことを知らされる。
更に暴走の犯人である「 怪しいマスクをつけたマントの男 (ボルドー)」がふたご山に向かった事、村長がお礼を言いたいので家に来て欲しいと言っていた事なども教えてくれる。
まずは村長宅でお礼を受け取り、それからボルドーをシメに行くといいだろう。

ついでにセーブも忘れない事。
万が一せずにゲームオーバーになったら……想像したくもない。




追記・修正お願いします。



























え、何でまだ続いているのかって?








うん、またなんだ。








【続・スチームウッド暴走】

第5章序盤、フィーレ姫の怪しい行動に不信感を抱く中、復旧したゴンドラの乗り心地をムサシが体験した所でそれは起きた。
何やら見覚えのある白いモヤ
まさか……不安が脳裏をよぎるプレイヤー達。
再び管理小屋に向かうもフォレスの姿はない。だが例の近道は開いたまま。



スチームウッド前で倒れているフォレスに話を聞くと、 フィーレ姫がいきなり後ろから殴り倒して突入したので 扉のハンドルをもぎ取り閉じ込めてやった のだという。
アグレッシブすぎるだろこのジジイ。
───後で判明するのだがこの姫は 偽者 であり、分かっていたかは不明にしろフォレスの行動は最善だったと言える。
しかし、姫は逆にスチームウッドを暴走させてしまったとも……



そう、あの恐怖のイベントには 2回目 が存在したのだ……



若者に花を持たせてやるだのと言い訳するフォレスに代わり、再びムサシが暴走を止める事になる。
ついでに会話終了後から24時間のカウントダウンがスタートする。


手順は前回と同じであり、忘れていても扉前で再確認できる。
が、大きく違う点が二つ。

一つは蒸気の噴出箇所が異なっていること。
そのため1回目の記憶は捨て、再度頭に叩き込むしかない。
ただ今回はスチームウッド前からのカウントダウンという事もあり、多少時間の猶予はある。

もう一つは、姫の手によって1、4、8番バルブのハンドルがもぎ取られていること。
そのため、特に4、8番バルブへ向かう前にハンドルを探して入手しなければならない。
空中で向きを変えて直角に2段ジャンプ上の階から飛び降りて下の階に進入といったテクニックを要求される。
バルブ閉めとは切り分けられるが、まずここで時間をとられる可能性が高い。

これらの変化点もあって難易度は第2章よりも高く、更なるプレッシャーが圧し掛かる。

なお、2回目のみはフリーズパレスで手に入る「どろっぷきっく」があれば多少は移動時間を短縮できるが、フリーズパレスのゲット・イン技を外に持ち出せるタイミングは村からフリーズパレスまでの道のりの関係上、ボスを倒してから初めてフリーズパレスを出た時の1回だけ(フリーズパレスから村に戻るには通常はゲット・イン技を切り替えないと進めない場所を通らないといけないがボスを倒した直後のみは村に直接移動するため)なので注意。


1、2回目共に焦りから来るミスを引き起こしやすいが、どちらもとにかく焦らないことが肝要。
幸いにも本作で時間制限が絡むイベントは2回目のこれが最後なので、乗り越えてしまえば気分は楽になる。





追記・修正はノーミスでバルブを閉められる方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\よし、いくぜっ!!/

最終更新:2025年03月03日 15:24

*1 更に言うと、元は村でぶらぶらしていた所を村長が強引に任命しただけ

*2 スチームウッド完成後、テキーラ総統が実権を握った時期からビンチョタイトの不正な横流しが発覚して関係が冷え込んだ。

*3 ストーリーの進行上まだ行く事ができない、という意味でもあるのだが

*4 当然、この間も時間は減っていく。