R・田中一郎

登録日:2012/07/30(月) 22:13:54
更新日:2023/07/29 Sat 20:59:13
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「やあ。」






◆R・田中一郎

「あ~る・たなかいちろう」はゆうきまさみの漫画作品『究極超人あ~る』の登場人物。
作中でも度々“”の薄さをネタにされているが、一応は同作の主人公である(※作中でのネタ的な意味合いであり、別に存在感の無いキャラクターではない)。

見た目はひょろりとした刈り上げヘアーの学生で、呆けた表情と、常に長い前髪で片目が隠れているのが特徴。
一年を通して詰め襟学生服(冬服)に裸足の下駄掃き姿で過ごし、人間離れした怪力も持つ。
バスケットのロングシュートをほぼコートの端から端の距離で正確に連続で入れ続ける事が出来る他、愛用の自転車(轟天号)に乗った際のスピードは、高速道路をぶっち切りで走り抜ける程。
……しかし頭は余り良くなく、卒業前にはギリギリのスケジュールの補習に追われていた。
※生みの親の博士からは「東大」を目指せと言われていたが、鳥坂らに撮影旅行中に「灯台」は狭き門(関係者以外立入禁止)と思い知らされ断念。


……そんな彼の正体は、異端の工学博士・成原成行の生み出したアンドロイドであり、正式名称は「R28号」。
転校先の私立春風高等学校生にとっては公然の秘密となっており、学校の名物として常に騒動の中心になっていた。

尚、アンドロイドと云う言葉が耳慣れない為か、初期には「ロボット」呼ばわりされた後で「ア・ン・ド・ロ・イ・ド」と訂正するのが初期の持ちネタであった。

本人は勿論、作った張本人すら忘れていたが、本来は「世界征服(制服)用」のアンドロイドであり、無駄に高性能なのはその為とも思われる……が、実は誕生当初より重要な基板を留めるネジが文字通りに“抜けて”おり、運動会での騒動から修理に出された際には、クールで尊大な自信家に生まれ変わって帰って来た事から生徒会長選に出馬させられる。
対抗馬の西園寺まりいを圧倒する姿から、今度こそネジが締め直された……かと思いきや、矢張りどこかのネジが抜けており、結局は元の気の抜けた性格に戻ってしまった(この際には女生徒にもモテていた)。


動力源は白米で、特にササニシキ(特上米)を好む。
白米が好き、と云うよりお米しか食べれないので、他の物を食べると燃焼に障害を来す。
お米が原料の甘酒は飲めるが酒乱なので別の意味で飲まない方が良い。

常に電子ジャーを持参しており、内蔵のコンセントで炊飯するのは定番の姿である。

ブロック塀に激突し、首が一回転してからは接合が緩くなったのか、頭を高速で回転させたり頭を抜いたりするのが持ちネタになった。



【概要】

私立春風高校2年D組の転校生だが、2週間以上も音信不通のままだった。
……が、宇南山に撮影会に出かけていた春風高校光画部の面々に発見される。
この時点では互いの正体を知る事は無かったものの、これが機(奇)縁となり、更に数週間遅れて一学期の終業式に漸く来校して来たあ~るを、光画部は部に迎え入れる事になる。

……そして、光画部伝統の「面白いヤツこそが何者よりも優先される」と云う理論により部長に就任。
生徒会長選での戦いを経て宿敵となった、西園寺まりい率いる生徒会との部室攻防戦を皮切りに、以降の春風高校の騒動の中心人物となる。

光画部では、春風高校史上“最悪”のトラブルメーカーである鳥坂に鍛え(?)上げられ、実質的かつ一方的な師弟関係を築き上げる。

トレードマークの学生服は、数え切れない程に重ね着されている他、愛用の下駄も上履きや運動用が存在する等、並々ならぬこだわりがある模様。


鳥坂はじめ、クラスメートでもある大戸島さんごや堀川椎子ら光画部の面々には解り難いながらも絶大な信頼を寄せると共に懐いており、椎ちゃん(堀川)が部を裏切ったかに見せかけた時には珍しく取り乱したり、アパート暮らしをしていた筈なのに、いつしか部室に寝泊まりする様にまでになっていた。

……最終的には、春風高校を拠点に世界征服計画を実行した成原博士(成原成行)と対決。
ギャグ漫画なので、シリアスな展開になる事も無く、見事な大団円を飾っている。

また、1年のえりかや部長となった小夜子に抱きつかれたりしても無反応だが、クラスメイトのさんごがくっつくと顔を赤らめたり、彼女の写真をこっそり撮っていたりもしたため、彼女には思い入れ(恋愛感情めいたもの)があるようである。
最後の戦いで彼がやる気を出したきっかけもバーサーカーにさんごが拐われた事だった。



……連載終了後に制作された、本編の後日談に当たるOVAでの声優は、故・塩沢兼人氏が声を当てていた。
作者インタビューによれば「あ~るの声優は他に考えつかなかった」との事である。
クールになった時のイメージから逆算された結果らしい。



【主な能力】

●怪力
大きな岩を持ち上げる等、並の人間を遥かに超えたパワーを発揮する。


●スピード
さんごを乗せたリヤカーを引いた状態で陸上部のホープを抜き去り、自転車だと一般的な車両を後方に置き去る等、並の人間を遥かに超えたスピードを発揮する。


●バリヤー(?)
ただでさえ雷が落ちやすいのに、金属バットを振り回していた際に落雷にあった事で帯電。
それを放出した際に叫んでいたが「バリヤー」では無い。


●外道照身霊波光線
「正体見たり前世魔人!」
謎の特殊機能。
霊の姿を写す事が出来る(幽霊時代の小夜子をいぢめた)。
元ネタはカルト特撮『ダイヤモンド・アイ』で、台詞もそこからの引用である。


●発明
本人曰わく「からくり人形」の為か、何だかんだで機械いじりが得意。
特に自作のカメラが度々登場しており、見た目は木製のデカい箱でオートフォーカス付き。
シャッターを押し込むと中央から“れぇざぁ光線”が発射されて被写体を捉える(後に改良されて“謎の怪光線”に進化)。
元ネタは大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン(の天野教授パロを成原博士がやるオチの前振り)。



【元ネタ・モデル】

天才的な科学者が交通事故で死んだ(あ~るでは死んでないけど)「自分の息子そっくりのロボットを作り上げる」……と云う設定は『鉄腕アトム』に、型式番号は『鉄人28号』に由来する。
片目の隠れた前髪や連載時期的にプリンス(超電子バイオマン)説もある。

また、名前の頭に「R」が付くのはSF小説の大家アイザック・アシモフの作品(『鋼鉄都市』)が、「R(あ~る)君」という呼称と学生服姿は、大島渚監督の映画(『絞死刑』)に由来している。


人物その物のモデルとなっているのは、ゆうきまさみが『究極超人あ~る』の物語の元設定その物とした、友人のとまとあき(たわば先輩のモデル)が在籍していた実際の「光画部」の部員であった「成増の原人」と呼ばれた人物の“逸話”との事である(流石に多分の脚色は加えている)。






「え~、僕がついきしゅうせいするんですかぁ~?」


「うるさい、やらないと関節技だそ!?」

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最終更新:2023年07月29日 20:59