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別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?

登録日:2009/06/15 Mon 22:19:21
更新日:2025/11/28 Fri 00:49:09
所要時間:約 6 分で読めます




ところで凛。一つ確認してもいいかな

いいわ。なに

ああ。時間を稼ぐのはいいが――
別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?

――ええ、遠慮はいらないわ。
がつんと痛い目にあわせてやって、アーチャー

そうか。ならば、期待に応えるとしよう

●目次

概要

TYPE-MOON製作の成人向けPCゲーム『Fate/stay night』の登場人物、サーヴァントアーチャー」の名言。

中ボス格のキャラクター、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの城から逃げ出すために
主人公衛宮士郎達の殿を自らのマスター遠坂凛に任された際に放った一言。
割と名セリフ・珍セリフの多いゲームだが、その中でも屈指の名言。


状況

1周目でプレイすることになる『Fate』ルート。十一日目・『アインツベルン城ロビー-遠い背中』。
脱出時に主人公達を追撃してきたサーヴァント、バーサーカー
バーサーカーは作中で最強のサーヴァントとされる存在で、対峙することは即ち死を意味すると言える存在。
事実ゲームオーバーになる理由としてはサーヴァントの中で一番。
凛は自らのサーヴァントに事実上「自分達の身代わりに死ね」と命じたことに罪悪感を感じ、弱気になってアーチャーに何か声をかけようとした際、
それを遮るようにして、振り返ることなくアーチャーは言った。
凛は謝罪ではなく激励の言葉を残して撤退し、アーチャーはバーサーカーと死闘を繰り広げ、善戦するも及ばず死亡。
だがその甲斐あって、態勢を立て直した凛は共に脱出した衛宮士郎・セイバーのコンビと共に見事バーサーカーを打倒することに成功するのだった。


解説

因みにこのバーサーカー。
序盤に士郎とセイバーの2人を相手して、腕力のみで半殺しどころか9割分ずつくらい殺している。
その直前にセイバーは1人でアーチャーと互角に戦ったランサーを鎧袖一触している。
ついでにアーチャー自身もセイバーに一撃で深手を負わされている。
この時点で士郎達は絶望。
更に『Bランク以下の攻撃*1は通用しない』『12回殺さないと死なない』『一度ダメージを受けた攻撃には防御力3倍』という、
作中屈指のチート宝具十二の試練』を持つことを知る。
原作者の奈須きのこ曰く「格闘ゲームで言うならば、スーパーコンボ以外の全ての技にスーパーアーマー+ノーダメージ」

もっとも、実のところは「過剰な威力の攻撃をすれば、一度の攻撃で数回分殺せる」というオチがあるのだが、作中でその事実が分かるのはまだまだ後のこと。
3つあるルートのうち2つでその方法でやられており、11個ある命も最高で一撃7個という連続殺され記録もある。
が、この倒し方はいわば裏技的な倒し方で、『十二の試練』に対する正攻法ではない。

しかしアーチャーはこの時、敗れはしたものの圧倒的劣勢の中バーサーカーを6回、ちゃんと『違う死因』で1回ずつ殺したことが明かされる。
(明かされる……というのは、次に視点が移った時には戦いが終わっていて実際の戦闘は描写されないため)
先ほどの格ゲーの状態を想定してくれればわかりやすいだろう。「ゲージ消費が必要な超必殺技級の大技を最低でも6つは使える」と言えばアーチャーが如何に異常な事をしたのかがわかるはずだ。
これはセイバーや当のバーサーカーのような由緒正しき超一流のサーヴァントでも考え難い事態で、
そんな大技を何個も使う時点でサーヴァントの素性も自ずと露わになるものだが、この戦いを側で見ていたイリヤをしても彼が何者なのか全くわからず、アーチャーは最後まで正体不明のサーヴァントとして扱われた。

そのためこの一連のエピソードは

「このバーサーカーを幾度となく殺してみせた『アーチャー』とは一体どういう英雄だったのだろう?」

という疑問をプレイヤーに抱かせ、またその回答編となる2周目『unlimited blade works』ルートへの布石になる、本作の中でも重要なシーンの一つとなっている。


ところで

死亡フラグ」として挙げられる事も多いこの台詞だが、決して「調子に乗った台詞を吐いたら死んだ」ような台詞ではなく
死ぬと分かっている状況で仲間に気を使ってあえて強気を見せた」と言う所にこの台詞の粋がある。
なので、この台詞は死亡フラグでも何でもない(強いて言えば「バーサーカーとの遭遇」が死亡フラグで、すでに成立済)。
アニメ版でもバーサーカーの猛攻でボロボロになったところで「こちらの敗北は揺るがないが、あと4つは戴いていくぞ」と言い出して実際に十二の試練のストックを目標以上に削っており「やれるだけの仕事はやり切って実際に勝因に繋げた」という大健闘である。
原作ではバーサーカーも狂化した精神状態でなおアーチャーの健闘に敬意を払っている。

まあ「死亡展開に繋がる台詞」という意味では間違ってるとも言い切れないのだが、
どちらかと言うとその後の展開もひっくるめて「死亡イベント」の一部としつつも「正体不明なキャラの伏線張り」の方が実状に近いか。


こぼれ話

その後『Fate/hollow ataraxia』においてきのこ本人がパロディ化。
本編のシリアスっぷりをどこに置いてきたのか、激しくキャラ崩壊、魚釣りしながら今度はランサーに言い放った。
「なあランサー、別にこの港の魚を釣りつくしても構わんのだろう?」
「あーあー、できるもんならやって見やがれ」
この後アーチャーは士郎がいることに気づかないまま「ひゃっほー」しながら魚釣りを楽しみ。
ついでにどこぞの金ぴか英雄王と子供達を交えて魚釣り対決をはじめ、ランサーを辟易させることになる。
なお、きのこ本人としてはこのアーチャーは忘れておいてほしいらしい。是非ともみんなで覚えておこう。
……等と言っていたら『Fate/Grand Order』の2020年夏イベントでアングラー宣言してしまった。どうやらきのこも忘れられなかったらしい。

また、hollowドラマCD『あるいは怪物という名の食卓』にて葛木先生の好物を推理する場面で使用。
「何ならその料理、私一人が正解を出してしまっても構わんのだろう?」
その後きっちり正解を当てるのだが、日本食をよく知らない海外サーヴァント達から全否定されてしまう。
やっぱり死亡フラグであった。

また、Fate/EXTRAのビジュアルファンブックに掲載された短編小説においても「――倒してしまっても構わないだろう?」と言い放ち、
その後ガウェインに敗北している。

オマケ

非常にシリアスなシーンなのだが、実はPC版ではこの後濡れ場があり、更にアーチャーとバーサーカーの戦闘の激しさを物語る大事なシーンで誤字がある。
どうにかならなかったんですかきのこ先生。

上でも少し触れたが、アニメ版(FateルートなのでいわゆるDEEN版)ではアーチャーとバーサーカーの戦いも映像化しており
当時のエロゲ原作アニメなりに相当頑張ってはいるのだが、その最中で挟まれたこの場に似つかわしくない堂々とした決めポーズを空中でシャキーン!と決める演出(通称「かっこいいポーズ」)が笑いを誘うこととなり、その直後の感動的な死亡演出によって視聴者を笑わせながら泣かせる偉業を成し遂げてしまった。




「ああ。閲覧するのはいいが――別に、追記・修正してしまっても構わんのだろう?」

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最終更新:2025年11月28日 00:49

*1 作中ではサーヴァントのステータスや宝具の格がランク付けされている。