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ジョジョの奇妙な冒険

登録日:2010/04/19 Mon 09:31:04
更新日:2026/08/11 Tue 10:50:32
所要時間:約 9 分で読めますッ


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はっきりいうと、この作品のテーマはありふれたテーマ――
「生きること」です。
対照的なふたりの主人公を通して、ふたつの生き方を見つめたいと思います。
「人間」と「人間以外のもの」との闘いを通して、人間賛歌をうたっていきたいと思います。
この作品がみなさんに喜びを与え、気に入ってもらえますように。

――それでは、どうぞ。

~「ジョジョの奇妙な冒険」第1巻 巻頭コメントより



二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めた。

一人を見た。

一人を見た。


~フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』より


ジョジョの奇妙(きみょう)冒険(ぼうけん)』とは荒木飛呂彦の漫画作品。
1987年から週刊少年ジャンプで連載を開始した。



☆概要

奇妙な因縁を持つ「ジョースター家」の血を継ぐ者を中心として物語が展開されるロマンホラー漫画の金字塔。
各部ごとに主人公や舞台、時代が変わっていく。

掲載誌は第7部「スティール・ボール・ラン」からウルトラジャンプに移籍し、2023年2月から同誌にて最新シリーズである第9部「The JOJOLands」の連載が始まっている。

基本的にはバトル漫画。第1部と第2部では「波紋」、第3部からは「スタンド」という能力を扱う。
だがこういった漫画でしばしば起きがちなな戦闘力のインフレがあまりなく、智謀を巡らせて敵の弱点を探ったり心理戦を繰り広げたりと、どちらかと言うと頭を使った戦闘描写が多い。
作者によるとこれは意識してのことであり、第3部から第4部に移る過程で戦闘力のインフレが起きることを意図的に避けるよう心掛けたとか。
こういった点から、しばしば「能力バトル漫画の金字塔」と評される。

☆特色

まず絵柄が濃い。時に若干グロいシーンなどが混じる事もあって、より人を選ぶ。だが、一度感性と合えばハマること請け合い。
特にネットなどではあらゆるシーンがネタとして取り扱われており、ファンのことをジョジョラーと称することも。

セリフなどに独特の言い回しを使い、語尾に「ッ」をつけたり、「じゃないか」を「じゃあないか」と一貫して表記していたり、
「仲間に敵からの一時撤退を必死に訴える」気持ちを「試験終了直前まで必死に問題を解いている受験生」の気持ちに例えるなど、
緊迫した場面をあえて日常的な光景で比喩したり、表現が非常に個性的。
カバーイラストなどでかっこいいが関節構造を無視したようなポーズをキャラがとる事も多く、これらは通称「ジョジョ立ち」と呼ばれる。

本作はストーリーや絵だけでなく、要所要所で現れる「擬音」も見所の一つである。
そのバリエーションの多さと音感は、シーンのみならず作品自体に深みを与えるのに一役買っていると言っても過言ではない。

  • ゴゴゴゴゴ→何かが迫っている音
  • ┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛┣゛→何かが迫っている音
  • パゥロォォォォ→暗い洞穴を風が通り抜ける音
  • メメタァ→カエルの上から岩を殴る音
  • グッパォン→階段の途中で膝に裂傷を負い吹っ飛ぶ音
  • ズキュゥ―z_ン→キスの音
  • ガ オ ンッ→物質を消し飛ばした音
  • ボムギッ!→自転車で猫(のオモチャ)とぶつかってしまった時の音
  • ウジュル→身体を何者かが乗っ取った音
  • コォォォォォォォォ!→波紋を練る際の呼吸音

全編通して「人間賛歌」を根底的なテーマとしており、考えさせられるシーンも又多い。
また第3部以降の裏テーマとして「運命は変えられない、変えようとすれば罰を受ける」というのも付与され、登場人物たちがそれにどう立ち向かっていくかも見どころの一つである。


なお、劇中の多くの登場人物やスタンドの名前は、外国の著名なミュージシャンやバンド、曲名が由来となっている。
これは荒木先生が無類の洋楽好きである為で、氏は仕事中も様々な洋楽を流していたという。
テレビアニメ版では氏が連載当時よく聴いていた洋楽がEDテーマとして採用されている。
ただし、海外翻訳版等では著作権などの関係で、こういった洋楽由来のキャラクター・スタンド名が変更されており、
中にはあまりにも見たまんま過ぎる名前(『スティッキィ・フィンガーズ』→『Zipper Man』)など、もっと他になかったのかというものもある。

また、主人公の死亡率が非常に高い。
第2部の時点で「ジョースター家の男は代々短命」という言い伝えすら確立されたほどである。
主人公を務めた部で生き残っても後に再登場した際に死亡することもあるため油断できない。


☆各部紹介

第1部「ファントムブラッド

19世紀イギリスが舞台。波紋篇第一弾。
主人公ジョナサン・ジョースターの前に、ジョースター家の養子として入ってきたディオ・ブランドーが現れる。
ある日、ディオは石仮面を使って吸血鬼となる。ジョジョはそれに対抗すべく、「波紋」を習得する事に……。
連載時タイトルは「ジョナサン・ジョースター その青春」。

第2部「戦闘潮流

舞台は第1部の50年後。波紋篇第二弾。
はるか昔に石仮面を作った一族の末裔、『柱の男』たちが現代に蘇り、自分たちを不老不死にする『エイジャの赤石』を求めて行動を始めた。
ジョナサンの孫であるジョセフ・ジョースターは、生まれつきの「波紋」と知略を武器に、仲間たちと共に『柱の男』たちに立ち向かう。
連載時タイトルは「ジョセフ・ジョースター その誇り高き血統」。

第3部「スターダスト・クルセイダース

第2部からさらに50年後。
100年の時を越えて、かつてジョナサンに倒されたディオ・ブランド―……吸血鬼「DIO」が蘇った。
ジョセフの孫である空条承太郎は、DIO復活の影響で命の危機に陥った母を助けるべく、
自らに発現した「幽波紋」(スタンド)を用い、祖父や仲間たちと共にDIOの待つエジプトを目指す……。
連載時タイトルは「空条承太郎 未来への遺産」。 

第4部「ダイヤモンドは砕けない

第3部から10年後。日本の地方都市である杜王町が舞台。
ジョセフに当人も知らなかった隠し子がいることと、その隠し子が杜王町に住んでいることが発覚し、
既に高齢のために長距離移動が難しいジョセフの代理として、その孫の承太郎が事情などを説明するべく杜王町を訪れた。
その隠し子こと東方仗助は、「スタンド」を手に入れて町に戻ってきた連続殺人鬼に殺された警察官の祖父の遺志を受け継ぎ、
母親と杜王町を守るため、町で次々と起こる「スタンド」が関係する奇妙な事件を仲間たちや承太郎と共に解決していくが……。
連載時タイトルは「東方仗助」。

第5部「黄金の風

2001年のイタリアが舞台。
DIOの息子にしてジョースター家の血を引くジョルノ・ジョバァーナは、ある日マフィアと諍いを起こしてしまう。
しかし、過去の経験から「ギャング・スター」に憧れを抱いていたジョルノは、子供にも麻薬を流すマフィアを正すため、
自身を狙ってきたマフィア「パッショーネ」に入団することを決め、夢への第一歩を踏み出した……。
連載時タイトルは「ジョルノ・ジョバァーナ 黄金なる遺産」。

第6部「ストーンオーシャン

2011年のアメリカが舞台。
空条承太郎の娘、空条徐倫は、彼氏に罪をなすりつけられ、グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所に入ることに。
だがそれは承太郎を狙った罠であり、敵によって徐倫を助けに来た承太郎が仮死状態になってしまう。
承太郎を救うため、また「天国」を目指すプッチ神父を阻止すべく、徐倫は立ち向かっていく……。
連載時タイトルは「空条徐倫 『石作りの海(ストーンオーシャン)』」。

第7部「STEEL BALL RUN

1890年、サンディエゴビーチからニューヨークに至る賞金5000万ドルの壮大な米国横断騎馬レース「スティール・ボール・ラン」が開催された。
だが、合衆国大統領ファニー・ヴァレンタインによってこのレースには「『聖人』の遺体を回収する」という裏の目的も付与されていた。
ジャイロ・ツェペリジョニィ・ジョースターの二人は、各々の目的を果たすためにタッグを組み、
レースの優勝(ジャイロ)と遺体の収集(ジョニィ)を目指し、様々な競走相手や大統領の刺客と戦いながら、二人でアメリカを駆け抜ける……。
なお、本作の世界観は第6部のクライマックスでプッチ神父のスタンド能力によって「一巡した後の宇宙」という設定で、
第6部の舞台となった2011年から一気に1890年に時代が遡っているのもそのため。
ただし作者によると「パラレルワールド」と見てもかまわないとの事。

第8部「ジョジョリオン

2011年の杜王町が舞台。
東北地方太平洋沖地震当日深夜、突如地面から隆起した「壁の目」により、ライフラインの一部が遮断された。
そして「壁の目」で広瀬康穂に発見された記憶喪失の青年――後に東方定助と名付けられた彼は、記憶を求めて奔走する。
死亡したという人物「吉良吉影」、定助の身元引受人である東方家も何らかの謎を秘めているようだが……?
なお、第7部と同一世界観であり、「スティール・ボール・ランレース」などの第7部と関連した用語が出てくる。

第9部「The JOJOLands

2020年以降のハワイが舞台*1。一人の少年が亜熱帯の島で大富豪になっていく物語。
主人公ジョディオ・ジョースターは仲間たちと共にスタンド能力でダイヤを盗もうとするが__!?
第7部・第8部と同一の世界観であり、第8部吉良の家系図が登場する。


☆テレビアニメ化

過去に1993年にOVA版のスターダストクルセイダース、2007年に劇場版ファントムブラッドがアニメ化されたが、
それ以降はなかったが2012年に原作連載25周年記念のジョジョ展にて「テレビアニメ(化)」が決定された。

人気作故にファンたちからは心配されていたが、アニメ制作スタッフと声優らはジョジョファンメインで構成されており、
細かい描写などがカットするも可能な限り作画を漫画を忠実に映像化*2、セリフ回しや擬音をしっかり入れる一方で、
原作にあった進行で生じた矛盾や穴、難解な描写などはアニオリで補完されるなど、丁寧な作りになっている。
OPも気合が入っており、物語がクライマックスに入ると映像にマッチするSE等を適宜追加したOPに差し替えられたり、
ラスボスのスタンド能力の影響を受けたかのような演出の特殊OPが製作されるなど、スタッフの熱意が窺える。

一部と三部にあったディオの妖しげなオーラを描写する為に煙、心理的描写や展開の山場などにキャラの髪の色や服の色が異なる色変え演出、
荒木先生の作画変化に合わせて第3部から第5部のキデザインをベースにしつつ各部ごとに特色のあるキャラクターデザインに仕上げた*3
流石にグロテスク描写や三部では当時高校生であった承太郎の飲酒や喫煙シーンは黒塗りや別表現された*4が、
連載当時でも際どかったセリフや描写はちゃんと取り入れられており、吉良吉影と徐倫のド下ネタ発言、罵倒セリフやう●こ等の汚いもの、アバ茶は音と映像により生々さがアップ、
アニメ化最難関と称された「ボヘミアンラプソディー」エピソードをはじめとした他作品ネタはメーカーや各版権元に許可を得て劇中に登場するなど、
原作をなるべく忠実に映像化するというスタッフの姿勢に、多くのファンが歓喜した。

なお1部と2部は他の部とは違って、1話~9話はファントムブラッド編で10話~最終話まで戦闘潮流編と一括したシリーズになっている。


☆代表的なセリフ回し

独特の秀逸なセリフ回しも魅力の一つである。

































だが断る

















追記ッ!又は修正をよろしくッ!!



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最終更新:2026年08月11日 10:50

*1 新型コロナウイルスを示唆させる描写があるため

*2 露伴の「だが断る」など

*3 アニメだと承太郎が各部ごとに合わせたデザインになっており、特に5部の回想シーンに出た3部版ではスマートな仕上がりになっている

*4 DVDとBlu-ray版では人体の切断面や承太郎の喫煙描写の黒塗りは削除