宇宙猿人ゴリなのだ

登録日:2012/07/25 (水) 06:33:58
更新日:2025/03/17 Mon 19:23:33
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「宇宙猿人ゴリなのだ」は、昭和46年から放映された特撮番組『宇宙猿人ゴリ』(後に『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』を経て、『スペクトルマン』に改題)の前期エンディングテーマである。
古い歌で恐縮だが、歌詞を知っている人間にとっては、凄まじい逆ギレと俺様ルールをかましている歌として有名。
タイトルが「バカボンのパパか?」と突っ込まれる事も、ままある。

番組開始当初の題名が『宇宙猿人ゴリ』と悪役の名前を持ってきている事からも明らかなように、昭和46年の時点で特撮ヒーロー番組という概念のマンネリ化を打破しようとしていた番組は、TVの特撮番組としては現在でも少数派の1エピソードの2話完結を持ち込むなど、革新的な試みを取り入れている。
……結局、番組タイトルの方は「ヒーローの名前が前面に出ないのはさすがにおかしい」との意見もあり改題される事になったが、改題前から使用されていたこの曲は、悪漢主人公が自らの心情を歌った曲として見る事もでき、その意味でも興味深い。

ただ、差し替えられた後期エンディングテーマ『ネビュラの星』も負けず劣らず酷い曲である。
何せ『スペクトルマン、カイジュウヲコロセ』という無機質なナレーションから始まり、その後子供達から「憎い怪獣ぶっ殺せ―♪」と煽られるのである。
そして歌の雰囲気通り、正義の味方であるはずのスペクトルマンはお役所仕事的な上司の理不尽な命令で身動きが取れず(変身にも許可がいる)、結果怪獣は撃退できても肝心な時には役に立つことができないという、これまた小市民的なヒーローの悲哀を歌い上げている。

いずれにせよ、当時の特撮としてはかなり異質なキャラクターが描かれたといえよう。

【概要】

『宇宙猿人ゴリなのだ』
作詞:雨宮雄児
作曲:宮内国郎
唄:ハニーナイツ
セリフ:宇宙猿人ゴリ(小林清志)

歌詞に関しては全てを掲載できないので、かいつまんで説明すると
  1. 犯罪行為により母星を追われたゴリとラーが、宇宙を放浪中に地球を発見。
  2. 気に入ったので征服する事に決定。
  3. 宇宙の敵とか言われるとマジムカつくんすけど、やっちまう事に決定したから。
……という流れである。
この頃の特撮の主題歌には、隠れた名曲や妙な歌詞の歌が多いのだが、その中でも有名なものの1つとして知られている。
ともかく、聞けば間違いなくツッコミを入れたくなるのは受け合いの名曲である。

なお、ゴリの思想の根底には
優れた頭脳の持ち主にはあらゆる者がひれ伏すべきであり、故に自分が支配者になる事は悪ではない」「このまま人間どもに地球を任せていると地球は汚され滅びてしまう
とする考えがある事を理解しておくといいだろう。

また、ゴリのセリフが無くラーが歌に合わせて鳴く回数を変えるバージョンもある。(2番なら「ウォーッ!」の声が2回、3番なら3回)

……それから四半世紀の時を経て、どういうわけか週刊少年マガジンで連載されていた漫画魁!!クロマティ高校』が実写映画化された際、この曲と共にゴリとラーが登場。マイナーながら、当時を知る人を驚愕させた。

これは当時製作に携わっていた板尾創路が「せっかくゴリラが出てくるんだし、ゴリとラー出したら面白いんちゃう?」と提案した事から。
さらに当時『宇宙猿人ゴリ』の版権管理を担当していた大月俊倫がこの映画に関わっていたため、この提案が通ったようである。

EDでもこの曲のロックアレンジ版が流された。


「ラーよ、追記・修正の時が来た」

「ウオーッ」

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最終更新:2025年03月17日 19:23