魁!!クロマティ高校

登録日:2010/01/29(金) 07:31:47
更新日:2024/10/24 Thu 09:41:22
所要時間:約 5 分で読めます




『魁!!クロマティ高校』とは「週刊少年マガジン」で連載された漫画、及びそれを原作としたアニメ。
魁!!男塾とは一切関係ない。


■概要



不良が蔓延るガラの悪い高校を舞台とした作品である為か、しばしば「不良を増長させる作品」などと誤解されることもあるが、その実態は一貫してシュールなギャグ漫画である。
暴力的な場面もないわけではないが、もっぱら純粋な会話劇をメインとした作風となっている。
一応サザエさん時空ではなく、劇中では進級する形で時間が経過している。

同作者の『課長バカ一代』から引っ張ってこられたキャラもいる(作者と担当曰く「使い回し」)。

アニメ化もされており、話の構成は1話15分(そのためか映像ソフトも他のアニメに比べて若干安く、収録話数も5話と多め)。
尺の都合か原作の要素を「詳細は原作を読んでください」などと劇中の人物に言わせながら容赦なくショートカットしながら話が進んでいき、
そのくせ変なところで独自要素をブッ込んでくる(放送コードの規制そのものをネタにしたギャグなど*1)など珍妙な作風となっているが、
その攻めた姿勢が吉と出たのか実際に観た視聴者からの反応は概ね上々。

■アニメ主題歌
OP『純』
歌:吉田拓郎

ED1『トラスト・ミー』
演奏:美狂乱

ED2『クロマティ高校校歌』
歌:サンプラザ中野 

アニメ以外にも、『仮面ライダー龍騎』の城戸真司役で知られる須賀貴匡主演、実写版『地獄甲子園』の山口雄大監督の手で実写映画化されている。
キャストは金子昇や渡辺裕之、板尾創路といった特撮俳優から橋本真也達のプロレスラー、
更には『スペクトルマン』の敵キャラ(にしてもう1人の主人公)であるゴリとラーや本人役で阿藤快が出ていたりする。
とまあ、このように原作に比べて独自要素がかなり多いが、こちらもファンからの評価は高く、実写映画化の成功例としてたびたび名が挙げられる。


■あらすじ



前略、オフクロ様。
ごくごく普通の高校生である僕、神山高志は「引き算が出来れば入れる」と称される都内随一の不良校『都立クロマティ高校』に入学してしまいました。
不良(ワル)の巣窟と呼ばれるこの学校を舞台に僕はどうなってしまうのでしょう……?


■登場人物



クロマティ高校生徒

  • 神山高志
CV:櫻井孝宏 / 演:須賀貴匡
本作の主人公(一応)。
話の始まりに、決まって「前略、オフクロ様」とモノローグを入れるあたり母親とは別居中のよう。
最初の方は「不良の常識に振り回される優等生」という役回りだったが、徐々にその天然ぶりで(?)周りを振り回すようになる。主人公だが扱いが悪い。(原作で何週間も出て来ない等)
出番が減るにつれクロ高内の地位と冷酷さが増した。

  • 林田慎二朗
CV:鈴木琢磨 / 演:虎牙光揮
本作のもう一人の主人公。ボケ担当、時々ツッコミ。
モヒカン頭が特徴。よく神山とつるんでいる。アニメではモヒカンは彼の感情に合わせるかのように動く。
また、そのモヒカンはヅラであり、その中はピッチリした七三分け。
引き算が出来れば入学可能なこの高校に居るが本人は足し算もろくに出来ない。たまに、マトモな事を言う。

  • 前田彰
CV:稲田徹 / 演:山本浩司
本作の貴重なツッコミ役。
オールバックで眉無しのコワモテだが、その実、かなりの常識人。本人は自分の影の薄さを気にしているが、彼のツッコミ無くしてこの作品は成り立たない。
中学時代五対一のケンカで勝ったことがあるがアダ名は無い。
ネコミミ装着経験有り。

  • 北斗武士
CV:森訓久 / 演:金子昇
他校からやってきたロン毛の白ラン男。北斗財閥の御曹子でもある。
クロ高を手中に収めるべく、乗り込んで来たが転入先の学校を間違えていた。(本人も指摘されるまで気付かなかった)
その場凌ぎな嘘を重ね、結局クロ高に居着いてしまった。バントが下手。

  • 北斗の子分
CV:陶山章央 / 演:島根さだよし
呼んで字の如く、北斗の子分。
名前を言わせて貰えず、言おうとしても何かしら邪魔が入る。半年近くクロ高に居ても誰も彼の名前を知らなかった。(北斗でさえ他の友人と間違えた)今時珍しい、ボウズ頭。
北斗の子分でありながら北斗よりも出番が多い。

  • 竹之内豊
CV:内藤玲 / 演:高山善廣
クロ高のウラ番。
スキンヘッドの巨漢だが、乗り物酔いしやすいと言う親しみ易い(?)一面がある。乗り物酔いは相当酷いらしく、止まっている車に乗ってもダメらしい。
神山が天敵。

  • フレディ
CV:なし / 演:渡辺裕之
謎のクロ高生徒(?)。
その名から分かる通り、Q〇〇ENのボーカルのあの人にソックリな謎の男。全くしゃべらず意思疎通しにくい。
日本語が通じるか分かりにくいが、一応理解しているらしい。子供っぽい所がある。
黒龍号という馬をペットに飼っており、乗馬して通って通学する。黒龍号も人の言葉が理解できる程に頭がよく、バカにされたりすると噛み付く。何故か、前田が頻繁に噛まれる。

ちなみにマーキュリーというそっくりさんも登場するが、こちらはちゃんと会話もでき、日本嫌いの割にはやたらと日本の慣用句に詳しい。

  • ゴリラ
何かの比喩や皮肉ではなく本当にゴリラ。何故居るのか、何処からやってきたのか誰にも分からない。
クロ高生よりかは頭が良いらしく、周りが解けない知恵の輪を解いたり、寿司を握ったりした。本名は豪ヒロミ

  • メカ沢新一
TVアニメ版CV:若本規夫 / 映画版CV:武田真治
あからさまにロボ。どう見てもロボ。ドラム缶に簡単な手足が生えた様な姿のロボ。でも神山達以外は誰も気付かない。
油注したりドライバーでネジを回しても気付かない。時折、手がドリルになる。唯一、顔が異常にでかいことをモブが1回つっこんだだけ。*2
義理人情を重んじる漢らしい性格で皆から頼りにされてる正に男の中の漢。
アニメでは声も渋い。アニメ「デ・ジ・キャラットにょ」にて(着ぐるみで)出演した。
非常に高い人気を得るキャラクターになり、スピンオフ作品も作られたりするなど、本作を象徴とするキャラクターとなった。使いまわし元のボブは全然人気出なかったのに

実写版では、鈴村健一の弟の正樹がメカ沢の中に入って動かしていた。

  • マスクド竹之内
CV:黒田崇矢 / 演:板尾創路
覆面を被った謎の男。
実はクロ高の修学旅行の時に竹之内を巻き込んで飛行機をハイジャックした。その後何故か竹之内と入れ替えり、クロ高にやってきた。
とても人見知りし易く、人が大勢居るとダメらしい。竹之内が帰って来ても居続け、また彼の家にも(頼み込んで)住まわせて貰っている。
本人はバレてないと思っていたが、一部を除いてバレていた。

  • バンチョーちゃん
神山が二年生以降になってから登場した生徒。ある日神山がクロ高の生徒の荒んだ心を更生させるために転入させた新1年生。
クマのぬいぐるみのような着ぐるみを着ており、その可愛らしさと喧嘩の強さからたちまちクロ高生徒の間でも人気になる。
着ぐるみについて触れると怒る。
"中の人"については正体不明で、結局劇中で判明することは無かった。
本作の末期はバンチョーちゃんをメインとした話が多い。


他高生徒

  • 山口ノボル
CV:風間勇刀 / 演:増本庄一郎
デストラーデ工業高校」の生徒で一年番格。暴走族「アース・ウィンド・ファイヤー」の頭でもある。
アフロのグラサンだが実は、深夜ラジオのハガキ職人。また、お笑いにうるさく、思考の中では何時もお笑いの事を考えている。
周りには隠すつもりは無いが、明かす機会が無い為、周囲からはお笑い嫌いだと思われている。
P.N.はアジシオ太郎。神山(P.N.ハチミツボーイ)とはハガキ職人としてのライバルだが、一方的にライバル視しているだけで、当の神山からは認識されてない。
某ピンク髪のツンデレで魔法使いのくぎゅぅぅな娘の活躍する作品の作者とは関係無い。

  • 石川淳
CV:上田祐司(現:うえだゆうじ)
デストラーデ高校の生徒で山口の取り巻き
良く山口と一緒に居るが、お笑いに対する感性の違いの為、頻繁にボコられる。(これが、山口がお笑い嫌いだと思われる原因となっている) 

  • 藤本貴一
CV:志村知幸
マニエル高校」の番格。強面で喧嘩も強く、冷酷な性格から学校中の不良から恐れられているが、実はプライベートではネットサーフィンを趣味とするリアルネット番長*3
ネット上ではマナーやネチケットをキチンと守り、物腰やわらかい口調で書き込みをする姿が現実世界とのギャップが激しい。ただネットが趣味なだけで自作パソコンなどの専門的な知識などは全くない。
他の生徒は藤本がネットを趣味にしていること知らず、何気ない会話や言動がネットのトラブルで不機嫌な藤本の琴線に触れて藤本に殴られるのがお決まりパターン。

  • 瀬戸内ジャクソン
CV:梁田清之
バース高校」の番格。腕っぷしの強さから"バースの破壊王"の異名を持つが、劇中に登場した番格の中で唯一喧嘩で負ける描写もあるなど扱いはイマイチ。
作者としてはこの漫画の喧嘩の強さのベンチマークとしていたが、中盤以降は全く登場しなかった。

その他登場人物

  • 山本一郎 / 演:坂口拓
CV:吉水孝宏
神山の中学時代の恩人であり、神山がクロ高に入学する原因になり、ご覧のありさまな物語が展開することになったある意味元凶。
中学時代の神山が同級生にタカられていたところを救い、その恩義から同じ高校に入学すべく山本の学力に合わせて、
成績優秀だった神山が志望校レベルを下げクロ高を受験することになる*4
しかし予想外の事態が起こる。まさかの山本不合格、神山一人でクロ高へ通うことになってしまう。
原作第一話のラストでは作者からも「何しに来たんだお前は‥」とツッコまれ、神山からも「アイツそこまでバカだったのか‥」と心底呆れられていた。
アニメ版には登場しない。*5
実写版ではその後、屋台をやっているが、ちゃんとお釣りの計算は出来ているんだろうか。

  • 前田母
CV:林原めぐみ / 演:山本浩司
その名の如く(ry
息子に激似な母親。その容姿から不良達から恐れられている。家事に妥協は許さない性格で足拭きマットは毎日洗う。
中の人いわく「これかよ!これなのか!?」。

  • メカ沢β
CV:かないみか
メカ沢の弟。「メカラッタ」としか喋れない。
外見は兄に似ている(というかそのまま)が、サイズが違う。初登場いきなり壊され、再登場した時には空き缶サイズになっていた。兄より先に生まれたらしい。

CV:真田アサミ
ご存知『デ・ジ・キャラット』の主人公。
今作でもにょにょ言ったりする猫ミミ美少女。
え?「ひょっとしてこれはギャグで言っているのか」って?
詳しくはアニメをご覧いただいたらお分かりになります。

■余談



実写映画の公開前に元プロ野球選手のウォーレン・クロマティが本作を「名前を無断で使用された!映画の公開中止を求める!」と訴えを起こした。
公開中止の仮処分は映像に字幕で「クロマティ選手とは関係ありません」と表示することで取り下げられた。
しかしクロマティ氏本人は損害賠償を勝ち取るべく民事で争う構えを見せ、ランディ・バースとオレステス・デストラーデにも訴訟に加わるよう呼びかけたが、
バースは「子供じゃないんだから(笑)」、デストラーデに至っては「今でも俺達を日本のファンが覚えているだけ、いいじゃないか」と相手にされなかったらしい。
ちなみにだが、本作の第1巻の作者コメントで「同じ名前の高校が実在したらクレームがくるんじゃないかと」と冗談めかしで言っていたが、本人からクレームがくる事態になってしまった。そのため次回作の『未来町内会』ではそのことを皮肉った場面がある。


((_))| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 H (二)  (二)|
 H |     |
 ヒ/厂丶 ̄ ̄/ ̄フ\
  \Y |==イ  レ<
   | |根 |  | H
   | |性 |  |_H_
   |_|―-|__((?))
   _||_  _||_
  └─┘ └─┘


北斗の子分「ついでだから言わせてもらうぜ!!俺の名前は…」

林田「ところで、話は全然変わるけどよ、今駅前でアニヲタWikiの追記・修正会やってるらしいぜ」

北斗の子分「またこれだよ!!」

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最終更新:2024年10月24日 09:41

*1 例:「タバコ買ってこい」→「下駄箱(ゲタバコ)買ってこい」

*2 以降はそのことに全く触れず、メカ沢がロボットであることを周りが認識している前提で話が進んでいることも多かった。

*3 連載当時はSNSは勿論存在せず、パソコンはまだまだオタクの趣味という面が強く現代のように誰でも日常で使うものではなかったため、ネットサーフィンを趣味にするキャラクター性が成立していた。

*4 なお、クロ高のレベルは「引き算ができれば受かる」。

*5 そこは漫画を読んでもらうと完全に端折られた。