フレーゲル男爵

登録日:2014/05/15 Thu 20:00:01
更新日:2025/01/31 Fri 19:48:09
所要時間:約 4 分で読めます




フレーゲル男爵とは、銀河英雄伝説の帝国側の登場人物。
フルネームは不明。

アニメにおいては、OVAでは二又一成が演じているが、Die Neue Theseでは古谷徹が演じるせいで某「高度な柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対応する」准将にしか思えない。

銀河帝国皇帝フリードリヒ4世の娘婿の1人であるオットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵の甥であり、おじ同様選民思想に凝り固まった人物。


そのため、元は一介の貧しい帝国騎士(ライヒスリッター、貴族の階級の最下位)の家の生まれであったにもかかわらず姉や武勲のおかげで伯爵にまで成り上がったラインハルトに相当な敵愾心を抱いており、アンチラインハルトの代表的な人物となっている。


このほかにも、OVA版ではベーネミュンデ侯爵夫人とともに(というかむしろ侯爵夫人を焚き付けるような格好で)アンネローゼ暗殺未遂に関与している。


本伝におけるリップシュタット戦役においては当然のごとく貴族連合側につく。


この時の座乗艦はOVA版ではグレゴール・フォン・ミュッケンベルガー退役元帥の旗艦だった「ヴィルヘルミナ」となっている。
オーディンの宇宙港に係留されていたのを勝手に持ち出したらしい(家名を継げない元帥が今後のコネ造りの一環としてブラウンシュヴァイク家に属する彼に譲り渡したとの説もあり)。
ちなみにこの時の階級は少将。


が、司令官たるメルカッツ提督の出撃を禁止する命令に従わず勝手に出撃するなど、ここでも好き放題にしていた。
そしてメルカッツに軍法会議にかけられると告げられると、軍法会議にかけるくらいならば名誉ある自殺をさせろと騒ぎ立て、結果としてブラウンシュヴァイク公によりその問題をうやむやにさせてしまうなど、全体的に見れば貴族連合軍の指揮命令系統などにひび割れを起こさせる原因となった。


最終的にはガイエスブルク要塞付近における艦隊戦では生き延びたものの、ラインハルトやビッテンフェルトらに対し艦同士の一騎打ちを主張。
が、あっさりスルーされる。


その後参謀であったシューマッハ中佐に生き延びられるのを喜びどこかへ落ち延びるべきだ、と勧められると激昂し、帝国貴族の滅びの美学を完成させるのだ、と息巻く。


そしてついにシューマッハに「寝言を言うな、我々平民が貴族の巻き添えになる理由などない、滅びの美学とやらを完成させたいなら1人で勝手にやってくれ(要約)」と愛想を尽かされる。
それを聞いたフレーゲルは激昂し、シューマッハにブラスターを向ける。
が、彼がシューマッハを撃つ前に艦橋にいた部下たちにより射殺される。彼に愛想を尽かしたのはシューマッハだけではなかったのであった。


彼の遺体がどうなったのかは不明だが、おそらくはシューマッハらが亡命したフェザーンに葬られたか、あるいは宇宙葬にふされたと思われる。

藤崎版では基本的な行動は本編と変わらないが、メルカッツを完璧に使いこなしてラインハルト艦隊に損害を与えるラインハルト側が仕掛けた偽装退却を「貴族が毒盛ろうとしてる感覚に似ている」と見抜く
等より有能に描かれている。しかしそれと同時に「貴族は能力のある者を使いこなす能力が重要」と放言*1してメルカッツの部下を苛立たせるなどしている。
また最期では「大貴族の滅び」そのものに美学を見出し、アンスバッハに成り代わって叔父に毒入りワインを飲ませた後で、自らも同じ毒入りワインをあおって自決した。

容姿


OVA版ではその容姿は小さく細い目をした、陰湿そうな顔になっている。ついでに髪型もなんかキノコっぽい。
道原かつみ版コミックでもだいたい同じ。

「Die Neue These」ではあごひげを生やしたイケメンになっているが、気に入らないことがあると部下を乗馬用の鞭で打ち据えて憂さ晴らしをする、暴力的な側面がある。

藤崎竜版コミックでは、基本デザインは変わらないが、よりさわやかで理知的な印象を与える顔になっており、ナポレオン帽を常に着用している。


人格・人柄


彼の人柄を端的に表すとすれば、「勇気はあるものの自分勝手で自己陶酔に走りやすい、誠に扱いづらい人間」といったところだろうか。
どちらにせよ、あまり友人や同僚、近所の人や家族には持ちたくない人物である。
また、その「勇気」も実際には自身の能力や成功を根拠無く信じて疑わない故の、
いわば「自分より優れた相手に負ける可能性がある」という現実を理解・直視できない所から来る蛮勇と呼ぶべき物であった。

友人にはランズベルク伯アルフレッドがいる。貴族主義者で自己陶酔に溺れやすい性格はまさにそっくりである。
しかし、下の身分を徹底的に見下すフレーゲルとは違ってアルフレッドは無能ながら善良な人柄の持ち主であり、
平民のシューマッハを見下したりはせずに笑顔で自ら握手を求めたり、フェザーン商人の船で連れの幼児が癇癪を起こした際は船員達にきちんと謝罪する等、
一個人としては好感の持てる人間であった事はラインハルトやヒルダ、シューマッハも認める所であった。
加えて銀河帝国正統政府の面々がエルウィン・ヨーゼフを見捨てても、彼は見捨てずに共に逃亡してその果てに心が病んでしまったため、フレーゲルよりは同情されやすい。



二次創作では原作と変わらなかったり更生して真人間になったり、あるいは主人公になったりと、様々な役柄になっていたりするようだ。




追記・修正は帝国貴族の誇りを抱きつつお願いします。


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最終更新:2025年01月31日 19:48

*1 実質的に「自分はメルカッツより上」と言っているようなもの