大糸線

登録日:2014/05/25 Mon 18:42:37
更新日:2025/05/31 Sat 18:49:43
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大糸線(おおいとせん)とは、松本から糸魚川を結ぶ鉄道路線である。
松本~南小谷の電化区間はJR東日本が保有し、南小谷~糸魚川の非電化区間はJR西日本が保有する。

概要

北アルプスの東側を通り、立山黒部アルペンルートへの行楽・登山客や松本市への通勤通学輸送を担う路線である。
運行系統は南小谷で分断されており、全線通しで運行される列車は基本存在しない。

電化区間は中央本線篠ノ井線経由で新宿及び名古屋から特急列車が直通しにぎやかになるが、JR西日本区間になった途端これである。
*1

2015年の北陸新幹線長野~金沢間開通に伴い北陸本線が経営分離された為、JR西日本の他の在来線と接続がない状態となった。
一時は本格的に他のJR西日本管轄の盲腸線同様に廃線フラグが立ったが、何の風の吹き回しか開通後も引き続きJR西日本の営業続行が決まった。何故?
しかしこの区間も2022年2月、JR西日本から地元自治体に対してバス転換も含めた検討を進めると発表した。

JR東日本区間には駅番号が付与されており、番号は信濃大町の9から始まり*2、付番当時休止中だったヤナバスキー場前を含め松本まで42が付番された。
JR東日本の路線で、電車特定区間に関係しない線区で駅ナンバリングが導入されているのはここが唯一である。

ちなみに「大糸線」の名称は、当初は信濃大町と糸魚川を結ぶ路線として建設されたことに由来する。
松本~信濃大町間は信濃鉄道(現在のしなの鉄道とは無関係)が所有・運営しており後に国鉄に移管されたが、路線名は特に変更されず現在に至っている。

☆使用車両

現在の車両

普通列車で使用。基本的には3両編成が使用される。寒冷地での使用に際し暖房器具が少し改造されている。
車体の帯色は長野地区標準塗装のアルパインブルーとリフレッシュグリーン。
  • E127系100番台
新潟地区に次いで導入されたが、見た目が変わり「直流版701系」という様相に。
車内は0番台のロングシートから千鳥配置のセミクロスシートに変わった。
長野支社管内では大糸線限定で使用されていたが、2013年以降は他路線でも使用されている。
  • E353系
特急「あずさ」で使用。基本の9両編成が使用される。
  • HB-E300系
2010年にデビューしたハイブリッド気動車。臨時快速列車「リゾートビューふるさと」で使用される。
  • 383系
特急「しなの」用車両。臨時列車で乗り入れる。
  • キハ120形300番台
非電化区間で使用。これしかないのにもかかわらずたった3両しか用意されていない…。いや、3両でも十分なくらいの輸送量と本数しかないということの裏返しか。

過去の車両

  • 183・189系
国鉄時代の特急列車と言えばまさにコレ。
中央本線での特急運用離脱後も快速「ムーンライト信州」で使用されていた。
  • 165・169系
国鉄時代の急行列車といえばこの車両。
急行廃止後も普通列車に使用されていた。
  • 115系
国鉄時代の近郊形と言えばまさにコレ。
長野地区標準塗装のアルパインブルーとリフレッシュグリーンを最初にまとった車両。
  • 旧型国電
40系・32系・クモユニ81などが使用されており、塗装は旧型国電では唯一スカイブルー一色に塗られていた。
  • キハ52形
2010年3月までJR西日本区間で使用されていた。JRグループにおけるキハ20系列最後の定期運用でもあった。

◎主な駅

駅名の前にあるのは駅番号。
  • 42 松本
篠ノ井線、アルピコ交通上高地線乗り換え。起点駅。
県庁所在地長野に次ぐ長野県第2の都市の中心駅。現存12天守の1つにして国宝天守でもある松本城の最寄駅。
  • 41 北松本
松本駅から700mしか離れておらず1分以内に到着してしまう駅。
篠ノ井線の線路も並走しているが、あちらにはホームがない為止まらない。
  • 40 島内
某球団ファンには聖地?
  • 38 梓橋
特急あずさの由来になった梓川の近くにある駅。 是より北←安曇野という看板がホームにある。
  • 36 中萱
駅舎は貞享義民社に似せた造り。
  • 35 南豊科
周辺に2つの高校があるので学生利用が多い。
  • 34 豊科
安曇野市の代表駅。駅からちょっと歩くとイオンと西友がある。ちなみに前者は元豊科サティであり、旧マイカルだけあって市街地でスケールがデカい。VAIOの本社もここ。
  • 33 柏矢町
安曇野の里とあずみのショッピングプラザ最寄駅。
  • 32 穂高
名前に穂高とあるが穂高岳とは何の関係もなく穂高神社の最寄駅である。
周辺の観光拠点となっており、安曇野市内で一番利用が多い。
Suica首都圏エリアはここまで。
  • 31 有明
近くに海苔が取れる海があるわけでもテニスコートがあるわけでもない。
当駅で一部列車が松本方面に折り返す。
  • 29 細野
近くに道の駅安曇野松川あり。
  • 28 北細野
開業当初は「おかめ前」という駅名だった。
  • 27 信濃松川
松川村の中心駅。特急もかつては停車していた。
  • 26 安曇沓掛
北アルプスをバックに鉄道写真を撮るスポットが近くにある。
  • 24 南大町
駅の南側は昭和電工の工場。
  • 23 信濃大町
大町市の中心駅で大糸線内で松本駅に次いで利用者数が多い駅。JR直営駅。
剱岳を始めとする北アルプス北部への玄関駅。その為、夏は登山者でごった返すし、バスも非常に多い。
当駅で折り返す普通列車が多い。ここまでは1〜3本/hの本数があるが、以北では1〜3時間に1本程度に本数が減る。
  • 21 信濃木崎
仁科三湖の一つである木崎湖への玄関口。松本盆地はこの辺りまで。
  • 19 海ノ口
  • 18 簗場
仁科三湖の一つである中綱湖最寄り駅。周辺にはスキー場もあり、その関係で宿泊施設も多い。
  • 17 ヤナバスキー場前
駅前のスキー場に合わせて冬場のみ営業していた。
そのスキー場が営業休止となって以降は駅も通年休止となり、残念ながらそのまま廃止に。
仁科三湖最北の青木湖の目の前にあった。
  • 16 南神城
JR東日本最西端の駅。
  • 15 神城
白馬五竜スキー場への玄関駅。
  • 14 飯森
ここも近くにスキー場があり、その関係で民宿が多い。
  • 13 白馬
白馬村の中心駅で北アルプスの名峰、白馬岳の玄関駅。
因みに駅名は「はくば」、山の名前は「しろうま」なので間違えやすい。
信濃大町に次いで登山客が多く訪れる他、冬場は白馬八方尾根スキー場等へのアクセス駅になる。
特急列車の乗り入れは2025年3月改正以降当駅までとなった。
  • 12 信濃森上
白馬岳のもう一つの登山口である白馬大池への最寄駅。
かつての夜行急行「アルプス」「くろよん」は当駅発着だった。
  • 11 白馬大池
この駅も白馬大池への最寄かつ栂池高原も近い。
ただし乗車人員は2桁行くかいかないか。
  • 10 千国
白馬乗鞍温泉スキー場に一番近いが利用者は皆無に等しい。
  • 9 南小谷
小谷村の中心駅でJR東日本とJR西日本の境界駅で、JR西日本最東端の駅。
当駅から先の本数は7往復程度に減り、接続もあまり良くない。
  • 中土
JR西日本管轄としては最東端の駅。大糸線内最少の利用者数(0人)でもある。
  • 北小谷
風吹大池経由での白馬岳の最寄駅。ここまで長野県の駅。
  • 平岩
実はこの駅も蓮華温泉経由で白馬岳の最寄駅だったりする。
ここから新潟県糸魚川市に入る。
糸魚川方面に一部列車が折り返すため、以北では少し本数が増える。
  • 小滝
牛山氏の全国秘境駅ランキング70位。水力発電所しかない駅。
  • 根知
南小谷以北の途中駅唯一の交換可能駅。フォッサマグナパークが近くにある。
  • 頚城大野
JRの駅で唯一「頚城」から始まる駅。
  • 姫川
大糸線内で一番新しい駅。糸魚川で有名な廃病院である姫川病院はここが最寄り。
  • 糸魚川
北陸新幹線、えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン乗り換え。糸魚川市の中心駅で終点駅。
周辺の海岸は世界的にも珍しいヒスイの産地でもある。


山好き、鉄道好きの方、追記・修正宜しくお願いします。

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最終更新:2025年05月31日 18:49
添付ファイル

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/kiha/kiha120oito.jpg 日時:2016/01/01

*2 JR西日本区間の糸魚川から通した設定。