中央本線

登録日:2009/11/02(月) 19:53:45
更新日:2025/09/02 Tue 19:43:13
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中央本線(ちゅうおうほんせん)は東京駅から塩尻駅を経由し、名古屋駅までを結ぶJR東日本及びJR東海の鉄道路線である。

本項では路線全般と高尾~中津川間、旧本線である辰野支線について解説する。
をそれぞれ参照。

【概要】

東京~塩尻間のJR東日本区間を「中央東線」、名古屋~塩尻間のJR東海区間を「中央西線」と呼ぶ。
「中央東線」の中でさらに分けられ、東京~高尾間は中央線快速、御茶ノ水~三鷹間は中央・総武線各駅停車と運行系統が細分化されている。

何故か中央西線は国鉄時代からの伝統で「名古屋方面が上り、塩尻方面が下り」という区分になっているため、塩尻駅は「どっちも上り方面行き」となる。

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中央東線の岡谷~塩尻間は、「みどり湖経由」と「辰野経由」の2つあるが、

【みどり湖経由】
岡谷以東~塩尻・松本方面

【辰野経由】
岡谷(一部茅野・上諏訪)~辰野~飯田線直通
辰野~塩尻(小野経由):この区間内折り返し(一部岡谷・松本直通)

基本的にはこの運用になっている。
松本方面から飯田線に直通する電車も、塩尻からみどり湖経由で岡谷まで行き、折り返して辰野方面へ行く。
なお、最初に開通した辰野経由は地元出身の代議士・伊藤大八から名前を取って「大八回り」とも呼ばれている。
ただし、これについては実際に伊藤が政治介入してルートを捻じ曲げたというより、現本線の塩嶺トンネルが当路線開通当時の技術では建設できなかったため迂回したのが理由とされている。

中央西線は普通・快速列車については中津川で運行系統が分断されている。

【車両】

中央線快速中央緩行線中央線(名古屋地区)についてはそれぞれの項目も参照。

中央東線

211系(立川・高尾~塩尻間)
E127系(小淵沢~塩尻間、辰野支線)
E233系(大月以東)
213系・313系(飯田線直通)

中央西線

211系・313系(中津川~塩尻間)

貨物列車

EH200形(全線)
EF64形1000番台(西線)
EF210形(国立〜八王子)
EF510形(多治見~名古屋)


◎主な駅

東線

  • 高尾(JC24)
京王高尾線乗り換え。
中央線快速との運行の境界駅で、ここまでが東京都かつ電車特定区間。
  • 相模湖(JC25)
隣の藤野と共に中央本線では珍しい神奈川県の駅。山の中だが、今や政令指定都市・相模原市緑区。
  • 上野原(JC27)
山梨県最東端の駅。上野原市の代表駅でかつては一部特急が停車していた。利用者数も大月に次いで県内3位。
  • 四方津(JC28)
「しおつ」と読む。コモアしおつというニュータウンへのエスカレーターが直結。
  • 猿橋(JC31)
日本三奇橋の一つである猿橋の最寄り駅。
  • 大月(JC32)
富士急行線乗り換え。一部列車は同線の河口湖まで直通する。
中央線快速が来るのはここまで。特急「かいじ」「富士回遊」の全列車と「あずさ」の一部が停車。大月市の代表駅で県内2番目の利用者数。笑点では日本のパリの玄関口でおなじみだが周囲には何もない。
東京から当駅までは路線記号に「JC」が振られているが、ここから塩尻までは路線記号が「CO」に変わる(数字は通し)。
  • 初狩(CO33)
スイッチバック構造を持つ駅で、複線化によるホーム移設以前は当駅に停車する列車はスイッチバックが行われていた。
設備自体は撤去されていないため、近年でも201系さよならツアーなど一部の臨時列車では使用されたことがある。
  • 笹子(CO34)
中央本線有数の長さを誇る笹子トンネルの手前にある。
  • 甲斐大和(CO35)
大月〜塩山間の途中駅唯一の待避可能駅。そのため普通列車がここで特急に追い抜かれることが多い。旧駅名は初鹿野。
  • 勝沼ぶどう郷(CO36)
開業当初は「勝沼」駅だったが、周辺がワインの産地で有名なことから現駅名に改称。旧東山梨郡勝沼町(現甲州市勝沼町)の中心部からは結構離れている。駅周辺からは甲府盆地が、晴れていれば富士山も望める絶景スポット。
  • 塩山(CO37)
大菩薩嶺・西沢渓谷方面の玄関口。特急「かいじ」の全列車と一部の「あずさ」が停車する他、一部の普通列車は甲府方面へ折り返す。
  • 山梨市(CO39)
県名と同じ名前だが、県庁所在地ではない山梨市の代表駅。特急は「かいじ」の全列車と一部の「あずさ」が停車する。「ゆるキャン△」にも登場したほったらかし温泉の最寄り駅。
  • 春日居町(CO40)
近くに桃畑があり、春には綺麗な花を咲かせる。
  • 石和温泉(CO41)
名前の通り石和温泉郷の最寄り駅かつ笛吹市の中心駅。「かいじ」の全列車と一部の「あずさ」が停車する。温泉宿が多数ある他、駅前に足湯もある。県内では上野原に次ぐ利用者の多さ。
  • 酒折(CO42)
特急は一切停車しないが利用客は塩山、山梨市よりも多い。これは周辺に山梨学院の各学校や県立甲府東高校があるため。
  • 甲府(CO43)
身延線乗り換え。
山梨県の県庁所在地である甲府市の中心駅で、もちろん県内一の利用者数。普通列車と「かいじ」の大半は当駅で折り返す。南アルプスへの玄関口でもある。
  • 竜王(CO44)
一部の「かいじ」がここまで直通。甲斐市の代表駅。また、県内唯一の貨物列車が発着する駅でもある。
  • 塩崎(CO45)
かつては駅舎がコンビニだった。
  • 韮崎(CO46)
韮崎市の代表駅で金峰山方面の玄関口で、一部の「あずさ」が停車。引き上げ線があり、当駅で甲府方面に折り返す普通列車が存在する。
  • 穴山(CO48)
ここもかつてスイッチバック駅だった。
  • 日野春(CO49)
竜王駅とこの駅しかない待避線のある駅で朝始発で塩尻方面に向かうと、この駅で最初に特急に抜かれる。
蒸気機関車時代には給水駅でもあった。
  • 長坂(CO50)
ここもスイッチバックだった駅の一つ。北杜市の代表駅であり特急が停車していた時期もあった。
  • 小淵沢(CO51)
小海線乗り換え。
山梨県最西端の駅。大半の「あずさ」が停車する他、一部の普通列車が当駅で折り返すので一見北杜市の代表駅に相応しく思えるが、当駅周辺の旧町名は北巨摩郡小淵沢町だった。
実は吉祥寺駅からこの駅までが八王子支社の管轄。
  • 信濃境(CO52)
武蔵境からここまで152.5km。
  • 富士見(CO53)
富士見町の中心駅で「あずさ」の一部が停車。塩尻方面に一部普通列車が折り返す。中央線ひいては幹線やJR在来線特急停車駅で一番標高が高い(955.2m)。
  • すずらんの里(CO54)
セイコーエプソンの工場のための駅。
  • 茅野(CO56)
特急が全列車停車する茅野市の代表駅で八ヶ岳と諏訪大社上社の玄関駅。飯田線はこの駅まで乗り入れる。
  • 普門寺信号所…ここから岡谷まで単線区間となる。
  • 上諏訪(CO57)
ほぼ全ての特急が停車する諏訪市唯一の駅。霧ヶ峰などの観光の拠点。ホームに無料で入れる足湯がある(かつては温泉だった)。諏訪湖祭湖上花火大会がある時は死ぬ程混む。
  • 下諏訪(CO58)
洩矢 諏訪子ファンの聖地でもある諏訪大社下社の最寄駅。実は諏訪市ではなく下諏訪町にある。停車する特急は茅野・上諏訪と比べると少なめ。
  • 岡谷(CO59)
辰野支線乗り換え。岡谷市の中心駅で特急停車駅。みどり湖方面はここから複線となる。
  • みどり湖(CO60)
塩嶺トンネルを抜けたすぐ先にある。駅名のみどり湖とは2kmほど東にある同名のため池のこと。
  • 塩尻(CO61)
中央西線・辰野支線乗り換え。塩尻市の代表駅で交通の要衝。あずさも大半が停車。全て篠ノ井線に直通する。

辰野支線(旧本線)

  • 岡谷
中央本線乗り換え。
  • 川岸
その名の通り天竜川のすぐ傍にある。中央道川岸バスストップも近い。
  • 辰野
飯田線分岐駅。有人駅で支線内の無人駅の管理行務も行っている。
辰野町の代表駅で町内一の利用者数…と思わせて、実は飯田線の隣駅である宮木駅とほとんど変わらなかったりする。
  • 信濃川島
中央線全体で見ても唯一の棒線駅。
  • 小野
シダレグリの自生地が近くにある。

西線

中津川以西は中央線(名古屋地区)を参照。
  • 塩尻
中央東線・辰野支線乗り換え。特急「しなの」停車駅。
塩尻止まりの列車は1本だけで、ほとんどの列車が篠ノ井線に直通する。
  • 洗馬
中山道洗馬宿最寄り駅。
  • 日出塩
ひでしお中山道本山宿最寄り駅ではあるが、信号場から昇格した経緯があるため約1km離れている。
  • 贄川
中山道贄川宿最寄り駅で、贄川番所などがある。複線区間はここで一旦途切れて以降単線区間と複線区間が断続的に続く。
  • 木曽平沢
普段は普通列車しか止まらないが木曽漆器祭りの際は特急が臨時停車する。
  • 奈良井
普通しか停車しないが木造駅舎という貴重な駅。意外にもJR東海の駅で最も標高の高い駅である。
  • 藪原
木祖村唯一の駅。中山道藪原宿最寄り駅。
  • 宮ノ越
中山道宮ノ越宿最寄り駅で木曾義仲にまつわる展示物がある義仲館などが有名。
  • 木曽福島(CF30)
木曽町の代表駅で「しなの」が全列車停車する。当駅始発・終着の列車がある。
  • 上松(CF29)
「しなの」の一部が停車。上松町の代表駅。
  • 須原
中山道須原宿最寄り駅。定勝寺などが有名。
  • 大桑
大桑村の代表駅。
  • 野尻
中山道野尻宿最寄り駅。七曲りと呼ばれるうねった街並みなどが有名。
  • 十二兼
当駅から名古屋まで複線区間となる。
  • 南木曽(CF23)
塩尻方面はここから2時間に1本となる。「みなみきそ」ではなく「なぎそ」と読む南木曽町の代表駅で一部の「しなの」が停車。2022年3月改正までこの駅から名古屋へ向かう列車があった。
  • 田立
長野県最西端の駅。複線化の際に駅の位置が坂下寄りに1.5km移動している。
  • 坂下
岐阜県最東端の駅。旧坂下町の中心駅で、中津川方面へ折り返す始発・終着列車が1日数本ある。
  • 落合川
牛山氏の全国秘境駅ランキング185位で、何気に中央本線では唯一のランキング駅だったりする。
映画「男はつらいよ 寅次郎の告白」にもちらっと登場している。
  • 中津川(CF19)
中津川市の代表駅で全列車停車。特急以外の全列車がこの駅で運行系統が分離されている。
当駅以西が名古屋圏の通勤路線となる為、快速を中心に本数が増える。

余談

  • 中央本線廻り・普通列車のみで東京から名古屋まで一番早く着こうとすると、中央東線5:45発に乗って名古屋到着は14時36分になる(2024年6月25日現在、平日)。
    実に8時間半近い乗車時間になる為、オススメはしない(因みに全駅に停車したいと思った場合はもっと遅くなる)。
    因みに東海道本線廻りなら、東京4:55発の横須賀線直通列車から乗り継いで行けば名古屋には10時58分に到着と約6時間で行ける。


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最終更新:2025年09月02日 19:43
添付ファイル

*1 出典:日本の旅・鉄道見聞録 URL: http://www.uraken.net/rail/alltrain/ec/233.jpg 日時:2016/01/03