おばけ大根系(風来のシレン)

登録日:2014/09/27 (土曜日) 21:41:41
更新日:2025/04/15 Tue 00:27:00
所要時間:約 7 分で読めます




おばけ大根系とは、ローグライクゲーム風来のシレン」シリーズに登場するモンスターの系統である。

名前の通り大根のモンスターで、大根にちみっこい手足とつぶらな瞳が付いた姿をしており、見た目はかなり可愛らしい。

この種は今のところ、「シレン2」以外の全ての作品に登場してくれている。
その可愛さと相まって、マムル種と同じくシレンシリーズのマスコットとも言えるモンスターである。


追記・修正は大根様の可愛さに癒されてからお願いします。






なんて言うとでも思ったか?





実際はシリーズ通して見ても、間違いなくトラウマメーカーの部類に入る超凶悪モンスターである。

こいつらの特技は全レベル通じて「射程内に入ったプレイヤーに向けて草を投げる」こと。

草は風来のシレンシリーズ及びトルネコの大冒険シリーズなどに登場する使い切りの消費アイテム。
草には煎じて飲むことで体力を回復したり、炎を吐いて攻撃するなどの様々な効果が存在する。

が、有益なものばかりではなく、中にはプレイヤーにとってマイナスに働く草も存在する。

その場で眠り込んでしまう「睡眠草」、飲むとレベルが1下がってしまう「くねくね草」などは可愛い方で、
飲むと操作不能になり、仲間だろうが敵モンスターだろうがお構いなしに殺しにかかる「狂戦士の種」(一部作品ではキグニ族の種)などえげつないものも多い。


――もうおわかりだろう。

こいつらの投げてくる草というのは全てがなんらかの状態異常を引き起こすマイナスアイテムであり、良い効果のものなぞひとつも無い。
そしてそのどれもが非常にうっとうしいものであり、ダンジョンの奥深くでは当たり前のように死に直結する。
大根のばら撒く状態異常で行動不能に陥り、取り巻きのモンスターにリンチされる理不尽な死を味わったプレイヤーは非常に多い。


○レベル1・おばけ大根

頭に生えた緑色の葉っぱが生えており、カラーリングはまんま大根。

直線状2マス以内にプレイヤーがいると「毒草」を投げてくる。
その効果は「数ターンの鈍足+5ダメージ+ちから1ポイント減少」というものであり、ほとんどのシリーズで序盤から出てくる*1くせになかなかひどいことをしてくる。

まず風来のシレンなどの不思議のダンジョンにおいては基本的に敵味方は1ターン1行動のルールに則り行動を行う。
しかし、鈍足状態になると2ターンに1回しか行動できなくなってしまう。言い換えれば鈍足の状態異常に係ると敵が全て倍速行動になるのと同義である。
特にダンジョンの序盤ではまだ装備も整っていないため、鈍足状態で複数のモンスターに囲まれるとかなり危険でタコ殴りにされてしまう。

次にちからのステータスだが、これは主に与ダメージに直結する。つまり毒草を食らうと攻撃力をダウンさせられてしまう。
攻撃力を下げられることでおばけ大根を一撃で倒せなくなると、更に毒草を投げられる悪循環に陥ることになる。

一度命中したからと言って草投げを止めてくれる訳ではなく、運が悪いと鈍足状態の間に更に毒草を連続で食わされまくれ、ちからがガタ落ちすることも。
減少したちから自体は各種アイテムで回復できるのだが、アイテムが限られる不思議のダンジョンにおいてリソースを使わされるのは非常に迷惑。

おばけ大根の対策としては主に直線状に立たないことが重要となる。
縦・横・斜めの直線にしか毒草を投げないため、直線に立たないようにして近づこう。
ただし攻撃するために密着しても毒草を投げてくるため、なるべく一撃で倒してしまいたい。

またシリーズによっては毒を無効にする装備やあらゆる投擲を回避する装備などが存在する。
これもシリーズによって仕様が変わるが、毒を無効に出来れば投げてくる毒草をひたすら食べてお腹を膨らませることすら可能。

そんな彼だが、初代シレンにおいてはアイテムドロップ率の高さのお陰で一部で「大根狩り」の標的にされることがよくある。
リメイク版ではこばみ谷に出てこなくなり、クリア後ダンジョンで初登場となる。

それ以外のシリーズでは対応した草をドロップすることがある、また投げた草はたまに外れるためそれを回収することも可能。
敵に投げ付ければ相手にデバフをかけられるので便利なのだが、おばけ大根本人には効かないことが多いようだ。

ちなみに毒草のデバフ効果はかなり強そうなのだが、残念ながら武器に毒草を合成して効果を付けることはできない。


○レベル2・めまわし大根

初期の作品では頭に生えた葉っぱの色が紫色、以降は水色の葉っぱが生えている。

こちらは「混乱草」を投げてくる。
その名の通り、食らうとしばらくの間混乱してしまい、攻撃や移動の方向がでたらめになってしまう。
例えば、混乱中にめまわし大根に隣接して攻撃しようにもランダムな方向に攻撃してしまう。逃げることも移動がランダムになる都合で難しい。
数打ちゃ当たると闇雲に武器を振り回すと仲間や中立NPCを殴る事故が起きることも。

方向が定まらないことによって敵が迅速に処理できなくなってしまっても、
幸いにしてアイテムの投擲や矢を撃ったり杖を振って魔法弾を飛ばすことは混乱中でも狙った方向にできるので、これらに頼るのが良い。
もしくは「混乱よけの腕輪」を装備すれば未然に防げる。

え? そもそも草を食らわないように離れれば良い?

ところがどっこい、このめまわし大根以降は直線投げではなく、放物線を描いてホーミングする。おばけ大根に対して通じた直線状に立たないという対策が使えないのである。
いわゆる“ひま投げ”と呼ばれる投げ方であり、レベルが上がるごとに射程距離も増すため、部屋に入ろうとした瞬間餌食になることも。

また、この種の特徴として、既にプレイヤーが自分の投げる草によって引き起こされる状態異常にかかっていた場合、その草の代わりに毒草を延々と投げてくる(おばけ大根を除く)。
つまり、このめまわし大根の場合は、混乱させられた上に鈍足状態にされ、延々ちからを下げられるということに……。

めまわし大根が出てくるダンジョン中盤では、周囲に強敵が多く配置されがちなのも大きなポイント。
周りに厄介なモンスターが多いので大根狩りの対象にはならず、慣れた者は出現階層を早め早めに切り上げることになる。

なお作品によっては滞在する価値があって粘りたいフロアに紛れていたり、混乱草を装備に合成するための調達狙いでガンガン相手してやる時もある。


○レベル3・ねむり大根

犠牲者が多いみんなのトラウマその1。
初期の作品では葉っぱの色が。以降は赤色。

こいつが投げてくるのは先ほど例に出した「睡眠草」
食らって眠ってしまったが最後、超火力の脳筋モンスターにボコスカ殴られようが、戦車に砲弾を撃たれて爆破されようが、
アイテムを盗むぬすっトドに身ぐるみ剥がされようが、既定のターン数(ほとんどの作品では5ターン)が過ぎるまで完全に無抵抗となってしまう。
もはや睡眠どころか昏倒である。
特にモンスターハウスで眠らされようものなら確実にそのまま永眠コースに。

この上、睡眠中は当然のように毒草をご馳走してくれる作品もあるため、「復活の草」が無い時に眠らされたら永眠させられる覚悟を決めよう。
また、運よく倒されずに目を覚ましたとしても、起きた瞬間にまた睡眠草→フルボッコ+毒草→起きた瞬間に(ry となることがザラにあり、非常に危険極まりない。

恐ろしいことに「アスカ見参」では敵モンスターにバフをばら撒くモンスターであるカンガルーのサポートを受けて倍速でこんなことやらかしてくる…
どころか、毒草ではなくイカリ状態で上がった攻撃力で殴り殺してくる。出てくるダンジョンでは対抗策があるとはいえ実にテリブル。
もし「身かわしの盾」「睡眠よけ(眠らず)の腕輪」があるなら迷わず装備すること。

そんな彼だが実は初代・GB1・GB2では自然発生しないモンスターの1体で、ベルトーベンに召喚されるか、めまわし大根をレベルアップさせない限り登場しない。
あまりの強さ故に自重していたものと思われるが、後のシリーズやリメイク版の隠しダンジョンでは解禁され、その恐怖を浸透させたのであった。

あと睡眠草が高く売れたり異種合成に使える場合は、調達先として悪用されることがある。他の大根系も同様。*2


○レベル4・みだれ大根


みんなのトラウマその2。

先ほど睡眠草と合わせて例に挙げた「狂戦士(キグニ族)の種」を投げてくる。「ちからの喪失→方向感覚の喪失→意識の喪失→正気の喪失」とランクアップした結果がコレ。
これを食わされると前述の通り、仲間だろうがモンスターだろうが、とにかく近くに存在する動くもの全てに襲い掛かっていくようになり、その間はもちろん操作不能。
また、眠り状態と同じく操作不能という関係上、やっぱり毒草フルコースを味わうハメになることもある。

みだれ大根が出現するフロアは基本的にダンジョンの深部であることがポイントで、こういったフロアではマトモに殴り合う事すら危険なモンスターが出現する。
こんな状態で操作不能のままデバフまで追加された上で特攻させられるのである。相手によっては間違いなく殴り倒されてお陀仏。

デメリットはあるが壁を無視して移動できる壁抜けの腕輪を装備していたばかりに壁に突撃して窒息したり
異常な強さを誇るダンジョン内の中立NPCである店主にケンカ売って叩きのめされたりと言った被害も後を絶たない。

数時間かけてダンジョンの奥深くまでたどり着いたものの、視野の外から飛んできた草を受けて
気が付いたらダンジョン外という理不尽を多くのプレイヤーに教えてきたトラウマメーカーである。

しかも他の状態異常と比べて無駄に効果時間が長く(混乱の20、睡眠の5と比べて何と30ターン)、防ぐ手段も少ない(というか、5でとあるアイテム、技が登場するまでは防ぐ手段が無かった)。
そのため、ねむり大根と同じく食らってしまったら旅の神であるクロンに祈るくらいしかできなくなるなんてことも。

ただ、制御不能とはいえ攻撃自体は行うため、鍛え上げられた剣と盾を装備していれば、返すターンで大根を斬り倒し、そのまま無双して狂戦士状態解除。
結果、ねむり大根と比べて被害は少なかった…というケースもないこともない。
とはいえ、決して過信していいものではないのだが。

特にヤバいのが4,5で夜にコイツと遭遇した時。
夜のモンスターには通常攻撃では1ダメージしか与えられず、まともに戦り合うには技を使わなければならない。
が、狂戦士状態ではそんなことお構いなしにひたすら殴り続けるため、その時点で詰み確定。
もし出くわしてしまったら全力で始末すること。

6ではあまりの強さに間口を広げるには不適当と見なされたか、ねむり大根を巻き添えにして持ち込み可能最難関ダンジョン「無双の島」の3-9Fにしか出ていない。
Ver1.2.0で、玄人向けのコンテンツとして既存ダンジョンを99Fまで潜れるモードが実装され、そこでは深層で見かけるようになった。

ただし対処難易度は5以上に上がり気味。特にデッ怪として登場すると「直接攻撃で倒せない、ねだやしで誤魔化せない、迂闊に身かわしのお香を焚くと投擲で倒せない」という恐怖の存在と化している。
唯一の弱点は鈍足なことなので、相手しないで逃げるのが最善。それでも射程5マスの暴走の種が肉眼で認識できる範囲外からすっ飛んでくるので、気配察知できない限り理不尽死のリスクは最後まで残っている…。


○対処法

  • 各種腕輪
「混乱よけの腕輪」「睡眠よけ(眠らず)の腕輪」が該当する。識別できて、出現フロアに差し掛かったら装着しておこう。
特にねむり大根は後半の強敵と組んで現れることが多いため、中盤でとりあえず見つけた睡眠よけをキープしておくにこしたことはない。
みだれ大根に対しては「毒消しの腕輪」でちからダウンの二次被害をなくすか、「気配察知の腕輪」「透視の腕輪」で位置把握に徹するか。

  • ねだやしの巻物
全てのモンスターに通用する最終兵器。どんな凶悪モンスターでも、出現さえしなければ恐れることは無い。
ただし根絶やせるのはその系統のモンスター(作品によっては一種類だけのことも)のみであり、
出現階層が被っていると、アーク様、戦車、ゲイズ先生など他の凶悪モンスターどもは野放しになるため、使う前によく考えよう。
4や5では貴重品であり、他にも有力なねだやし候補がおり、出現区間もほどほどの長さであるので猶更。

  • 予防状態
「5」で登場。「予防の巻物」「普通の仙桃(要祝福)」などでこの状態になれる。
効果が続いている間はあらゆる状態異常を防止でき、大根以外にも役割を持てるのでおススメ。
ただし、すいだすゾウ種に吸われてしまう(というか、「5」でのクソゾウはほぼ全てのステータス変化をおいしくいただいてしまう)ため、過信は禁物。
ちなみに予防状態とは異なるが、技欄に「自動ナオッテルー」という技をセットしておくと、夜に状態異常にかかった際自動で治してくれる。
なお、「6」には続投していないので無敵状態か身かわし香で代用するしかない。

  • 身かわし香の壺/身かわしのお香
こちらも「5」で登場。壺に入れたアイテムを燃料とし、フロア全体に特定の効果をもたらす香壺の一種。
この壺の場合、そのフロアに存在する生物が「投げた」あるいは「撃った」ものが他の生物に命中しなくなる。つまり、大根の草投げもボウヤカート種の矢も全く怖くなくなるのだ。
しかし、ねむり大根やみだれ大根の出現フロアに入る前に、スコッピー種やギャドン種の特技で潰されてしまうことも多い。
また、もちろんシレンが投げた(撃った)ものも当たらなくなる。
このことをうっかり忘れ、強敵を矢や草で始末しようして痛い目に合う風来人も居るのだとか。
「6」では敵の特技で潰されることはなくなったが、持続ターンは1回につき150ターン&壺増大の巻物の対象外と大幅弱体化。有効なうちに逃げろ、という立ち位置になった。

  • 身かわしの盾、身かわし回路、秘技「身かわし」
「アスカ見参!」でのみ使える抵抗手段。身かわし香よりも出現は先で、効果は同等。
ただしこれらは所持しているキャラのみが対象なので、敵の投げてきたものを回避して、改めて投げ返すというカウンターをお見舞いできる。
効果も盾の印がある限り、回路入れたエレキを着ている限り、秘技の効果が続いている限り永続である。
どれも使えるダンジョンは限られているが、有効な敵が多いので使えるうちは大いに頼ってしまおう。

  • モンスターに変身する
火炎入道の肉or箱or桃まんで火炎入道になりきれば、投げてくる草を燃やして無効化することができる。
投げられたアイテムを反射できるモンスターの肉or箱or桃まんでなりきれば、草を反射することだってできる。
「初代」「アスカ」「6」で実行可能だが、なかなか出現階層などの都合で合わせるのは難しい。


○余談

「おばけ大根」という名前だが、作品によって属性が異なり、
「おばけ」ということでゴースト属性(成仏のカマが有効)だったり、「大根」だから植物属性(草刈りのカマが有効)だったり、果ては無属性だったりと一定しない。
植物特攻が採用されていると植物よりとみなされ、そうでないとゴースト寄りとみなされるようだが、本当のところは不明。共演したら二重特攻を受けそうではある。
いちおう、4から6では水をかけられると喜んで特技使用率が2倍になるという植物らしい特徴も健在。

5には「おばけカイワレ」という近縁種っぽいモンスターが登場する。
特技はそのフロア内で一種類に限り状態異常を受けた際に同族に耐性を付与するというもの。
例を挙げるとおばけカイワレに鈍足の杖を振ると、同フロア内の他のおばけカイワレに対しての鈍足は無効化される。
厄介な特技ではあるがおばけ大根に比べれば危険度は低い。


追記・修正は大根に変身して店内を草で埋めてぼろ儲けしようとしたり、狂戦士状態で店主を叩きのめしてからお願いします。


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最終更新:2025年04月15日 00:27

*1 GB2では40F以降から出現

*2 ただし狂戦士の種(暴走の種とも)は大根に投げられるときは大体識別済み、異種合成にも売却にも使えない。こんなところまで悪名が…