おばけ大根系(風来のシレン)

登録日:2014/09/27 (土曜日) 21:41:41
更新日:2025/09/19 Fri 10:11:23
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おばけ大根系とは、ローグライクゲーム風来のシレン」シリーズに登場するモンスターの系統である。

名前の通り大根のモンスターで、大根にちみっこい手足とつぶらな瞳が付いた姿をしており、見た目はかなり可愛らしい。

この種は今のところ、「シレン2」以外の全ての作品に登場してくれている。
その可愛さと相まって、マムル種と同じくシレンシリーズのマスコットとも言えるモンスターである。


追記・修正は大根様の可愛さに癒されてからお願いします。






なんて言うとでも思ったか?





実際はシリーズ通して見ても、間違いなくトラウマメーカーの部類に入る超凶悪モンスターである。

こいつらの特技は全レベル通じて「射程内に入ったプレイヤーに向けて草を投げる」こと。

草は風来のシレンシリーズ及びトルネコの大冒険シリーズなどに登場する使い切りの消費アイテム。
草には煎じて飲むことで体力を回復したり、炎を吐いて攻撃するなどの様々な効果が存在する。

が、有益なものばかりではなく、中にはプレイヤーにとってマイナスに働く草も存在する。

その場で眠り込んでしまう「睡眠草」、飲むとレベルが1下がってしまう「くねくね草」などは可愛い方で、
飲むと操作不能になり、仲間だろうが敵モンスターだろうがお構いなしに殺しにかかる「狂戦士の種」(一部作品ではキグニ族の種、暴走の種)などえげつないものも多い。


――もうおわかりだろう。

こいつらの投げてくる草というのは全てがなんらかの状態異常を引き起こすマイナスアイテムであり、良い効果のものなぞひとつも無い。
そしてそのどれもが非常にうっとうしいものであり、ダンジョンの奥深くでは当たり前のように死に直結する。
大根のばら撒く状態異常で行動不能に陥り、取り巻きのモンスターにリンチされる理不尽な死を味わったプレイヤーは非常に多い。


○レベル1・おばけ大根

頭に生えた緑色の葉っぱが生えており、カラーリングはまんま大根。

直線状1マス以内にプレイヤーがいると「毒草」を投げてくる。
その効果は「数ターンの鈍足+5ダメージ+ちから1ポイント減少」というものであり、ほとんどのシリーズで序盤から出てくる*1くせになかなかひどいことをしてくる。

まず風来のシレンなどの不思議のダンジョンにおいては基本的に敵味方は1ターン1行動のルールに則り行動を行う。
しかし、鈍足状態になると2ターンに1回しか行動できなくなってしまう。言い換えれば敵が全て倍速行動になるのと同義である。
特にダンジョンの序盤ではまだ装備も整っていないため、鈍足状態で複数のモンスターに囲まれるとかなり危険。

次にちからのステータスだが、これは主に与ダメージに直結する。つまり毒草を食らうと攻撃力をダウンさせられてしまう。
攻撃力を下げられることでおばけ大根を一撃で倒せなくなると、更に毒草を投げられる悪循環に陥ることになる。

一度命中したからと言って草投げを止めてくれる訳ではなく、運が悪いと鈍足状態の間に更に毒草を連続で食わされまくれ、ちからがガタ落ちすることも。
減少したちから自体は各種アイテムで回復できるのだが、アイテムが限られる不思議のダンジョンにおいてリソースを使わされるのは非常に迷惑。

おばけ大根の対策としては主に直線状に立たないことが重要となる。
縦・横・斜めの直線にしか毒草を投げないため、直線に立たないようにして近づこう。
ただし攻撃するために密着しても毒草を投げてくるため、なるべく一撃で倒してしまいたい。

またシリーズによっては毒を無効にする装備やあらゆる投擲を回避する装備などが存在する。
これもシリーズによって仕様が変わるが、毒を無効に出来れば投げてくる毒草をひたすら食べてお腹を膨らませることすら可能。

そんな彼だが、初代シレンにおいてはアイテムドロップ率の高さのお陰で一部で「大根狩り」の標的にされることがよくある。
リメイク版ではこばみ谷に出てこなくなり、クリア後ダンジョンで初登場となる。

それ以外のシリーズでは対応した草をドロップすることがある、また投げた草はたまに外れるためそれを回収することも可能。
敵に投げ付ければ相手にデバフをかけられるので便利なのだが、おばけ大根本人には効かないことが多いようだ。

ちなみに、残念ながら毒草は剣や盾に合成できない。


○レベル2・めまわし大根

初期の作品では頭に生えた葉っぱの色が紫色、以降は水色の葉っぱが生えている。

こちらは「混乱草」を投げてくる。
食らうと20ターン混乱し、攻撃や移動の方向がでたらめになってしまう。
逃げることも近付くこともままならず、かといって攻撃すれば虚空どころか味方や中立NPCを殴ってしまう危険がある。
幸い投擲や飛び道具、魔法弾は狙った方向に飛ぶので、喰らってしまったらこれらに頼るのがベター。もしくは「混乱よけの腕輪」を装備していれば予防できる。

え? そもそも草を食らわないように離れれば良い?

ところがどっこい、このめまわし大根以降は直線投げではなく、放物線を描いてホーミングする、いわゆる“ひま投げ”*2と呼ばれる投げ方であり、レベルが上がるごとに射程距離も増すため、部屋に入ろうとした瞬間餌食になることも。

また、この種の特徴として、プレイヤーが既に自分の投げる草によって引き起こされる状態異常にかかっていた場合、毒草を延々と投げてくる(おばけ大根を除く)。
つまり、このめまわし大根の場合は、混乱させられた上に鈍足状態にされ、延々ちからを下げられるということに……。

めまわし大根の出現する階層は、他の強敵も多く危険。
それでも作品によっては粘る価値があるので長居したり、混乱草を装備に合成するため乱獲されたりする事もある。


○レベル3・ねむり大根

犠牲者が多いみんなのトラウマその1。
初期の作品では葉っぱの色が。以降は赤色。

こいつが投げてくるのは「睡眠草」。
5ターンの間、眠って何も出来なくなる。
例では“(マイナス効果の草としては)かわいい方”と表記したが、それは自ら誤飲してしまった場合の話で、モンスターが投げてくるとなると危険度が段違いに上がる。
食らったが最後、超火力の脳筋モンスターにボコスカ殴られようが、ぬすっトドに身ぐるみ剥がされようが、モンスターハウスの中だろうが完全に無抵抗となってしまう。もはや睡眠どころか昏倒である。

更に、睡眠中は当然のように毒草をご馳走してくれる作品もあるため、冒険失敗か復活草の消費を覚悟しよう。
また、運よく目を覚ましたとしても、起きた瞬間にまた睡眠草→フルボッコ+毒草→起きた瞬間に(ry となることがザラにあり、危険極まりない。

恐ろしいことに「アスカ見参」では敵モンスターにバフをばら撒くモンスターであるカンガルーのサポートを受けて倍速でこんなことやらかしてくる…
どころか、毒草ではなくイカリ状態で上がった攻撃力で殴り殺してくる。出てくるダンジョンでは対抗策があるとはいえ実にテリブル。
もし「身かわしの盾」「睡眠よけ(眠らず)の腕輪」があるなら迷わず装備すること。

そんな彼だが実は初代・GB1では自然発生しない。ベルトーベンに召喚されるか、めまわし大根をレベルアップさせない限り出現しない。
あまりの強さ故に自重していたものと思われるが、後のシリーズやリメイク版の隠しダンジョンでは解禁され、その恐怖を浸透させたのであった。

初代の睡眠草は高く売れるため、肉で変身して荒稼ぎが出来た。
また、合成素材になる作品では超強力な効果を得られるため、乱獲してでも入手する価値がある。


○レベル4・みだれ大根


みんなのトラウマその2。
葉っぱの色は金。ギタンマムルやゲンナマゲイズのように高額ギタンをドロップしたりはしない。

これまた例に挙げた「狂戦士の種」を投げてくる。
30ターン操作不能になり、近くの生物全てを襲う。
性質上、毒草の追撃も食らいやすいので60ターン強の操作不能を付与してくるとんでもないモンスター。
「ちからの喪失→方向感覚の喪失→意識の喪失→正気の喪失」とランクアップした結果がコレ。

みだれ大根が出現するダンジョンの深部は、マトモに殴り合う事すら危険なモンスターが殆ど。そんな連中にデバフが追加された上で特攻させられるため、まずお陀仏になる。

他にも壁抜けの腕輪*3を装備していたために壁の中で窒息死したり、店主にケンカを売って叩きのめされたりと言った被害も後を絶たない。

数時間かけてダンジョンの奥深くまでたどり着いたのに、画面外から飛んできた草を受けて、そのまま冒険失敗という理不尽を多くのプレイヤーに与えてきたトラウマメーカーである。

これだけ凶悪な効果でありながら5まで「ねだやし」以外の防ぐ手段が無かった
物凄く鍛えた剣と盾を装備していれば助かる可能性もあるが、決してアテになるものではなく、基本的には旅の神クロンに祈るしかない。

特にヤバいのが4、5で夜にコイツと遭遇した時。
夜のモンスターには通常攻撃では1ダメージしか与えられず、まともに戦り合うには技を使わなければならない。
が、狂戦士状態ではそんなことお構いなしにひたすら殴り続けるため、その時点で詰み確定。
もし出くわしてしまったら全力で始末すること。

6ではあまりの強さに間口を広げるには不適当と見なされたか、ねむり大根を巻き添えにして持ち込み可能最難関ダンジョン「無双の島」の3-9Fにしか出ていない。

Ver1.2.0で、玄人向けのコンテンツとして既存ダンジョンを99Fまで潜れるモードが実装され、各地の深層で見かけるようになった。
それだけに対処難易度は5以上。特にデッ怪版みだれ大根は、ねだやしの対象にならない、通常攻撃が効かない、かといって身かわしのお香を焚くと倒せない*4……という恐怖の存在と化している。
鈍足なので、相手せずに逃げた方が無難。それでも気配察知の腕輪がなければ、射程5マスの暴走の種が画面外から飛んでくる危険が終始付き纏う……。


○対処法

  • 各種腕輪
「混乱よけの腕輪」「睡眠よけ(眠らず)の腕輪」が該当する。そこそこの頻度で見かけるので入手は用意。あらかじめ識別を済ませておくこと。
みだれ大根に対しては「毒消しの腕輪」で毒草だけでも対策するか、「気配察知の腕輪」「透視の腕輪」を使って近寄らないようにする。

  • ねだやしの巻物
全てのモンスターに通用する最終兵器。どんな凶悪モンスターでも、出現さえしなければ恐れることは無い。
ただし根絶やせるのはその系統のモンスター(作品によっては一種類だけのことも)のみであり、アーク様、戦車、ゲイズ先生など他の凶悪モンスターどもは野放しになるため、使う前によく考えよう。
前述の通りデッ怪には効果が発揮されない。一応、遠投攻撃なので目の前の一体を倒すことは出来る。

  • 予防状態
「5」で登場。
「予防の巻物」「祝福された普通の仙桃」等でなれる。
効果が続いている間はあらゆる状態異常を防止でき、大根以外にも役割を持てるのでおススメ。
ただし、クソゾウに吸われてしまう。
ちなみに予防状態とは異なるが、技欄に「自動ナオッテルー」という技をセットしておくと、夜に状態異常にかかった際自動で治してくれる。
「6」には続投せず。

  • 身かわし香の壺/身かわしのお香
こちらも「5」で登場。
壺に入れたアイテムを燃料とし、フロア全体に特定の効果をもたらす香壺の一種。焚くと敵味方問わず*5全ての投擲が外れるようになるので大根対策にもってこい。
しかし、スコッピー種やギャドン種に潰される可能性がある。
「6」では敵の特技で潰されることはなくなったが、持続ターンの減少(1回につき150ターン)&壺増大の巻物の対象外と大幅弱体化。有効なうちに逃げろ、という立ち位置になった。

  • 身かわしの盾、身かわし回路、秘技「身かわし」(アスカ見参!のみ)
身かわし香と違い、印を消されたりしない限り永続で、効果範囲も所持しているキャラのみと強力。

  • モンスターに変身する(初代、アスカ見参!、6のみ)
投擲アイテムを無効化/反射する火炎入道やバッターへ変身すると、特効的な働きをする。
しかし、どの作品も出現階層などの都合であまり現実的ではない。


○余談

作品によって属性が異なる。
「おばけ」ということでゴースト属性(成仏のカマが有効)だったり、「大根」だから植物属性(草刈りのカマが有効)だったり、果ては無属性だったりと安定しない。

4〜6では水を掛けると喜び、特技使用率が2倍になる。

6の「腐ったおにぎり」は敵に投げ当てるデバフアイテムとして覚醒したが*6、毒属性なのでこのクソ大根(と毒サソリ)は逆にパワーアップする。農業に明るい方はコーンポストと聞けば納得いくかもしれない。

5に近縁種らしき「おばけカイワレ」というモンスターが登場する。
特技は状態異常を受けた際、そのフロア内で一度だけ同族に耐性を付与するというもの。
例を挙げるとおばけカイワレに鈍足の杖を振ると、同フロア内の他のおばけカイワレに対しての鈍足は無効化される。
厄介な特技ではあるがおばけ大根に比べれば危険度は低い。


追記・修正は店で大根に変身してぼろ儲けしようとしたり、狂戦士状態で店主に喧嘩を売ったりしてからお願いします。


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最終更新:2025年09月19日 10:11

*1 GB2では40F以降から出現

*2 名前の由来は、同シリーズに登場する「ひまガッパ種」と同じ投げ方であることから

*3 壁の中を移動できる腕輪。デメリットとして壁の中にいる間は大きめの固定ダメージを受ける

*4 デッ怪は3×3マス分のサイズのモンスターで、とんでもない火力を持ちつつ、正面3マスと左右2マスに無敵のバリアを展開している。倒すには背後3マスか中央を攻撃できるアイテム=石や銀の矢が必要

*5 このことを忘れて強敵に草や矢で対抗しようとした結果、痛い目を見る風来人もいるのだとか

*6 その有用性から、水遁忍者やオトト大将あたりにわざと腐らせてもらう戦術が確立されたほど