メテオレイジ・リザード

登録日:2014/11/20 Thu 01:23:06
更新日:2024/07/22 Mon 08:42:38
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燃えさかる業火ですら、その闘争本能の激しさには及ばない。




《メテオレイジ・リザード》とは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。

概要

DM-17で収録された、コモンのクリーチャー。

まあDM-17といえば、かつてより「《ダンディ・ナスオ》しか当たりがない」といわれ(ちなみにナスオもコモン)、ナスオを欲しいプレイヤーがひたすらナスオだけのために購入したと言われる「終末ナスオ大戦」という酷いパックとされていた。
後に数々のカードが再評価されたことで最下位パックの座はDM-07やDM-23に譲ることになったが、しかしDM-17がそれだけ言われるだけのことはあった。

  • 《剛壁怪人ボーンウォーラー》。6マナもするのにP9000の逆スレイヤー。逆スレイヤーのコスト論ではなく、ブラッディ系で十分。
  • 《鳥速火炎弾》。安定した運用が難しいために積極的に採用できるとは言えない火力呪文。
  • 《シャウト・コーン》。《からみカズラ》《妥協なきラッキョウ》と相互互換にして、ほぼ《シャーマン・ブロッコリー》に居場所を取られるとうもろこし。

しかし、上記のクリーチャーたちはなんだかんだで使おうと思えば使えるのである。

さて、本題に入ろう。

終末ナスオ大戦でも最も酷いカード、それがこいつである。

メテオレイジ・リザード  火文明 (6)
クリーチャー:メルト・ウォリアー 5000

…終わり。

余計な効果なんてそぎ落としてきましたとばかりにまっさらなテキスト欄。まあフレーバーテキストは無駄に熱いのが乗っかっているが。

すでに6コストと重いクリーチャーでバニラと言う時点でいろいろとあれだが、コイツが酷いのは過去のカードの完全下位互換である点である。

後の弾で完全上位互換が出てしまうケースは往々にしてある。例えば《ボルシャック・ドラゴン》は《ボルシャック・大和・ドラゴン》に居場所を取られる結果になった。
だが、これはカードパワーのインフレが原因であり、いかんせん仕方がない。
しかし、完全下位互換を出す例はほとんどないんじゃないだろうか。

スクリューヘッド・リザード 火文明 (6)
クリーチャー:メルト・ウォリアー 5000
相手が光または水の呪文を唱えた時、相手の光または水の、パワー5000以下のクリーチャーを1体破壊する。

むろん、同じシリーズでかつ《スクリューヘッド・リザード》はレアであるという言い訳もできなくはない。
それに、5コスト5000は当時デメリット付きが多いことから、デメリットを外せば自然に6コストクリーチャーになりえるのではあろう。

だが、それにしてもメテオレイジ・リザードには参考にできるはずの先輩がある。

ボルシャック・ドラゴン 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 6000+
W・ブレイカー
攻撃中、このクリーチャーのパワーは、自分の墓地にある火のカード1枚につき+1000される。

そう、第1弾のボルシャック・ドラゴン。上記で大和がなんとか書いたが、その大和の完全下位互換ですらメテオレイジ・リザードの遥か高みにいる。
というかパワー5000のバニラにもこのカードよりコストが低いカードが同弾の頃から存在している。 
そもそも4年目の終わりにさしかかろうというのに、なぜ黎明期のカードにスペックをここまであけられなくてはならないのか。

もう今さら見るべきでもないが、メテオレイジ・リザードのライバル候補(?)を上げていこう。

フレイムバーン・ドラゴン 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、相手のパワー4000以下のクリーチャーを1体、破壊してもよい。
火力がついてくることからかつての連ドラに投入されたフレイムバーン。当然メテオレイジの上位互換になる。
このフレイムバーンですら今は《爆竜バトラッシュ・ナックル》に負ける。

ボルシャック・スーパーヒーロー 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/ハンター 6000
このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、パワー3000以下のサイキックではないクリーチャーをすべて破壊する。その後、パワー5000以下のサイキック・クリーチャーをすべて破壊する。
W・ブレイカー
フレイムバーンより汎用性を得たヒーロー。メテオレイジと比べて遥かにかっこいい能力である。

爆竜 GENJI・XX 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン/フレイム・コマンド/サムライ 7000
K・ソウル
スピードアタッカー
このクリーチャーが攻撃する時、相手の「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体破壊する。
W・ブレイカー
もはや比較するのもかわいそうになるくらいメテオレイジを上回るカードパワー。
早さ、パワー、打点、サポートとなにひとつメテオレイジの勝てる要素はない。
……ちなみにこのカードは勝舞編の最後のブロックである覚醒編、インフレは進みかけていたもののまだまだ大人しい時期である。


ここまでかくと「お前がすごいのを持ち出してきてるだけだろ!」と言う人がいるやもしれない。ならばこれはどうか。

ハンドレッドバレル・ドラゴン 火文明 (6)
クリーチャー:アーマード・ドラゴン 5000+
パワーアタッカー+1000
W・ブレイカー
元祖ボルシャックにも劣るとされた酷いスペックで、初心者用切札にしてもここまで低いスペックもなかろうと言った悲しいカードだが、それでも攻撃中はメテオレイジを上回るスペックで、WBもついてくる。

ちなみに戦国編以降はインフレのために5コスト5000でメリットつきが増え、十王篇・王来篇現在の5000バニラの基準と言えば…

アシタモ・ハレッチ 火文明 ( 3 )
クリーチャー:ファイアー・バード 5000

なんと全く同じ戦闘力を半分のマナで出せてしまうのである。
では、同じ火単色、6マナのカードと比較してみるとどうだろうか。

炎機混成(えんきこんせい) ボルスレン・バスター 火文明 (6)
クリーチャー:ディスペクター/アーマード・ドラゴン/キカイヒーロー 6000
G・ストライク(このクリーチャーを自分のシールドゾーンから手札に加える時、相手に見せ、相手のクリーチャーを1体選んでもよい。このターン、そのクリーチャーは攻撃できない)
EXライフ(このクリーチャーを出す時、自分の山札の上から1枚目をシールド化する。このクリーチャーが離れる時、かわりにそのシールドを墓地に置く)
スピードアタッカー
W・ブレイカー
……もはや何も言うまい。早さ、打点の揃った受け札で、除去耐性まで併せ持つ。
これの恐ろしいところは、おそらくこれが王来篇時の単色6マナの基準値に近いものである点。
なにせこのカード、光り物でもなんでもなくただのレアなのだ。=V=*1やらLegend*2やらMAS*3やらKGM*4やらSRを超えるレアリティが多数存在する時代、これを遥かに上回るコストパフォーマンスのクリーチャーはいくらでもいる。

余りにも絶望的なコスパの差があり、メテオレイジ・リザードはもはや何の取り柄もないカードと成り果て…





神聖祈 パーロック「取り柄ならあるぞ」





実は6コストのバニラという存在自体が希少であり、メテオレイジはこんなスペックでありながら6コストバニラ最高パワーというステータスを持つ(というか6コストバニラがこれしかない)。なぜこんな微妙なカードが数年にもわたって更新されないんだろうか…
このため、バニラビートでは《ヒラメキ・プログラム》の種にすることで《神聖祈 パーロック》を呼び出せるという地味にすごい利点を持っているのだ!*5
誰 か そ ん な こ と を し て る 人 見 た こ と な い け ど !

ちなみに5コストバニラは最高パワーが11000、7コストバニラは最高パワーが25000なので、現代の基準ではメテオレイジの適正なパワーは15000〜18000である可能性がある。
その場合、最低でもP10000は損していることになってしまう。まあそもそも6コストでバニラっていう時点でパワーが1億でも2億でも損しかないのだが。

だがフレーバーテキストはまるで凶暴なクリーチャーのような描写であり、終末ナスオ大戦でも特にネタになることになった。
このことといい、出た時から既に完全下位互換でしかなかったりといった出オチ感から、メテオレイジ・リザードはネタ要員になり、気づけばデュエル・マスターズ七英雄の一角を担っていた。他がわりと高レアリティに位置する中コモンで七英雄に名を連ねる当たり実力はなかなかのもの。褒められるべき実力ではないが。ちなみにコモンは他にシザー・アイがいる。あとはレアが1名、スーパーレアが4名。
コモンなのでカスレアにはならず単なる産廃としか扱われないのに知名度が高い当たり、このカードならではの境遇が加味されたか。



アニヲタ達の追記、修正ですらこのwikiの秀逸な記事には及ばない。

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最終更新:2024年07月22日 08:42

*1 ビクトリー。勝太編前半のレアリティ。SRより更に出にくく、派手な効果を持つ。更に上のレアリティのダブルビクトリーもある。

*2 レジェンドカード。勝太編後半のレアリティ。1箱に確定で2種類封入されているが、ビクトリーを引き継ぎ効果・カードパワー共にド派手。

*3 マスターカード。新章〜超天篇(2017〜2019)のレアリティ。引き続き1箱に確定で2種類封入されており、ほぼレジェンドの名前が変わったものといえる。マスター能力と呼ばれる他のカードにない能力を持つことが多い。

*4 キングマスターカード。十王篇〜2021年現在現行のレアリティ。ほぼマスターの名前が変わったものだが、さらに封入率が上がっており、1箱で全3種類が揃うようになっている。

*5 なお現在はヒラメキはプレミアム殿堂だが代替は理論上可能。