登録日:2015/08/23 (日) 16:00:00
更新日:2025/01/27 Mon 19:55:21
所要時間:約 5 分で読めます
カルト……
宗教団体の一種。邪悪な神を崇拝し、反社会的活動を行う団体をカルトと定義する。
『カルト』は2013年に公開された日本のホラー映画。
監督・白石晃士の得意とする、手持ちカメラを使ったドキュメンタリー風の作品となっている。
白石監督自ら「クトゥルフ神話に着想を得た」と発言しており、実際に和製クトゥルフものとしての評価は高い。
7月20日の劇場公開に先駆けて
ノベライズ版も発売されており、
マイナーな出版社からの発売なので入手は難しいかもしれないがそちらも併せて読めばより作品を深く理解できる。
基本的な流れは前作『ノロイ』に近いのだが、本作を象徴するキャラクター・ネオ(仮名)の登場後は、ガラリと空気が変わる。
あらすじ
とある心霊番組への出演を命じられた三人の女性タレント。
軽い気持ちで心霊現象に悩まされる依頼人親子の下を訪れた彼女たちだったが、想像を絶する恐怖体験に見舞われ、次第に追い詰められていく。
そして、除霊を試みた霊能者までもが霊に敗れ、命を落としてしまった。
この事態を打開するため、最強の霊能者と称される一人の男が呼び出される――。
登場人物
※作品の性質上、ネタバレを多く含む。閲覧には注意されたし。
今回の撮影に参加したタレントの一人で、まとめ役。テレビ番組で過去の犯罪歴をカミングアウトし、問題を起こしたことで知られる。
勘がよく、以前の仕事では撮影中のスタッフの頭に鳥の糞が落ちることを予知したと言う。
+
|
※ネタバレ |
ネオ(仮名)によって、生来の勘のよさはあびる自身の霊感によるものと判明。終盤はそれを利用した霊探知機の役割を任される。
|
心霊スポットで失神した経験を持つタレント。
霊に憑かれやすい体質らしく、撮影中もたびたび除霊してもらっている。
除霊前に肉や魚を食べてはいけないと言われたにもかかわらずハンバーガーを食べたせいで霊に襲われたり、度重なる怪異にパニックを起こして逃げようとしたせいで霊に襲われたり、トラブルメーカー的な面が目立つ。
芸能界でのキャリアはそれなりに長いが、あびる共々ネオ(仮名)には「知らない」と一蹴された。
今回の撮影に参加したタレントの中では最年少。
小学生の時、スプーンを曲げたことがあると語る。
若さゆえか、当初は霊現象に対してふざけ半分に接していたが、次第に事態の恐ろしさを実感して神経をすり減らしていく。
やがて番組を降りたいと発言、一足先に東京へ戻ったが……。
+
|
※ネタバレ |
実はかなり強力な霊能力の持ち主。その力に目をつけた“カルト”に捕らえられ、生霊として操られてしまう。
|
番組のディレクター。
+
|
※ネタバレ |
終盤はネオ(仮名)の頼みで、美穂と朋絵の秘密を解くための証拠を探す。
|
恐るべき霊現象がメンバーを襲う中、懸命にカメラを回し続けるスタッフの鑑。
今回の番組を企画するにあたり、除霊のために呼び出された霊能者。太めの中年男性。
取り憑いた霊を祓うために行う動作(「スーッ」と息を吸い、印を切って「セイッ!」)が妙に癖になると視聴者の間で評判。
スーッ、セイッ!を繰り返しても効果がないと判断すれば即座に物理的手段に切り替える頭の回転の速さも見せる。
風水的な観点から対策を試みるが、怪異の本質を見誤っていたため解決することはできなかった。
雲水をもってしても事態を解決できなかったために呼び出された、雲水の師匠。精悍な体つきの年配の男性。
携帯電話越しにも除霊を行える高い霊能力の持ち主。
また、本人も弟子と同じくスーッ、セイッ!の使い手である。
龍玄の紹介で呼ばれた、極めて強力な霊能者。
黒ずくめのスーツに金髪というホストのような見た目で、
左手だけに黒い手袋を着けている。
性格は傲岸不遜。「神とか仏とか、バカバカしいよな」と平然と言い放ち、年上と思しき龍玄のことも「龍くん」と馴れ馴れしく呼び、ちょっとしたことですぐに怒る。
タレントの女性陣に対しても辛辣な態度は崩さないものの、なんだかんだで彼女らを助けたりしているので非情ではない。また年少ということもあってか、美保に対しては比較的穏やかな態度で接する。
頑なに本名を名乗ろうとせず、ネオという名前も適当な思いつきで映画『
マトリックス』から取ったもの。
黙っていればホストかチンピラかといった風体だが、心霊手術を行ったり、蝋燭のような道具で怪異を消滅させたり、呪詛返しまでやってのけるなど、霊的な事柄に対する知識と技量は龍玄を遥かに凌駕する。
その強大な力と勘の鋭さを総動員して、クールに怪異を徹底的に追い詰める姿は本当にカッコいい。
「じゃあ
シャアとかならいいのか」「俺は俺を信仰してるよ」「猫の足だニャー」など、名言も多い。
というかぶっちゃけ、
後半の主役である。
本来なら足掻きようがなく蹂躙されるしかない怪異を軽々と倒していく、色んな意味でホラー映画の掟破りな存在。
ジェイソンが殺戮劇を繰り広げる中で突然、
セガールが乱入してくるようなモノである。
「あの、
テレビに出てません?」「出てねえよ」
「
誰かに似てるって言われたことない?」「似てねーよ、誰にも!(半ギレ)」
+
|
※ネタバレ |
朋絵のちょっとした質問からその正体を怪しみ、谷口に頼んで金田家の情報を集めさせる。
上述の龍玄への馴れ馴れしい態度や能力に加え、左手から『神』の一部とは対照的な光り輝く毛糸玉のようなモノを発して相手を取り込むこともでき、ネオ(仮名)自身も人間ではない可能性がある。
|
依頼人。幼い頃は病気がちで、何度か生死の境をさまよったことがあった。
+
|
※ネタバレ |
そのため「向こう側」とのつながりが強く、“カルト”が崇める『神』を呼び出すためのゲートとして利用されてしまう。
“カルト”の呪術によって、本当の母に関する記憶を消されていた。
|
依頼人。美保の母。度重なる霊現象にすっかり参っているらしく、疲れたような面持ち。
それでも美保を守ろうと気丈に振る舞っている。
+
|
※ネタバレ |
……というのは演技で、{そもそも美保の母親ではない。
正体は“カルト”の一員。制作会社に映像を送ったのは、自分たちが崇める『神』が現世に現れる瞬間をカメラに収めさせるためであった。
ネオ(仮名)の力を目の当たりにした時「どんな信仰を持っているのか」「どういう力なのか」と不用意に聞いたことや、金田家に家族の写った写真が一切ないことを気付かれ、怪しまれる。
ネオ(仮名)に正体を暴かれ本性を見せるも、ネオ(仮名)と『神』の対決のどさくさに紛れて逃走した。
|
メンバーの様子をひそかに探っていた不気味な姉妹。
赤いドレスの姉と、いかにも狂人といった風体の妹。
+
|
※ネタバレ |
やはり“カルト”の一員。『神』の降臨を邪魔する霊能者たちを呪いによって始末していた。
ネオ(仮名)によって家を追い出されたかに見えたが、『神』を降臨させるために再び戻ってくる。
その後、ネオ(仮名)の呪詛返しを受けて他の信者ともども逃げていった。
|
美保に憑りつく悪霊と思わしき謎の存在。
触手のような黒く細い体に醜悪な人間らしき顔が張り付いているというおぞましいモノで、そもそも悪霊というカテゴリーに入るかも怪しい存在。
言葉を全く発さないものの、極めて凶悪な性質を持ち、雲水の体内に潜り込んで呪い殺したり、龍玄は事故に遭わせた挙句、入院中の所を襲い殺すなど、敵対者に対しては一切の容赦をせず、執拗に攻撃する。
また分身を生み出す性質を持ち、黒いミミズ状の化身やクモのような体に犬の首がくっついた化身を生み出し、メンバーを襲った。
体の一部を他者の頭部に植え付け、記憶を改竄する能力まで持ち合わせている。
+
|
※ネタバレ |
その正体は“カルト”が崇める神。
雲水や龍玄を殺した個体を含め、作中登場しているモノは異界に住む神のほんの一部である。
“カルト”の目的はこの神の本体を現世に呼び出し、世界を滅ぼすことである。
|
ただの心霊現象と思われた事件の裏側に潜んでいた、おぞましい真実。
罪のない人々を利用し傷つけ、邪悪な目的を達成しようと企む者ども。
世界さえ揺るがす危機が迫る中、ネオ(仮名)は不敵に笑う――
スーッ……(追記・修)セイッ!
- すごく…菊地秀行か夢枕獏です -- 名無しさん (2015-08-23 16:13:23)
- おお、マイナーながら割と好きな映画だwwwていうかネオってアンクだったか。俺様系な性格が似ているな。 -- 名無しさん (2015-08-23 18:35:27)
- アンクは右腕、NEOは左腕なんだよな、特徴的なの カルトとの決着編やらないかなぁ ちなみに小説版ではプチ後日談があったり -- 名無しさん (2015-08-24 01:23:24)
- あきらか狂人の姉妹の家に向かって、挑発がてらピンポン連打しまくるNEOさんがカッコいい -- 名無しさん (2015-08-24 01:25:39)
- ↑2、3メダル生まれのNさんってか(錯乱) -- 名無しさん (2015-08-24 16:56:48)
- マジどう見てもアンク。白石繋がりでノロイの霊体ミミズ、オカルトのヒルコ、コワすぎの古の神、鬼神兵とも何らかの繋がりがあるとも妄想できる。 -- 名無しさん (2015-08-25 15:56:48)
- 小説では2ヶ月経っている。美保は親戚と名乗る夫婦が来てその後の足取りは不明。すみれは約束通り除霊。また谷口は撮った映像を残しておくため局の誰にも報告していなかった。 -- 名無しさん (2015-08-25 21:58:41)
- この映画の項目ができるとは…w 神が不気味なんだよなー、淡々と撮られてるからそんな怖くはないんだけど、生々しいぶん異様さがすごくて。 -- 名無しさん (2015-08-26 13:36:57)
- ネオのキャラクターとか神の設定とか、魔界都市のセンセあたりが書いてても不思議じゃないね -- 名無しさん (2015-08-26 19:02:04)
- ネオさん、現世に降り立った神格なんかね 神仏に拘るのをナンセンスとしていたりとか 霊能力者稼業は暇潰しとか -- 名無しさん (2015-08-26 19:06:45)
- 劇場版超コワすぎが出てくるのならこれとリンクしていてほしい。 -- 名無しさん (2015-08-29 10:37:00)
- ネオは最高の俺TUEEEE主人公 -- 名無しさん (2015-08-31 10:04:08)
- 小説版カルトは白石晃士/原作 三好幹也 TO文庫 表紙はあびる優、背表紙は赤線が特徴。 -- 名無しさん (2015-12-14 01:14:01)
- ちなみにネオが登場するのは40分後 -- 名無しさん (2015-12-17 20:24:06)
- 監督繋がりでコワすぎの世界にネオが現れたら面白そう・・・工藤Dとケンカしそうだけど -- 名無しさん (2016-03-04 16:11:56)
- 白石ワールドのメンツでクロスオーバーしないかな 工藤さんとネオさんはしょっちゅう喧嘩しそうだけど -- 名無しさん (2016-06-20 02:44:34)
- ↑貞子&伽椰子「呼んだ?」 -- 名無しさん (2016-06-20 02:53:55)
- 『貞子VS伽耶子』を見たが、登場した -- 名無しさん (2016-06-22 10:37:29)
- ↑ゴメン続き。登場した霊能力者コンビが、まんまネオのキャラクターで笑ってしまったw -- 名無しさん (2016-06-22 10:45:18)
- ↑ でもネオほど絶対的な強さは無かった・・・ -- 名無しさん (2016-06-22 10:54:14)
- ↑×2 有名でそこそこ強い霊能者が、中盤で悪霊のかませ犬になりながらも、最強の霊能者を呼ぶっていう展開もそっくり -- 名無しさん (2016-06-23 09:18:18)
- マジで貞子VS伽椰子の世界にネオが来てほしい -- 名無しさん (2016-06-30 00:30:35)
- 最終的に最強のD工藤、最強の霊能者ネオ、最強の人間江野の共演がみたい -- 名無しさん (2016-07-04 19:39:11)
- 力が出ないとか言いながら美保の中の神を移すわ茉理の生霊程度 なら相手にならないわ…ネオさんパネエ -- 名無しさん (2016-07-12 23:02:31)
- 観てて思ったんだが、雲水と龍玄の二人で神と戦ってた時、朋絵はなにか呪詛かけるように拝んでるんだよな。やっぱ二人の邪魔してたんだろうか。 -- 名無しさん (2016-09-14 23:17:13)
- ネオでも貞子&カヤコは流石にキツそうだな -- 名無しさん (2016-12-10 21:10:08)
- ってか、経蔵のキャラクターはどう見てもNEOに相当する人物だからNEOでも貞子、伽椰子相手はどうしようもないだろ。経蔵がNEOに比べて弱いんじゃない、相手が悪すぎたんだ。 -- 名無しさん (2016-12-17 10:05:35)
- クトゥルフよりも強いサダカヤ……ガクブル -- 名無しさん (2016-12-17 10:50:59)
- 描写的に見て経蔵はネオの系統ってだけで力は格段に劣ってるだろ、厳密に言うなら他所の看板作品のキャラクターを自分の作品の最強キャラクターで潰すわけにはいかないという配慮が大きい。所詮は人間が転じた化け物でしかない貞子と伽倻子では神格を消滅させるネオの相手にならないと考える方が普通。 -- 名無しさん (2017-01-31 16:36:42)
- この映画を分かりやすく説明するなら、寺生まれのTさんをいじって映画化した作品って感じ、ホラーと見せ掛けたオカルトバトルものって所とか神格すら倒せる部分とかな。 -- 名無しさん (2017-03-06 02:26:14)
- ↑2 お前の中ではそうなんだろうなお前の中ではな -- 名無しさん (2017-07-10 18:48:53)
- ↑俺の中でもそうなってる -- 名無しさん (2017-08-18 00:52:44)
- 面白そうだと思って調べたら、映画の方は打ち切りエンドみたいな感じか。勝ったんだろうってのは想像つくけど。 -- 名無し (2019-05-10 15:48:48)
- ↑ 今回の事件である金田家の件は決着したから、一つの映画としてはちゃんと終わらせてると思う。 -- 名無しさん (2019-05-10 15:53:59)
- neoが頑なに自分の名前を言わないのは、「諱」を知られないようにするためなのかな? -- ぽぽこん (2020-01-29 12:33:22)
- アマプラで見れるようになってたので改めて見てみた。複数回見ると伏線と言うか色んな情報をちりばめてるのがわかって、中々楽しめたわ -- 名無しさん (2020-07-12 15:09:23)
- オカルトマニアからかなり呪術的な考証がしっかりしていると評判の作品。この系統の話がお好きなら甲田学人のmissingをお勧めする。 -- 名無しさん (2020-07-25 21:22:50)
- ↑真名知られると呪詛かけられたり面倒だからね、バレるし -- 名無しさん (2021-05-11 01:26:34)
- NEOはセガールと言うよりホラー映画の中にぬーべーが助けに来るレベルだと思う -- 名無しさん (2022-01-01 11:59:15)
- ↑左手に手袋だからぬ〜べ〜オマージュも入ってるよね -- 名無しさん (2022-07-13 20:17:14)
- ネオ様を見るだけの映画と思ってたら母親の正体で驚いた -- 名無しさん (2024-05-15 07:04:45)
- ネオ本人が人外と言うよりは左手に超常の力を宿してるみたいな印象を受けたな。それこそ上で言われてるぬ~べ~みたいに -- 名無しさん (2024-11-13 13:58:04)
最終更新:2025年01月27日 19:55