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打ち切り(漫画)

登録日:2018/09/03 Mon 19:39:18
更新日:2026/10/04 Sun 18:48:21NEW!
所要時間:約 161 分で読めます





「次の展開もいい感じの思いついて」
「過去編で先祖たちの戦いを描きたいなと…」
「今から打ち合わせでも大丈夫ですよ!」

「あー……伝え忘れていたんですけど、再来週で打ち切りです」

‐『ヤニねこ』(作・にゃんにゃんファクトリー)第132話より抜粋‐


この項目では、漫画における打ち切りについて、背景事情や具体的な様相について紹介する。
でそれぞれ解説する。
近からずも無縁ではない関係にある移籍連載も別ページにて解説。

◇目次
+ 俺たちの項目はこれからだ!

◇打ち切りの定義

漫画における「打ち切り」とは、雑誌・Web媒体等で連載されていた漫画が、作者の意向や当初の構想とは異なる形で、連載を終了させられることを指す。

ただし、連載終了に至った事情が外部から確認できない場合、単に「最終回が急展開だった」「伏線が回収されなかった」などの理由だけで打ち切りと判断するのは適切ではない。
特に商業漫画では、作者・編集部・出版社の間で当初の予定が変更されることも珍しくないため、作品の内容だけから打ち切りの有無を断定することは難しい。

一般に、以下のようなケースは打ち切りとは区別される。
  1. 以前から「あと○話で終了」などと作者・編集部側から告知していたもの
  2. 作品として必要な部分を概ね描き切り、作者の想定した結末を迎えたもの
  3. 原作小説・史実などの後半部分について、知名度や物語上の比重などを考慮して大幅に圧縮・ダイジェスト化したもの
  4. 通算話数や連載期間など、あらかじめ定められた区切りを迎えて終了したもの
特に注意したいのが、「伏線が残っている=打ち切り」とは限らないこと。
後腐れなく完結した作品であっても未回収の伏線や謎が残されることはあり、それが単なるミスリードや設定上の余白である場合もあれば、作者があえて明言しなかった場合、後の商業展開や次回作を見据えて残した場合なども考えられる。
もちろん、単純に作者が設定を忘れていた可能性も否定できないが、外部から確認できない限りは断定できない。

また、作者自身が何らかの事情で構想を縮小し、伏線などを回収せずに物語を完結させた場合は、「打ち切られた」というより「作者が打ち切った」「作者自身が物語を畳んだ」と表現した方が実態に近い場合もある。

原作付き漫画などでは、原作の後半部分を大幅に圧縮して完結させるケースもある。この場合も、必ずしも打ち切りとは限らない。
代表例の一つとして挙げられるのが横山光輝版『三国志』で、同作は諸葛亮の死後、『三国志演義』や正史に描かれた出来事をそれまで以上にダイジェスト化しながら蜀の滅亡までを描いて完結する。
しかし、これは単純に「人気がなくなったので急遽打ち切られた」とするよりも、作品の主軸であった諸葛亮がいなくなったことや、日本の一般読者にとって馴染みの薄い時代を扱うことなどを踏まえて構成されたものと考える方が自然である。

同様に、原作小説を漫画化する作品では、尺や媒体の事情から原作のエピソードを大幅に省略・圧縮することは珍しくない。
したがって、原作と比較して内容が大幅にカットされていることだけをもって打ち切りと判断することはできない。

なお、漫画家と出版社の関係については、2020年代に入ってからも、連載途中での契約終了、出版社間の移籍、掲載媒体の変更など、従来よりも経緯が公に語られる事例が増えている。
これは単純な「打ち切り」とは異なる問題だが、漫画家側が連載先や契約について一定の交渉力・選択肢を持ち、SNSや電子出版などを通じて当事者自身が事情を説明できるようになったこともあり、作家と出版社の間で何が起きたのかが以前より外部から見えやすくなっているとは言える。

一方で、連載終了の理由が公式に明かされない作品も依然として多い。
そのため、情報源が存在しない状態で「人気が落ちたから打ち切られた」「編集部と揉めたから終了した」などと推測する際には注意が必要である。
実際、連載終了から長期間経った後に作者などから事情が明かされ、それまで広まっていた説が否定された例もあるので……。

したがって、漫画の打ち切りについて論じる際には、
  • 「作品がどのような終わり方をしたか」
と
  • 「なぜそのタイミングで連載が終了したのか」
を分けて考える必要がある。

◇人気低迷による打ち切り

商業漫画では、連載を継続するか終了するかについて
  1. 読者からの反響
  2. 雑誌・媒体の方針
  3. 単行本(電子書籍も含む)の売上
  4. 広告・タイアップ等の状況
  5. 連載枠の都合
など、複数の要素が判断材料となる。
そのため、漫画の打ち切り理由として特に多いのが、商業的な反響が編集部・出版社の期待する水準に達しなかったことである。

ただし、ここで言う「人気」は単純な読者数だけを意味しない。
雑誌によって重視される指標や編集方針は異なり、同じ程度の売上・反響であっても、媒体によって連載継続の判断が変わることはあり得る。
また、人気の高い作品であっても、作者・出版社双方の事情、掲載媒体の事情、契約上の問題、作者の健康や創作環境など、別の理由によって連載終了に至る可能性がある。

逆に、連載終了が急だったからといって、直ちに編集部や出版社側の重大な問題を想定するのも適切ではない。
外部から事情が確認できない作品については、やはり「なぜ終わったのか」「どう終わったのか」を混同しないことが重要である。

そのため、打ち切り漫画については、終了そのものよりも、限られた話数の中で作者が物語をどのようにまとめるかが読者から注目されることも多い。

特にジャンプでは、読者アンケートが連載作品の掲載順や連載継続の判断において重要な指標とされてきたことから、「アンケート至上主義」と揶揄されることがある。
ただし、実際の連載継続・終了の判断がアンケート結果だけで機械的に決まると考えるのは単純化しすぎであり、単行本の売上や電子版の実績、作品の将来性、媒体全体の編成など、複数の事情が関係してくる。

『まんがタイムきらら』系列の作品では、比較的短期間(単行本2巻程度)で終了する作品が多く、ファンの間で「2巻乙」と呼ばれることがある。
この言葉は単なるネットスラングにとどまらず、公式作品内で言及されたり、単行本の帯などで用いられたりする例もある。

一方、『コミック百合姫』では、単行本の売上が連載継続の判断に関係することを、かつて同誌で『百合男子』を連載していた倉田嘘が言及している。

また、『週刊少年チャンピオン』では、読者アンケートだけでなく単行本の売上なども連載継続の判断材料になっているとされる。
作品によっては単行本化されずに連載終了となる場合もあり、掲載媒体によって「人気」の測り方が大きく異なることがわかる。

『週刊ヤングマガジン』では、連載作品をWeb媒体へ移籍させ、そこで完結させるというケースも見られる。
移籍後に長期連載へ発展する場合もあるため、Web移籍=打ち切り確定と考えることはできない。
作者にとっては、媒体を変えることで連載継続の可能性を残せるチャンスとなる場合もある。

そして何より、「人気が低かった」という一言だけで連載終了の原因を漫画家個人の力量に帰するのは適切ではない。
作品そのものが読者に飽きられた、あるいは流行の変化についていけなかったという場合もある一方で、
  • 雑誌の主要読者層が変化した
  • 競合する作品やジャンルの流行が変化した
  • タイアップ先の状況が変化した
  • 雑誌そのものの方針が変わった
  • 掲載媒体の再編によって連載枠が減った
  • 単行本は売れていても雑誌側の事情と噛み合わなかった
など、作者個人の努力だけでは解決できない要因も数多く存在するからだ。

もちろん、作品自体の内容や構成、作画、制作体制などが読者の支持を得られず、それが連載終了につながるケースもある。
しかし「打ち切り=作者の力量不足」と単純化するのではなく、作品・作者・読者・出版社・掲載媒体を取り巻く複数の要因が重なった結果として連載終了に至る場合があると考えた方が、漫画業界の実際には近い。

◇打ち切りの分類と代表的な事例

◆俺たちの戦いはこれからだ型

物語が本来想定していた段階まで到達していない段階で終了となった際に見られる、打ち切り漫画の代表的な終わり方。
とりあえず伏線とかは放置して、現在進行中の戦いに区切りを付けたり、主人公がこれから挑むべき目標を示したりして物語を終わらせ、「俺たちの戦いはこれからだ」といったニュアンスの台詞やモノローグで締める。
「戦い」に限らず、「旅」「冒険」「夢」「修行」などでも大体同じ。
最終ページでは、主人公たちが何かに向かって走り出す場面や、敵へ突撃する場面などが使われることが多い。

特に連載開始から間もなく終了が決まった作品では、物語の導入部や世界観の説明を終えた程度でプツンと切れることもある。その場合、ラスボスどころか主要な敵との決着すら描けないため、必然的に「俺たちの」エンドになりやすい。

  • どろろ(1967~1969)
作者は手塚治虫。『週刊少年サンデー』で連載。
『ゲゲゲの鬼太郎』の影響を受けて描かれた妖怪退治時代劇。肉体のパーツ48か所を魔物に奪われた百鬼丸が、夜盗の少年・どろろとともに各地を旅しながら、自らの肉体を取り戻すため戦う物語である。

暗く陰鬱とした内容や百鬼丸の全身欠損といった刺激の強い設定などが少年層に受け入れられず打ち切り。その後『冒険王』でリブート版が連載され、さらにその展開をもとに単行本で物語の続きが補完されたことですべての魔物が滅ぼされる場面が描かれるも、その結末は単純なハッピーエンドとは呼べないものであった。

  • 幻魔大戦(1967)
原作は平井和正、作画は石ノ森章太郎(当時は石森章太郎)。『週刊少年マガジン』で連載。
「幻魔」と呼ばれる存在に立ち向かう超能力者たちの戦いを描くサイキックバトル漫画。
本作自体は「破滅的状況となった地球で最終決戦を待つ主人公たちが、地に墜ちるような髑髏の月を仰ぎ見る」という典型的打ち切りエンド。

4年後の1971年に、マガジン版とは異なる世界を描く『新 幻魔大戦』が『SFマガジン』で連載開始するも、これも中途半端なところで終了。
で、これで終わりかと思ったら1983年にアニメ映画化され、
  1. 平井和正による角川文庫版小説
  2. 『新 幻魔大戦』から派生した『真幻魔大戦』
  3. 石ノ森章太郎による『幻魔大戦 神話前夜の章』
などが発表された。
しかし、これらも様々な大人の事情でまたまた中途半端な終わり方に。
その後も平井は『幻魔大戦deep』『幻魔大戦deep トルテック』などを執筆し、『トルテック』で、それまでのシリーズを横断する形で幻魔との決着が描かれた。

さらに2014年からは、七月鏡一脚本、早瀬マサト&石森プロ作画による『幻魔大戦 Rebirth』が連載開始。マガジン版の未来を起点としつつ、複数の『幻魔大戦』世界を接続する作品として展開され、2019年に完結した。

  • マスカレード(2005~2006)
作者は板垣雅也。『月刊コロコロコミック』で連載。
動物の力を宿したマスクマン「獣面(アニマスク)」によるバトル漫画。

おもちゃ・ゲームなどとのタイアップ作品が幅を利かせるコロコロには珍しい完全オリジナル作品として、固有の能力を持つ獣面同士が戦う能力バトルを展開していたが、11話で終了。
最終回では主人公・獅子獣面に関する設定が明かされる一方、新たな謎やキャラクターも提示され、それらを解決することなく終了した。
そのため、最終回だけを見ると、設定や物語を広げた直後に連載が終了してしまった「俺たちの戦いはこれからだ」型の典型例となっている。

板垣雅也は本作終了後、『流星のロックマン』のコミカライズを連載しているが、本作の終了と次作との直接的な因果関係については、外部から確認できる情報だけでは断定できない。

  • BUYUDEN 武勇伝(2011~2012)
作者は満田拓也。『週刊少年サンデー』で連載。
主人公・武勇が、幼馴染のヒロインやライバルとの関係を通じてボクシングに打ち込み、プロボクサーを目指していく物語。

少年編では、ボクシングの楽しさや努力による成長だけでなく「親の夢や意志を受け継ぐことは、本当に本人の幸福なのか」といったテーマも扱われていた。
ところが中学生編に入ると作品の方向性が変化し、「ヒロインが肥満化」「武勇の性格の軟化」など、あまりにも悪い方向に変わりすぎて批判が殺到。
最終的には本格的なプロ入りまで描かれることなく終了、主人公とライバルの決着も最終回での僅か数コマの回想で片づけられる格好となり、ヒロインの励ましから改めてプロボクサーを目指す場面で終わった。

連載終了後、満田は自身の作品について、読者を意識せず自分の趣味を入れすぎたことを反省点として挙げている。

  • スカーレット(2018~2019)
作者は結野ちり。『コミック百合姫』で連載されたダークファンタジー漫画。
物語が大きく動き、ラスボスにあたる存在が主人公の前に姿を現したところで打ち切られ、多数の伏線や謎を残したまま「これから本格的な戦いが始まる」という形で幕を閉じることになった。

作者は連載終了後、自身のTwitter(現・X)で、今回の結末について自身の見通しの甘さが原因だった旨を謝罪し、原稿という形ではなく、何らかの形で続きを公開したいと表明。その後、ネーム形式での公開を予定していることも告知された(……が、「より多くの人に満足して貰えるように」との理由から制作が遅れており、もうしばらく待ってほしいという)。

  • ノケモノたちの夜(2019~2021)
作者は星野真。『週刊少年サンデー』で連載。
悪魔マルバスと、彼と契約した少女ウィステリアの旅を軸に、悪魔と人間の関係、契約、信頼などを描いた作品。
物語の中盤以降、かつて交わされた契約を巡る謎などが明らかになり、作品の核心へ向かいつつあったが、連載はその半ばで終了してしまう。

ところが、打ち切られた後にアニメ化の話が舞い込んでくる事態が発生。
アニメ公式サイトでは、プロデューサーが原作のファンだったことなどをきっかけに企画が立ち上がり、アニメ化の準備中に原作終了の情報が入ったことで、原作の完結を待ってから最後までアニメ化する方針に変更したという経緯が説明されている。

さらにアニメ化に合わせ、本編の後日談にあたる『ノケモノたちの夜 フレイムナイト』が短期連載され、本編終了後のウィステリアたちの物語が描かれた。
「原作が終了した後にアニメ化が決まり、その結果として後日談まで描かれた」という点で、本項の中でもかなり特殊なケースである。

作画はかのえゆう、脚本は井上敏樹、原作は石ノ森章太郎、協力は村上幸平。『電撃マオウ』で連載。
特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』のスピンオフ漫画。草加雅人/仮面ライダーカイザを主人公とし、本編全話の脚本+小説版を手掛けた井上敏樹が脚本を担当。
本編で草加を演じた村上幸平も全面的に製作に携わっており、特撮ファンからの期待度は高かったが、「読者層の多くが井上作品に期待するだろう『異形の花々』のような過激な描写が、現在のKADOKAWAのコンプライアンス上可能なのか」「同じ井上による過去作のリファインということで、漫画版『仮面ライダークウガ』の劣化・二番煎じになってしまうのではないか」といった点を気にする声も多かった。

連載終了については最終回の掲載前に村上が自身のTwitter(現・X)で公表していたのだが、実際の内容はあるキャラクターの正体や作品設定に関わる重大な情報が明かされた直後、草加の困惑する台詞で終了、さらに「衝撃の真実…!!」という煽り文が付くというもの。
「物語の核心に関わる情報を提示した直後、その情報を整理したり物語として決着させたりする前に終了」という、なんとも言えない終わり方であった。
単行本では追加要素によって一定の補足が行われている。

  • サイコの世界(2021~2022)
作画は大羽隆廣、原作は井龍一。『マガジンポケット』で連載。
超能力者「サイコ」と、能力を持たない「無能」でありながらサイコへの復讐を目指す主人公の戦いを描く。

作中ではサイコの成り立ちや主人公の幼馴染を殺した犯人など、物語の重要な情報が明かされたものの、その後の展開はかなり圧縮され、ヒロインを巡る大きな戦いが始まる直前で終了。
主人公がヒロインにプロポーズする場面で幕を閉じるため、読者から見ると「ここから本格的な戦いが始まるはず」というところで終わった作品となってしまった。
連載終了の理由については売上不振だったとする情報があるものの真相は不明。

  • ガチャマン(2021~2023)
作画は村上ペコ、原作は焼き芋ハンサム斎藤。『裏サンデー』→『マンガワン』で連載。
身体に取り付けられた「ガチャ」と記憶喪失の謎を軸に、同じような能力を持つ「ガチャマン」たちの戦いを描く。

終盤では、最後の一人になるためのバトルロイヤルが展開され、主人公が運営側の人間を倒すため自らを犠牲にする。
しかし最終回では、ガチャマン同士の戦いが異星人による一種の娯楽として行われていたことが明らかになる。
この設定自体は、人間の科学技術を超える能力や記憶操作などが序盤から登場していたため、必ずしも完全に唐突な設定というわけではない。
むしろ問題となったのは、それまで積み上げてきた設定や物語を十分に整理する時間がないまま終盤を迎えたように見えることである。

結局、主人公が「敗者復活戦」と称された自身のコピーとの戦いに挑むところで終了。単行本は8巻まで刊行されており、連載終了時点で一定の巻数を重ねていたこともあって、急な終了に戸惑う読者も見られた。
また、連載終了とほぼ同時期に、作者コンビによる新作が小学館の新たな漫画サイトで始まることが発表されたため、両者の関係について様々な憶測が生じた。

  • はたらけ!おじさんの森(2022~2023)
作画は中原開平、原作は朱雀伸吾、キャラクターデザインは深山フギン。『となりのヤングジャンプ』→『異世界ヤンジャン』で連載。
同名のライトノベルを原作とするコミカライズ作品で、動物のような姿をした「あにまる」と、彼らの島を発展させるために送り込まれた人間の「おじさん」、そして「あにまる」を労働力として利用する「わかもの」たちの関係を描く。

連載は全16話で終了。物語としては「わかもの」の先遣部隊に主人公が宣戦布告する場面で終わるため、コミカライズとしてはかなり先の展開を残した状態で終了している。
原作小説の刊行状況(連載当時、単行本が2巻しか出ていなかった)などもあるため、単純に漫画版だけの人気不振が原因だったと断定することはできない。

  • 搾精病棟 全年齢版(2022~2023)
作画はあおむし、原作は搾精研究所。『ヤンマガWeb』で連載。
『搾精病棟』の全年齢向けコミカライズ。全4巻で完結したのだが、「三大お局のうち二人の出番がごく僅か」「病院を巡る主要な対立にも決着がつかないまま、主人公が新たな決意をするところでブツ切り」という、あからさまに打ち切り臭い終わり方だった。
最終巻の帯では「打ち切り!コイツらの戦いはここまでだ!」という、打ち切りであることを前面に出した煽り文が付いており、作品側も終了事情を隠すのではなく、むしろネタとして扱っている。

独自路線については賛否あるが、R18版の主人公であるヤマダが後半フェードアウトして全く出番がなくなったのは原作ファンからすれば明らかな不満点だろう。
設定の一部は投げっぱなしだが完全に何も決着していないわけではなく、主人公とラスボスとの対比や、主人公が仲間との関係によって孤立を回避するというテーマについては一定の結論が示されている。

連載終了の理由については、単行本の売上が振るわなかった旨が最終巻あとがきで説明されている。

  • ムシリョウシ(2023)
作者は各務浩章。『マガジンポケット』で連載。
地球に突如現れた異形の生命体「蟲」と、それを狩る「蟲猟師」たちの戦いを描く。

女子高生の主人公・蝶乃を中心に物語が展開するが、連載は18話で終了。
終盤では主人公の両親に関する因縁の相手との戦いに向かう展開となったものの、実際の対決を十分に描くことができないまま終了を迎えた。
「宿敵との本格的な戦いが始まったところで終了する」という、典型的な「俺たちの戦いはこれからだ」型打ち切り漫画。

  • デスクリエイト(2023~2024)
作画は夏元雅人、原作は見ル野栄司。『ヤンマガWeb』で連載。
デスゲームの運営側をテーマにした漫画で、詐欺師である主人公がIT企業に潜入したところ、逆に拉致され、他の技術者たちとともにデスゲームの制作を強制されるという設定。
しかし連載は全15話で終了、序盤の「採用試験」やデスゲーム制作の準備に比較的多くの話数を費やしたこともあり、本格的なデスゲーム同士の対決に入った時点で残された尺が少なくなっていた。

最終的には主人公と相手チームの代表が協力し、デスゲームの映像を外部へ流すことには成功するものの、数ある支社の1つを潰しただけに過ぎず、なぜ主人公が攫われたのかが明かされるだけというオチで終わった。

  • パンチラッシュJKタラちゃん(2023~2024)
作画は斯道歩、原作はジブロー。『月マガ基地』で連載。
「拳王」と呼ばれる兄・勝王(かつおう)の代わりに妹・多薇(たら)が天下を目指すというお色気格闘漫画。
登場人物の名前を見ればわかる通り『サザエさん』のパロディでもある。

学園でのし上がる展開になるかと思えば、ありがちなトーナメントバトルが始まったり、登場する大半のキャラが一発屋に近い使い捨てだったり(わざわざ学校まで乗り込んで多薇を負かした相手がトーナメントでは1回戦敗退など)して、要所要所の熱い展開はあれど急な方向転換が目立った。
途中で登場する多薇のライバルキャラの「いくら」に至っては、一戦も交えずに最終回を迎えている。

本作の場合、連載終了の経緯を考える上で注目されるのは、1話あたりの物語の進行速度。
隔週更新でありながら、1話を複数回に分けて掲載する形式だったため、読者がリアルタイムで追った場合、物語が進むまでに長い期間を要することになった。
例えば、ローキックを得意とする「スネ一文字ローキック菊朗」との戦いは、登場から決着まで更新9回分を要している。
そのため、単純に「内容がつまらなかった」とするより、Web漫画という掲載形式において、1回の更新でどれだけ物語を進められるかという問題も、連載継続を考える上で無視できない要素だったと考えられる。

◆なんとか終わらせちゃう型

残された連載期間の中でストーリーをできる限りまとめ、物語としての決着をつけて終了するパターン。
この場合、作者がそれまで温存していた設定や伏線、構想していた展開を一気に消化することになるため、「むしろ打ち切りが決まってからの方が面白くなった」と評される作品も存在する。
もっとも、これはあくまで「残された尺の中で終わらせようとした」結果であり、必ずしも満足のいく終わりになるとは限らない。残された猶予が極端に少なければ、マジで「リアルソードマスターヤマト」が爆誕しかねない。

逆に長期連載を前提とした物語であっても、それなりにきれいに終わらせられるよう区切りを置いて構成されている例が知られている。
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ではバルジ島でのハドラーとの戦いが一つの大きな区切りとなっており、『北斗の拳』もシンとの因縁に決着をつけた時点で物語を終えることが可能な構造になっていた。
『暗殺教室』の松井優征や、複数の出版社・雑誌で長年活動してきた長谷川裕一も、連載作品を必要に応じて区切れるよう心掛けていることを公言している。

  • 少女鮫(1996~1999)
作者は和田慎二。『花とゆめ』で連載。
前後編の短期集中連載を経て、主人公の過去を描く第1部「戦場編」が連載され、単行本全8巻で完結。その後、時間軸を現在に戻した第2部「日本編」が開始される。
こちらも当初は全8巻程度を予定していたが、連載が予定より早く終了することになり、全2巻で完結した。

作者の和田は『スケバン刑事』で知られるベテランで、本作についても短縮されたからといって物語そのものを投げ出したわけではない。残された尺の中で物語を決着させ、最終的な結末まで描き切っている。
終盤には扉絵を利用したカウントダウンも行われており、作品が終了へ向かっていることを読者に示していた。

その一方で、終幕を彩るように流れる形で使用されたブルーハーツの『リンダ リンダ』は非常に強烈で、読者に大きなインパクトを与えた。
「きれいにまとめた完結」でありながら、その締め方自体があまりにも独特だったため、結果として作品を象徴する場面の一つになっている。

なお、連載終了の事情について、和田本人は詳細を明確に説明せず、「ええい!踊ってしまおう!!」とコメントしていた。
一方、同じ白泉社系で活動していた野間美由紀は、和田と白泉社との間で作品の方向性に隔たりが生じ、それが終了につながったという趣旨の証言をしている。
したがって、単純に「誰かが悪かったから打ち切られた」と断定するよりも、作者と掲載誌の方向性の変化が重なった結果として連載が終わったのだと見る方が適切だろう。

和田はその後、活動の場を他社へ移し、さらに過去作品の版権を白泉社から引き上げるなど、同社との関係を大きく変化させていく。
そして、和田は2011年に逝去。秋田書店『ミステリーボニータ』で連載していた『傀儡師リン』は、後述の「作者の死去による打ち切り」の仲間入りをすることに。

作者は木多康昭。ジャンプ伝説の問題作『幕張』で物議をかもした木多が、『週刊少年マガジン』へ移籍して連載した野球をほとんどやらない野球ギャグ漫画である。
時事ネタ、下ネタ、実在の芸能人や漫画家を題材としたパロディなど、木多らしい攻撃的な作風は健在で、連載当初から賛否の激しい漫画だった。

ところが、ドラえもん+北斗の拳パロディの野球とはかけ離れた長編を終えた後、主人公が本格的に野球に取り組むようになり、チームメイトも練習を重ね、ついには公式戦へ突入。
ギャグ漫画として始まった作品が、かなり真面目な野球漫画へ変貌していったのである。

……が、最終回で、前回までの展開そのものが全部夢だったことが明かされ、主人公が殺人罪で警察に逮捕されて終了という前代未聞の結末を迎えた。
あまりにも唐突かつ投げやりに見える展開だが、木多自身の説明によれば、前述の長編の途中で終了が決まったことを受け、開き直った結果だという。

木多はその次のマガジンでの連載作『平成義民伝説 代表人』でも『うぐいす』の打ち切りを自らネタにしたことに始まり、当時基準でもヤバかったネタを取り扱って、半分漫画界から抹殺されたような状態に。
その後、『喧嘩商売』では『うぐいす』でも垣間見えていたシリアスな描写の力量を前面に押し出し、作家として別の評価を獲得することになったが、現在は自分が今まで散々ネタにしていた「冨樫病」を発症してしまった。

作者は福本伸行。『週刊少年マガジン』で連載。
福本作品特有の心理描写や思考戦が読者に受けず、展開の遅さも重なり、連載は1年足らずで終了した。
福本自身も後年、本作を失敗作として振り返っており、のちに『賭博覇王伝 零』を連載した際には本作で得た経験が意識されたという。

連載期間こそ短かったものの、起承転結そのものは比較的まとまっており、近年の福本作品のgdgdぶり物語の肥大化を踏まえて「短く終わったからこそ余計な引き延ばしが発生せず、まとまった作品になった」と評価されることも多い。

作者は横内なおき。『サイボーグクロちゃん』完結後に『コミックボンボン』で連載された。
『クロちゃん』以上に毒の強い作風だったが、本筋に決着がつく前に運動会のエピソードをやって連載終了。
当時のボンボンでは以前よりも高年齢層を意識した作品が減少しており、横内自身も「打ち切りを意識しながら連載していたら実際に終了が決まった」という趣旨の発言をしている。

物語そのものは単行本で補完され、ノーギャラで描き下ろされたエピソードによって正式な完結が描かれた。
ただし、横内は雑誌掲載時の運動会エンドについて「俺たちの戦いはこれからだ!とは違った味があってこれはこれで気に入っている」とも述べている。

  • 女王騎士物語(2003~2007)
作者は下村トモヒロ。『月刊少年ガンガン』で連載。

本作をこの型の代表例として挙げるなら、むしろ「なんとか終わらせた」というより、「なんとか終わらせようとした結果、ソードマスターヤマトになってしまった」と考えた方がわかりやすい。

物語終盤、これまで暗躍していた黒幕と思われる存在や組織がついに登場し、いよいよ最終決戦へ突入する……と思ったところで、その翌月号が最終回。
そのため最終回では、残された敵が次々と倒され、伏線もまとめて処理され、それまで構想されていた展開が猛烈な速度で消化されることになった。

そして最後には「エルトの愛がアルマを救うと信じて…!」という、まさに『ソードマスターヤマト』まんまの煽り文で物語が終了。
さらに最終巻では、描き切れなかった最終決戦の展開や結末が文章によって補足されるという異例の処理まで行われた。

普通なら短期連載作品で起こりそうな「時間がないので全部終わらせる」が、4年間連載した作品で起こってしまったのが本作の最大の特徴である。
そのため、単なる打ち切り漫画というより、「長期連載漫画に与えられるはずの最終章を、一気に圧縮すると何が起こるのか?」を特に極端な形で見せた例がこれと言える。

なお、その後も下村はガンガン系列で活動を続けているため、少なくとも本作の終了だけをもって作者と編集部の関係悪化があったと断定することはできない。
むしろ作品の人気や雑誌側の事情など複数の要素が絡んだ結果、作者に十分な最終章を描く時間が与えられなかったと考える方が自然だろう。

作者は中山敦支。『週刊少年サンデー』で連載。
「トラウマを武器にする」という独特の発想を持った作品だったが、連載は長続きせず、打ち切りが決定。
しかし、終了が決まってからの展開が強烈だった。

終盤の36話でそれまでの展開を大きくひっくり返す衝撃的な内容が描かれ、その後も最終回まで怒涛の展開が続く。
尺の都合から主人公・ヒロイン・主要な敵役など一部のキャラクターへ焦点が集中し、それ以外の登場人物の出番は大幅に減少したものの、限られた話数で物語を最後まで走り切り、単純な「俺たちの戦いはこれからだ!」ではない余韻を残した結末を迎えたことで、「打ち切りが決まった後の畳み方そのものが作品の評価を押し上げた漫画」としてカルト的な人気を獲得することになった。

中山はその後、集英社へ移籍し、『ねじまきカギュー』『うらたろう』『スーサイドガール』などを発表。掲載誌を変えながら独自の作風を展開している。

作画は高山瑞穂、原案は矢立肇・富野由悠季、シナリオは皆川ゆか。『コミックボンボン』で連載……されていたのだが、本作の場合、掲載誌そのものが休刊したことによって連載継続が困難になった。
いったん『コミックボンボン』での連載が終了した後、『テレまんがヒーローズ』で完結編が描かれた……のだが、それでも終わらず、さらに別の形で完結編が描かれた。
結局「主人公と(ネタバレ)が世界を救うと信じて…!」であることに変わりはないのだが、珍しい事例ではある。

  • 放課後ウィザード倶楽部(2016~2017)
作画は渡辺義彦、原作は架神恭介。『週刊少年チャンピオン』で連載。
夢世界「バベル」を舞台に、3人の少年たちが冒険する物語だった。

最終回は、打ち切り漫画でしばしば見られる「残された時間で物語を一気にまとめる」タイプの展開となっている。
特に主人公たちが最後に放つ技が「最終波」、最後のページの煽り文が「輝け!! 少年たちよ!!!」というもので、最終回そのものが「これで終わりです」というメタ的な趣を強く帯びていた。
物語としての決着をつけようとする意思と、連載終了を前提とした演出が同居した例である。

  • スパイダーマン/偽りの赤(2019~2020)
作者は大沢祐輔。『マガジンポケット』で連載。
連載開始の少し前に映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が公開されていたこともあり、スパイダーマン/マーベルファンからも注目された。

しかし、第1部完という形で区切りを付けた後、それっきり音沙汰なし。
背景には単行本の販売状況など複数の事情があったとされ、さらに刊行時期が新型コロナウイルス感染症の流行期と重なったことも、販売環境に影響したと考えられる。

第1部の範囲だけを見ると物語は比較的まとまっていたため、続編の構想が消滅した後も作品そのものを惜しむ声は根強く、大沢本人も機会があれば続編を描きたいという趣旨の発言をしている。

  • シキュウジ -高校球児に明日はない-(2023)
作画はツルシマ、原作は大沼隆揮。『週刊ヤングマガジン』で連載された野球漫画。
……とはいうものの、一般的な「高校球児の青春」を期待すると、かなり面食らう作品である。

物語は、主人公である「神童」とライバルである「怪物」の死闘から始まり、そこから過去の小学生時代へ遡る構成。
ところが中学時代へ進むにつれて、登場人物たちの思想や行動が次第にエスカレートしていく。
ほぼ全員性格か思想に難ありむしろ大半は両方で、監督まで暴行・ラフプレー上等、傷害・殺人を犯した暴徒をスカウトするわ*1、弱者に人権は無いと言わんばかりにプロ野球・高校野球・スポーツマン精神全てに中指立てる思想を仄めかすわ、挙句の果てに当時の高校野球界や実在する企業の問題・不祥事を連想させるネタなども盛り込まれ、「これ本当に野球漫画なのか?」というところまで突き抜けていく。
しかも試合中に選手が行方不明になる。アストロ球団かよ。

そして、一通りキャラクターや中学時代の状況が描かれ、「いよいよ中学野球全国大会か」と思わせたところで、物語は突然甲子園編へ戻る。
そこではライバルの暴挙や各キャラの戦い、さらには死に様までダイジェスト的に処理され、その後WEB連載へ移行。
当初編集部から太鼓判を推されたらしく特集まで盛り込まれたが、甲子園を古代の決闘にしたようなあまりに人を選ぶ内容と不謹慎ネタを盛り込みすぎたのが敗因となったか、アンケートや第1巻の売り上げが振るわず「続きはWEBで!→数話で打ち切り」のコンボで終了した。
「ヤンマガはバイオレンス上等だから」「現実の野球選手が漫画すら超えた進化を見せているから」という判断があったのかもしれないが、だとしてもやりすぎと言わざるを得ないだろう。
一応主人公の挫折と復帰(全部ライバルキャラが原因)、そして決着など主要の場面は一通り描いて終わらせている。

◆伏線?なにそれおいしいの?型

もうどうしようもない場合、こうなる。
世界観はおろかテーマすらも投げ捨ててデウス・エクス・マキナが降臨する。

  • ジャングル少年ジャン(1995~1996)
作者は柴田亜美。『ファミ通』で連載。
番外編として描かれた作品に本編の連載枠を奪われるという、まさに「下剋上」と呼ぶほかない形で連載が終了してしまった。その作品こそが『ドキばぐ』である。
厳密には打ち切りというより長期休載のまま自然消滅した形に近いが、枠単位で見れば柴田作品の中でも最長の連載であり、奇妙な形で記録を残した。

単行本は、最終回(というか、最終掲載回)ですらないサブキャラメインの水着回で唐突に終わっている。

  • ゆび(2005~2006)
作画は近藤豪志、原作は柴田よしき、構成は吉村一八。『週刊少年チャンピオン』で連載。
柴田の同名小説を原作とするコミカライズ作品。もともとは全8話の短期集中連載として予定されていたが、誌面の都合で4話に短縮。
物語は本来の予定を消化することができないまま急激に畳まれ、最終的には登場人物が次々と死亡し、世界そのものが崩壊して終了という凄まじい最終回になった。

連載終了後には最終回についての謝罪文も掲載されたが、謝罪の対象となったのは唐突な終了ではなく、作中の表現が「社会的配慮を欠く」と批判されたことだった。
具体的には、指によってパイロットを殺害された航空機が東京都庁に激突する場面で、機体番号が日本航空123便墜落事故で実際に使用された機体と同じ「JA8119」になっていたことだと思われる。
作品そのものの展開といい、連載終了後の謝罪といい、何かと不運の重なった作品であった。

作画の近藤はその後、高橋葉介原作の『私は加護女(かごめ)』を連載。こちらは一定の評価を得たものの約1年で終了し、その後も短期集中連載などを手掛けたが、現在はCG制作会社に転職している。

  • VECTOR BALL(ベクターボール)(2016~2017)
作者は雷句誠。『週刊少年マガジン』で連載。
特殊な才能を持った高校生たちが、異世界の若いモンスターたちとともに侵略者から世界を守るという作品だったが、最終回で読者を完全に置き去りにする展開を迎える。

簡単に説明すると、
「ブス三大闘神」と称される、カップ麺を頭に乗せた和田アキ子・田村亮子・吉田沙保里似のアメリカ人女性3人組が出てきて、そいつらがカニのような敵をボコボコにし、その敵を主人公が食って「カニ味だ!」と言って終了
何が凄いかというと、直前まで積み上げていた物語の伏線を回収していないどころか、物語そのものを〆るための最低限の処理すらほとんど行われていないこと。
「ブス三大闘神」だの「カニ味」だの、未読の人間からすれば意味不明な単語が並ぶが気にしてはいけない。こうした突拍子もないギャグ自体は雷句の漫画ではよくあることである

さらにその号の雷句の巻末コメントが
「大変申し訳ありません。『VECTOR BALL』はこれで終わりとなります。読んでくれた方ありがとうございました」
という、あまりにも淡々としたものだった。
この終了告知も相まって、ネット上では「打ち切りが決まったショックで作者がヤケになり、意味不明な展開を連発したのではないか」といった推測まで飛び交った(実際、この項目でもこうした誤解をそのまま反映した情報が長期間掲載されていた時期がある)。

「ガッシュの時みたいに雷句と編集部との間に何らかの確執があり、その腹いせとして物語を投げたのではないか」という説も一部で語られていたが、のちに雷句自身がブログで経緯を説明しており、それによれば、原因は「自身の力不足」だった。
アンケート結果がかなり悪かったため担当からテコ入れ案を提示されたものの、その案は王道的な展開である一方、雷句にとって受け入れられない内容だったという。
そのため、その案に沿って続きを描くことがどうしてもできず、自ら連載終了を申し入れたというのが実際の経緯。
これらの事情については単行本最終巻のあとがきにも書かれており(最終回の内容は一切変更されていない)、最終的に雷句が読者に向かって土下座して終わった。

現在、雷句は『金色のガッシュ!!2』を個人出版という形で展開中。続編ものとしては良質な内容で高い評価を得ている。

  • 月曜日のライバル -メガヒットマンガ激闘記-(2018)
作者はいとうみきお。『このマンガがすごい!WEB』で連載。

いとうは『ノルマンディーひみつ倶楽部』で知られ、和月伸宏のチーフアシスタントも務めた漫画家である。
いわゆる実録ものとして、和月をはじめ、武井宏之、しんがぎんなどのいわゆる「和月組」*2や尾田栄一郎*3など、いとうが同時代に関わった漫画家や当時の漫画業界について、自身の経験をもとに描く……と紹介されていた。

ところが、第1話が公開されると「冒頭から作者のアバターが3ページにわたって本作はフィクションであると強調*4」「主人公(≒いとう自身)が過剰に持ち上げられ、その根拠もスカスカな漫画論・根性論」といった点から、読者の強い反発を受けた。
当初は閲覧数も多く、公式側も積極的に宣伝していたため、5話までを収録した単行本も発売されたが、その後は人気が急落。
単行本の売上も300部未満だったとされ、最終的には10話で「第1部完」となった。
単行本2巻は発売されず、電子書籍化もされず、その後、公開範囲まで縮小されたため、現在では第6話以降を読む手段がない。

また、すでに故人であるしんがぎんの扱いについても、他の漫画家には敬称を付けている一方で「某しんがぎん」と呼び捨てにしたこと、しんがぎんをモデルとしたキャラクターを「漫画について何も知らない素人」のように扱ったこと*5、遺族に許可を取った後に原稿の内容を変更した*6ことなどが問題視された。
こうした制作方針については、いとうのファンだった担当編集者が「好きにやらせてあげてほしい」と上司に掛け合った結果、かなり自由な制作環境が与えられたという噂がある。その結果生まれたのが「いとうみきおにしか描けない漫画」ではあっても、その意味が必ずしも褒め言葉にならない作品だったというのは皮肉にもならないだろう。

本作以降、いとうは新作を発表しておらず、SNSの更新も停止しているため、現在の活動状況についてはほぼ不明である。

  • 餓獣(2019~2021)
作者は小池ノクト。『コミックDAYS』で連載。
東京都の地下鉄を舞台に、突如として現れた巨大な熊のような怪物「餓獣」に襲われる人々を描く。

餓獣は機械と融合したような異形の存在で、人為的に生み出された存在であることを思わせる描写もあったのだが、誰が、何の目的で、どのようにして餓獣を生み出したのかについては、最後までほとんど説明されないまま終了してしまった。
途中で意味ありげに登場した、餓獣の世話をしていたと思われる女性も、実質的に1話程度しか登場しなかったため、かえって謎を増やす結果になった。
さらに物語後半では、餓獣との戦いだけでなく、暴徒化した人間同士の争い、餓獣を守ろうとして他人を弓矢で殺害するヒロインなど、複数の要素が一気に入り乱れる。
最終的には、単独行動をしていた動画配信者と、主人公が身を犠牲にして送り出した男子児童を除き、主要人物がほぼ全滅。
そして最後は、トラックに乗せられた餓獣がどこかへ運ばれていく場面で終了する。

つまり、「餓獣とは一体何だったのか」という最大の謎について、ほとんど答えを出さないまま、別の場所でも餓獣が製造され続ける可能性だけを示して終わったのである。

ちなみに本作は2025年5月20日に『シリアルキラーランド』第7巻が発売されるまで、小池の作品として最長連載作品かつ最多巻数作品だった。

  • 絶望集落(2020~2021)
作画は白山一也、原作は蔵石ユウ。『マガジンポケット』で連載。
出会えば襲われ、食われ、場合によってはその両方をされるという、凶悪な猿のようなモンスターが出現した集落を舞台とする。
ベビーカーに乗った赤ん坊まで襲われるなど、序盤からかなり過激な描写が目立つ作品だった。

ところが、読者が期待していた「モンスターとの死闘」よりも、ショッピングモールを舞台にした人間同士の争いに多くのページが割かれるようになり、当初のモンスターパニックとしての方向性が次第に薄れていった。
そして物語は、十分な説明もないまま終了。最終回では、物語の発端となったモンスターに襲われた主人公の姉が妊娠していたことが判明するところで幕を閉じる。

「ここから何か始まるのでは?」という場面で終わってしまったため、読者にとっては非常に消化不良の強い最終回となった。

蔵石ユウはその後も『食糧人類Re:』などの作品を精力的に発表している。
一方、白山一也については、その特徴的な絵柄や妙に濃密なチンピラ描写などから、「別名義で某なろう小説のコミカライズに関わっているのではないか」という噂も存在する。

  • リモデリング:R(2022~2023)
作画は平岡滉司、原作は大野将麿。『ウルトラジャンプ』で連載。
もともとは大野将麿による『となりのヤングジャンプ』連載のWeb漫画として発表され、単行本も4巻まで刊行されていたが、一時休載し、約半年後に本作がスタート。
基本的なページ構成や台詞回しなどは旧作をほぼ踏襲し、作画だけを新たに描き直してリメイクするという珍しい形式が採られた。

ところが、原作の半分程度まで話が進んだところで突然連載終了。大野将麿本人や編集部から詳しい説明はなく、平岡滉司がSNS上で「作者の都合によって終了した」という趣旨を伝えるにとどまった。
原作ファンからすると、「リメイク版が原作に追いつけば、そのまま続きを描いてくれるのではないか」という期待を持ちやすい形式だっただけに、途中で終了したことで梯子を外された形になった。

そもそも、原作の特徴的な絵柄を大きく変えてまでリメイク版を連載した理由についても、明確な説明はされていない。
そのため、「なぜリメイクしたのか」「なぜ途中で終わったのか」という二重の疑問を残した作品となってしまった。

  • 人間消失(2022~2023)
作者は江戸川エドガワ。『マガジンポケット』で連載。
新型コロナウイルスが社会を大きく揺るがしていた時期に掲載された作品で、特に親しい関係でもない男女4人の高校生が、突然人類が消失した世界で生き延びることを目指す。

「人類がなぜ消えたのか」という大きな謎を中心に展開する作品だったが、物語は十分な説明をしないまま終盤へ。
希望を失った男子2人が精神的に追い詰められた末に死亡し、最終的には主人公とヒロインだけが残される。

前作『寄生列島』では、未知の寄生虫に対してスーパースプレッダーを特定し、ワクチンを完成させるという、物語として明確な解決へ向かっていたのだが、それに対して本作では「なぜ人類が消えたのか」という作品の根幹にある謎がほぼ未解決のまま残された。

最終回は、主人公が耕した畑から芽が出ることで「まだ希望は残っている」と示唆するところで終了。そのため「大量発生したネズミは何だったのか」「結局、コロナは何だったのか」「まだ話が続くと思っていた」など、読者から困惑の声が上がることになった。
希望を残す終わり方そのものが悪いわけではないが、本作の場合は希望以前に解決すべき謎が大量に残っていたため、「余韻のある最終回」よりも「途中で切れた最終回」という印象が強くなってしまった。

  • スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ(2022~2024)
作者は永椎晃平。『週刊ヤングマガジン』→『ヤンマガWeb』で連載。
主人公・千嵐まひなが、怪異退治を専門とするパートナー・間九部薫とともに、大学に巣食うさまざまな怪異と対峙していく。

物語の大きな鍵として、間九部の恩師「二村重範」の存在が設定されていたのだが、二村は回想で触れられることが中心で、本編での登場機会は非常に少なく、基本的には「大学生の日常に潜む怪異を退治する」という一話完結型のエピソードが中心となっていた。

ところが、物語終盤の文化祭編の最後になって二村が突然登場。
しかも、彼が本心から語っているのか、それとも何者かに操られているのかも判然としないまま、千嵐に失意の視線を向けて姿を消す。

そして、そのまま文化祭編が終了。二村は以後登場せず、単話を1本挟んで、打ち切り漫画ではおなじみの「それから数年後」へ突入する。
最後は社会人となった千嵐が大学で学び直す中、間九部と再会して終了。長期間にわたって意味深に存在していた謎をほとんど処理せず、さらに千嵐の友人について提示されていた「怪異によって作られた存在なのではないか」という疑問も、ほぼ触れられずに終わった。
第43話では、死亡した学生と同じ人数の人間がどこからともなく補充され、その人物たちが過去に死亡した存在であることが示されていたため、なおさら未回収の要素が目立つ。

結果として「大学を舞台にした怪異退治漫画」として始まった作品が、物語の核心に触れそうになったところで急に時間を飛ばし、核心部分をほぼ未処理のまま終えるという、かなり極端な形になった。

なお、文化祭編に登場した謎のサンドウィッチマンについては……本当に何だったんだ?

  • 煤まみれの騎士(2023)
作画はcomori、原作は美浜ヨシヒコ、キャラクター原案はfame。『ComicWalker』で連載。
「加護」を持たない者が差別される世界を舞台に、過酷な境遇の中でもがき続ける主人公を描いた同名ダークファンタジー小説のコミカライズ。
過酷な世界の中でも決して諦めない主人公の姿が評価された一方、漫画版は単行本1巻分の内容で終了。しかも、その内容は主人公が追放されるところまでだった。
つまり、読者からすると、「ここから主人公の逆襲が始まるのでは?」と思ったところで終了してしまったのである。

主人公の不遇時代が非常に長いことについては、原作を忠実に再現した結果でもあるため、単純に漫画版だけの問題とは言い切れない。
また、comoriの作画についても賛否があり、それらが人気に影響した可能性を指摘する声もある。
しかし、それ以上に問題視されたのが、コミカライズをわずか1巻で終了させるという出版社側の判断だった。

幸い原作小説はその後も刊行が続いており、2025年時点で既刊7巻。
漫画版だけを見ると悲惨な打ち切りだが、原作そのものがそこで終わったわけではないのは幸いだろう。

  • 論破王 異世界勇者とチート無双(2023)
作画は神門佑哉、テキスト・原案は秋月月日、構成・演出はMARVERICKe。一二三書房のWebコミックレーベル『コミックポルカ』で連載。
一見すると「小説家になろう」系の異世界ものに見えるが、小説を漫画化した作品ではなく、オリジナル作品である。
現実世界でディベート王者だった主人公が異世界へ渡り、格上の人間たちを「論破」していくという内容……なのだが、人気が振るわず、1年足らずで連載終了。単行本も全1巻となった。

作画担当の神門については、主に女性向け作品を手掛けてきた漫画家であり、ファンタジー作品への慣れという点から擁護できる部分もある。
一方で、読者から特に問題視されたのはシナリオ面だった。

例えば第1話では、地球で行われたディベート大会において、主人公の討論相手が「自分の主張に根拠となるソースがない」と指摘されて言葉に詰まる。
また、戦闘していたはずなのに突然会議が始まったり、「救世主(メシア)」として異世界に来た主人公がなぜか田舎で飯屋(メシヤ)を始めたりと、展開そのものがギャグとしか思えない方向へ進んでいく。
「原作」ならまだしも、「テキスト・原案」という独特の表記になっている理由も含め、読者には疑問の多い作品だった。

掲載サイトやニコニコ静画ではコメント欄が荒れ、最終的にはコメントが削除される事態にまで発展。
結果として、いわゆる「なろう系」を批判する際に引き合いに出される作品として、悪い意味で知られることになった。

  • ごめんねオカルト遊ばせて?(2024)
作者は朔本美津妃。『WEBコミックぜにょん』で連載。
特殊能力を持つ5人の女子大学生が、都市伝説を「検証」という名目で弄り倒すという作品。
「百物語が100話で終わった直後、101話目を始めれば霊は出現するタイミングを失うのではないか」「人面犬は人間の女性とメスの犬のどちらに惹かれるのか」など、都市伝説の「怖さ」を真正面から描くのではなく、屁理屈と検証によって解体していくタイプのコメディだったが、わずか9話で終わった。

そもそも基本的に1話完結型であり、主要キャラも「犬神憑き」「魔女の末裔」「幸運体質」「霊能力者」「霊媒体質」といった、どう考えても普通の怪異に簡単にやられそうにない連中揃い。
そのため「都市伝説に巻き込まれて絶体絶命」という方向へ進みにくい構造になっていた点は否定のしようがないだろう。

さらに、それぞれの能力がどのようにして身についたのかについても、ほとんど説明されないまま終了。
第3話で語られた犬神の作り方もあくまで一例であり、主人公に憑いている犬神が誰によって、何の目的で作られたのかは不明。
他のキャラクターについても、霊能力者の能力の由来は第8話、霊媒体質については第2話でわずかに触れられる程度だった。
そのため、「設定を広げる前に作品そのものが終わってしまった」タイプの短命作と言える。

  • 甲化人間(2024~2025)
作者はハヤシロウ。『ヤンマガWeb』で連載。
人間の脳を機械へ移す「甲化」と呼ばれる技術が発達した日本を舞台に、唯一「甲化」を拒み続ける人間・マコトが、自分と瓜二つの甲化人間・シンと出会ったことで陰謀に巻き込まれていく。設定だけを見ると、SFサスペンスとしてかなり大きな展開を期待させる作品だった。

終盤では、「ノーマン」と呼ばれる存在が登場する。
ノーマンは複数の脳をストックすることで、常に100%の能力を発揮できるという強敵。
シンが立ち向かうものの、ノーマンから薬剤を投与されて死亡、そこでマコトは自らの脳をシンの肉体へ移植することで生き延びるも人類は滅び、文明も消滅。
そして物語の最後、海岸にいる蟹の群れを見つけたマコトが「蟹だ」と呟いて終了。

……以上である。

「人間の脳を機械に移す技術」「自分と瓜二つの甲化人間」「ノーマン」「人類滅亡」といった大きな設定を積み上げておきながら、最後は蟹を見て終わる。
あまりにも急激なスケールダウンであり、読者からも「投げるにも程がある」「どう話を繋げればいいのか思いつかなかったのではないか」といった困惑の声が上がった。

もちろん、「蟹」というモチーフ自体に何らかの意味を込めた可能性を完全に否定することはできない。
しかし、作中で十分な説明がない以上、読者からすれば「壮大なSFサスペンスの結末が、蟹を見つけて一言って」という印象になってしまう。

全19話という短さもあり、本作もまた、設定や謎を広げる速度に対して、物語を回収する時間が与えられなかった作品の一つと言える。

◆まさかの延命決定型

一旦は連載終了・打ち切りとなったものの、何らかの事情で復活し、最終的には作品として一定の区切りまで到達したケース。
「人気が出て打ち切りを撤回された」という単純なものばかりではなく、読者からの要望、作者側の事情、掲載誌の事情、出版社の都合、別媒体への移籍など、復活に至る経緯は作品によって大きく異なる。
また、必ずしも元の掲載誌に戻れるとは限らず、別雑誌での続編、リメイク、タイトル変更、Web連載への移行など、様々な形で「蘇生」する例がある。

なお、「一度打ち切られた作品が復活した」という括りでも、元作品そのものが再開されたケースと、設定・キャラクターを引き継いだ続編やリメイクとして再出発したケースは区別した方がよい。

  • オバケのQ太郎(1964~1966、他誌を含めると1967年頃まで)
作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄&藤子不二雄Ⓐ)。
頭に3本の毛を持つオバケ・Q太郎を主人公としたギャグ漫画で、藤子漫画の代表作の一つ。

『週刊少年サンデー』で連載を開始したものの、当初は短期連載として企画され、全9話でいったん終了した。
ところが連載終了後、編集部に連載継続を求める読者からの嘆願書が多数寄せられ、ほどなくして復活した。

ここで面白いのは、「連載中は人気がないように見えた作品が、終わった途端に読者の需要を可視化した」という点である。
しかも復活後の『オバQ』は、1965年からテレビアニメ化され、その後「オバQブーム」と呼ばれるほどの大ヒット作へ成長した。
つまり本作は、「人気作品が打ち切られた」というより、作者も編集部も作品の潜在需要を把握できないまま終了させたところ、終了という事実そのものが読者の需要を表面化させたという珍しい例である。

ただし、「最初から7回の予定だった」という説もあり、当初の予定回数と実際の連載との関係については資料によって語られ方に差があるため、「9回で打ち切られた」とだけ断定するよりも「短期連載として始まり、いったん終了した後に読者の声によって本格連載へ発展した」と捉える方が安全だろう。
いずれにせよ、「打ち切り→読者の嘆願→復活→社会現象級の大ヒット」という流れは“打ち切り復活”の趣旨を最も端的に示す事例であり、その古典的な成功例と言える。

  • ピグマリオ(1978~1990)
作者は和田慎二。『花とゆめ』で掲載。
少年主人公が剣を手に活躍する本格冒険ファンタジーという、少年漫画業界では珍しくない構図だが、1970年代末の少女漫画誌では必ずしも一般的な路線ではなかった。
一度連載が終了した後、1982年末頃に再開され、最終的には全27巻で大団円を迎える。

資料上の掲載期間そのものは1978年から1990年までとなっており、単純に「1978年から1983年まで」と「1983年以降」に分けるだけでは、作品全体の性格を捉えにくい。
この作品の重要なところは、「後に王道となるジャンルでも、それが掲載される時代・雑誌によっては必ずしも受け入れられるとは限らない」という点だろう。

昨今の少年向けファンタジーでは、「少年が剣を持って魔物や悪と戦う」という構図はごく普通のものである。
しかし『ピグマリオ』の時代には、それを少女漫画誌で長期連載させること自体が現在ほど自明ではなかった。
したがって本作は、単なる「打ち切りから復活した漫画」というより、時代との相性によって評価が変わるジャンル作品の先駆例として見ると興味深い。

作者はみなもと太郎。日本史を題材にしたギャグ漫画で、当初は潮出版社の『月刊少年ワールド』『コミックトム』などで連載されていた。
幕末の偉人たちの活躍を描く漫画として始まったものの、作者の歴史好きとギャグ漫画家としての性格が完全に噛み合った結果、幕末へ到達するまでの前史が恐ろしく長くなってしまい、本題に入るまでの前フリに実世界で20年・作品内で約250年かかる事態に陥る。

そして1998年、『コミックトム』のリニューアルに伴い『風雲児たち』は終了。代わって坂本龍馬を主人公とする『雲竜奔馬』が開始されたが、こちらも編集部との関係などから長続きせず、全5巻で終了。さらに『コミックトムプラス』自体も後に休刊した。

ところが2001年、リイド社の『コミック乱』で、今度は正式な続編として『風雲児たち 幕末編』がスタート。
つまり本作は、
『風雲児たち』終了→『雲竜奔馬』開始→『雲竜奔馬』終了→掲載誌そのものが消滅→別出版社移籍で復活
という、普通なら完全に死んでいてもおかしくない経歴を辿っていることになる。

最終的には作者のみなもと太郎が2021年に逝去したため絶筆となった。
したがってこれは「一度打ち切られた作品が復活した」というより、作者・作品・掲載誌の三者が何度も入れ替わりながら、最終的に元の作品へ帰還した例と見るべきだろう。
連載復活の「復活」という言葉の意味が漫画史の中でも広い作品である。

作者はMoo.念平。『月刊コロコロコミック』で連載。
当初は小学校卒業までで終了する予定だったが、最終回として描かれたバトル要素を含む前後編が予想外の反響を呼び、3か月後に連載再開。
その後は中学生編、高校生編へと発展し、結果的に約6年間にわたるロングランとなった。

この作品の面白さは、終わらせるために盛り上げた最終回が、逆に作品を延命させてしまったという点にある。
普通なら最終回の盛り上がりは作品の寿命を締めくくるためのものだが、本作ではそれが「まだこのキャラクターを見たい」という需要を生み、終了が再出発のきっかけになった。
「打ち切り撤回」というより、最終回で爆発した人気が続編を呼んだタイプの延命である。

作者はじゅきあきら・T・。『コミックボンボン』で連載。
「作者の目の病気により一時休載、その後も連載頻度が減る」という告知がなされ、一度連載が終了した後、長い空白期間を経て2006年に『海の大陸NOA+』として復活。再びボンボンで連載された。
さらにその後、ボンボンの休刊に伴って『海の大陸NOA×』としてWebへ移籍するなど、紙雑誌の終了に作品そのものが巻き込まれながらも、媒体を変えて生き延びた。

この作品は「打ち切りからの復活」というより、
休載・終了→長期ブランク→続編として復活→掲載誌休刊→Web移籍→完結
という、漫画作品の生命力そのものを示す好例だろう。

  • 里見☆八犬伝(1997~2002、2015~2023)
作者はよしむらなつき。『月刊少年ガンガン』で連載。
滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』をコメディタッチにアレンジしたバトル漫画。
いわゆる「ガンガンお家騒動」の影響もあり、単行本6巻で「第1部完」という形になった。

その後、マックガーデンの『コミックブレイドMASAMUNE』で『新装 里見☆八犬伝』として再出発するも、こちらも長続きせず中断。
それでも作品は完全には消滅せず、2015年からWeb媒体で『里見☆八犬伝REBOOT』として再始動。今度は単なる続きではなく、リブート作品として作品そのものを再構築する方向へ進み、2023年に完結した。

この作品は、本項における「復活」の中でもかなり特殊である。一度の復活ではなく、
旧作終了→別出版社で再開→再び終了→十年以上経過→リブート→完結
という三段階の延命を経験しているからである。
「作品が生き残った」というより「作品そのものが何度も別の形に生まれ変わった」ケースと言える。

  • テコンダー朴(2007~)
原作は白正男(ベック・ジョンナム)、作画は山戸大輔。
テコンドーを題材とした格闘漫画という体裁を取りつつ、日韓関係、ナショナリズム、人権問題などを過激なブラックユーモアとして扱う人権派格闘漫画。

2007年、『マンガ 嫌韓流』の成功の勢いで晋遊舎が出したオピニオン誌『スレッド』で連載開始するも、同誌が創刊から3号で休刊したため、わずか3話で中断。
ところが約8年後の2015年、描き下ろしの7話分を追加した上で青林堂から単行本が刊行され、さらに同社の『ジャパニズム』で連載が再開した。
その後、2018年末に「今までは一部伏字にして処理していた差別的な言葉を、こちらに無許可で全部伏字にされた」という理由で、作者側が『ジャパニズム』での連載打ち切りを表明。
……が、そのわずか数週間後にはコアマガジンの「金払って読むなんJ」こと『実話BUNKAタブー』への移籍が発表され、2019年から連載が継続された。

つまり本作の場合、
雑誌休刊による打ち切り→約8年の空白→単行本化・連載再開→出版社と決別・連載終了→別出版社で再開
という二段階の復活を経験している。
特に興味深いのは、「ネット上で知られるようになった作品が、後から紙媒体で再評価される」という現象である。
2008年にニコニコ動画に違法アップロードされたりしてじわじわと知名度を上げたりしていたので、ネットの力が現実に影響を及ぼした(のか?)一例とも言えよう。

なお、本作は現在も連載作品として扱われているため、「復活して完結に漕ぎつけた」という本項の冒頭定義には完全には合致しない。
したがって厳密には、「延命決定型」の派生例として置く方が適切である。

  • ドラゴンクエスト エデンの戦士たち(2001~2005、2026~)
作者は藤原カムイ。『月刊少年ガンガン』で連載。
『ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち』のコミカライズ。前半はゲーム版に比較的忠実だったが、後半になるにつれて漫画独自の展開が増え、同作者の『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』とも関連する独自色の強い作品となった。
一方、原作ゲームそのものが非常に長大だったこともあり、漫画版ではストーリーの圧縮なども行われ、2005年に物語途中で「第1部完」として連載終了。

ロト紋の続編『紋章を継ぐ者達へ』が始まったこともあり、そのまま歴史の闇に消えるのかと思われていたが、2026年、『DRAGON QUEST EDEN』に改題して『ヤングガンガン』で連載再開。約20年ぶりの復活となった。

本作の異例さは何と言っても「空白期間の長さ」である。
数年程度の休載を経て復活する例は、漫画業界ではさほど珍しくない。しかし約20年となると、作者も読者も作品を取り巻く市場も世代交代している。
それでも「前作の続き」を正式な続編として始められたという意味で、長期休眠作品の蘇生例としては非常に極端なケース。

  • 死神様に最期のお願いを(2009~2011、2019~2021)
作者は山口ミコト。『月刊ガンガンJOKER』で連載。
主に漫画原作者として活動する山口が作画も手掛けた珍しい作品で、一家殺害事件の真相を軸とする物語だったが、事件の核心が明かされないまま連載終了。
しかしその約10年後、同じ『ガンガンJOKER』で『死神様に最期のお願いをRE』としてリメイクされた(作画は古代甲が担当)。

本作は、
打ち切り→約10年の空白→同じ雑誌でリメイク→事件の真相を描いて完結
というケース。特に重要なのは、「続きを描く」のではなく「最初から描き直す」ことで、旧作の未完という問題を解決した点である。
その意味では「復活」というより「作品の再起動(リブート)による回収」と表現した方が適切だろう。

  • ボーイ♂スカート(2014~2015、2015~2016)
作者は篠原知宏。月刊誌『ミラクルジャンプ』で連載。

本作が珍しいのは、連続で二度打ち切りを経験していることである。
『ミラクルジャンプ』の2014年12月号から2015年5月号と半年分連載して打ち切られ、2015年11月号で再開し2016年5月号でまた打ち切り。
「明るい男の娘ヒロインとその妹の内気ボーイッシュ女子(男の人が苦手)、それらに振り回される主人公の男子」という構成なのだが、話が一向に進む気配がなく、前半分は6話しかないのに尺稼ぎの「彼氏扱いされた主人公がヒロインに惚れた男子から一方的に決闘を申しこまれる」という話が2回あったり、後半分も「新キャラのお嬢様(♂)が前後編を使って出てくるが、次とその次が最終回の前後編で、新キャラは全く絡まない」というペースの悪さが目立った。

本作の場合、「打ち切りから奇跡の復活を遂げた作品」として扱うよりも、「一度終了した作品が再び連載されたものの、再び長期化できなかった例」とした方が実態に近い。
ついでに言うと、ニコニコ静画で展開された派生作品も長続きしなかったため、本項の中ではむしろ「復活しても延命が成功するとは限らない」ことを示す反例である。

◆後でなんとかする型

雑誌連載や最初の単行本では、打ち切りによって物語が未完のまま終わってしまうものの、その後の再録・再刊や別媒体での展開などを利用して、内容を修正したり、続きを描いたり、場合によっては改めて完結させたりするパターン。

基本的には、打ち切られた作品にその後の発表機会が与えられなければ成立しないため、誰にでもできる方法ではない。
特に紙の雑誌・単行本が主要な発表媒体だった時代には、過去作品が再録される機会そのものが限られていたため、よほどの実績を持つ作家や、一定以上の知名度・人気を持つ作品でなければ「後から手を入れる」ことは難しかった。

一方、現在では電子書籍、Webコミック、配信サイト、クラウドファンディング、同人誌など発表媒体そのものが増えており、商業連載が打ち切られた後に作者自身が別の場所で続きを発表することも以前より容易になっている。

ただし、商業作品の権利関係は作品ごと・契約ごとに異なるため、作者が独断で別媒体に掲載できるとは限らない。
出版社側に権利が残っている場合や、二次利用について契約上の制限がある場合もあるため、別媒体での再開・再録を行うには、元の出版社や関係者との交渉が必要になることも多い。

また、この類型には大きく分けて、
  • 再録時に加筆・修正して完結させる
  • 未完の状態を残し、後の機会で続きを描く
  • 別の出版社・媒体で連載を再開
  • 商業出版ではなく同人誌などで作者自身が続きを描く
といったパターンが存在する。
いずれにせよ、「打ち切られたから終わり」ではなく、何らかの形で作品を再び動かすことができた例である。

作者は藤子・F・不二雄。『週刊ぼくらマガジン』で連載。
連載終盤に「地球最後の日」という一応の区切りを迎えたものの、実際にはその直後に第2部に相当する展開へ移行したところで打ち切られるという、かなり中途半端な終わり方になっている。
このため、初期の単行本化では「地球最後の日」を実質的な最終回として扱い、その後に続く「不死身のダンボコ」は収録されなかった。

ところが後年、藤子不二雄ランド版の刊行に際して「不死身のダンボコ」も収録され、作品本来の連載順に近い形で読めるようになった。さらに愛蔵版では「地球最後の日」そのものにも手が加えられ、後に続くエピソードとの矛盾を抑えるよう再構成されている。

つまり本作の場合、「打ち切られた作品を後から続けた」というよりも、単行本化・再刊の機会を利用して、打ち切りによって生じた作品構成上の問題を後から修復した例といえる。
現在では『藤子・F・不二雄大全集』で連載版と単行本版を比較できるため、こうした改変の過程そのものを確認することもできる。

なお、本作は後にアニメ化されているが、アニメ版は原作の各エピソードをそのまま映像化したものではなく、オリジナル要素が非常に多い。
そのため、原作の打ち切りによって生じた構成上の問題は、アニメ版にはそのまま持ち込まれていない。

  • ダスト8(1972)
作者は手塚治虫。『週刊少年サンデー』で連載され、打ち切りによって未完となった『ダスト18』が原型となっている。
その後、『手塚治虫漫画全集』への収録に際して大幅な加筆・修正が行われ、タイトルも『ダスト8』へ変更。元の連載版とは異なる形で物語をまとめ直し、短いながらも一応の完結を見ることになった。

これは「打ち切られた作品を後年の単行本化で救済した」という典型的な例の一つ。
特に重要なのは、単なる未収録原稿の発掘で終わらせるのではなく、作者自身が過去の作品に手を入れ、別物に近いレベルにまで再構成しているという点である。
一口に「後でなんとかする」と言っても、当時の続きをそのまま描くだけでなく、作者自身の判断によっては作品そのものを作り直すこともできるというわけだ。
……だったら同様に未完となった他の作品についても、もう少しなんとかしてほしかったと思ってしまうところではあるが。神様のお考えは凡人にはわからんのですわ。

  • JINBA(ジンバ)(2017~2018)
作者は浦田カズヒロ。『週刊少年チャンピオン』で連載。
新人女性騎手と、ケンタウロスの少年競走馬・ジンバによる異色の競馬漫画で、短期集中連載を経て正式連載へ移行した。

しかし、短期集中連載の時点で作風については賛否が分かれており、下ネタやパロディ、独特のギャグセンスなどを前面に出した作風は、少なくとも万人向けとは言い難かった。正式連載になってからも方向性が大きく変わることはなく、最終的には打ち切られる。
さらに紙の単行本は刊行されず、電子版のみという形になった。

ここまでは、よくある「打ち切り漫画」の一例である。しかし『JINBA』の場合、その後が特殊だった。

浦田は作品を終わらせることを諦めず、他出版社との交渉を行い、リイド社のWebコミック配信サイト『リイドカフェ』でリバイバル連載を実現。さらに紙の単行本第1巻まで刊行されたのだ。
しかも、単にWebで再掲載されただけではない。第1巻の売れ行きが良ければ続刊や続きを描くという条件が提示され、発売時には広告展開も行われるなど、再起のための環境はかなり整えられた。

ところが、結果として第1巻の売上は振るわず、再び連載終了。当然、第2巻以降も刊行されなかった。

しかし浦田はなおも諦めず、後にコミティアへの参加をきっかけとして、商業出版だけに頼らず同人誌という形で続きを描くことを決意。
商業版で刊行されなかった分も含めて、物語を自力で先へ進めようとした。

だが、こちらも販売面では成功せず、複数巻を合わせて600部を制作したものの、十分な売上にはつながらず、大量の在庫と制作費による赤字を抱える結果となった。

「作品の続きを描く」という意味では何度も“なんとかした”が、「作品を商業的に成功させる」という意味では最後まで“なんともならなかった”という、極めて珍しい事例である。
この点は「作者の情熱」という美談だけで片付けるのも、「出版社が作品を理解しなかった」という話にしてしまうのも適切ではない。
作者が作品に強い思い入れを持ち、実際に別出版社との交渉まで行って再連載を実現させた行動力は確かに評価すべきだが、一方で、最初の連載時から作品そのものに商業的な問題があったことまで無視することはできない。

つまり『JINBA』が示しているのは「作者が作品を諦めなければ、作品を続ける道そのものは作れる。しかし、続けることと、読者に支持されることは全く別の問題である」という現実の厳しさだろう。

浦田はその後、『100日後に打ち切られる漫画家』など、短期打ち切りや漫画家生活そのものを題材にした作品も発表している。
これについては、自身の経験を題材にした自虐として受け取る読者がいる一方、打ち切りに至った作品側の問題まで「業界の闇」に還元しているように見えるとして、批判的に受け止める意見もある。

その一方、『走れ!ウンコオー』という競馬ならぬ競糞(けいうん)漫画を『うんこのドリル』シリーズで知られる文響社から刊行してもいて、こちらは純然たる子供向け漫画として現在も続刊が出続けている。

  • 羽人(2021~2022)
作者は宮尾行巳。『コミックDAYS』で連載。
単行本の売上などを理由として連載終了が決定したのだが、特徴的なのはその終わらせ方。

最終話掲載後、作者から読者に向けて「作者から読者の皆さまへ」という文章が発表され、全3巻で終了することが説明された。
その中で作者は「担当編集者との話し合いの結果、無理に物語をまとめて作品を『殺して』しまうよりも、あえて途中で区切り、将来的に機会や発表の場があれば続きを描ける余地を残すという判断をした」と説明している。
実際、最終話は物語そのものを完結させるものではなく、かなり途中で切ったような形になっている。

これは一般的な打ち切り漫画とは少し性質が違う。
普通ならば、残された話数で無理に伏線を回収し、主人公たちの物語に一区切りをつけるところを、あえてそれをしない。
つまり「今ここで無理に完結させるくらいなら、未完のまま作品を保存しておく」という選択である。

作者自身、本作への思い入れが強かったからこそ、この形を選択することで最後まで執筆する精神的な負担を抑えることができたという趣旨を説明している。
この判断については評価が分かれており、肯定的に見れば、Webコミックや電子書籍、配信サービスなど作品の発表媒体が増えた現在だからこそ可能になった、「将来の再開可能性を残す打ち切り」と見ることができる。
一方で、読者からすれば、連載を追い続けてきた末に物語をほとんど進展させないまま終了されることになるため、「打ち切りが決まったのであれば、残された話数で可能な限り物語をまとめるべきではないか」という批判が出るのも当然ではある。

ここで重要なのは、どちらが正しいかという単純な問題ではなく、作者にとっての「作品を守る意思」と、読者にとっての「作品を完結させてもらいたい意思」が一致しない場合があることである。
『羽人』は「後でなんとかする型」の中でも特に象徴的な例で、「現時点で続きを描けなくても、続きを描ける余地を残すことで作品を完全には閉じない」という発想に立ったのである。

◇人気低迷以外による打ち切り

漫画界全体を見渡すと、人気とは別の事情によって連載が終了するケースは割と頻繁に起こる。

漫画自体は好調であっても
  • メディアミックスやタイアップ先の事情
  • 掲載誌の休刊・廃刊や編集部の路線変更
  • 単行本の売上など、雑誌上の人気とは異なる商業的事情
  • 原作者・作画担当・編集部など関係者間の事情
  • 作者の体調不良・逝去
  • 原作・ゲーム・アニメなど、派生元となるコンテンツの終了
  • 制作会社や権利元など、漫画以外の関係先で発生した問題
など、その原因は多岐にわたる。

さらに、こうした事情によって十分な完結を迎えられなかった作品が、後に封印作品として扱われたり、別媒体・別出版社へ移ることで再出発したりすることもある。後者については移籍連載も参照。

人気低迷による打ち切りと異なり、一定の人気や評価を得ていた作品が突然終了すると、「なぜこの作品が終わるのか」という疑問が生じやすい。
そして、終了時期の前後に別の出来事が重なっていた場合、それらを因果関係のあるものとして解釈してしまうのは人間のサガである。
しかし、「○○という出来事があった」「その直後に××という漫画が終了した」という二つの事実が両方正しかったとしても、そこから直ちに「○○が原因で××が打ち切られた」とは言えないのだ。

公式発表や関係者の証言など、具体的な根拠が存在する場合はともかく、外部から確認できない事情についてはあくまで推測に留まる。特に、作者・編集者・出版社・権利者など特定の人物や企業に原因を求める場合、根拠のない憶測が事実として拡散されることで、当事者に余計な迷惑をかけかねない。

もちろん、「こういう事情があったのではないか」と予想すること自体は自由である。
しかし、推測と確認された事実は分けて考えるべきであり、「時期が近い」「状況が似ている」というだけで因果関係を断定しないことが重要である。

◆商業的事情・メディアミックスの都合による終了

人気低迷以外の理由による終了の中で比較的多いのが、メディアミックスやタイアップ先の事情によって漫画側の連載が終了するケース。
特に、アニメ・ゲーム・玩具・キャラクター商品などとのタイアップを前提として制作された漫画の場合、漫画そのものの人気とは別に、派生元となるコンテンツの展開に左右されることがある。

例えば「派生元の企画が終了した」「商品展開に区切りが付いた」「アニメの放送が終了した」「ゲームのサービスが終了した」あるいは「出版社・権利元の方針が変更された」などなど。

この場合、漫画の人気が一定以上あったとしても、連載を継続するための前提そのものが失われてしまうため、必ずしも「漫画が不人気だったから終わった」とは限らない。

特にホビー系の漫画では、派生元となる玩具やゲームの展開時期と漫画のストーリー進行を完全に一致させることが難しい。企画が予想以上に長期化することもあれば、逆に予定より早く終了することもある。
そのため、漫画側では長期的なストーリー展開を想定していたにもかかわらず、タイアップ先の事情によって途中で終了を余儀なくされることがある。

極端な場合には、漫画側で新展開を始めた直後にタイアップ先の展開終了が決定し、そのまま漫画も終了するというケースすらある。
このタイプは、特にコロコロやボンボンなど、玩具・ゲームとのタイアップを多数扱ってきた児童向け漫画誌で目立つ。

なお、タイアップ作品であっても、作品独自の人気や方向性が認められ、元となったコンテンツからある程度独立して連載を継続できる場合もある。『西遊記ヒーローGo! 空伝』のような例は、その意味でも珍しいケースと言える。

作者は江原伸。『小学二年生』で連載。
人気低迷により打ち切られた同名の特撮番組のコミカライズなのだが、その最終回として『小学二年生』1973年2月号に掲載された内容は、低学年向け学年誌という事情を考慮しても驚くほど短いものだった。
  • 1ページ目
    • 「兄のかたきっ」と、新ヒューマンはグランドキングフラッシャーにおそいかかった。そして、ついにたおした。
      「ぎゃあ」
  • 2ページ目
    • 「にいさん、かたきはとったよ。これで、にいさんがのぞんでいたへいわがやって来るよ」(おわり)
敵の親玉を倒して平和を取り戻すところまでを2ページで一気に片付ける、まさにリアルソードマスターヤマトである。
学年誌の漫画はもともと1作品あたりのページ数が少ないとはいえ、これほど急激に物語を畳むことになった事情を考えると、作者の苦労がうかがえる。

ちなみに当時の小学館の学年誌では、同じ作品を各学年向けに並行して漫画化することが珍しくなく、本作もその一つであった。
そのため、この「2ページ最終回」はあくまでも『小学二年生』版の結末であり、他学年向けのコミカライズでは異なる展開・結末が描かれているのでご注意。

作画は岡崎優、原作は矢立肇と富野由悠季。『冒険王』で連載。
本作は当初全12話の連載が予定されていたが、アニメ本編の放送期間が当初予定されていた1年間から10か月へ短縮されたこともあり、漫画版も全10話で終了することになった。その結果、後半の展開はかなり急ぎ足になっている。

序盤ではアニメ本編の第1クール相当の内容を4回ほどにまとめ、その後3回ほどをかけてランバ・ラルらとの戦いを描いたのち、オデッサなどのエピソードを大幅に省略。
第8話のベルファスト基地防衛戦(機械獣みたいな鳴き声を上げるゴッグが出てくる)、第9話のジャブロー防衛戦を経て、第10話でサイド3へ向かう展開となる。

そして最終回では、いよいよシャア・アズナブルとの戦闘が始まったところで終了。
まさに「これから本格的な戦いが始まる」というところで幕を閉じる、典型的な打ち切り型の最終回である。

それよりもガノタ的にツッコまれるのは登場するモビルスーツ。
ジャブロー戦ではシャアがアッガイに乗って登場する一方、ズゴックは「グフに続く最新量産モビルスーツ」、ゾックは「第8話で存在が語られていたモビルアーマーでジオン軍の最終兵器」という独自の扱いで、最終回のサイド3への道中に登場する。
このメンツを見る限り、岡崎の手元にはジャブローのくだりまでしか資料が来なかったことがよくわかろうというもの。

  • ファミコンランナー 高橋名人物語(1986~1988)
作者は河合一慶。『月刊コロコロコミック』で連載。
当時の超人気ゲーム名人・高橋名人こと高橋利幸を主人公とした漫画。実在の人物を題材にしながらも、本人さえ苦笑するほどの荒唐無稽な逸話や子供受けする冒険・バトル・えげつない下ネタをふんだんに盛り込み、絶大な人気を得たが、その高橋がPCエンジンの発売などを背景としてファミコン関連の活動から離れていったため、影響を受けて終了することになった。
漫画自体の人気だけを見て連載の存続を判断できる作品ではなかった、というタイプの事例である。

作者は石川賢。『月刊少年キャプテン』で連載。
当時、『月刊少年キャプテン』編集部では石川による新たな『ゲッターロボ』作品を企画していたものの、石川自身は当初その話にあまり乗り気ではなかった。そこで、「改めて今の石川が描くロボット漫画」として生まれたのが本作である。
敵との死闘の合間に描かれる、怪物のような外見をしていながら普段は番犬のように扱われる邪鬼王とその飼い主一家のほのぼのとした日常描写が特徴で、独特の魅力を持っていた。

しかし、連載中に『ゲッターロボ號』のアニメ企画が動き始める。
その際、発売予定のゲッターの玩具を見た石川が漫画化にも意欲を示したことから、そのまま『月刊少年キャプテン』で『ゲッターロボ號(漫画版)』を連載することとなり、その影響で本作は終了することになった。

もっとも、本作で扱われた「進化するロボット」という発想は『號』終盤にも引き継がれ、結果的に真ゲッターロボを生み出した。
マイナーではあるが、日本のロボット漫画/ロボットアニメの歴史を考える上で無視できない作品である。

作者は福本信行。『アクションピザッツ』で連載。
掲載誌そのものが青年向け漫画中心から成人向け漫画中心へと路線変更したことに加え、福本が『賭博黙示録カイジ』に注力することになったため、本作は休載という形で事実上終了した。
物語は銀二と森田が対決する展開を予感させながら、銀二が近い将来の敗北を予感しつつも最後まで戦い続けることを決意する場面で幕を閉じている。

福本氏は後年のインタビューなどで、機会があれば続きを描く意思を示しているが、現在まで本格的な再開には至っていない。カイジが完結する頃には一体どうなっているのだろうか

作者は岩本佳浩。『コミックボンボン』で連載。
子供向け漫画とは思えないほどの高い画力と、ゲーム版の設定を踏まえながら独自のドラマを構築するストーリー重視の作風、そして独特の台詞回しで知られ、ボンボン読者のみならず原作ゲームを制作したカプコン側からも評価されていた。
「メぇぇぇ〜〜リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!」の元ネタとして知られているのも本作である。

しかしボンボンの誌面方針が変化した影響を受け、『ロックマンX4』編の途中で連載終了。
作品自体の評価とは別の理由で物語を途中で終えることになったため、岩本も後年、自身のホームページで当時の終了について悔しさを語っている。

現在は復刊ドットコムから、加筆修正および新規描き下ろしを加えた復刻版コミックス全5巻が刊行されている。

作画は氷樹一世。原作はフロム・ソフトウェアと後藤広幸。『月刊ドラゴンエイジ』で連載。
フロムを代表するメカアクションゲーム『ARMORED COREシリーズ』初の漫画化作品で、同時期に展開予定だったOVA『ARMORED CORE FORT TOWER SONG(FTS)』と世界観を共有しており、漫画とOVAの二本柱によってシリーズの新たなメディアミックス展開を行う構想だった。

しかし、FTSは制作会社であるVIEWWORKSの倒産によって制作が頓挫。その後、公式サイトからもFTS関連の情報が告知なしに消えるなど、企画そのものが立ち消えとなった。
その影響を受けたと考えられる形で、本作も作中で提示された謎や伏線を十分に回収しないまま終了。「俺たちの戦いはこれからだ」に近い形で幕を閉じる。

漫画そのものについては原作ファンから評価が分かれる部分もあるが、2023年に『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』によってシリーズが復活した現在でも、FTSや本作が構想していたメディアミックス展開を惜しむファンは存在する。

なお、シリーズのアニメ方面への展開は、その後も『シークレット・レベル アーマード・コア アセットマネジメント』など限定的なものに留まっている。

  • カフェちゃんとブレークタイム(2015~2017)
作者はポルリン。
もともとは同人誌・Web漫画として展開され、後に『@vitamin』でも連載された飲料擬人化コミック。全3巻まで刊行されたものの、単行本第3巻をもって商業連載が終了した。

単行本第1巻は初動の売上が伸び悩んでおり、本来なら第1巻の段階で続刊が難しくなっても不思議ではなかった。しかし、SNSなどを通じて作品が注目されたことで第1巻・第2巻ともに重版がかかり、第3巻まで刊行されることになった。
それでも第3巻は重版に至らず、商業版はそこで終了。Web上での知名度と商業単行本の売上が必ずしも一致しないことを示す事例である。

その後、ポルリン自身によって同人媒体で続編が展開され、2019年からは商業版単行本を再構成した同人誌『カフェちゃんとブレークタイムRefill』として再始動。
その過程では、作者自身が別作品を巡るトラブルに巻き込まれるなど紆余曲折もあったが、クラウドファンディングによる支援もあり、2021年には『Refill』版で念願の第4巻に到達した。

  • ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション(2016~2021)
作画は山田孝太郎、原作は川原礫、キャラクター原案はabec。
『ソードアート・オンライン』の一エピソード「アリシゼーション」を漫画化した作品で、『電撃文庫MAGAZINE』に隔月連載されていたが、同誌の休刊によりWeb媒体へ移行。
2021年に漫画版そのものは完結したものの、原作におけるアリシゼーション編の前半部分を描いたところで終了し、物語の後半部分は最終話数ページで各キャラクターのその後をダイジェスト形式で紹介するに留まった。

これは単純な人気低迷による打ち切りというより、掲載媒体の変更やコミカライズ企画全体の事情など、複数の要因が絡んだ事例として見るべきだろう。

山田は本作終了と同時期に、長らく中断していた別のSAOコミカライズ『ファントム・バレット』の執筆を再開しており、こちらは原作の最後まで描いて完結している。
その後、2024年には最新エピソードである『ユナイタル・リング』のコミカライズ連載も開始した。

  • きららファンタジア(2019~2023)
作画は鴻巣覚、原作はきららファンタジア製作委員会。
『まんがタイムきらら』系列作品のクロスオーバー作品である同名のアプリのコミカライズ。アプリのプレイヤーだけでなく、クロスオーバー元となった各作品のファンからも評価されていた作品だったが、漫画版独自の進行速度が大きな問題となった。

本作は分割された1話を月2回掲載する形式、すなわち実質的には月1話ペースで進行していたにもかかわらず、1つの章を消化するのに10話前後を費やすこともあった。
そのため漫画が1章進む間に原作アプリのメインストーリーが2~3章進んでしまうという状態が発生。
結果として漫画版は原作アプリの展開に追いつくことができず、最終的にはアプリそのものがサービス終了したことで漫画版も終了することになった。
アプリが約6年の歴史に幕を下ろした時点で、漫画版はまだ第1部前半を終えたあたりだったことからも、その進行速度の遅さがうかがえようというもの。

それでも、アプリ本編の第1部最終決戦については、途中のエピソードを大幅に圧縮しながらも漫画化する機会が与えられている。
その意味では、十分な完結期間を確保できなかった作品としては比較的恵まれた終わり方だったとも言える。

  • 男子高校生が魔法少女になる話(2020)
作者は紺吉。『絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』で知られる作者によるTS魔法少女ギャグ漫画。
もともとはPixiv・ニコニコ静画で発表されていた作品で、その後『MAGCOMI』に引き上げられる形で商業連載が開始されたが、第2話後半にあたる部分で連載が休止。

当初は『月刊コミックガーデン』で連載していた『もののべ古書店怪奇譚』と交互に執筆する予定だったものの、『もののべ』の執筆を優先したことなどから本作の開始時期が遅れ、さらに紺吉氏自身の仕事が多忙になったことで、編集部との協議の結果、連載終了となった。

その『もののべ』についても、2023年に紺吉氏がX上で「2021年頃に自身から連載再開を提案したものの、担当編集者の体調不良もあり返信待ちの状態が続いている」と説明している。
このように、「作者の制作環境と編集部側の事情が重なった結果、継続が困難になった」ケースが割と目立つのも漫画業界の怖さである。

  • 魔界の主役は我々だ!(2020~2025)
作者は津田沼篤、原作は西修。監修として「○○の主役は我々だ!」メンバーのコネシマ。『週刊少年チャンピオン』で連載。
今やすっかりチャンピオンの看板漫画の仲間入りを果たした『魔入りました!入間くん』のスピンオフで、ニコニコ動画やYouTubeなどでゲーム実況を中心に活動していた動画制作グループ「○○の主役は我々だ!」を題材としたコラボ漫画でもある。

「○○の主役は我々だ!」は、2017年の『異世界の主役は我々だ!』を皮切りに複数の派生漫画を展開しており、本作はその中でも特に大きな成功を収めたタイトルで、累計発行部数は400万部に達していた。

ところが2024年、グループの組織再編に伴う契約更新を巡る事情から、多数のメンバーがグループを離れることになる。
本作を含む派生漫画は、実在するメンバーのキャラクター性や設定を作品の重要な要素としていたため、この変化の影響を免れず、その結果、本作も連載終了が発表された。
ただし、関係者の調整によって物語をまとめるための期間が設けられ、本作は1年生編の終了という区切りのよいところまで描いて完結できている。

一方、同じく派生漫画である『ヘルドクターくられの続科学は全てを解決する!』『エンプレスエイジ ~闇社会の主役は我々だ!~』については、連載終了ではなく無期限休載という措置が取られた。
この違いからも、同じ「派生元の事情」による影響でも、作品ごとに終了の仕方は大きく異なることがわかる。

ちなみに現在も連載が続いているのは、残留したメンバーが原作・原案を務める『異世界の主役は我々だ!』のみである。

  • クロゥレン家の次男坊(2023~2024)
作画は白川祐、原作は島田征一、キャラクター原案はゆのひと。『コロナEX』で連載。
同名のなろう小説のコミカライズだが、連載最終回となった第15話は、なろう版ではエピソード31、書籍版では第2巻第4章に相当する部分であり、物語としては明らかにその先へ続く構成になっている。
つまり、読者から見れば「次の話が始まるところで終わっている」状態である。

その後、漫画版第3巻と同時期に刊行された書籍版第6巻をもって書籍版の完結が明言されたことから、漫画版も書籍版側の事情に影響を受けた可能性が高いと考えられる。
ただし、第15話がどの段階で終了決定を知らされた上で執筆されたのかについて、白川・島田両名から詳細な説明はされていない。そのため、「打ち切りが決定した後にあえてこの構成にした」とまで断定することはできない。

なお、白川は本作以前にも、同じくなろう小説である『おっさん、勇者と魔王を拾う』(原作:チョコカレー)の漫画化を担当している。
こちらは全30話・単行本全6巻で、書籍版全2巻の内容に加え、書籍版では描かれなかった10年分のエピソードを飛ばして、なろう版のエピローグへつなぐ形で完結している。
そして単行本最終巻には、

俺たちの戦いはこれからだ!!

長い間ご愛読ありがとうございました
白川先生の次回作にご期待ください!!

というイラストを描き下ろしている。
「※さいごにやっておきたかった」そうだが、結果として、まるで本当に「次回作へのフラグ」のようにも見える一幕となってしまった。

◆社会的事情による打ち切り

  • 戦争や災害などで出版環境そのものが崩壊する
  • 国家・行政による規制
  • 団体・当事者・読者などからの抗議
  • 出版社による自主規制
  • 編集部の判断ミス
  • 著作権・権利関係のトラブル
  • 現実社会の変化によって作品の前提が崩れる
  • SNSなどによって問題が急速に拡散する
など、漫画家あるいは作品の外側にある事情によって連載継続が困難になり、打ち切りや大幅な短縮を余儀なくされたケース。
典型的なのは、戦時下における「資源統制によって漫画雑誌そのものを維持できなくなる」「空襲によって出版社や印刷所が被災する」といった、文字通り社会そのものが漫画を掲載している場合ではなくなってしまうケースだろう。

一方で、作品の内容が社会的にデリケートな領域に踏み込んだことで、団体・読者・関係者などから抗議が寄せられ、編集部が掲載継続を断念するケースもある。
さらに厄介なのが、実際には外部から明確な圧力がかかっていないにもかかわらず、出版社側が「問題になるかもしれない」と判断して自主規制してしまうケースである。『境界のないセカイ』などがこれに近く、その後に掲載媒体を変更して連載を継続・完結させている。

また、編集部自身が「この作風なら大丈夫だろう」と判断して癖の強い作家・作品を連載させたにもかかわらず、いざ問題が起きると急に方針を翻してしまうケースもある。この場合、作者からすれば「最初からこういう作品だと分かった上で連載させたのではないのか?」という話であり、ファンからも編集部の見通しの甘さを批判する声が出やすい。

ここでは、そうした「作品そのものの人気や完成度とは別のところで、社会との摩擦によって運命を変えられた作品」を扱う。

  • のらくろ(1931~1941、1958~1980)
作者は田河水泡。大日本雄辯會講談社(現・講談社)の『少年倶楽部』で連載された、戦前日本を代表する児童漫画の一つ。
主人公・のらくろの軍隊生活を描いた作品で、当初は作者自身が徴兵期間などを念頭に置いて比較的短期間で完結させるつもりだったものの、予想を大きく上回る人気を獲得。連載は長期化し、戦前の『少年倶楽部』を代表する看板作品となった。

ところが太平洋戦争開戦後、戦時体制が強まる中で状況が一変。
田河水泡の自叙伝『のらくろ一代記』などによれば、軍部・政府側は戦時下の紙資源節約を理由として『少年倶楽部』そのものの存続を問題視しており、その過程で田河に対して『のらくろ』の連載を終了させるよう求めたという。

つまり、これは単純な「人気がなくなったので打ち切り」という話ではない。
むしろ極端に言えば、人気がありすぎることが雑誌の存続問題と結びつき、その看板作品を止めることで雑誌の売上を落とし、廃刊へ持っていこうとする意図まであったと田河自身が回想しているのである。

また、田河自身は軍隊や軍人を揶揄する意図で『のらくろ』を描いていたわけではなく、当時の価値観の中ではむしろ軍隊を肯定的に描こうとしていた。
しかし、軍部側からすれば「犬のキャラクターが軍隊に入り、やがて士官にまでなる」という設定そのものが気に入らなかったらしく、田河が軍隊を軽視していると受け取られることもあったという。

こうして1941年、連載は突然の終了を迎える。しかも最終回に与えられたページ数は、わずか2ページ。
それまでの物語の流れを十分にまとめる余裕などなく、看板作品の最終回としてはあまりにも唐突な幕切れとなった。

もっとも、内容そのものは完全な投げっぱなしというわけではない。
当時すでに軍を退役して大陸で開拓に従事していたのらくろが、かつての上官と偶然再会し、その人物の下で働き始めるというもので、単体のエピソードとして見るなら一応「次の人生へ進む」という形にはなっている。

戦後、田河は潮書房の軍事雑誌『丸』で『のらくろ』を再開。
まずリメイク版が絵物語形式で発表され、その後、戦前版の続編に当たる漫画版が描かれることになった。そして最終的には1980年に完結を迎えている。

興味深いのは、田河自身が後年の自叙伝で「もし戦時中に『のらくろ』を打ち切られず、そのまま軍国主義的な方向へ描き続けていたら、敗戦後にGHQから問題視され、戦後の『のらくろ』再開そのものが困難になっていた可能性がある」と回想している点である。
つまり戦時下では「なぜこんな形で終わらされたのか」という理不尽な打ち切りだった一方、長い漫画史全体から見ると、この強制終了が結果的に戦後の作品復活を可能にしたという、皮肉な側面も持っている。

戦後版では戦争そのものも改めて整理され、のらくろの復員後の生活、転職、再就職、そして自分の店を持つまでの人生が描かれた。

「人気がなくなったから終わった」のではなく、「人気があったからこそ雑誌政策の対象となり、終わらされた」という意味で、社会情勢による打ち切りを考える上では非常に重要な事例である。

  • 噫 日本共産党50年伝(1973)
作画は旭丘光志、原作は内田栄一。『週刊プレイボーイ』で連載。
戦前の日本共産党史だけでなく、共産党側の暗部や昭和天皇の戦争責任など、当時としてはかなり踏み込んだ政治的・歴史的題材を扱った。

当初は全50回を予定していたとされるが、連載は19回で終了。
第20回まで制作されていたものの、編集部の判断で掲載されなかったとされる。

打ち切りに至った経緯については、どこからどのような圧力があったのかが明確に公開されているわけではなく、「どこかから集英社上層部に圧力がかかった」とされる程度で、詳細については慎重に扱う必要がある。
そのため、単純に「○○から圧力を受けて打ち切られた」と断定するよりも、**政治的に非常に扱いの難しい題材を扱った作品が、予定回数を大幅に下回って終了した事例**として見るのが適切だろう。

  • 夜光虫(1975~1979)
作画は篠原とおる、原作は柿沼宏。『ビッグコミックオリジナル』で連載。
問題となったのは第100話「児心音異常」。障害を持って生まれた新生児を、親の将来的な負担などを考慮した産婦人科医が殺してしまうという内容で、これが「障害児の殺害を肯定・正当化するようにも読める」として大きな問題となった。
障害者団体や医療関係者などから抗議が寄せられ、雑誌回収や謝罪文掲載にまで発展。この騒動の後、連載は終了することになる。

ここで重要なのは、「作中で何を描いたか」と「作者が現実の殺害を肯定しているか」は必ずしも同じではないという点である。
医療漫画・社会派漫画は、現実には存在する極端な問題や倫理的葛藤を題材にすることがある。しかし、その描写が読者にどう受け取られるか、特に現実の当事者や当事者団体からどう受け止められるかによって、作品そのものが大きな社会問題になることもある。
『夜光虫』はその典型例であり、「社会問題を描いた作品が、社会問題そのものになってしまった」ケースといえる。

  • ゴッドハンド(1978)
作者はつのだじろう。『週刊少年チャンピオン』で連載。
過去につのだが手掛けた『空手バカ一代』と同じく、空手家・大山倍達をモデルとした物語を描く予定だった作品。
『空手バカ一代』では梶原一騎が原作、つのだが作画を担当していたが、原作の到着が締切直前になることがたびたびあり、つのだは極度の負担を強いられた末、作画を降板。その後『空手バカ一代』は影丸穣也が作画を引き継いだ。

ところが物語が進むにつれ、大山倍達本人よりも弟子である芦原英幸の活躍に比重が置かれるようになり、これを大山が不満に思っていたとされる。
そこで大山からつのだに対し、「大山倍達自身を主人公とした物語をもう一度描いてほしい」という趣旨の依頼が持ち込まれ、『ゴッドハンド』の連載が始まることになった。

しかし、ここには大きな問題があった。
梶原一騎に了解を取らないまま始まった作品だったのである。

つのだが梶原と偶然会った際、梶原は『ゴッドハンド』というタイトル自体が自分が大山倍達につけた呼称であり、盗用にあたると主張。
さらに梶原が編集長を呼び出して抗議したり、つのだ宅や編集部に連載中止を求める電話を繰り返したりかけるなど、騒動は急速に拡大した。

結果、『ゴッドハンド』はわずか10回で終了。
単純な意味での「社会問題による打ち切り」とは少し異なるものの、漫画業界内の権利・人間関係・圧力が連載そのものを終わらせた事例として非常に興味深い。

つのだは同年、別作品『魔子』において、梶原とその弟・真樹日佐夫を呪う趣旨の文章をアナグラムとして仕込む報復を行った。
しかし、これが本人たちに発覚。つのだはホテルに呼び出され、そこで事情を説明し、各方面への詫び状を書くことになったという。

『ゴッドハンド』の打ち切りは、単なる「作品がどうこう」という話ではない。
一つの作品を巡る権利関係と、当時の漫画業界における作家同士の力関係が、そのまま連載の寿命を左右してしまった事例なのである。

ちなみに梶原はこの後も脅迫事件や傷害事件を起こして逮捕され、出所後すぐに逝去している。

  • タイガーマスク・ザ・スター(1993~1994)
作画は風忍、原作は真樹日佐夫。スポーツ新聞『東京スポーツ』で連載。
日本のプロレス界に絶大な影響を与えた『タイガーマスク』のリメイク作品。単行本も2巻まで発売されたが、原作の権利関係を整理しないまま連載が開始されたことから、原作者・梶原一騎の遺族と『タイガーマスク』作画担当だった辻なおきから著作権侵害を理由とする訴訟を起こされ、裁判で敗訴。
連載は途中で差し止められ、予定されていたスーパーファミコン用ゲームも制作中止となった。

これはより正確には「著作権・権利処理上の問題」に分類するべきケース。
漫画作品は作者だけの判断で成立するとは限らず、過去作のキャラクターや設定、原作・作画・出版社など複数の権利者が絡む場合には、こうした問題が作品そのものの寿命を左右することになる。

  • 勉強しまっせ(1995~1996)
作者はみやうち沙矢。『別冊フレンド』で連載。
本作の打ち切りが特異なのは、問題の発端が作者ではなく編集部のミスにある点。
1996年3月号掲載話で、主人公の彼氏の台詞内に「西成」という地名が登場した際、副編集長が作者に確認することなく、欄外に
「※大阪の地名。気の弱い人は近づかないほうが無難なトコロ。」
という趣旨の注釈を独断で追加したのだ。
この表現が問題となり、西成地区の中学校や人権団体、さらには西成区長からも抗議が寄せられ、結果的に打ち切りとなった。

ここで重要なのが「問題になった文章を書いたのは作者ではなく編集部だった」という点である。
作者のみやうちは西成に存在するライブハウスに通っていた経験があり、地域に対して悪意を持っていたわけではなかった。
普通に地名を出しただけなのに、編集部が独断でステレオタイプ的な注釈を追加したせいで大問題になったのだ。
さらにその後の謝罪文をめぐっても「抗議を受けたから打ち切った」と受け取れる内容だったことから批判が起こり、講談社は改めて「自主的な判断による連載終了」であるとの説明を行うことになった。

この一件は、漫画というのは「作者が描いたもの」だけでなく「編集者が付けたアオリ・注釈・キャプションまで含めて作品として受け取られる」ということの怖さを示している。

  • ノノノノ(2007~2010)
作者は岡本倫。『週刊ヤングジャンプ』で連載。
「女子種目が存在しないオリンピックのスキージャンプ競技に、本来参加できない女性主人公が、男性選手になりすまして挑戦する」という設定が作品の根幹だった。

ところが連載中、現実世界のスキージャンプをめぐる状況が大きく変化する。
女子スキージャンプのオリンピック採用が現実に進み始め、作品の最大の前提だった「女子がオリンピックのスキージャンプに出られない」という状況そのものが、現実世界から消滅しようとしてしまったのである。
つまり『ノノノノ』は、「現実世界が漫画の設定を追い越してしまった」という極めて珍しいケースだった。

作者としては、主人公が男を装って競技に参加すること自体が作品の根幹である以上、現実側のルール変更によって前提条件が崩れてしまえば、物語をそのまま続けることが難しくなる。そのため、連載は急遽終了へ向かわざるを得なくなった。

最終回は、練習中のアクシデントで主人公のユニフォームが破れ、女性であることが露見するという、かなり突飛な形で終了(単行本では加筆修正が行われている)。
これは外部からの抗議や規制による打ち切りとは性質が異なるが、「社会の変化そのものが作品の存在理由を奪ってしまう」という意味で、社会的事情による終了の中でも特に特殊な事例である。

作者は糸杉柾宏。『チャンピオンRED いちご』で連載。
過激な近親相姦描写を作品の大きな特徴としていたが、東京都青少年育成条例をめぐる規制強化・社会的議論の中で問題視され、連載終了に至った。

本作の場合、単純に「特定の団体から抗議されたので終了」というより、性的表現に対する社会的・制度的な規制強化の流れの中で、作品の掲載そのものが難しくなったと見る方が適切。
最終巻についても重版を行わない旨が告知されるなど、紙媒体での展開は厳しいものとなった。

一方で、その後2018年に電子書籍化され、再び読者がアクセスできるようになった。
社会状況との折り合いがつかなくなった作品でも、電子書籍という別の流通経路によって再び日の目を見ることはあるということを示す例でもある。

作者は知るかバカうどん。成人向け作品や同人誌などでハードかつ生々しい題材を扱ってきた作者による一般商業誌デビュー作で、『漫画アクション』にて連載された。

主人公は援助交際に手を染める女子高生で、精神的に不安定な彼女が過酷ないじめに追い込まれていくという、かなり重い内容。
さらに物語が進むと「主人公がいじめに耐えきれなくなり、友人のヤンキー少年にいじめっ子を拉致するよう依頼する」という展開まで描かれ、この過激な展開をめぐって出版社側から問題視され打ち切り。

本作の場合に特徴的なのは、作者がもともとハードな作風で活動しており、その作風を承知した上で一般誌に起用されたにもかかわらず、連載開始後になって作品の方向性に出版社側からストップがかかったとされる点である。
作者はこの対応に強く反発し、SNS上でも編集部への不満を表明。しかも、連載のために大阪から上京していたため、作者にとっては単に一本の連載が終了したというだけではなく、生活そのものを左右する出来事だった。

その後、新潮社の電子コミックサイト『まんが王国』へ移籍し、連載を再開。
ただし、当初予定されていた第9話については本編掲載を見送られ、コミックス第1巻の購入特典として収録される形になった。
そして2022年3月31日をもって新潮社との契約を終了し、今度は秋田書店へ移籍している。

作者本人については、SNS上での発言などを巡って賛否の分かれる部分もある一方、作品や創作姿勢を支持する読者も少なくない。

この作品のケースで象徴的なのは、「尖った作風を武器として売り出した出版社が、尖った部分が実際に問題になると作品を止める」という、商業出版におけるリスク管理の難しさである。

  • 「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~(2022)
作者は菊池真理子。集英社のウェブメディア『よみタイ』で連載された、宗教2世をテーマとしたノンフィクション・コミック。
親が信仰する宗教の影響を受けて育った「宗教2世」の体験を扱った作品で、社会的にも非常にセンシティブなテーマを正面から取り上げていた。

問題となったのは第5話「母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白」。
このエピソードが突然公開終了となり、集英社からは、作中に「あたかも教団・教義の反社会性が主人公の苦悩の元凶であるかのような描き方をしている箇所があった」とする謝罪文が発表された。
その後、他のエピソードについても「諸般の事情」により公開停止となった。

作者は自身のSNSで、作品の公開停止に対する無念や、読者から寄せられた抗議・応援への感謝を表明。
その後、連載再開の可能性を探るため作者と集英社との協議が続けられたものの、双方の見解が一致せず、最終的に集英社での連載終了が決定した。

連載終了から約半年後、版元を文藝春秋に移し、それまでの連載内容に加えて新規書き下ろしを収録した単行本が刊行された。
さらにその際、菊池が『文藝春秋』誌上で明かしたところによれば、問題となった第5話は特定の宗教団体を想起させる内容だったため、実際に当該団体から抗議声明が出されていたという。

この作品は、社会的に注目度の高いテーマを扱うことによって生じる「表現の自由」と「当事者・団体からの抗議」、さらに出版社側のリスク管理との衝突を非常に分かりやすく示したケースである。

また、最終的に別出版社から単行本化されたことも重要。
「掲載停止になった=作品が否定された」と単純に考えるのではなく、ある出版社では継続できなくなった作品が、別の出版社・媒体では形を変えて存続することもあるという、現代漫画ならではの事情も見えてくる。

◆雑誌の消滅

連載していた雑誌の休刊により、打ち切られてしまった事例。
要は描く場所が無くなったということであり、人気があれば別の雑誌から呼んでもらえることもあるが、マイナーな漫画の場合は難しい。
稀にだが、掲載誌は無事でも、執筆に協力していた雑誌が休刊したことで続きが描けず、打ち切らざるを得なくなってしまう例もある。

『鉄腕アトム』『忍者ハットリくん』(いずれも雑誌「少年」)、『アンパンマン』(いちごえほん)などは、抜群の知名度を誇る作品でありながら「連載誌自体が消滅し、打ち切りにならざるを得なかった」という気の毒な例である。
但し『鉄腕アトム』は廃刊当時からサンケイ新聞にて外伝『アトム今昔物語』を連載中であり『忍者ハットリくん』は最終号1話前に唐突に終了したがその後アニメ人気を受けて執筆された続編『新忍者ハットリくん』で最終回を迎えることができた。
『アンパンマン』は雑誌休刊を知らされたキャラクター達が読者に別れの挨拶をする、というよくありそうな最終回だが、作者のやなせたかしがその掲載誌の編集長であることを考慮すると、それまで一切用いなかった突然のメタ発言は彼の無念の現れの様にも思える*7。
他にも「いかにもな悪の金持ちによる武道大会に主人公達が参加→1回戦を終えた時点で廃刊のため打ち切らざるを得ず*8、急遽その悪の親玉を倒してむりやり終わらせた」『ジャンプ三大奇書闘将!!拉麺男』*9など、実は結構事例は多い。
掲載雑誌が休刊した後、移籍先が見つかるまで完全描き下ろしで単行本の定期刊行を守った『Q.E.D. 証明終了』という例もあるが、これはかなりのレアケースだろう。

余談だが、人気低迷による打ち切りには、雑誌の休刊により移籍連載となり、その枠を空けるために移籍先の雑誌の漫画が打ち切りという巻き込まれパターンもある。

  • 依頼人から一言(1982)
作者はたがみよしひさ。
たがみ氏の最初期の連載作であるオカルトミステリー漫画。
しかし掲載紙『DUO』の休刊に巻き込まれて僅か4話、うち2話が前後編エピソードのため実質3話で打ち切り。
この一件以降、たがみ氏は「漫画に雪女を出すと連載が終わる」というジンクスを抱える事となったが、
後に本作の路線をミステリー寄りにして引き継いだ『NERVOUS BREAKDOWN』でジンクスを打ち破りつつ最長連載を達成するという二重の意味でのリベンジに成功している。
ちなみに『NERVOUS BREAKDOWN』には他のたがみ作品のキャラと同じ様に本作のキャラもゲスト出演しているが、雑誌掲載時に「誰?」という感想が多く寄せられたため、単行本では本作も全話同時収録するという措置が取られた。
ある意味短期打ち切りに終わったからこそ出来た荒業と言える。

実の所たがみ氏自身、様々な雑誌を渡り歩く中で打ち切りらしき作品が多い。
プレイコミック掲載『化石(いし)の記憶』は驚愕の大ネタ開陳から程なく、本来の大作構想をダイジェストにまとめた様な畳み方で、大判コミック全3巻。
アニマルハウス掲載『ファイター』は、終盤の盛り上げ所で雑誌休刊により連載中断してしまい、なしくずしに全5巻。
コミックトム掲載『メタルハンターズD』は、余韻を残しつつ終わらせる形のひとつとしてはきちんとしているものの、見ようによっては打ち切りバッドエンドに近い。
少年キャプテン系掲載の『妖怪戦記』も紆余曲折をまとめきれておらず、あやふやなままの最終話で、全5巻。
本人に病気の噂も多く、往年の知る人ぞ知る地位にはいるものの、もったいない作品があまりに多い作家である。

作者は藤子・F・不二雄。
F氏の晩年の漫画でそれなりに人気があり、アニメも劇場版まで作られる程だったのだが、よりにもよってあと2回で最終回という状況で、掲載誌の『藤子不二雄ランド』が終了し打ち切り(アニメ版も少し後でオリジナル展開で終了)。
……だが、前述の様に人気はそれなりにあり、「残り2話は単行本第5巻で描きおろしにする」とはっきり連載打ち切りの回で説明が成されていたのだが、F氏は逝去する1996年までの5年間にこのラスト2話を描き終えられず、未完になってしまったのである。
なお5巻が出なかったせいで収録予定だった終盤の話が5年間読めなくなる事態に陥っていたが、そちらは1997年の新装版の単行本にて収録された。
アニメシリーズの主要スタッフは一応最終章にあたるこの2話のプロット自体は聞かされていたものの当該のスタッフであるチーフディレクターの本郷みつるが内容を忘れてしまったこともあり*10、最終回とそのひとつ前がどうなってたかはもう誰にも分からない。
…が、実はラスト2エピソードのネタバレ込みのあらすじを推測可能な作品がアニメシリーズ内にある。作品項目を参照。

  • スーパーマリオブラザーズ3(1989)
作者は沢田ユキオ。
某世界一有名な配管工を主人公にしたバトルギャグ漫画『スーパーマリオブラザーズ2』の続編。
よりにもよって2が最終回を迎えて3が始まった直後に掲載誌『わんぱっくコミック』が休刊してしまい、始まったばかりの3はもちろん、一応完結したはずの2の最終巻まで未発売という憂き目にあってしまった。
なお、その後沢田氏は別の出版社で同じゲームを題材にした漫画を設定を変えて掲載、そちらは今もなお続く長寿漫画となっている。
シリーズ単位で言えばわりと打ち切りっぽい終わり方をしている話*11が結構あるのは秘密だ。

  • Dreams(1996~2017)
作画は川三番地、原作は七三太朗。
タバコ・喧嘩上等の不良高校生が快進撃を見せる、超人的魔球など何でもござれの野球漫画。『週刊少年マガジン』で連載を開始し、途中から『マガジンSPECIAL』に移籍。
七三氏*12、川氏のタッグは、他にも『4P田中くん』『風光る』などの作品がある野球漫画の熟練コンビだが、試合描写が非常に長いという特徴がある。
特に本作のマガスペ移籍後はそれが度を越しており、単行本68巻にしてようやく1年目の夏の甲子園準決勝が開幕。3回戦と準々決勝の2試合に12年以上かかっており、七三氏が70代と高齢になった事から、存命中に完結どころか高1の甲子園も終わらないのではと心配されていた。
結果として七三氏よりマガスペが先に力尽き、休刊をもって終了が決まる。
そこからは、一応当初から考えてあったらしい結末につなげるための圧縮展開がスタート。甲子園準決勝は相手チームの舐めプにキレた主人公が危険球を連発して退場という形であっさり終わり、ライバルが突如交通事故死するなど、20年以上続いた漫画でありながら短期打ち切り漫画の様な目まぐるしい幕引きは読者に衝撃を与えた。
一方で、中学時代まで手に負えない悪童球児であった主人公の末路としては「逆にリアル」という声もある。
その後、七三氏も2023年に逝去。作画・掲載ペース的に、いずれにせよこのページに名を連ねたであろうという見方は否めない。

なお、バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」調べによる「時間の進みが遅い漫画ランキング」では、「連載1年あたり作中で15日」として本作が1位になったのだが、放送がなんと最終回掲載前月。
出演していた伊集院光が本作の読者で、休刊が決まって超展開の真っただ中である事を説明している。

  • 喪黒福次郎の仕事(1997~1998)
作者は藤子不二雄Ⓐ。
あの『笑ゥせぇるすまん』の主人公・喪黒福造の弟が様々な問題を抱えた人々を助けていく原作の漫画。
Ⓐ氏としても描いていて心が荒む『笑ゥせぇるすまん』のいい気分転換になるとして気に入っていた漫画だったらしいが、掲載誌『カピタン』が休刊してしまいあえなく打ち切り。
ちなみに意図したのかは不明だが、最終エピソードのゲストキャラは「雑誌の休刊で連載を打ち切られた漫画家」で、しかもその結末は「福次郎の紹介で転職した先で成功を収める」という漫画家廃業オチであった。

  • 公権力横領捜査官 中坊林太郎(1998~2000)
作者は原哲夫、監修は佐高信。
あの『北斗の拳』の作画で有名である原氏が『BART3230』という雑誌で連載した、中坊公平をモデルにした主人公による痛快政治漫画。
主人公と仲間達によって黒幕の存在が炙り出されていよいよ決戦…というところで『BART3230』が休刊。一応休刊に合わせストーリーそのものは完結している。全2巻。
主人公の破天荒なキャラ、『北斗』等にも垣間見えたシリアスとギャグの塩梅等現在でも「原哲夫の最高傑作」という声もある。
原氏もこの主人公のキャラは非常に気に入っており、『蒼天の拳』の主人公・霞拳志郎は「中坊が北斗神拳を使えたら?」という発想から生まれたことを明かしている。

  • お姉さんと学ぼっ! グレグリ探検隊(1999)
作者は松沢夏樹。
『突撃! パッパラ隊』の作者である松沢氏が『月刊少年ギャグ王』にて99年4月号から連載したギャグ漫画。
…なのだが、よりにもよってそのギャグ王が99年4月号で休刊してしまったため連載1話目にして最終回を迎えてしまった。もうそれ読み切り漫画じゃないか
これ以外でも、この雑誌は末期から連載が始まったためにたったの2、3話で終わってしまった漫画が多い。悲惨すぎる…

  • 新宇宙戦艦ヤマト(2000~2001)
作者は松本零士。
『宇宙戦艦ヤマト』の完全続編。『コミックGOTTA』で連載された。
ヤマト初航海から1000年後の3199年を舞台に、古代進やスターシアの子孫達が千年かけて超強化されたグレートヤマトに乗り込むというもの。
映画化の予定もあり、当時の雑誌や関連本でも特集が組まれていたが、松本氏の悪癖であるもったいぶりすぎと月間連載ゆえに話は遅々として進まず、『GOTTA』は休刊。
また同時期にヤマト関連の著作権所有者がアニメ版プロデューサー西崎義展だと裁判で確定した事もあり(なのでその後のヤマト映像作品は西崎氏側の許可を取って制作されている)、映像化構想自体は辛うじてOVA『大YAMATO零号』として別形態で実現したものの、全てはお流れになった。
なんとかヤマト発進と波動砲発射まで持っていけたのが幸いか。

作者は石川賢とダイナミックプロ。原作は永井豪。
石川氏によるゲッターロボ・サーガ最終作。
『真ゲッターロボ』で広がったゲッターの謎を追い、次世代のゲッターチームと新たな敵・アンドロメダ流国との戦いが繰り広げられる。
ダイナミックな石川氏の画力は更に進化し、その戦闘の迫力はまさに圧巻。
だが連載誌『スーパーロボットマガジン』の休刊で第一部完となり、単行本の加筆分でも「でたなゲッタードラゴン」という所で打ち切りとなってしまった。
そして石川氏本人がゲッター線に導かれてしまったことで、サーガの行く先は下記の虚無戦記と同様虚無の彼方かと思われたが、2021年のアニメ化に際して虚無の先へと奇跡の一歩を踏み出した。

  • ゼルダの伝説風のタクト リンクの4コマ航海記(2003)
作者はÖYSTER。
ゲーム誌『ニンテンドーキッズ』連載のÖYSTER氏による『ゼルダの伝説』シリーズの4コマ漫画で、かの『ゼル伝』コミカライズシリーズの作者たる姫川明でさえ執筆した事のない、唯一の『風のタクト』の漫画化。
作風については絵柄はÖYSTER氏の画力もあって原作に忠実に描かれ、ストーリーも原作に沿った展開で進行していたが、魔獣島でのガノンドロフ登場とテトラの正体バレに差し掛かった辺りで『ニンテンドーキッズ』が休刊。後半の賢者探し編と勇気のトライフォースのかけら集め編に入ることなく終わってしまった。

作画はきむらひろき、原作は原ゆたか。
『月刊コミックブンブン』連載の、『かいけつゾロリ』の漫画化。
TVCMでも本作をプッシュするなど、『ブンブン』の看板作品と呼べる存在だった。
しかし単行本の売れ行きは今一つだったらしく、『ブンブン』の休刊と同時に打ち切り(物語としては一応完結)。
詳細は個別項目に譲るが、ある人物にまつわる壮大な設定が構想されていたことがわかっている。

  • エルヴァンディアストーリー(2006~2007)
作者は森本尚司。
2007年度KOTY次点作品という不名誉な経歴を持つ『エルヴァンディアストーリー』の漫画化。
ゲームそのものは全てにおいて隙の無いクソゲーという酷い有様だったが、漫画としては主人公の性格やストーリーの破綻を改善することでまともにできていた。
だが掲載誌『月刊少年ファング』も元のゲームの人気もどうしようもなかったため、廃刊と共に打ち切られてしまった。

  • 瞳のフォトグラフ(2008~2010)
作画はさくらあかみ、原作は杜講一郎。
『FlexComixブラッド』連載の、女子高写真部が舞台の青春漫画。
漫画家ユニットGUNP初のオリジナル漫画で、ボイスコミックが作られるなど人気はあったのだが、技術監修や取材協力を行っていた雑誌『デジタルフォト』の休刊に伴い、打ち切りとなった。
掲載誌ではなく協力誌の休刊が原因という、少し珍しいケース。
作中では数々の伏線(特にヒロインの過去にまつわるもの)が張られていたものの、ほとんど解明されずに終わった。

GUNP氏はその後、『COMICリリィPLUS』で同じく写真をテーマにした『茜色の方程式』を連載したが、こちらも掲載誌の休刊により2話で打ち切られている。

  • アウターゾーン リ:ビジテッド(2011~2016)
作者は光原伸。
ホラー漫画『アウターゾーン』の続編なのだが、初期の様な各話独立した単発形式なので、続編というより再開と言う方が近い。
しかし掲載誌の『コミック特盛』が2015年に休刊。
後にホーム社のWebマンガサイト・画楽ノ杜に続きの2話分が2016年に掲載されたが、画楽ノ杜もWEB漫画サイト『Z』にリニューアル。
リニューアル後は紹介ページはあるものの連載は再開されておらず、後にトップページの作品リストからも削除されてしまった。
つまる所、雑誌休刊のごたごたに巻き込まれてなし崩し的に打ち切りになってしまった模様で、更に光原氏の五十肩によるブランクで復帰の目処は経っていないままとなっている。
Webサイト掲載分を含めた4話分はコミックス未収録のまま。

  • ハイパーダッシュ!四駆郎(2015~2021)
作画は武井宏之、原作は徳田ザウルス。
第一次ミニ四駆ブームの起爆剤となったダッシュ!四駆郎の続編。
作者は前述の『四駆郎』の作者である徳田氏が原作とクレジットされているが、徳田氏は2006年に他界しており、
武井氏が徳田氏の遺族に直談判して許可を得た上で『コロコロアニキ』誌上で連載を始めた続編であるため、事実上は武井氏の単独作品である。
コロコロアニキ2号の目玉として連載が開始され、メカデザインに定評のある武井氏の腕が存分に振るわれた新マシンの数々はレーサー達から高く評価されたものの、
なんと次回最終回というところで『アニキ』が廃刊となってしまう。
『アニキ』誌上では「最終回は夏頃にwebで発表」との旨のアナウンスがなされ、2024年には武井氏が本作に対して「完結させたい」と公言しているものの、
単行本も4巻(2020年9月)を最後に刊行されておらず、2025年春よりwebの週刊コロコロコミックで行われた本作の配信でも最終話の発表は無く、未だに完結の兆しは見えていない。

ちなみに武井氏は『アニキ』廃刊から数か月後に『月刊コロコロコミック』誌上で連載が開始された新しいミニ四駆漫画『MINI4KING』(作:今田ユウキ)に原案・マシンデザインとして参加したが、
こちらは単純に人気が出なかったのか早々にweb送りになった上であっさり打ち切られ、
それに伴い武井氏がデザインした新シリーズのレーザーミニ四駆も僅か3台しか発売しないまま廃盤という憂き目に遭っている。

これに限らず『アニキ』系作品は急な廃刊で完結となってしまった作品がほとんどなのだが*13、廃刊から5年以上経っても完全な未完状態のままとなっているのは『四駆郎』のみ。


◆作者の逝去、病気、不祥事、その他漫画を描けなくなる事による打ち切り

漫画の制作はアニメやテレビ番組と比べ制作側が少人数であり、個人の技量に依る部分が多く、
連載中の作者が重い病気に罹ったり亡くなってしまった場合は、打ち切りを余儀なくされてしまう。
手塚治虫の『火の鳥』、藤子・F・不二雄の『ドラえもん』を筆頭に、作者の死去によって未完に終わった作品は枚挙に暇がない。
なんなら海外でも主人公がピンチの場面で途切れる全編ラフスケッチ状態の単行本という壮絶な最終巻が発行された事で有名な『タンタンの冒険旅行』シリーズの様なケースがある。

但しプロダクション制度を採用している漫画や、作画者と原作者が分かれている漫画、アシスタントや弟子が付いていた場合では、作者に重大な問題が発生した場合も人員を変更し、一旦仕切りなおして連載が続けられるパターンもある。

中にはアニメ化などメディアミックスされた際に続きが描かれ、作品としての完結に至ったケースも見られる。
元々藤子・F・不二雄のストーリー構想の時点でメディアミックス作品前提だったため事情は異なるが、『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』における現場の混乱エピソード*14と無事完結させられたのなどが著名か。実際に以降も『ドラえもん』は大長編枠のみプロダクション制で執筆した扱いで続刊を出す*15形式が取られている。

また『まりんこゆみ』も原案担当者が2015年に病死したが、こちらは『ゼロの使い魔』と同様に逝去まで時間の猶予が幾分あったため、原案者が最終回までのプロットを残して作画担当の野上武志に託している。
しかしこれも急逝である場合どうしようもなく、2013年に佐渡川準が自殺*16した際は、連載中であった『あまねあたためる』は既に提出されていた原稿分で終了・打ち切りになった。
同様の事例は2015年に31歳の若さで病没した藤原ここあの『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』、2019年に持病が再発して急逝した鬼八頭かかしの『たとえ灰になっても』*17でも起きている。
正式な打ち切り発表は出されていないものの、岡崎京子の『森』は1話発表直後に作者が事故で重傷を負って執筆どころではなくなり20年以上中断状態になっている。

病気や死去の他には、作者の精神状態・モチベーションの悪化や戦時下における作者の召集、作者の不祥事(特に逮捕)も打ち切りの原因となりうる。
この場合は封印作品と化す事が多い。なお、趣旨の関係上不祥事で打ち切られた漫画は封印作品の記事ではなくこちらで扱う。

作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
F氏の漫画では下記の『宙ポコ』と並んで全3話という最短打ち切りタイ記録を持つ。
(これら以外だと1955年の「よるの王子さま」という雑誌休刊による全3話で打ち切り作品が存在する)
本作は雑誌『ぼくら』の創刊号(1955年1月号)から連載したが、相方(藤子不二雄Ⓐ)共々故郷の富山への帰省で気が緩んだか、第3話目の原稿の締め切りが間に合わず3月号を休載し、
編集部から最後の情けで次の4月号で1話4ページで話をまとめさせられる*18はめになったという。
以後、両氏は原稿を落とさない様にかなり気を付けてたらしい。

作画は桑田次郎、原作は平井和正。
当時『鉄腕アトム』『鉄人28号』と人気を三分していた日本漫画界における最初期ロボット漫画にして三大ロボット漫画のひとつ。
しかしよりにもよって桑田氏の拳銃所持が発覚、銃刀法違反で逮捕されてしまったため急遽打ち切り*19。
正体のバレてしまった東八郎が人知れず立ち去っていくという最終回はアシスタントの楠高治と小畑しゅんじによって代筆され、桑田版の最終回は1989年の完全版刊行を待たねばならなかった。
他にもアニメ主題歌を歌っていた克美しげるが殺人を犯して逮捕されたり、実写映画が大ゴケして会社を倒産させたり、続編漫画が雑誌廃刊に伴って打ち切られたり、トラブルに見舞われることの多い作品である。
なお桑田氏は逮捕後も人気は衰えず、2020年に逝去するまで精力的に作品を発表し続けた。

作者は聖悠紀。
超能力+SFベースの超大河漫画。不老不死のエスパー・ロックの銀河放浪史とも、銀河に広がった人類文明をロックを通じて物語る通史・叙事詩とも言うべき作風。
主に10話以下の中編~4,50話規模の長編エピソードを連ねており、刊行コミックは100巻以上。
舞台はおおまかに、近未来の西暦時代、植民惑星確立後に成立した銀河連邦(旧連邦)時代、それが戦争による崩壊後に勃興した銀河帝国時代、そして帝国消滅後の新銀河連邦時代の数千年間。
1967年の同人活動からシリーズは始まり、1977年にみのり書房にてメジャーデビュー。1979年からの『少年キング』連載にて本格的に知名度を上げていった。
何度となく掲載誌消滅に立ち合う悲運に見舞われるも「雑誌は死すともロックは死なず」とばかりシリーズは継続される。2003年からは『ヤングキングアワーズ』、更に2007年から『コミックフラッパー』で、舞台年代こそ違えど同名・同一世界観で他社同時連載という、21世紀では稀に見る二足のわらじ連載を続けて根強いファンを歓喜させた。
大ベテランらしく連載ペースはたいへん順調で不慮の休載はほとんどなく、作品水準・固定ファン層が非常に安定した底堅い軸として雑誌側の好感を得ていたのだと思われる。
しかし2018年に大病を患ってからは休載・減ページが目立ち始め、2020年に至り聖氏の病状が更に悪化。当時も各1本ずつの連載を持っていたものの、事実上の連載終了に至ってしまう。
2022年、聖氏は永眠。単行本としてはアワーズ側の『超人ロック カオスブリンガー』第1巻で未完となり、エピソードとしては聖氏のプロットをもとにフラッパー側の『超人ロック 憧憬』をアシスタントが手掛けて出版(電子配信)、日本漫画史に残る超長寿シリーズは終了した。

  • 宙ポコ(1983)
作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
『オバケのQ太郎』『ドラえもん』の流れをくむSFギャグ漫画で、『別冊コロコロコミック』月刊化記念として企画され、「ドラえもんにつづく最大のギャグヒーロー」という触れ込みで創刊号の表紙センターを飾る、同号付録の下敷きではドラえもん・ハットリくん・パーマン・猿丸に胴上げされるという凄い扱いを受けたのだが…
F氏の「どうしてもドラえもんになってしまう」という判断から、わずか3話(1983年4-6月号)で(半ば自主的に)打ち切り。
なお第1・2話は宙ポコの紹介みたいな設定話、第3話でようやく出した日常回(副主人公・つとむがパーマンごっこをした挙句の騒動)が最終回と、まともに終わらせられない有様だった。

  • 宙犬トッピ(1984)
作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
上記の『宙ポコ』打ち切りの際、さすがに看板を降ろされては別コロ編集部も困ってしまうのはF氏も分かっており、穴埋めに本作を翌年(1984年)1月号から連載したが
こちらは「キテレツ大百科になってしまう」との判断から全6話で打ち切り。
しかし2倍も話数があると余裕があったのか、今度はきちんと最終回を描いている。
この2作の連続失敗が堪えたのか『宙犬トッピ』の穴埋めは既存の『バケルくん』の新シリーズになり、以後完全新作の連載は『チンプイ』*20『未来の想い出』のみとなった。
新しいものを描こうと思っても、描くことができなかった巨匠の苦労が窺える話である(実際に『未来の~』ではこの件の自嘲らしき設定がある)。

  • コータローまかりとおる!(1984~2004)
作者は蛭田達也。
『週刊少年マガジン』で蛭田氏が連載した、主人公の新堂功太郎がおちゃらけながらバトルやスポーツに明け暮れるギャグ寄り漫画シリーズ。
しかしシリーズ最終章といえる『コータローまかりとおる! L』の物語の中途で蛭田氏の体調不良のため休載してそのままフェードアウト。
『コータロー』『新コータロー』は単行本の巻数は「全◯巻」だが『コータローL』は「1〜8巻」と完結していない扱いで記述しており
講談社としては再開の見込みは薄いとしても「休載中」の扱いとしている様だが実質的な打ち切りと思われる。

作者は高屋良樹。
世界征服を目論む組織が本当に世界征服を成し遂げてしまった事で一部に有名な本作。
1985年の『月刊少年キャプテン』連載から掲載誌を渡り歩きながら、頻繁な休載を繰り返してかれこれ何十年も連載していた漫画。だが2016年7月の『月刊少年エース』掲載分以降は休載が続いていた。
しかし2026年においてハリウッド版ガイバー2のBlu-ray内に収録された作者のインタビューで、脳梗塞を発症し右半身が麻痺したため、事実上の漫画家引退およびガイバーはほぼ絶筆になると明かされた。
作者の構想を元に作画を別の人に引き継ぎをさせようにも、短期記憶すら当てにならない程の後遺症を発症している状態なのでそれも不可能である。

  • 落第忍者乱太郎(1986~2019)
作者は尼子騒兵衛。
『忍たま乱太郎』の原作としても知られる忍者漫画だが、尼子氏が脳梗塞を発症して連載を続ける事が困難になってしまったため急遽打ち切り。
幸い経過自体は良好であったのだが、「3カ月間毎日連載、その後3カ月間休載」の繰り返し(掲載媒体は『朝日小学生新聞』)というそれまでの連載形式は負担が大きすぎるという判断であった。
ちなみに発症したのが休載期間だったため、話自体は切りのいいところで終わっており、事実上の最終巻(65巻)も問題なく発行されている。
ただ、「騒動が一通り終結した後で、最後に登場人物が残った疑問を投げかけて終わり」という、見ようによっては知り切れトンボにも見える終わり方であり(一応読み返せばわかる趣向にはなっている)、仮に65巻がアニメ化すれば疑問の答えがアニメオリジナルで描かれるかもしれないのだが、近年は作者によるプロットを元にしたアニメオリジナルエピソードが頻繁に制作されている事から絶望視されている。
2020年からは、「今昔物語集」など日本の古典を、乱太郎達を登場人物にして翻案した掌編小説に1ページ漫画*21と解説を添えて月1で掲載する「乱太郎とめぐるふしぎな世界」がスタートしている。

  • イタズラなKiss(1990~1999)
作者は多田かおる。
『別冊マーガレット』にて10年近く連載された長期ラブコメ少女漫画であり、主人公の結婚と妊娠疑惑までが描かれるも、
多田氏が引っ越し作業中床拭きから立ち上がった拍子に誤って大理石製のテーブルに頭を打ちつけた結果、夜に脳内出血を発症して倒れそのまま急逝してしまい未完となった。
幸いにも多田氏は構想ノートを残しており、アニメ版(2008年)は構想を元にして補完し無事完結させている。

原作坂田信弘、作画かざま鋭二。
プロゴルファーを志した主人公、沖田圭介が自分も周りも不幸にしながら*22トッププロに成長する過程を描いている。
毎回最後のページにポエムが書かれているのが特徴的な漫画でもある。
作画のかざま鋭二が6月にすい臓がん治療で入院し同年10月にすい臓がんで死去。同年12月に掲載された764話を最後に打ち切りとなった。
作画を変えてやり直そうにも原作の坂田信弘が2024年に亡くなったのでそれも不可能である。

作者はひかわ博一。
『月刊コロコロコミック』で掲載された星のカービィシリーズの漫画化。
安定した人気を誇っていたが、24巻から次第に作風がおかしくなっていき、作画崩壊や暗い作風、更にひかわ氏のコメントが不穏なものへと変化していき、2006年には最終回を迎えることとなったが、最終回は最終回であることに関して何も触れられないごく普通のオーソドックスな内容であった*23。
これらのことから「作者が小学館の編集者からパワハラを受け鬱病になった」といった噂が囁かれ、ひかわ氏もこれ以降長期にわたって作家活動を休止していたことから死亡説まで取り沙汰されていたが…
詳細は当該項目を参照。

  • 刻の大地(1996~2002)
作者は夜麻みゆき。
『月刊少年ガンガン』で連載開始し、後に『月刊Gファンタジー』に移籍した夜麻氏の代表作。
夜麻氏の過去作である『レヴァリアース』の続編にして『幻想大陸』の前日譚にあたり、併せて異世界「オッツ・キイム」を舞台とした三部作……となるはずだった。
2002年に「不思議の環~RIDDLE~」をZERO-SUMで連載開始し、刻の大地を月刊から隔月化。隔月連載2本同時進行という体制になったが、体調不良のため2003年初めから休載。2003年12月号から復帰準備の記事「オッツ・キイムnote」を連載するがこれも2回掲載後に休載、最終的に2005年4月号に連載終了発表となった。
2007年に『Gファンタジー』で短期の新連載を開始し漫画家として復帰。作者ブログにて『刻の大地』は(略)「描けなくなった」と発表。
その後同人活動をしていたが、2017年からクラウドファンディング方式で『刻の大地』の「塔の戦い完結編」「天秤の代理編」のWEB連載と単行本化を果たし、更なる続きも同様の形式で行う旨が発表されている。

  • 花と狼の帝国(1996~2003)
作者は藤田貴美と山下友美。
漫画家コンビTEAM D.O.Cによる漫画で、一度は掲載誌『セリエミステリー』の廃刊に伴って連載中断の憂き目にあうものの、中断後も読み切りや同人誌という形で作品展開を継続しており、移籍による連載再開も視野に入っていたという。
しかし作者のストーカーと化した熱狂的なファンが作者への迷惑行為を繰り返した事で、執筆環境が急速に悪化。
酷い時には作者に対する脅迫まで行われていたらしく、最終的に作者直々に「終結宣言」という名の展開打ち切り&封印宣告がされる事となってしまった。
読者絡みのトラブルによる打ち切りとしては間違いなく最悪のケースであろう。

作者は松本零士。
1996年から『ビッグゴールド』で執筆が開始され、2004年までに41話が掲載されたが、2005年に松本氏の漫画家50周年を記念した『ビッグコミックスペリオール』の増刊号に描き下ろしの4話が掲載されたのを最後に連載が休止。その後再開を示唆する発言をするも松本氏が2023年2月13日に逝去。
遡ること10年前、松本氏自身のプロットによる和智正喜の小説『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』(2012-13)が発刊されており*24、また同名の漫画版『アルティメットジャーニー』は島崎譲により連載され、2022~24年に休養を挟むも2025年に完結した。
それらによりどんな構想だったかある程度窺い知ることはできるのは、せめてもの慰めだろうか。

  • クラッシュバンディクー ダンスでジャンプな大冒険!(1997~1999)
作者は川嶋亜理。
『月刊コロコロコミック』で連載された、PSゲーム『クラッシュ・バンディクー』の漫画化作品。
同作の第2作を元にしてストーリーを終え、第3作を2話連載した所で急遽休載、再開せぬまま終了。
休載理由については当時掲載誌で言及された「作者の急病」以上の情報が無く長らく不明瞭のままだったが、2012年に川嶋氏の妹*25がブログで、1年前に姉が亡くなったことを明らかにした。
そのブログによれば、1999年に前述の急病以降は漫画家を休業して療養していたとの事だが結局完治する事なく2011年に亡くなったとの事。

  • 01 ZERO ONE(1999~2000)
作者は奥浩哉。
『週刊ヤングジャンプ』に連載されたVR格闘ゲーム漫画で、3DCGをふんだんに取り入れた斬新な作風だったが、制作環境構築のための投資金額と人気が釣り合わず、作者の資金切れによる自発的な打ち切りとなってしまった。ちなみに本作のノウハウを取り入れて成功したのが『GANTZ』である。

  • 天牌(1999~2022、2026~)
作画は嶺岸信明、原作は来賀友志。
『週刊漫画ゴラク』で連載された麻雀漫画。来賀氏の逝去により、一時連載中断となった。
編集部も作画の嶺岸氏も連載継続の意欲は高かったが、病気の報告が本人よりあったのが2022年4月末、逝去が5月上旬とあまりにも急であった事に加え、
そもそもが牌譜などの詳細なプロット構築無しには描けないジャンルの漫画であった事などから*26、やむを得ず一時中断となった*27。

その後、嶺岸氏は『根こそぎフランケン』や『リスキーエッジ』等で知られる押井雲太朗を原案に招いての新連載『オーラス-裏道の柳-』を始めたものの、
こちらは(おそらく人気低迷により)全8巻で打ち切り。
そして2026年、3年半の月日を経て本作の連載再開となった。連載再開後は「劇画・嶺岸氏、原案・来賀氏」と言う表記になっている。


  • Van-ditz(2002)
作者は斎藤カズサ。
エニックスお家騒動で『月刊コミックブレイド』に移った斎藤氏の新作漫画だが、創刊号から4話まで載せた所で斎藤氏の体調不良により休載。
一応、話はキリが良い所ではあった。
以降も休載扱いで続報もなく、後に雑誌が書籍からウェブへと移行するも本作については特に言及無し。
斎藤氏がHP等も持たずSNS等もやっていないため、現在どうなっているのかも全く不明。

  • R2 rise R to the second power(2002~2008)
作者は箱田真紀。
上記のエニックスお家騒動で『月刊コミックブレイド』に移った箱田氏の新作漫画。
コミックス3巻が発売予定になっていたが休載し、3巻も発売されないままとなった。
上記の斎藤氏同様に音沙汰のない期間が長く続いたが、2007年5月号で久しぶりにイラストが載り、箱田氏の無事が確認された。
2008年に新創刊された『コミックブレイドBROWNIE』で連載再開されるものの雑誌が創刊号のみで予定されていたVol.2が発行されず。
結果、BROWNIE連載陣は他の現行雑誌に移ったりしたのだが、せっかく再開したR2は移籍しないまま音沙汰なく消えてしまった。
別作品の『ワールドエンド・フェアリーテイル』の続編、『ワールドエンド・フェアリーテイル・アフター』もコミックブレイドMASAMUNEで再開するものの長く続かず休載となっており、マッグガーデンでの箱田氏の連載は悉く止まる事に。
以降箱田氏は漫画連載をしていないが、ホームページは現在も更新されており、イラストが載せられている。

作画は椿あす、原作はまっつー。連載当時2人は夫婦の関係だった。
アニメ化もされる等ガンガンパワードの中でもかなり人気があった作品だったのだが、夫婦であるまっつーと椿の関係が別居状態(後に離婚)になる程に悪化し、執筆体制が完全に崩壊したため2007年に連載休止。
他の作画担当を立てて続きを描く事も編集部と検討していたようだがその後も連載再開の目処は立たず、そのまま事実上の打ち切りとなった。

  • 華中華(2003~2013)
作画はひきの真二、原作は西ゆうじ。
炒飯専門の料理漫画で、当初は『ビッグコミック増刊号』のみの連載だったが、途中から『ビッグコミック』本誌に移籍して連載。
単行本数も19巻とかなり出版されていたのだが、原作の西氏が逝去され、生前の意向と遺族の申し出により急遽連載が終了した。
元々一話完結方式のスタイルだったので伏線回収のし忘れ等は無いが、大筋となるストーリーの中盤で突然の終了だったので驚いた読者も多数いた。

  • EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-(2003~2014)
作者は東まゆみ。
アニメ化もされた『EREMENTAR GERAD』のスピンオフであり、本編の2年後の話。
当初は『コミックブレイドMASAMUNE』で、雑誌休刊後は『月刊コミックアヴァルス』に移り連載を続けていた。
2014年11月の第64話を最後に東氏の緑内障治療を理由に連載が中断。2015年3月にその理由と共に休載が発表された。(一部はコミックス化されていないまま)
マッグガーデンの雑誌形式での発行が止まり、WebのMAGCOMIに移行した後は本作の情報は一切載っておらず、公式でどういう扱いかは不明。
東氏自体、緑内障の治療を宣言してから執筆作業を止めたままであり、2015年に連載が始まった中西達郎との共作『アマデウスコード』も同じく休載したままである。

  • Silver(2005)
作者は末次由紀。
『別冊フレンド』で連載されていたが、過去作である『エデンの花』の要所要所に入っていたバスケットボールの描写が『SLAM DUNK』などのトレースである事が発覚し、『とくダネ!』など漫画と関係ないメディアまでも詳細に取り上げ波紋が広がった。
本作でもバレーボールの描写などに他作品からのトレースが発覚しており、結局末次氏も盗作を認め、「バスケをまともに描く能力がなかった」と釈明。作品は打ち切りとなり単行本も回収処分となった。
なお、その際に末次氏の過去作も全て絶版処分にされたが、これに関しては「流石に処罰が大きすぎるのでは」という意見も見られていた。
その後『ちはやふる』でブレイク、完全復活を果たした。

作画は佐藤ショウジ、原作は佐藤大輔。
グロテスクはもちろん、ほとんどの女性キャラクターが巨乳だったりエッチなシーンやコメディ要素も練り込んでいる属性もりもりなゾンビサバイバル漫画。
遅筆が目立った作品ではあるが2011年以降は連載や単行本も完全停止状態に。
当時は東日本大震災が起きた時期でもあり、佐藤大輔氏は震災と作品の悲惨な光景が同じになってしまった精神ショックと心臓病で入院していた事をコメントで公表していたが、2017年3月22日に虚血性心疾患で死去。

国内外で復帰を願う声もあったが、死後から一年経った2018年12月7日のインタビューで佐藤ショウジ氏は連載継続は不可能を断言している。
初代編集担当の川中島曰く『(生前に)佐藤大輔の意志を継ぐ者、弟子がいて本人が納得していたら連載再開は考えていた』とのことだったが、結局は誰一人名乗り出なかった。
更に佐藤ショウジ氏曰く生前の佐藤大輔氏の人柄と作品に対する熱意について『この作品に対して相当こだわりが強かった』『他者の介入を許さない性格だった』ようで、川中島氏は『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEADの原作者はワン・アンド・オンリーな存在だったので、別人が簡単に続きを書けないということは理解してほしい。』発言から原作者の敬意に尊重して事実上、正式な連載終了を口にして絶筆が確定。
何故、他の作家達に継続しなかったか詳しい理由は正式に明かされなかったが、おそらく佐藤ショウジ氏は仮に第三者が描いたとしても物語上の設定を改変・改悪される可能性を恐れていたと思われる*28。

ただし、ライトノベル作品の打ち切りの項でも触れているように、こういった対応を取った大サトー先生関連作品はHoTDだけではなく、むしろ佐藤の執筆していた作品すべてで(最終的には)類似の理由による連載継続の断念が決定したことはケース紹介の際に考慮してもいいだろうし、「著作物を勝手に改変されない権利の行使」と言い換えれば日本における著作権の考え方上も正しい。
このあたりに加え、もともと佐藤の性格・作風は作品読者から投げっぱなし未完癖とあわせてよく知られていたためか、概ね「ファンとしては残念だけど、これはしかたない」という評価で固まっているだろう。

メディア展開については打ち切り後でもパチスロは未だ継続中であり、「キャラが出ればいける形にする」など工夫することで不定期に外部作品とコラボしたり、G123によるブラウザゲーム化なども行なわれている。

作者はこむそう。
『まんがタイムきらら』連載の4コマ漫画。漫画の詳細は項目に譲るとして、こちらも作者の体調不良により打ち切られた漫画の一つ。
こむそう氏が脳溢血で倒れたために製作が不可能となり、休載から打ち切られた。その後こむそう氏は復帰を目指してリハビリに励んでいたものの、2017年に亡くなられたため、絶筆となってしまった。

作者は佐藤タカヒロ。
『週刊少年チャンピオン』連載の熱血相撲漫画。
順調に最終シリーズ『鮫島、最後の十五日』まで連載を続けていたのだが、2018年7月3日に佐藤氏が急逝し未完に終わってしまった。
チャンピオン2018年43号及び最終20巻表紙は生前に残した鉛筆画が使われた他、43号では52ページにも渡る追悼企画が行われた。また「大相撲ジャーナル」で追悼企画が行われるなど各所から悼まれた。
追悼メッセージの中には『週刊少年ジャンプ』で『火ノ丸相撲』を連載していた川田も参加している。
最終盤では主人公の鮫島鯉太郎が生傷の絶えないソップ体型に鞭を打ち、今にも死にそうな満身創痍の状態で土俵に上がる壮絶な描写がなされており、完結していればまず間違いなく鯉太郎の悲劇が描かれていたことは想像に難くなかったであろう。
詳細は伏せるが、最終回はあまりにもキリがよくそして続きが気になるラストとなってしまった。

作者は根雪れい。原作は田中ロミオの小説デビュー作で、2012年にはアニメ化もされた。
初漫画化である本作は、原作小説と同じ小学館発行の『月刊IKKI』で隔月連載されることになり、第1話掲載の2010年3月号は表紙全面が本作の主人公のドアップと大々的にスタートを切った。
……のだが、作者の体調不良を理由にこの第1話をもって無期限休載となってしまった。
もともと連載告知で出されたビジュアルが原作挿絵*29のファンシーなタッチとは大きく異なるものだったため拒否反応を示した原作ファンがかなりおり、
『コミックLO』等の成人漫画誌を中心に活動していた根雪氏の起用を批判する声も上がっていた原作者がエロゲ書いてるからってそういう話じゃねーからこれ。
そのため体調不良というのも実際にはそうした批判の声による心痛なのではないかという憶測も出たが、真偽は不明。
掲載された第1話については、主人公の造形はともかく妖精さんのかわいらしさを評価する意見もあったのだが……*30
作者の体調が回復し次第再開するとされていたが、音沙汰がないまま2014年には雑誌が休刊を迎えた。根雪氏自身は現在一般誌を含めて活動を再開している。

ちなみに同作の漫画化については、2012年にアニメ化と合わせて別作者により再始動。
オリジナルストーリーの『のんびりした報告』が月刊IKKIで、比較的原作寄りの『ようせい、しますか?』が、なぜかKADOKAWA系のメディアファクトリー発行の月刊コミックアライブ誌で並行して連載されるというかなり珍しい展開がとられた。
どちらも長期連載とはならなかったが、単行本化はされている。

作者はマサオ。
『月刊ヤングキング』で連載。元々マサオ氏がWEB上で連載していた同名漫画を原型とした作品だったが、連載後期に著作権のある画像素材を著者が盗用していた事が発覚し、正式な謝罪やこの事に対する言及こそ無いものの打ち切られる事に。
よりによってアニメ版の放送が決まっていた最中の騒動というバッドタイミングであり、アニメ自体は連載終了の翌年に放送された。
しかし最終回で告知されていた映像ソフトはリリースされず仕舞いで終わっている…が、これは製作スタッフの一人が明かしているが、スタッフとしてはソフト化を望んでいたが、不祥事とは無関係に「そもそも売れないだろう」と判断された残酷な結果だった。というか未だに全話がニコニコ動画にて無料配信されている。
なお、マサオ氏の次回作『忍びのオツトメ』も明らかに打ち切りとしか思えない終わり方となり、その後は商業漫画家としての活動は途絶えている。また、SNSでも問題発言を繰り返しており*31、かつて交流のあった面々からも絶縁されている。
なお作者は現在も河野へとペンネームを変えてイラストを投稿している*32。

  • 星のカービィ パクッと大爆ショー!!(2012~2014、2015)
作者は川上ゆーき。
『コロコロイチバン!』で連載された星のカービィシリーズの漫画。
2014年9月号の掲載後、川上氏の急病により2014年10月号から休載に入った。
その後2015年6月号から体調回復により復帰し、タイトルも「星のカービィ もっと大爆ショー!!」に改題して連載を再開するが、8月号の掲載を最後に連載を終了。
明らかに打ち切り同然な突然の終了だったが、その理由については作者事情によるものとのこと。

  • ミリオンドール(2013~2016)
作者は藍。
『GANMA!』連載の、アイドルとそのドルオタを題材にした漫画。2015年には1話は拡大版で10分枠、第2話以降は5分枠でアニメ化が決定。
しかしせっかくのアニメ化にもかかわらず低クオリティなCGによる作画崩壊で作品は悪い方向で有名に。
その後もアニメ監督は1話で説明もなく交代、イベントは2回に渡る延期の上に一部の客のマナーの悪さでやはり悪い意味で話題になり、更には担当編集者からはアニメの制作委員会への参加を禁止されていた旨を作者が述べたりと、アニメ、出版社の双方でトラブルがあった様子が窺える。
アニメの出来の悪さもあってかコミックスの売り上げは伸びず絶版となり、自著の大量の廃棄、裏方の責任の押し付け合い等の目撃諸々を経験し、藍氏の心身の不調を理由にアニメ放送中に連載の無期限休載が発表された。
その後、同人誌で自費出版において新装版を発売し、再び商業での移籍先を検討していたようだが、2023年に同作の執筆の終了、紙書籍については在庫限りで販売終了とする旨を発表した(電子書籍の販売は継続)。

本作はどちらかというと打ち切り後の展開の方が大きく注目された作品。
というのも、2024年7月、藍氏のXにてアニメ関連の収益が2018年から2024年の6年にも渡って未払いだったという事実が公表され、各方面に大きな衝撃を与えた。
未払い分に関しては同年8月に振込は完了したものの、前述した様なゴタゴタに加えて昨今の『GANMA』は漫画家との契約面でのトラブルが多々取り沙汰されている。
この件に加え、『GANMA』との専属契約において「著作人格権は譲渡出来ないから破棄させ、コミックマート社(GANMA!運営会社)が永続的に所持する」といった内容が含まれている事に対する苦言を藍氏が呈しており、『GANMA』への不信感を集めることとなった。

  • ソマリと森の神様(2015~2019)
作者は暮石ヤコ。
『WEBコミックぜにょん』連載のファンタジー漫画。
2019年10月25日の更新以降、暮石氏の体調不良によって休載が続き、2020年12月22日に正式に連載終了が編集部から発表された。
休載から連載終了発表の間にTVアニメが制作されている。

  • THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS(2016)
作者は上戸ソウ。
『月刊ComicREX』連載の、同名ゲームの漫画化。ストーリー原案としてアニメ版の脚本家である綾奈ゆにこが関わっている。
REX側は同じく掲載されていたアニマスの漫画(まなマス版)と合わせて推していたものの、アニメ放送終了と同月から連載開始予定の所を延期になるなど、開始前から雲行きが怪しい様子がみられた。
翌年に漸く紙面へと掲載されるも、上戸氏の体調悪化に伴い僅か4話で休載。その後、掲載誌にて正式に打ち切りと発表された。
現在も上戸氏の近況は一切不明であり、Xは10年前で止まったままヘッダーの左端にラフ画の卯月が一人だけ描かれるという時計の針が止まったかの様な寂しい画面が表示されている…。

  • ぼくは、せんそうをしらない。(2016)
作者はカメントツ。
『リイドカフェ』連載の戦争ルポ漫画。全2話。正確に書くと全1話だが、こうなってしまうまでには幾つかの深い事情があった。
第1話として描かれたあらすじでは「立ち寄った大衆食堂で相席となった老人から戦争当時の話を聞き、風化させまいとして」「第2話以降は戦争体験者からの体験談を募る」こととなる。
公開後はかなりの反響もあったため、インタビューを続行するも相手は老人。ろくに論理だった聞き取りもできず、カメントツ氏は自分の慢心と甘さを痛い程痛感する羽目に。
それでも担当編集と共にボイスレコーダーから復元作業を行うのだが、当時のカメントツ氏は幾つかの連載を抱えていた作家で多忙に耐えかねたため、結果的に担当編集に資料集めなどを丸投げする形になる。
だが、どれだけ資料を読み込んだとしてもそれは資料をなぞっただけ。インタビューの内容をフィクションで膨らませに膨らませた「創作」が出来上がっただけだった。
後に新聞社からこの漫画についてインタビューを受けることになったカメントツ氏だが、取材担当記者の誘導尋問の様なやり方に怒りを覚える。
しかし『やり方は違えど、自分も記者と同じように作品を作っていた』事を自覚。そのため、第1話から200日も連載が止まることとなった*33。
第2話がこの経過報告として配信されて以降も体験談の募集は行われている…が、連載自体は完全に停止している。

  • セクシー田中さん(2017~2023)
作者は芦原妃名子。
周囲からは婚期を逃した奇怪な女性と思われているアラフォーの主人公が実は美人のベリーダンサーで、その秘密を知ったOLとの友情や人間模様を描くという漫画。小学館『姉系プチコミック』連載。
2023年10月に日本テレビ系でドラマ化されたが、終了直後の2024年1月に芦原氏が自殺し、そのまま打ち切りとなった。
原因としてドラマ版のスタッフとのトラブルが報じられており、それまで担当していた脚本家と芦原氏との間で齟齬が生じ、最終2話では芦原氏が脚本を書かざるを得なくなるなど、漫画連載との並行もあり精神的に追い詰められていたという。
原作者の自殺という最悪の事態になった影響は非常に大きく、日テレでは2024年春と2025年春に予定していた漫画原作ドラマ2本が製作中止に追い込まれている。

  • 本日わたしは炎上しました(2018)
作者はどげざ。まさか存在自体が出オチな作品になるとは作者も編集部も思わなかっただろう。
『まんがタイムきららMAX』連載の4コマ漫画。タイトル通り、Youtuberとして活動するJKが再生数を稼ぐ=炎上させるためにありとあらゆる行為も厭わないという風刺ギャグな内容。
…だったのだが、作者が過去にTwitter上でヘイトスピーチをしていた事が発覚し、急遽休載となり謝罪文を出す事に(謝罪後に作者はヘイトスピーチを削除、総ツイート数は8600から1200まで減少した)。
ここまでならまだなんとかなったのだが*34、その後あろう事か作者はTwitterにて送られた挑発DMに対して過激な煽りを繰り返してしまう。しかもその際に、何を勘違いしたのか「自分は編集部に既に許されている」といった趣旨の発言を繰り返し、更には相手の了承があったという事でDMを晒しあげてまで挑発。
このいざこざが編集部の目にも届いた結果、再開する予定だった連載は急遽打ち切り。「一度は温情で許されたのに自ら棒に振る」という、完全に自業自得な結末を迎えてしまった。
またどげざ氏は別の出版社のアンソロジーに寄稿した事をツイートしていたが、のちに作者の作品は掲載されていない事が確認されており、この騒動が原因ではないかと推測されている。
その後、どげざ氏はTwitterのアカウントを削除。現在の消息は不明。

  • おしかけメイドの白雪さん(2018~2019)
作者はもりしげ。
『別冊少年チャンピオン』での連載だったが、突如編集部から休載の告知がされ、それにもりしげ氏のツイッターアカウントが猛反発、他の漫画家とのトラブルなどが発端で編集部から一方的に打ち切られたかの様に主張。
ところが編集部側が経緯説明において、ツイ垢と漫画の作者が別であるかの様な内容を述べたため事態が急変。もりしげ氏の公式アカウントの「中の人」及び複数のアカウントが彼の妻によるものと判明し、妻のSNSでの暴走が酷く*35連載終了を申し出た事が発覚した。
この妻とは一時期「もりしげ」の筆名を共有する共同制作者状態だったという(作画は夫)が、現在では解消されている模様。斜め上すぎる展開に唖然とする読者をよそに、正式な連載終了がもりしげ氏(夫)のアカウントで告知されるというカオスすぎる展開となった。
その後、2020年にもりしげ氏(夫)の訃報が伝えられ、本作は事実上の絶筆となってしまった。

  • はらぺこペンギンカフェ(2019~2021)
作者はきゃらきゃらマキアート。
少女漫画雑誌『なかよし』連載の漫画。きゃらきゃらマキアートは原作を夫、作画を妻が手掛ける夫婦による共同著作者の名義だった(Xによれば2021年で活動歴15年)。
このうち、原作担当者が2020年春から夏にかけて小学生女児に対する強制わいせつ事件を起こし、のちに逮捕され、2021年11月25日に懲役3年・執行猶予5年(保護観察付)の有罪判決を受けた事が、同年12月13日に講談社により公表された。
2作品は11月発売の2021年11月号をもって打ち切りとなり、12月号に連載終了の旨のみ記載されていたが、この様な発表になったのは、発行元の講談社が被害者側の心情に寄り添う事を第一とし、裁判の進行を勘案した結果であった。
講談社は、著者との契約破棄・単行本回収および無期限出荷停止・電子書籍版の削除等の措置を講じ、原作者の行為について「断じて許されない卑劣かつ悪質な行為」と厳しく糾弾。同時に被害者や関係者、読者に対して謝罪の言葉を述べた。
また、作画担当者はXにて、応援してくれた人への感謝の言葉ときゃらきゃらマキアートとしての活動終了を発表した(但し事件や被害者に関するコメントは無く、「様々な事情」とのみ記している)。

  • 鬼嫁と結婚してしまった結果(2019~2021)
作者は大和なでしこ。
『コミックフラッパー』連載の、文字通り種族が鬼の女性と人間の会社員男性とのイチャイチャラブコメ漫画。
元々ニコニコ静画やPixivなどで人気を博したものが連載になったのだが、この手の漫画にありがちなネットの人気が単行本の売上に貢献しないパターンに陥り、単行本すら打ち切られる可能性まで出てきた。
この大和氏は以前から色々騒動を起こす問題人物で、本題から逸れるので詳細は省くが、本件の前にはアナ雪2での広告漫画(後の検証でトレパクが発覚)におけるステマ関与とその対応の悪さで大炎上した経緯もあり、悪い意味で注目を集めていた。
単行本打ち切りまでは回避したいがためか「ファンが単行本を買わないからいっぱい宣伝しないといけない」「アンチが低評価レビューしか付けないから単行本が売れない」「アマゾンの未購入者レビューはアンチの荒らし」「自身への誹謗・中傷に対し法的措置を検討」「2巻の売り上げが悪いと3巻が出ないのでできればネット注文で買ってほしい」等々、自身の炎上を棚に上げて陰謀論めいた内容の漫画を展開しながら作者がTwitterで暴走(なお後にそれらの漫画でもトレパクが発覚)。
ファンからも苦言を呈されるレベルの有様だった事から野次馬に目を付けられ、自身の経歴詐称の発覚*36、作中の料理、建物、車、背景等が軒並み見本写真やGoogleマップの写真を盗用していた事や、あまつさえAmazonアソシエイトを未明記でアフィリエイトへの誘導を長年に渡って行い違法に収益を得ていた*37上に、体調を悪くした同業作家に対して、体調を気遣う体でアソシエイトタグを無断で付けたAmazonのURLをリプライで送り広告料を得ようとしたり、他の作家の作品の宣伝にまでアフィリエイト誘導していた事が掘り起こされ再び大炎上。
これを重くみたのかフラッパー側は公言しないものの炎上2ヶ月後に連載は急に最終回になり、本当に単行本も刊行打ち切りになってしまった。
大和氏に関しても立て続けの炎上に、やはり例によってその後の対応の悪さも相まって、すっかり悪評が定着してしまった。
ちなみに、連載中も同人版を不定期で更新していたためか、そもそもこの漫画が雑誌に連載されていて、しかも単行本発行までこぎつけた事を炎上するまで知らなかった読者も結構いた。
TwitterやAmazonでしか評判を見ていなかったせいで宣伝するべき場所すら根本的に間違えていたというオチまで付いてしまった。
ちなみに、同人版では現在も執筆を続けている。

  • 嫌われたいの~好色王の妃を全力で回避します~(2020~2021)
作画は一色真白、原作は春野こもも、キャラクター原案は雪子。
小説投稿サイト『カクヨム』で連載中の同名小説の漫画化で、漫画配信サイトにて連載。
しかし読者から「漫画家の小田すずかの作品から絵柄のトレースや模倣が見受けられる箇所が多数ある」と指摘され、編集部が作者の一色氏に問い合わせた所トレースした事実を認めたため、2021年11月に連載の打ち切り、配信とコミックスの出荷停止を決定した。
なお原作小説については、作者である春野氏やイラストを担当する雪子氏はトレース問題とは関係ないとしており、今後も連載や出荷は続く模様。

  • とむとじぇりーナナイロ(2021)
作者については後述。
『なかよし』連載の漫画。あの世界的アニメ『トムとジェリー』のスピンオフで、絵柄・内容は雑誌に合わせてファンシーになっている。
……が、作者が上記のきゃらきゃらマキアートだったため、『はらぺこペンギンカフェ』ともども打ち切りとなってしまった。当然ながら本作は黒歴史と化したが、後に新スピンオフで本作と似たコンセプトによる日本オリジナルショートアニメ『とむとじぇりーごっこ』が放送されている。

  • 獣攻遊撃隊アカツキ(2021)
作者は小石ちかさ。
『サイコミ』で2018~2020連載の『ケモノギガ』の続編にあたる異能力ダークアクション。
6月初めに膀胱内に腫瘍が見つかった事を自身のXで報告し、精密検査の結果週刊連載は難しいと判断、7月3日の更新を最後に連載終了となった。

  • 異世界転生者殺し -チートスレイヤー-(2021)
作画は山口アキ、原作は河本ほむら。
『賭ケグルイ』で有名な河本氏が原作を務め『月刊ドラゴンエイジ』2021年7月号に掲載された連載漫画。
内容は「世間では勇者の様に扱われている異世界転生者達が実はやりたい放題やってる悪人だった」という触れ込みの復讐譚。解りやすく言えば異世界版ザ・ボーイズ(……というか一部の読者からは最低系ジャンルと見做されている)。
『小説家になろう』に代表される異世界転生系作品に対するアンチテーゼのつもりだったのだろうが、敵側として描いた転生者達の描写があまりにもマズかった。
キャラクターデザインや名前、設定などが露骨なまでに既存作品に酷似している上に、作中では実際に台詞をパロった上で明確な悪役として描いた挙句、
「異世界転生者は全員チートスキルを貰ってイキってるだけの陰キャども」という台詞まで出るなど、なろう系作品を馬鹿にしていると受け取られても仕方のない描写に満ち溢れていたのだった*38。
更にその人選も元ネタとされる作品ではチート能力を持っていなかったり、異世界現地人で戦闘能力が無かったり、そもそも『小説家になろう』で連載していない・転生ものですらない作品のパロキャラまで描かれる始末*39。
これらの事から河本氏に対して「あまりにも理解が無さ過ぎる」といった批判が続出し、同年6月28日には編集部からも「ヘイト創作と見做されても仕方ないので連載を中止します(意訳)」と宣言されるなど、前代未聞の1話打ち切りになってしまった*40。
なお、2020年に『チートイーター -異世界召喚尽く滅ぶべし-』というよく似たタイトルの作品が連載しているが、作者も内容も無関係な作品であるため注意すべし。

  • トモガタリ(2021~2023)
作者は大月悠祐子。
エッセイ漫画『ど根性ガエルの娘』でセンセーショナルな話題を呼んだ大月氏が手懸けた漫画。『サンデーうぇぶり』連載。
「虫子」なる漫画家の独白という形で中学校時代の部活動などドロッドロな人間模様が描かれていくが、その中の部員の一人が経歴などからこげどんぼ*に酷似していると指摘が出始め、
実際にこげどんぼ氏から「ノンフィクションと誤解されかねない」と訴訟沙汰にまで発展。最終的に「フィクションであり実在人物とは関係ありません」と声明文が出され一応の解決、連載終了となった。
現在作品自体は閲覧不可であるが、こげどんぼ氏の趣味用Xアカウントには証人付き訴訟文が掲載されており、こげどんぼ氏視点でのいきさつを読む事が出来る。

  • ゴッダリアン 神食主義者(2023~2024)
作画は立河ナオ、原作は要マジュロ。
『コミックDAYS』で連載された、異形の怪物を神と崇める宗教団体との戦いを描いたアクション漫画。
24年3月1日に第10話後編の配信を行ってから連載が突如停止、同年5月17日に立河氏の健康状態が回復しない事から連載中止が決定。
それに併せて要氏による第11話から第17話までの原作ネームが期間限定で公開された。*41
立河氏の詳細な健康状態に関しては要氏のX、コミックDAYS編集部ともに伏せており、立河氏自身もゴッダリアン以外の連載やSNSを持っていなかったため、どの様な病状だったのかも判明していない。

  • 僕と君(ギャル)が夫婦になるまで(2023-2025)
作者はしの。
『月刊コミック電撃大王』連載のラブコメ漫画。多額の借金を背負ってしまった高校生の主人公が謎のギャルが出した「ある条件」を受ける代わりに借金を肩代わりしてもらうというストーリー。
過去に『まんが4コマぱれっと』にて『サキュバスさんのはつしごと。』という4コマ漫画を掲載していたが、ある時を境にずっと休載状態になっていた。
『サキュバスさん〜』は最終的には雑誌の消滅により、単行本3巻分に該当する27話から35話分が未発刊のまま打ち切りとなっている。3巻を出せるだけの話のストックはあったので、何らかのトラブルがあったのでは?とも言われている。
2025年6月27日の8月号に第23-2話を掲載後、同年8月27日に電撃大王のXにて「6月末日に亡くなった」事がポストされた。
しの氏本人のXは6月中旬を最後に更新が止まっており、身近な関係者からも具体的な死因は明かされていない。
この事から「サキュバスさん〜」連載中にも病を患っていた可能性も考えられるが闘病を思わせる様なポストも無いため真偽は不明。

  • 堕天作戦(2015~2022)
  • 常人仮面(2022~2025)
前者は小学館のWEB漫画サイト「マンガワン」「裏サンデー」で連載されていた山本章一の漫画。
後者は「マンガワン」にて連載されていた、原作:一路一、作画:鶴吉繪理による漫画だが、後述の経緯により一路一は山本章一の別名義である事が明らかとなっている。
山本は執筆業の傍ら北海道の通信制高校で講師を務めていたのだが、その際に生徒の女性に対し性的暴行に及んでいた。被害女性は高校の3年間にわたって被害を受けるばかりか、大学に進学した後もなお続いた山本からのコンタクトに苦しみ、PTSD・解離性同一性障害を発症して大学を中退せざるを得なくなった。
2020年に女性が警察に相談した事で事態が発覚、山本が逮捕及び略式起訴され、罰金刑*42を受けた事に伴い『堕天作戦』は作者の体調不良という体裁のもと一時連載休止となった。
しばらく間を置いて散発的ながら連載を再開させるが、これに対して被害女性が連載の中止を要求、担当編集者の仲介によりLINEでの話し合いの場を設けるが、山本側は「150万円の損害賠償を女性に支払う」「女性に二度と接近しない」事を提示し、事件を口外しない事を条件に和解を提案。一方で女性は「事件の詳細と連載休止の真相を世間に公表すること」を望んだため互いに譲らず交渉は決裂。民事訴訟へと移行した。これにより名実ともに『堕天作戦』は打ち切られ、掲載終了となったが、この時の打ち切り理由も「作者の私的トラブル」とだけ添えられ、詳細が明かされる事はなかった。
だが打ち切り後程なくして、山本は「一路一」名義で『常人仮面』の原作として起用される。作画の鶴吉繪理氏は、山本とは一度会合で会ったのみでやり取りは全て共同の担当編集者を介しており、名前を変えた件について事情がある事は察したものの深く踏み込まず、事件については知らされていなかった事をXで語っている。一方で民事訴訟の最中にあっても山本は「女性が周囲に助けを求めたりはしなかったので同意していたと思った」と語るなど、反省の様子はあまり見せなかった模様。
その後2026年2月20日、札幌地裁において「元教員」が民事訴訟に敗訴し、原告である女性に対して1100万円の損害賠償を認める判決が出された事が報道されると、山本がその人物ではないかとネット上で話題となる。
そして2月27日、「マンガワン」の運営より渦中の人物が山本章一その人であり、山本の経緯を知りながら名義を変えて『常人仮面』原作者に起用していた旨を明かし、作品の配信停止と単行本出荷停止を行う声明と共に、読者・鶴吉繪理氏・関係者へのお詫びの文章が発表された。また翌日には、弁護士を加えて調査委員会を発足させる事を発表した。
この発表により、小学館が犯罪者を起用して漫画を描かせていた事実を隠蔽していた現実が明るみに出た事を受け、小学館の体制に反感を示した他の連載陣が次々とマンガワンからの作品の引き上げ及び契約解除の申し入れを進めている旨をSNSで表明しており、同誌から相次いで掲載漫画が姿を消すという事態に発展している。

  • お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。(2026)
作画はマツリカ、原作はごろごろみかん。、キャラクター原案はHIROKAZU。
『小説家になろう』に連載された小説の漫画化で、講談社のPalcy、月マガ基地、コミックDAYSにて配信されていた。
第3話まで発表された後の2026年3月9日付で「絵柄・構図が他作品と極めて酷似している箇所が多数見つかった」として配信停止となり、3月31日に月刊少年マガジン編集部より「作画担当のマツリカ氏に事実関係を確認したところ、参考資料の範囲を超えた模倣を行なっていたとの申し出があり、事態を重く受け止めて連載終了することを決定した」との発表がなされた。
また、マツリカの別の読み切り作品『死にたがりの橋の上』にも同様の問題があったとして配信停止になっている。

  • 噫 日本共産党50年伝
原作・内田栄一、作画・旭丘光志により、『週刊プレイボーイ」で連載された作品。
日本共産党の暗部や、天皇のベッドシーンらしいもの(黒ベタ処理されている)を描いた事が問題になったらしく、当初は全50話の予定が20話に削減され、さらにその最終話も雑誌未掲載で事実上打ち切りとなった。
後に自費出版で『資料反合法出版物 噫』として全話収録されたものが少ない部数で刊行されている。


◆作者多忙による打ち切り

逝去などで完全に描けなくなる訳ではなくとも、作者が多忙すぎて続けられなくなる事もある。
特に作者が複数の雑誌を掛け持ちしている場合、スケジュールが合わずうち1つを打ち切りにする、という結果になり易い。
この場合、マイナー誌やエロ漫画雑誌の漫画が犠牲になる事が多い。

この代表格がちみもりを作の『冥王計画ゼオライマー』原作版で、
作者が高屋良樹名義でのメジャー進出のため一旦打ち切りになり、23年後に別の一般誌で完結編および続編の派生作が描かれた。
但し、打ち切りに応じるマイナー誌の側も漫画家のメジャー進出を後押ししたいという事で案外快く応じている場合もある。
この例は天王寺きつね作の『Rape+2πr』で、天王寺氏の一般誌連載が決まったため予定していた一章を切って完結を早めた。

作者は吉崎観音。
『月刊少年ガンガン』で連載された、吉崎氏による『テリーのワンダーランド』スピンオフ漫画。
…だが直後に『ケロロ軍曹』が大ブレイクし、そのヒットによる多忙が祟ってこちらの連載を打ち切らざるを得なかった、というのが定説。
吉崎氏のセンスとドラクエ愛(何か一部授かり方がおかしいが)を感じさせる演出*43を始め、「破壊神を破壊した男」というキラーワードを世に放ったエピソードも評価が高く、こちらも全5巻にして100万部は確実に超えたと目されるだけにファンには惜しまれている。作品と作者の幸不幸は必ずしも軌を一にしない、という好例かもしれない…。

  • 仕掛人 藤枝梅安(2001~2014)
作画はさいとう・たかを、原作は池波正太郎。
池波氏の時代小説を劇画化したもので単行本は35巻まで出た。
2000年代のさいとう氏は御年70代で、それでも『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』『仕掛人 藤枝梅安』の3作に絞って連載を続けていたが、直属の部下のチーフアシスタント(60代)2名が相次いで亡くなってしまう。
このため増加する作業量に対応できず『梅安』の連載終了を表明した。
幸いこの作品は「単発の事件に主人公が立ち向かって解決」という時代劇によくある構成なので、途中で終えても面白さが削がれるものでは無い。
原作小説の内容を全て描ききる前に作者が生前のうちに終了を決断したので打ち切りと判断できるだろう。
残りの2本『ゴルゴ』『鬼平』については彼の死後もさいとうプロダクションの手で連載継続中である。

後に、武村勇治が作画する新たな『仕掛人 藤枝梅安』が連載開始され、こちらは原作小説の内容を一通り描き切って完結した。
(作画を変えての続行ではなくあくまで「新生」であり武村版もエピソードを第1話から新規に描いている)

作者は寺嶋裕二。
『週刊少年マガジン』連載の野球漫画。足掛け15年以上に渡る長期連載だったが、第2部の最終回が完全に打ち切りとしか思えない終わり方で物議を醸す事となった。
これに対して寺嶋氏は体力の低下とスケジュールの厳しさにより週刊連載が難しくなった事と、それに起因して無理して連載を進めて登場人物達のその後を雑に決めるのが嫌だった事をXにて語っている。
このため、月刊などで連載ペースを落とした上で第3部を連載して欲しいという声も上がっている。
その声に応えてか、2024年末から『ダイヤのA actII 外伝 帝東VS.鵜久森』の短期連載が開始した。


◆編集部関連の事情による打ち切り

漫画作成に欠かせない存在であるがしばしば漫画家の最大の敵として描かれる編集部。
彼らの漫画への貢献は計り知れないが、その編集部のせいで漫画が打ち切りになってしまうという本末転倒な事例もある。

作者は久米田康治。
『週刊少年サンデー』で連載された、久米田氏の代表作のひとつ。
最終巻の数巻前までは特装版やファンブック発売、と本誌側でもプッシュされていたのだが、当時のサンデー編集部によるサンデーの低年齢層を意識した改革宣言により打ち切りが決定した(本編内や単行本おまけにて散々ネタにしている)。
その後、久米田氏はライバル誌である週刊少年マガジンにて『さよなら絶望先生』を連載、念願のアニメ化、ヒットを果たした。改蔵の方も後にOVA化を果たしている。
ちなみに最終回の内容についてはある程度当初からの想定通りだった事が後年言及されている。

作者はPEACH-PIT。
『月刊コミックバーズ』連載のPEACH-PIT氏の代表作。バトルロイヤルという当時の流行にアンティークドールという特異なホビーを組み合わせた、全く新しいジャンルの漫画である。当初の表記は『Rozen Maiden』だった。
アニメ化で人気に火が付いたが、PEACH-PIT氏が編集部の怠慢*44に腹を立てて喧嘩別れし、非常に中途半端な所での打ち切りとなった。
ストーリー上だけでなく、分量的にも半端であり、最終巻は他の巻の半分程しか厚みがない。
その後、『週刊ヤングジャンプ』に移籍し、タイトルをアルファベットからカタカナ表記に改めて再開。絶版になった単行本も、集英社から再刊された。
ちなみにバーズ連載分はタイトルが『Rozen Maiden』名義のままのため、新規の人は『Rozen Maiden』名義→『ローゼンメイデン』名義の順に読む事を推奨。現在は既刊分を再編集した愛蔵版も発売されている。

作画はSASAYUKi、原作は角川ゲームス。
人気ゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』の漫画化。『コンプティーク』連載。
終了理由は項目参照。

『艦これ』漫画絡みでは、他にも『コミックウォーカー』での連載が予定されていた『ブラックオーダー(仮題)』も、本作の連載終了の発表と同時期に連載中止が告知されて没作品となった。
また、別誌連載の『水雷戦隊クロニクル』も同時期に半年程休載していたが、こちらは無事再開して完結を迎えている。

作者は空詠大智。
『週刊少年サンデー』で連載されたスポーツ・ギャンブル・コメディ漫画。
競馬や競輪の様に女性アスリートが胸や尻を駆使して水中に落とし合う競技「競女」がギャンブルとして公認されている世界を舞台としており、単行本描き下ろしパートでは早々に「PTAで問題となり学校単位で禁書にしようとしている」といった投書が届く程「誤解を産んでいる程エロ寄りでは無いが、誤解が解ける程エロ描写その物を避けてない」漫画だった。
そのエキセントリックさから空詠氏も想定外のアニメ化を遂げるが、空詠氏の公式ブログでは編集部から「アニメの終了と同時に打ち切りのように終わってくれ」と指示があった他、アニメ化作品とは思えない程掲載順が冷遇されていた(お色気漫画の掲載順が後方に追いやられる事象自体は他誌でも存在する)、その他出版社から適切なサポートが得られなかった等、編集部とのトラブルがあっての終了と明かされている。

  • ゆる艦〜女提督プレイ日記〜(2014)
作画は湧井想太、シナリオは仁藤砂雨、原作は角川ゲームス。
上記の『side:金剛』と同様の、艦これのプレイ漫画で、KADOKAWAが運営している無料コミックポータルサイト『ComicWalker』に連載された。
既に連載されていたプレイ漫画「艦々日和」に比べると序盤の進行についてのチュートリアル要素が強く、初期艦娘の選択は電、
そして何より提督になった漫画担当湧井の貧乳から巨乳まで万遍なく愛する変態淑女ぶりと、漢字や英語をろくに読解できないおバカぶりで差別化されている。
一度はWalkerの閲覧数トップを獲得したりするも、『side:金剛』の終了とほぼ同時期に連載が中断され、そのまま打ち切りとなる。
特に、最後の掲載となる第8話は電が大破したのに泡食った提督がうっかり進撃させてしまい、次の戦闘で電に攻撃が飛んでくる場面で終わるという、まさに衝撃のラスト。
その後、湧井氏は自身のX及びPixivで第9話、そして第1話~第8話を公開し、上記の「後でなんとかする型」で本作は完結した。どうなったのかは読者自身が確かめてほしい。

なお、仁藤氏はXにて「ネームのOK出たから描いた完成原稿を提出したのに1円も支払われない」と明かしており、
仁藤氏&湧井氏コンビの次回作にも「一ヶ月働いて原稿料もらえなかったあの切なみ」「このうらみはらさでおくべきか…」という1コマがあったりしたが、
仁藤氏はこれ以降KADOKAWAで仕事を行った形跡が確認されない一方、湧井氏はKADOKAWAにおいて別の原作者による漫画を複数連載している。

  • カメントツの漫画ならず道(2016~2017)
作者はカメントツ。
『ゲッサン』で連載された、web漫画家カメントツ氏の出世作。
内容は様々な漫画家や漫画業界に関連する企業に対してダメもとで取材を慣行するというもので、
カメントツの大物漫画家でも物怖じしない姿勢、漫画家個人の人生観や人間性に迫った内容、思わぬ裏話の登場など見所の多い漫画だった。
特に表舞台から完全にフェードアウトし死亡説まで流れていた「ひかわ博一」の真相を公表した事はネット上でも話題になり大きな反響を呼んだ。
しかし、神レベルの漫画家に対して(幾ら本人が了承していても)失礼に見える事や、内容があまりにもデリケートな部分に踏み込んでいった結果、他社から「ゲッサンの鉄砲玉」と恐れられる様になってしまい徐々に取材が困難になってしまう。
また担当編集者が出世してしまい厄介者になったカメントツは切り捨てた、立場上危ない橋を渡れなくなった事もあり打ち切りが決定した(カメントツ氏も最終回で編集部に対して毒を吐いている)。
但し、担当にも思うところがあったのかこのまま喧嘩別れとはならず、カメントツ氏は同誌にて『あのときのこどもさん』を連載している。

  • Mourning Bride(2018~2019)
作者は森山大輔。
『少年マガジンエッジ』にて隔月ペースで連載されていた漫画。
2019年8月に「諸般の都合」での連載中止が発表され、発売予定の単行本第3巻も制作中止が告知されてしまった。
連載中止の告知では森山氏と編集部の関係悪化が原因である事が暗に示されており、
森山氏も自身のTwitterで「経緯については先方の発表以上でも以下でもないです」と肯定するコメントをしている。

  • ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(2019~2024)
作画は逆木ルミヲ、原作は恵ノ島すず、キャラクター原案はえいひ。
アニメ化もされた同名人気ラノベの漫画化。
ストーリー的にはほぼ消化し終わって後はエピローグを残すのみという終盤も終盤に、Xにて7巻に収録されている話をもって連載終了となる事が唐突に伝えられた。
終了理由は項目参照。
なお、作画を今中千尋、掲載媒体をcomicブーストに変更して最初からスタートし直した『ツンリゼ~ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん~』が2026年から開始している。

  • 影守人のジグとメル(2021~2022)
作者は陽歌れいり。
東京漫画社のBLウェブマガジン『NUUDE』で連載されたBL漫画。
2021年5月に連載を開始したが、担当編集者の連絡不備や打ち合わせすっぽかしなどの不手際から第1話掲載後に休載。その影響から、しばらくして陽歌氏が蕁麻疹による不眠症や突発性難聴を発症するなど、肉体的・精神的にも負担となっていた。
11月には連載終了を申し出たが慰留され、12月に編集部が「担当編集のスケジュール管理の甘さと度重なる不手際により、進行面で先生に多大なるご迷惑をおかけした」として休載を謝罪し、「今後は編集体制を整え、先生にご負担のかからぬよう進行して参る所存です」と発表した。
そして2022年5月に第2話が発表されたが、8月にこの2話をもって連載終了する事が発表された。
陽歌氏によれば、12月の謝罪コメント後も担当編集者の連絡不備・遅延等の不手際は改善されなかったとの事で、編集部との協議の末、連載継続が難しいとして終了に至った。

マンガ・ノベルアプリ「peep」にて掲載された三石メガネ氏執筆の小説を、漫画家の合田蛍冬によって漫画化されたもの。
のちに、高野ヒノによって縦読み漫画版の連載も始まったのだが、この縦読み漫画はキャラデザインや漫画構図が酷似していた。
しかし、編集部は高野ヒノ版の肩を持ち、合田蛍冬版の作品の打ち切り宣告。
高野ヒノ版は週刊連載だったものがシナリオが合田蛍冬版を追い越した途端に隔週連載となるも、無事完結まで描き切った。

  • ハズレアイテム「種」が実は最強加護付き聖樹だったので、辺境をのびのび開拓します~追放された貴族は全属性魔法を駆使して無敵の領地を作り上げる~(2024~2025)
作画は柊木蓮、原作は鈴木竜一。
スターツ出版のウェブサイト『ノベマ!』連載の、ラノベの漫画化*45。
2025年6月18日に突如編集部のXアカウントにて連載終了の報告がなされ、これらと並行して各ウェブサイトでの配信も「諸般の事情で」停止された。
リリースされた報告には終了に至る経緯も記されていたが、その内容が、
  • 雑誌の表紙に用いたイラストのアスペクト比を誤ったり、見開きページの左右のずれ*46などの校正の不備を何度も繰り返し、柊木氏の意図しない形で作品を市場に出す
  • 柊木氏に対して編集部が原作に無いエピソードの大幅加筆を要請した上、キャパシティ的にこれ以上の修正は難しいなどの相談をしていたにもかかわらず、断りにくい立場から大幅な修正を半ば強制的に要請する
  • 上述した過剰な干渉を問題視されて担当を外されていたにもかかわらず、その元担当編集者からの年賀状をチェックせずにそのままコミカライズ担当に送付して、(恐らくは)精神的苦痛を与えた
と、「編集部が立場を利用、もしくは職務怠慢により柊木氏に過度な負担を強いたために信頼関係が崩壊した」というあんまりなものであった。
同時に柊木氏からも、不本意な形での連載終了になった事へのお詫びのポストが投下されていたが、連載終了の経緯については色々言いたい事があると含みを持たせつつも、溜め込んでいるエネルギーは進行中の他の漫画に使いたいと添えている。

余談ではあるが本件、一部ネットユーザーからは経緯のみでなく、編集部のリリース内容についても注目されており
  • 情報量が多いのに内容をまとめ切れていない、文章書きが本業とは思えない低レベルの構成力
  • 世間に向けた発表にしては経緯を赤裸々に書き連ねすぎて、関係各所への配慮が感じられない内容
  • 謝罪相手が読者のみで、直接の被害者である鈴木氏や柊木氏への謝罪の記載がない
色々ツッコミどころの多い内容から、編集部自体の能力について疑問を呈する指摘も挙がっている。

  • キズとも(2024~2025)
作者はダム穴。CygamesのWEB漫画サイト『サイコミ』で連載されていた。
親から性的加害を受けて育った女性などが登場する、社会派サスペンス群像劇。
第25話まで連載したところで、2025年4月にダム穴氏の体調不良を理由として、「休載&不定期掲載のお知らせ」が出るに至った。
しかし2025年9月5日、ダム穴氏がXおよびnoteにおいて、連載終了の通告と、それに至った事情を暴露した。
その内容をまとめると、
  • ダム穴氏自身が性的虐待を受けた当事者であるという背景から、「性加害・性的搾取は決して許されない」という前提と、「キズと共に生きる」というテーマのもと、性被害者が自らの心の傷と向き合いながら未来を切り開くという想定で、担当編集者と約2年間の準備をかけた作品だった。
  • 連載開始の3営業日前(2024年8月15日)に突然、編集長から「社内のコンテンツ倫理委員会に見つかるとマズイから、性加害描写全てを黒塗りにしろ」という身も蓋もない要求をしてきた(これ以前に、ネーム段階や原稿完成後に編集長も内容を確認していて問題ないとされたにも関わらず)。
  • 担当編集者は「過度の表現規制であり、それをすると作品の意義が失われる」と反対したが、「塗り潰さないのなら掲載しない」と脅され、ダム穴氏自身も新人作家で初の商業連載であったため「逆らうと作品が世に出せない」との不安に苛まれ、仕方なく修正に応じた(結果、ページの大半が真っ黒になったり、台詞までも伏字だらけになったりした)。
  • また、読者のコメント欄に「読者自身の性加害経験談」が寄せられても消さないでほしいとダム穴氏はお願いしていたが、意図的に非表示にした。
  • 8月25日、担当編集者が「過度な表現規制」「性加害経験談の非表示」について編集部に抗議し、経験談の非表示は撤回されたが、表現規制については緩和されなかった。
  • ダム穴氏は編集長から「(掲載作品全体への)表現規制の明確な基準を設ける」と約束してもらったが、その後「一律の基準は設けられない」と約束を反故にされた。また、規制理由が「サイコミアプリのレーティングが12歳以上だから」になっており、コンテンツ倫理委員会の話はどこかに消えた。
  • ダム穴氏は一貫性の無い姿勢に不信感を抱きつつ、編集長らとの話し合いで「本作品限定の規制基準」(性加害・性的虐待・近親相姦を想起させる明確な性的描写には規制をかける)を取り決めた。しかし、それもまた反故にされ、「児童への暴力を想起させる表現」に格上げされ、「子供のくせに」「性奴隷」等の台詞までも規制対象にされた。
  • 編集長は「アプリの審査に通らないと思うとレーティング担当から言われた」など不明瞭な説明を付け加えたが、実際の所サイコミと同じレーティングのKindleでは本作の無規制版が堂々と掲載されていた。
  • サイコミ掲載の他作品にも性的描写や子供への暴力表現などはあるのにこの作品だけ過度に規制されていると感じた*47ダム穴氏はその件を編集長に質問したが、「ダム穴氏の描写は生々しいから」「他作品はファンタジーだから」「他作品の近親相姦は実の親子ではないから」といった主観的な説明を告げてきて、また「規制は事業部長の判断であり、自分ではどうしようもないので事業部長に直接言ってくれ」と転嫁した。
  • ダム穴氏は事業部長・編集長同席のもと改めて表現規制の経緯の説明を求め、ダム穴氏が「他作品では同様の規制がされていない」と指摘したところ、本作のみ差別的な扱いをしていたと認めた。その場で、改めて規制基準(児童への性加害・近親相姦に関する直接的描写には規制をかけるが、それ以外は他作品童謡とする)を定めた。
  • しかしその後も、基準外の描写についての黒塗りを編集長に要求されるなどした(抗議により実際には規制されず)。
  • ダム穴氏は読者への謝罪と規制に関する経緯の公表を編集部に求めていたが、聞き入れられず、ダム穴氏自身と円満に合意したかの様な曖昧な告知に留められた。
  • 上記の編集長らの不誠実対応もあって、ダム穴氏は体調が悪化し、連載ペースが週刊から隔週刊に落ちるなどした。そして心療内科で「うつ病」と診断を受け、担当編集者と相談の上、「休載&不定期掲載のお知らせ」を告知した。
  • しかしその10日後、担当編集者が引き継ぎもされないまま編集長に交代させられた。元の担当編集者は、社内で編集長から「不当な嫌疑をかけられる」「虚偽の噂を流される」「無断で業務資料・社内SNS等へのアクセス権を剥奪される」といったパワハラ行為を受けており、新しい事業部長に「アクセス権の復活、業務の引き継ぎをさせてほしい」と申し出たが却下されてしまっており、その他様々な嫌がらせを受けた末に退職に追い込まれた(これらの経緯はダム穴氏は後になって知った事である)。
  • ダム穴氏は2025年6月に編集長(この時点での担当編集)に打ち切りを申し出る。
  • その後、元の担当編集者へのパワハラ・退職を知ったダム穴氏は、Cygamesの労務部に内部通報、社内調査を要求したが、元の担当編集者氏自身を調査対象から外したり、ダム穴氏にも圧力をかける様な不誠実な態度で、8月末に届いた調査報告書も虚偽が記されるなど、編集長や事業部に都合の良い内容でしかなく、元の担当編集者に対する行為も「パワハラではない」とされた。
  • ダム穴氏は代理人弁護士を通じて内容証明をCygamesに送り、本件の打ち切りに関する経緯公表を求めたが、期日を過ぎても行われる事は無く、Xおよびnoteでの公表に至った(なお、件の編集長・元事業部長は許可を出したらしい)。
一応、これらの内容は作者のダム穴氏視点のものである事を記しておくが、Cygames・サイコミ側はこの件について一切コメントを出していない。


  • 『コミック百合姫』、『コミック百合姫S』の一部作品
発行当時はマイナーな百合漫画誌だったのだが徐々に人気を獲得し、季刊→隔月刊→月刊と、徐々に発行ペースを上げていった。
だが当初は何の告知も無いまま物語が途中のまま突然連載終了したり、「この続きはコミックスで」というケースがやたらと多かった。
酷い時には掲載作品の半数以上が「この続きはコミックスで」などというケースもあった程。
中には「この続きはpixivで」というケースもあったのだが、こちらは無料会員でも閲覧可能である事が救いか。

後に百合姫Sが廃刊となり、月刊化が決まっていた百合姫と統合したのだが、
百合姫Sで連載中だった作品の幾つかがが「この続きはWEBで無料配信決定」と告知していたにもかかわらず、
結局は『死神アリス』の未掲載分がコミックス最終巻に収録されたのみで、
他の漫画は物語が消化不良のまま、連載その物が打ち切りになってしまっている。

この雑誌で問題なのは、漫画が突然打ち切りになった事を、誌面上で読者に一切報告しないケースばかりという点だろう。
上記の『死神アリス』などが「WEBでの無料配信が決まった」と告知した件に関しても、結局その後は何の告知もせずに音沙汰無しとなってしまっている。
読者の立場からすればたまった物ではないだろう。せめて進捗状況の告知位はすべきだと思うのだが…。
流石に読者から批判が多く集まったためか、その後しばらくは上記の様なケースは見受けられず、まともな完結を迎えている漫画がほとんどだった。しかし2019年頃からまたしても、突然長期休載状態になっている漫画が幾つか現れ始めている。
そしてこの件に関しての進捗状況について、やはり編集部からはこれまで何の告知もされていなかった。…と思いきや「作者がこれ以上執筆活動を続けられなくなった」という理由から、2020年6月に『凛としてカレンな花のように』、2021年1月に『夢の中で君を探して』の打ち切りが正式発表された。もしかして編集部がここを見た?
だが打ち切りの告知は両漫画共に巻末の片隅の物凄く狭いスペースで、しかも物凄く小さな文字で書かれている事から、打ち切りの告知が掲載されている事自体に気付かなかったという人も多いのではないだろうか。

『夢の中で君を探して』に関しては、作者が2020年3月に自らのブログで

「命に係わるような物ではないが病気療養をせざるを得なくなってしまい、止むを得ず長期休載せざるを得なくなってしまった」
「現在は連載再開に向けて担当者と話し合っている状況」

と報告していたのだが、この件に関しても誌面上では何の発表もされていない。誌面上で報告出来ない理由が何かあるというのだろうか?
……と思ったら2022年4月に『セメルパルス semelparous』が不定期連載になる事が誌面上で発表された際、1ページ丸ごと使って大々的に報じられた上に「作者の体調不良が理由」だとはっきりと記載された。やっぱり編集部がここを見てるとしか……

同様に突然連載が打ち切られた『百合男子』の作者の倉田嘘は、同作が打ち切られた経緯として「コミックスが想定していたより売れなかった事を理由に打ち切りを宣告された」と百合姫の誌面上で明かしている。
最終話までのプロットは既に完成していたとの事で、「出来れば最後まで描きたかった」と無念をにじませていた。
前述した倉田氏の例に限った話でもなく、百合姫においては特に単行本の売り上げが連載継続において他誌以上に重要視されていると伺える節がある。
前述する様な作家と漫画を蔑ろにしている様な対応や、百合系作品の執筆経験が無かったり、商業で連載を行うには実力不足と思われる作家の起用があったりと、編集に対する不信感を募らせる声は少なくない。


◆理由不明の打ち切り

今なお理由が明かされていないもの。社会情勢の影響や漫画家及び編集部の事情などに近いケースといえるか。

  • FINAL FANTASY XI〜THE OUT OF ORDERS〜(2004)
作画はキム・ビョンジン、原作はキム・ソンジェ。
国産MMORPGである『FINAL FANTASY ⅩⅠ』の漫画化。創刊間もない『ヤングガンガン』の看板として連載が始まったが、わずか3回で長期休載に入り、そのまま作者の都合による連載中止のお知らせが掲載された。
理由は明かされていないが、原作・作画共に韓国人作家を起用したものの肝心の当時の韓国では『FF11』のサービス自体がまだ始まっておらず、そのために作者側が世界観を把握しきれず実際に描写に違和感のあるものが見られており、これが打ち切り理由に近いのではとされている。

作画は緋賀ゆかり、原作は都築真紀。
『魔法少女リリカルなのは』シリーズ第4期にあたる漫画だったが、
突然連載終了+同雑誌同作者で次の号から『1st MOVIE』漫画化が始まる旨が告知されて文字通りストーリー展開が打ち切られた(一応名目上は長期休載)。
同時期に展開されていた『同ViVid』程の風速を出せなかったのは事実の様なので人気不振によるものとされるが*48、それでも話を強引にでもまとめるとか「この後どうなるかのプロットなりダイジェストなりを掲載する」とかすら行わなかったのは異例。加えて、現在では連載誌となっている『娘Type』が休刊状態になっているので連載再開される可能性も尚更低い状態となっている。
現在20周年記念作品のひとつとして展開されている漫画『EXCEEDS』でも「『Force』の連載を再開する予定はないのか?」という内容の意見はけっこう見られるため*49、全く支持されていなかった訳ではないのだが…。

また一種の都市伝説として、2026年夏アニメ枠で放映したシリーズ20周年記念作品『EXCEEDS GunBlazeVengeance』のストーリー進行は映画版ルートに繋がっていない作品群をセルフリメイクした要素も組み込んでいる、というものがあり、その考察では、
「魔法とは体系面で関係ない、異能力とでもいうべき力を得てしまったことで「なのはたちと肩を並べて戦えるようになってしまった」一般人が実質的な主人公(本作のトーマ/GBVのシイナ)」
「主人公の相方は最初からその異能力が使える女の子(本作のリリィ/GBVのセツナ。判断ラインによってはトワも)」
「その異能力に目覚めてしまった若者たちの寄り合い所帯が非管理局の勢力として登場する(本作のフッケバイン一家/GBVのトワたち「魔人狩り」チーム)*50」
「その「異能力チーム」とは別個の勢力の人物がシナリオ的なラスボス(本作ではハーディスと目されていた/ガンブレの篠宮マナ・藏木エイジ)」
「なのはたちのデバイスにミッド式魔法とは別枠の技術を組み込む(本作のAEC装備/GBVのフォーミュラシステム)*51」
などが本作に由来しているとされている。つまりこの説に沿えば『GBV』の主要設定ほとんどの元ネタは『Force』ということになる。
…「しーちゃん(魔人モード)の裏モチーフはティアナ*52」、のように、ホンマかいなみたいなのもあるが。

もっともこれについては、『なのは』自体、一貫して「人外でも彼ら彼女らに『人間臭く、そして人間らしいパーソナリティ』があれば周囲と強い絆を得ることができる」がテーマとされており、
フェイト(1期):自然出生ではなくクローニングで「ツクリモノ」として生まれた
ヴォルケンリッターと初代リインフォース:そもそも生まれに限定するなら完全な人外
スバル:生まれながらの人造人間で今も身体的にサイボーグ(身体が成長するアンドロイド?)*53
ヴィヴィオ(ViVid):フェイトと同じくクローニングで出生+あちらと違ってDNA上の母そのものを知らない*54
リリィ:ヴォルケンリッター同様に生まれ自体が人外
セツナ:上に同じ
トワ:少なくともシイナと友人になった時点では魔人歴がかなり長い(先述のようにシイナからすれば「最初に知り合った時点で、つまり最初から「どちらかといえば正義サイドの魔人」だった」といえる)
…といった感じなので、人外のキャラクターに対応する相方で新主人公、という意味ではポジションはティアナと同一ではある。

  • シンデレラガールズ劇場拡大版(2013~2014)
モバゲー『アイドルマスター シンデレラガールズ』にて展開されていた漫画作品。拡大版は5話の連載後何故か更新がパタッと止まってしまい、2014年11月を最後に新作公開もされずそのまま全話非公開になってしまい*55、シンデレラガールズ劇場の単行本にも収録されないままという所謂封印状態が続いていたが、2023年に同作のサービスが終了し、事実上の打ち切りとなってしまった。

  • のぞえもん(2015)
作者は藤崎ひかり。
『コミックへヴン』で連載された、高校生の主人公の下に未来からやってきた幼女型ロボット・のぞえもんが巻き起こす、『ドラえもん』をモチーフにしたちょっとHなコメディ作品。だが第1巻発売後、内容不備を理由に僅か一週間で店舗から回収、同年8月の「ヘヴン」内で連載中止が発表された。再販も電子化も続編掲載もなされず、本人のpixivのプロフィールから同作についての存在が消されている為、現在は事実上の打ち切り状態になっている。
出版元の日本文芸社は、『ドラえもん』のアニメ版権を持つADKの完全子会社(現在は離脱)だったのに、そのADKに認可を得ずに出版してしまったのも理由か。
本件について藤子プロからクレームが入ったかは不明だが、仮にADKの許可を得て連載が続いていても同じ道を辿っていた可能性は捨てきれない*56。
なお、古本はプレミア価格で取引されている。

  • セーラーエース(2015~2017)
作者はしげの秀一。
『週刊ヤングマガジン』連載の、『頭文字D』などが代表作として知られるしげの氏による美少女高校生がセーラー服を着て野球をする作者の好みを体現した様な*57スポ根漫画。
相手のエース投手が登板を迎えるという展開で唐突に最終回だと告知されるというとんでもない幕切れとなった。
しかも終了告知と同時にしげの氏の次回作となる新連載が告知されるという前代未聞のW告知が行われた。
SNSでも大きな賛否を呼ぶ事態となったが、編集部やしげの氏からこの件に対するコメントは未だに出ていないので真相は不明。
セーラーエースの終了がヤングマガジン2017年第18号、初期の時点でしげの氏の代表作『頭文字D』の続編に近かった*58『MFゴースト』の開始が2017年40号と読者人気による打ち切りにしては異常に間隔が狭く、「しげのは続けたかったが、編集部から『車漫画を描け』という圧力に負けて打ち切りになった」可能性が高い*59が、真相は今後も闇の中だろう。

そして2025年初夏、しげの氏×ヤンマガのタッグが送る事が告知された新作『昴と彗星』はやっぱり車漫画であり、そして最初から『頭文字D』のアフターストーリーと明言されており、その通りの内容だったため、どうやら完全に車漫画に一本化してもらう事で固まったのかもしれない。

  • Oh! my コンブ ミドル(2021)
かつてのボンボン読者ならバイブル的存在かもしれないリトルグルメで知られたあの漫画の続編。『週刊モーニング』で短期連載していた。
連載開始告知の時点で「あのリトルグルメ漫画が帰ってきた!…信じられない姿で……」と当時の主人公と、シルエットに隠された謎の顔という不穏な見出しであった。
そして第一話にて
  • 定職もなく昼間から駄菓子と酒を嗜み、近所の子供からも不審がられる
  • 貯蓄数千円・趣味は料理以外には酒・駄菓子・パチンコ
…と衝撃的過ぎる姿で登場。更に相棒だったキャラもやりたい事が見出せないと辞めた直後に合流というとんでもない出立ちで登場。
のっけからの衝動に、当時を知らないモーニング読者からは「なんだこの痛々しいオッサンらは」と冷めた印象を持たれ、リトルグルメ世代からも「こんな落ちぶれた姿なんか見たくなかった」「40代半ばのオッサンが、当時のネタやギャグをそのまま再現していて痛々し過ぎて直視出来ない」なんて阿鼻叫喚な感想が飛び交ったらしい。要するに続編もののNG行為を全部やってしまったパターン。
しかもかつてのヒロインからも「良い歳していつまでリトルグルメリトルグルメ言って恥ずかしいんだけど…(意訳)」という正論亀裂が入り疎遠になりかけてる事態まで。
兎に角この斜め上過ぎて暴投じみた内容から全11話で終了。但し打ち切りではなく元々短期連載ではあったのでは?という意見もある。
作者も第一話にて「連載決まったのは良いけど、大丈夫かなあ…。まあ長い目で見てやってくださいね」とコメントしている為、反響を前提としてた節はある。
あまりの内容に、打ち切り以前に『怪作(特に原作履修済みには)』と一部で知れ渡っている作品であった。

  • 継承機神アンブレイカー(2024~2026)
作者はTOGUCHI。
小学館の企画「特撮!ヒーロー!ヴィラン!新人漫画賞」から生まれた、タカラトミーデザインのロボットが登場するファンタジーロボット漫画。
単行本1巻発売後しばらくして、突如1年もの長期休載に入り、再開後程なくして打ち切り終了してしまった。そのうえ最終巻となる第2巻では諸般の都合と称して一部エピソードが収録されずダイジェストで済まされ、『週刊コロコロコミック』などでは引き続き閲覧可能である事を説明したうえで本作のページのURLとQRコードが記載されるという不可解な事態となった。
第2巻の作者コメントによれば、休載の理由は話せないが自身の責任ではないとのこと。作者は小学館やタカラトミーの関係者に謝辞を述べている事から両者のせいでもないと思われるが、真相は闇の中。

  • 黒焔の王ゼルク(2025)
作者は吉川英朗。
過激な描写が社内倫理に触れるとして急遽コミックスの刊行が中止となり他社からの発売となった『悪魔と俺』で話題となった吉川氏の漫画。
騒動の後、しばらくスクエニ以外で活動するも2018年の『魔王と俺の叛逆記』の『マンガUP!』での連載を機に再びスクエニでも活動し始める。
その復帰第2作が本作だが、連載わずか5話で諸事情により連載中止となった(一応コミックスは刊行された)。
『悪魔と俺』の様な過激描写もあまり無く、中止になった理由は不明。むしろ『悪魔と俺』が過激すぎた

  • 珍入社員金太郎
漫☆画太郎の作品で、タイトルから分かるように『サラリーマン金太郎』のパロディ。
『ヤングジャンプ』にて4話まで連載されたが、次回予告がされていたにもかかわらず突如打ち切りとなった。
漫☆画太郎の作品が打ち切りになるのはいつもの事なのだが、これは単行本にも収録されておらず封印作品状態である。
公式からの発表が一切なく、理由も不明。
「その内容に『サラリーマン金太郎』の作者が激怒したから」という噂がある。

◆打ち切りとはいったい…うごごご

数限りない打ち切りを食らい続けた作家にしか見えない境地がある。

作者は石川賢。
数限りない打ち切りを食らった石川氏が辿り着いた、自身の打ち切り漫画をまとめて1つの作品にしてしまおうという新境地。
石川氏は本作を自らのライフワークと評しており、彼の漫画が打ち切られる事は虚無ると呼ばれている。
自分の漫画が打ち切りになって嘆いている漫画家は、彼の漫画を読んで元気を出そう!
「一度の打ち切りが何だ」と思うか、「一度打ち切りになるとその後も打ち切りになり易いのか…」と感じるかはその人次第であるが。
しかし虚無に挑んだ石川氏は「虚無の向こうは、やはり虚無でした」と語り、後に『ゲッターロボアーク』を執筆中にゲッター線と同化し永遠の戦いへ。
作中で言及されたゲッターロボの伏線などは虚無の彼方に消え失せてしまった。

作者は綱島志朗。
『はだしのゲン』に匹敵する超しぶといロボット漫画。
今は亡き『月刊ガンガンWING』で連載が始まるが、エニックスお家騒動の影響で打ち切り。
その後、『月刊コミックブレイド』で仕切り直しになるが、ミッシングリンク編の連載途中で担当編集とイザコザを起こして連載中断。
そして『月刊コミック電撃大王』へ移籍し再び仕切り直し、ミッシングリンク編は完結させた。
更に『オリハルコン・レイカル』を連載していた『月刊ドラゴンエイジ』(の増刊である『ドラゴンエイジピュア』)と枠を交換する形で3度目の仕切り直しになるが、ストーリー半ばで急展開となりまたまた中断。*60
更に更に、2016年に『チャンピオンRED』にて新シリーズ『人狼機ウィンヴルガ』を連載開始。…が、
2021年末期にXにて「雑誌の規制が厳しくなって執筆モチベーションが落ちている」とのコメントが呟かれ、翌22年には同じ秋田書店の別雑誌である『ヤングチャンピオン烈』へ『人狼機ウィンヴルガ 叛逆篇』として移籍連載が決まった。何回仕切り直すんだよ。
大人の事情による打ち切りと復活を繰り返している珍しい漫画なのだが、ぶっちゃけ続ければ続ける程特殊性癖特化のエログロ漫画になっている…。*61*62
こういった経緯もあるので現在では「編集部以上に作者に問題があるのでは?」「本当に描きたいのはロボじゃなくリョナだろ」とまで言われてしまっている。尤も、綱島氏は並行して別の雑誌で連載を手掛ける事も多く、アニメやゲームの原画などの仕事を請け負った事もあるなど、業界においてはそこまで問題と扱われていない節も見られるため余計なお世話であろう。
なお、後年に綱島氏が出した同人誌のインタビューにて担当編集とはやはり不仲であった事が語られており、それがストーリーの展開にも影響を及ぼしていた様子。
また、無印時代は綱島氏の前作である『ライフエラーズ』よりも売れてなかった事も明かしており、むしろお家騒動の影響で延命出来た様なものだった事が発覚している。

ちなみに本作はドラゴンエイジ連載分をパラレル化する形で3度ゲーム化されているが…全てクソゲーオブザイヤーinエロゲー板に選評が送り込まれ、2作目は2020年次点、3作目は2023年大賞受賞という事から出来はお察しください。なお3作目は老舗エロゲメーカー「戯画」の29年目にして解散を迎える、その最後の作品となった。


【関連項目】

路線変更(連載漫画)
「人気低迷」の原因だったり結果だったり。
移籍連載
「社会的事情」「掲載誌の消滅」「編集部関連の事情」などの場合、掲載誌を変えて連載が続く場合もある。


追記・修正は、様々な事情で打ち切られた漫画に想いを馳せつつお願いします。

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最終更新:2026年10月04日 18:48

*1 ちなみに監督は最終回で懲役刑を食らうが、「じきに自分が正しいとわかる日が来る」と一切反省しなかった。

*2 和月の職場のこと。アシやデビュー後の作家同士でも仲の良さからこう呼ばれていた。

*3 厳密には和月組ではなく、デビュー前に下積みとして4か月ほど在籍していた。ちなみに、尾田の直接の師匠は『ジャングルの王者ターちゃん』の徳弘正也である。

*4 これに関しては「そのくらいしつこくやらないと読者も理解してくれない」という擁護もなくはない。

*5 実際のしんがぎんは尾田・武井・いとうを加えた4人の中でも最年長で、連載を得たのも早かったため、作中の扱いとのギャップは大きい。

*6 和月をはじめとした面々には許可を得ているので、そこに関しては問題ないはずだが、「1話の完成前原稿だけを読ませ、許可をもらった後に中身を変えている」という旨を自ら単行本内で明かしていた。

*7 その後、「あそびの国」誌で復活した。

*8 当時の週刊ジャンプ本誌では『キン肉マン』を連載中のため移籍させるのも困難だった。そもそもゆでたまご自身が、わざわざモンゴルマンの設定を作って「両方読んでいる読者が『それぞれ別人のラーメンマン2人がいる』のを混乱しない様に」していたのも大きい

*9 隔月刊で出てたフレッシュジャンプ。アニメ化までしたのに…主題歌めっちゃカッコいいのに…

*10 但し全く忘れてしまった訳ではなく、「エリ・内木・マール星で3方よし、つまり全ての登場キャラにとってのハッピーエンドで終わる内容だったのは確実」とも述べている

*11 いきなり別シリーズに突入して元のシリーズは投げっぱなしエンド、唐突に残りのキーアイテム全部持った仲間が合流してそのまま俺たちの戦いはこれからだ!エンド等々

*12 ちなみに、ちばてつや・ちばあきおの実弟。ちばあきおも41歳で死亡時に、逝去打ち切り作品がある。

*13 例えば『ゴーゴー!ゴジラッ!マツイくん!!』は最終号に「マツイとクワタが時間を遡っていき、最終的には『かっとばせ!キヨハラくん』の初期の頃にタイムスリップ。当時の本物の清原氏の事情から名前こそ出されなかったが、キヨ・マツ・クワの主人公トリオが揃い、また河合じゅんじ三部作の歴史をマツイとクワタが振り返り終わったことでおしまい」といういかにも最終回らしい内容を掲載していた。

*14 当時チーフアシスタントだったむぎわらしんたろうの「明らかにボツと思われるものがごっちゃに書かれているプロットしか手掛かりがなく、藤本先生(F氏)が真に考えていたこの先の展開を推測するだけでも非常に困難だった」の回顧がファンには著名。

*15 厳密にはてんとう虫コミックス内の「ドラえもんシリーズの別作品」扱い。

*16 直前まで元気な様子であり、関係者も自殺の理由がわからない程突然だった。

*17 本編は56話までコミックスも6巻までだが幸い、別雑誌で掲載されていたスピンオフ作品は完結まで連載を継続した。なお、遺族の話によると、物語の結末までのプロットは決まっており、後継の作者が決まれば描いてもいいとの事。ただ、元々の絵の描きこみが凄い上に凄惨なグロ描写も多いので、これを受けついで描くハードルはかなり高いと思われる

*18 ちなみに内容は敵の兵器に主人公が特攻・相打ちになるもの。

*19 彼に限らずこの時期は拳銃の持ち込みが問題になっており、作家、ミュージシャン、スポーツ選手など、多くの著名人が逮捕されている。

*20 先述したようにこれも実質的に作者逝去による未完。むぎわらしんたろうなどアシスタント陣のインタビューや回顧を見る限り、プロットやアイデアのメモを作っていた(遺すことには成功した)のは大長編枠のため続きもの色が強く・すでにストーリーの佳境まで公表していた『ドラえもん のび太とねじ巻き都市冒険記』程度しかなかった可能性もある。

*21 セリフはないので、「コマ割りがされた挿絵」と表現するのが近い。

*22 主人公の人間性というよりは作劇の都合、主人公が非凡なゴルファーになってなお山あり谷ありの物語にしようとしたらこうなってしまった

*23 デデデとカービィの身体が入れ替わって大騒動を巻き起こすというもの。

*24 2020年代に復刻発刊されるが、内容を一部変更している。

*25 ゲーム作品のアンソロジー漫画等で活動している漫画家・川嶋留美。

*26 実際に麻雀漫画では「牌譜作成・対局進行考証」としてクレジットされる人物の逝去により、後任決定まで中断するだとか、「交代後はキャラクターたちの「打ち方」が変わっていると思う」との意見が出ている作品は一定数ある。たとえば長期連載かつ現在も連載中の『むこうぶち』では安藤満プロが担当していた時期と安藤の逝去に伴いケネス徳田プロが担当している現在で牌譜の組み立て方針が異なるという意見が実際に見られている

*27 この項目では長期に渡り「一時中断の後打ち切り」と書かれていたが、デマである。

*28 少なくとも「本作におけるゾンビ」の設定は佐藤の頭の中で構築していたはずだが、作中で明かされていないと言える部分は多く残っている

*29 原作イラストレーターは2011年に交代したため、この時点では山﨑透による旧版(現在は絶版)を指す。

*30 キャラの口調も原作から改変されたという意見もあるが、なにぶん1話しかないので判断しにくい。もともと原作はモノローグ主体の一人称小説で、キャラ(妖精さん以外)の発言はト書きで処理している場面も多い。

*31 以前からSNSの発言等を問題視されており、本作の騒動以前からかつて所属していたHPで交流があった絵師数人からも苦言を呈されていた

*32 よく誤解する人がいるが、アカウントを変えて隠している訳ではない

*33 この時、カメントツ氏が受けたインタビューは新聞に載ることは無かった。

*34 編集部側は「これ以上の対応をするつもりはない」と声明を出していた

*35 この妻はXで現在でも脈絡のない誹謗中傷を延々と呟いており、皆に呆れられている。

*36 「月刊少年ガンガンで投稿作品が新人賞を受賞し商業デビュー」を自称していたがその様な実績は無く、実際は同誌の読者応募コーナーに投稿した1P漫画が掲載された事をその様に偽って公表していた。

*37 Amazonのアソシエイトタグはクリエイターなどが自分のコンテンツを宣伝するためだけに使用するもので公言が必要。無関係な内容の物にも使用したり、その旨に関して明記しない事は規約違反になる。

*38 実際、なろう連載作品は玉石混交の趣が強く、評価も賛否に溢れている傾向が見られてはいるものの、それでもこの描写は明らかにやりすぎだという意見が非常に多く出ている。

*39 モデルにされてしまった作品の作者の一部からも苦言を呈されており、完全に無断だったことも判明している

*40 但し、編集部も編集部で作品を世に出す事による万が一のリスク管理が不十分だった事、KADOKAWA系列誌において問題があった事に対して批判されている。

*41 このネームは掲載に当たり加筆されている事が要氏のXにポストされている。

*42 犯行中に撮影していた被害者の写真の所持による児童ポルノ禁止法違反のみの刑罰になったようである。

*43 特に敵のブリザードがザラキを放ったシーンに関しては「味方サイドのザキ系耐性がテリワンのゲーム本編をしっかり踏襲している」という声が目立ち、当時から「氏は原作ゲーム既プレイ者」と推測する声も根強い。

*44 編集スタッフが原稿紛失という不祥事を複数回(!)起こしたのが最後のひと押しだった、との事。そもそも原稿紛失は最初の1回ですら許されないのに、それを複数回も起こしたら、誰であろうとブチ切れて当然である

*45 原作タイトルは『聖樹の加護付き辺境でスローライフを謳歌する~追放されたけど全属性魔法を授かったので精霊や領民たちと楽しく暮らしてます~』。

*46 第10話でページが左右逆になっていた。

*47 これについては読者もコメントで指摘していた。

*48 但しPSPのゲームに主人公が(ゲスト扱いとはいえ)収録される、当時の公式アンソロジーで『Force』のキャラやそれ前提のネタにOKが出ているなど、公式からの扱い自体は最後まで『ViVid』の原作漫画版と対等ではあった

*49 良くも悪くも『なのは』としては異色作の『ViVid』と違い、ほぼ『無印』~『StS』のTVシリーズ出身作品に近い内容だったため2作品で好みが割れ易いのもある

*50 ただしフッケバイン一家は局(というか特務六課)と明確に敵対しているが、魔人狩りチームは積極的にEXCEEDS御一行と敵対する意思はなく、どちらかといえば「協力体制をとるのに時間がかかった第三勢力」とでも表現するべき立ち位置にある。一応OP映像で「シイナとトワ、あるいは管理局組とトワが戦うカットは無いが、マナとトワが戦うカットはある」として最初から示唆されてはいた。

*51 ただしAEC装備自体は厳密には「魔法の出力方法をガラッと変えた」ものだし、フォーミュラ武装はGBVではなく映画『Ref』『Det』が初出。

*52 オレンジ髪、二丁拳銃でバックス担当、出身自体は普通の部類、アホの子枠ではない

*53 スカリエッティのラボで生まれたのではなく別のマッドサイエンティストが生み出したらしい。そのため「ナンバーズ組は身体が成長しないのに(例:チンクの体格)ギンガとスバルは本人自己紹介やゲンヤの回想をみる限りどう考えてもしている」などの相違点が見られる

*54 ちなみにアインハルトは「普通に生まれたが『当時の王』の記憶が先天的に自分自身の記憶と共存している」なので、こっちの意味での親の顔自体は知っていると思われる。これを根拠に「ヴィヴィオもそういう風に『王の記憶』を持っているだろう」と結果的にとんでもなく的外れな発想をしてしまったのが第1話の無断ストリートファイト騒ぎの被疑者として捕まる展開に繋がる

*55 前提として一定期間がすぎると以前の話は閲覧出来なくなる使用を持っている

*56 藤子プロは下ネタ関連パロディに厳しく、「卑猥っぽい道具を出す幼女型ロボットが主人公」という設定も準児童ポルノに抵触する可能性もある。

*57 一応フォローすると、当時のしげの氏は(これは結果論だが)短期連載の『トンネルぬけたらスカイ☆ブルー』→10年以上続き、途中でしげの氏本人が「第二部のプロジェクトD編ではモチベーションが落ちていたのはホント」とぶっちゃけてしまってもいた『頭文字D』でクルマでの公道レースものを20年弱、オートバイレースがテーマだった『バリバリ伝説』も入れれば30年弱も「10代~20代の等身大的な男の子がレースをする」漫画を描き続けており、そういう漫画については相当に疲弊していた事は想像に難くない。…が。後述

*58 後に『頭文字D』のキャラが多数登場し、明確に続編なのが明かされた。実は本当に最初の頃の『MF』はそのへん曖昧だった

*59 『頭文字』側キャラとの対決が前提とされていないらしき描写もある(無い訳ではなく、例えば啓介はある程度ガチ走行した描写が複数回存在する)が、これがしげの氏側からの抗議として「旧作キャラは走らせない」とされたのか、元々時間経過を多めにとった事で自然とみんなプロドライバー兼解説者や指導者だったり単なるガソスタのオヤジに転職したりとなったのかは不明

*60 ちなみに電撃大王や同じ会社の別雑誌などでは別の連載を始めているため、こちらの編集部とのトラブルの線は薄いものと思われる。

*61 シリーズを重ねる度に女性への暴力描写が過激になっており、『ウィンヴルガ』に至ってはもはやG方面の成人漫画同然の描写となっている。流石に作者本人も「酷い話になります」と事前にアナウンスはしていたのだが。

*62 「ストーリー展開が同じ事の繰り返しばかりで単調」という指摘も多かったが、『叛逆篇』では話のバリエーションが豊かになるなど多少改善している。