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打ち切り(漫画)

登録日:2018/09/03 Mon 19:39:18
更新日:2026/08/04 Tue 17:11:48
所要時間:約 159 分で読めます





「次の展開もいい感じの思いついて」
「過去編で先祖たちの戦いを描きたいなと…」
「今から打ち合わせでも大丈夫ですよ!」

「あー……伝え忘れていたんですけど、再来週で打ち切りです」

‐『ヤニねこ』(作・にゃんにゃんファクトリー)第132話より抜粋‐


ここでは、漫画における打ち切りについて、背景事情や具体的な様相について紹介する。
でそれぞれ解説する。
近からずも無縁ではない関係にある移籍連載も別ページにて解説。

また週刊少年ジャンプ連載の作品は別項目に纏めて掲載する。

◇目次
+ 俺たちの項目はこれからだ!

◇打ち切りの定義

漫画における打ち切りとは、雑誌等で連載されていた漫画が作者の意に沿わない形で連載を終了させられてしまう現象を指す。
以下の様なケースは打ち切りとは言わない。(例:こちら葛飾区亀有公園前派出所)
  • 前々から「あと○話で終了」と作者などが公言していたもの
  • 伏線を概ね回収して作者の想定通りに終えたもの
  • 原作側の盛り上がりや知名度に落差があり特定の部分を短縮化したもの
  • 通算話数がある程度キリのいい数を迎えたという理由での終了

後腐れなく綺麗に終わったけど未回収の伏線がある場合、単なるミスリード要素だったり、作者も忘れていたり、今後の商業展開や次回作への伏線とするためにあえて謎のまま残しているパターンがある。
また、作者が故意または止むを得ず伏線を放り投げて大団円にした場合、「打ち切られた」のではなく「打ち切った」と言うのが適切であろう。

3番目の短縮化も個別の判断がなかなか難しい域ではあるが、実態として「予定通りだった」内に入るだろう。
代表例と言えるのは横山光輝版『三国志』で、諸葛亮の死後は『三国志演義』や正史の出来事をそれまで以上にダイジェスト化して蜀滅亡を描いたが、当時(現代でさえ)日本ではあまりにマイナーすぎる年代に入ったので予定通りだったと思われる*1*2

単純な打ち切りの話ではないが、2020年代時点では連載途中で不祥事以外により漫画家本人が契約解除に陥る、漫画家本人が連載途中でありながら元の書店からの連載中止・出版停止を要求した上で「脱退」と言うべき形により出版社移籍に至るなど、2000年代辺りでは考えられない事例が報告されている。
それだけ作家側も一定の交渉力・選択肢を保持しており、作家・出版社の双方から経緯が可視化されやすく、作家と出版社との間のゴタゴタが闇に葬り去られる時代はもう終わりを告げつつある、ということである。

この手の話の常で、ソースがない物に関しては終了理由に推測が見られる場合があるため注意。
漫画によっては10年以上後に真相が語られるまでデマが飛び交った例も見られるので……。

◇人気低迷による打ち切り

漫画はテレビよりも制作に関わる人物が少なく、多くの人物やスポンサー(=利権)が絡むテレビ番組と比べると比較的自由な表現が可能なため、よっぽどの理由がない限り「読者からの人気低迷」での打ち切りが殆どである。
逆に人気のある漫画が突如打ち切られた場合、掲載誌か作家に何か重大な問題が発生したと見ていい。
よって漫画の打ち切り発生時は、理由よりも「打ち切りを宣告された漫画家が話をどうまとめるか」の方が注目される。

特に『週刊少年ジャンプ』は単行本の売れ行きよりも読者アンケートの順位が打ち切り決定プロセスに大きく関わるとされており、「アンケート至上主義」と呼ばれている。
詳細はこちらを参照。

『まんがタイムきらら』系の漫画だと、打ち切り時は2巻で終わる事が多いため「2巻乙」と呼ばれる事がある。
なお、この表現は公式も認知している*3

逆に『コミック百合姫』は「単行本の売り上げ」によって打ち切りの是非を判断している様で、かつて『百合男子』を連載していた倉田嘘がその事に言及している(後述)。

週刊少年チャンピオン』ではアンケートと単行本売り上げの両方を判断材料にしており、また人気次第では単行本すら1冊も出して貰えない漫画もあるため、その意味では『少年ジャンプ』より厳しいといえる(一応電子書籍で最後まで出す漫画も無くはないので、一時期よりは有情かもしれない)。

また『週刊ヤングマガジン』の場合、WEBへ移籍連載を行い短期で連載終了というパターンが他誌と比べて圧倒的に多い。もちろん移籍後も長期で連載が続くケースも存在するが、ほとんどは1巻分程の話数だけ掲載してそのまま終了となってしまう。
ファンからすれば「本誌で終了させてやれよ」とも言いたくなるだろうが、作者からすれば移籍で人気が出れば連載を継続出来るラストチャンスである以上、余計なお世話であろう。

…当然ながら「読者からの人気低迷」とは言っても、作者の力量不足だけで片付けられる程単純な話ではない。
「世間のブーム変化に付いていけなかった」とか「飽きられた」とかならまだしも、「雑誌のメイン読者層が変わった」とか「タイアップ先が低迷した事で連座して注目されなくなった」とか、もうそれ漫画家個人でどうにかなる問題か?って事なんていくらでもある。

もちろん、単純な力量不足による打ち切りも多々あるが……。

◆俺たちの戦いはこれからだ型

終盤まで展開が進んでいない場合に取られるパターン。
とりあえず伏線とかは放置して今戦っている敵を倒し、キリのいい所で終わらせる。
ラスボスに挑む主人公の心意気だけ描いて、とにかく終わった事にしてしまう。
「俺たちの戦いはこれからだ」「俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ」といった心の声がよく最後のコマにつけられるのが特徴。戦いでなく「旅」「冒険」等々でも大体意味は一緒。
敵に突っ込んでいく、あるいは全員で走っているコマで終わる場合が多い。
特に10週打ち切りレベルの漫画はラスボスと決着を付けるのも不可能な段階で打ち切りを宣告されるため、「俺たちの」エンドになり易い。

作者は手塚治虫
週刊少年サンデー』連載の妖怪退治を主とした時代劇ダークファンタジー漫画だが、暗く陰鬱とした内容や百鬼丸の全身欠損といった刺激の強い設定などが少年層に受け入れられず打ち切り。
後にアニメ化された際に『冒険王』にてリブート版が連載、その後にリブート版の原稿を使用してサンデー版の続きが単行本で補完され、全ての妖怪が倒される場面も描かれるも、その結末自体は安直なハッピーエンドとは呼べないものであった。

  • 幻魔大戦(1967、但し小説展開は2008年まで)
作画は石ノ森章太郎(石森章太郎)、原作は平井和正。
週刊少年マガジン』連載の、「幻魔」と超能力者との絶望的な戦いを描いたサイキック漫画。
本作自体は「破滅的状況となった地球で最終決戦を待つ主人公達が、地に墜ちる様な髑髏の月を仰ぎ見る」という典型的打ち切りエンド。
その4年後にマガジン版のパラレルワールドを描いた『新 幻魔大戦』*4がSFマガジン*5にて連載開始……するもこれも中途半端な所で終了。

で、これで終わりかと思ったら1983年にアニメ映画化され、
  1. 平井氏によるマガジン版アナザーにあたる角川文庫版小説(「野生時代」掲載)
  2. 『新』の先に生まれたパラレル世界を舞台にした小説『真幻魔大戦』(「SFアドベンチャー」掲載)
  3. 石ノ森氏による「マガジン版で人類が敗北した未来」を描いた漫画『幻魔大戦 神話前夜の章』(「月刊リュウ」掲載)
がそれぞれ開始。
が、結局これも小説版が『ハルマゲドン*6』・『ハルマゲドンの少女*7』まで続くも尻切れトンボ、漫画版も打ち切りとなりまたまた中途半端な終わりに。

平井氏はこの結果に未練があったのか、後に更にパラレルな世界を描いた『幻魔大戦deep』・『~トルテック*8』を執筆。
そして彼の生前最後の作品であり、彼の他作品『ABDUCTION』シリーズらともクロスさせた『トルテック』ラストにおいて、原作者による各種メディア作品中最初で最後の「幻魔との決着」が描かれ、本シリーズは幕を閉じた。
そして『トルテック』から6年後の2014年、七月鏡一脚本、早瀬マサト&石森プロ作画による、マガジン版の未来から他パラレル世界・原作者他作品にも繋がる新作漫画『幻魔大戦 Rebirth』(「クラブサンデー」→「サンデーうぇぶり」掲載)がスタート。
2019年に幻魔との決着を迎えて完結した事で「マガジン版の幻魔大戦」も晴れて決着がついたと言えるだろう。

  • マスカレード(2005〜2006)
作者は板垣雅也。
月刊コロコロコミック』で連載。動物の力を宿したマスクマン「獣面(アニマスク)」によるバトル漫画で
  • ホビーやゲームのタイアップではないオリジナル
  • それぞれが固有の力を持つ獣面達の能力バトル
  • 総じて王道少年漫画的な内容
と、コロコロでは珍しい作風もあって注目を集めたが、11話目にして唐突に最終回を迎えてしまった。それから間もなくして板垣氏は問題作として有名な流星のロックマン』の漫画版を連載開始しているが、本作の打ち切りと関係してるのかは不明。
また最終回の内容も
  • 主人公「獅子獣面(ライオンマスク)」の能力といった数々の設定が判明
  • 同時に数々の謎も生まれ、一話前に登場した新キャラがそれらをバラ撒いた挙句、最後は殺される
  • 俺たちの戦いはこれからだ!
と、これまた王道打ち切り漫画的なノリとなっている。
打ち切られていなければ虎獣面も出ていたのだろうか……?

  • スカーレット(2018~2019)
作者は結野ちり。
『コミック百合姫』連載の、同誌としては非常に珍しいダークファンタジーバトル漫画。
1年間も連載が続いた事実から、『百合姫』の中でも相当人気が出ていた漫画だと思われるのだが……
いよいよラスボスが主人公の前に姿を現し、物語が急展開を迎えた所で、様々な伏線や謎が未回収のまま、まさかの「私たちの戦いはこれからだ」END。
誰もが予想もしなかった、このあまりの唐突な打ち切り同然の最終話に、唖然とした読者は多かったのではないだろうか。

結野氏は自らのTwitter(現・X)において、

「全ては私の見通しの甘さが招いた事です。本当にごめんなさい!!」

と読者に謝罪した上で、

「原稿という形では無理ですが、今後何らかの形で最終話の続きをtwitterで掲載したいと思っています」

と語っており、後にネームという形で公表すると発表したのだが、「より多くの人に満足して貰えるように」との理由から制作が遅れており、もうしばらく待って欲しいとの事。

  • ノケモノたちの夜(2019~2021)
作者は星野真。
『週刊少年サンデー』連載のファンタジー漫画。伝説の13の悪魔の一体マルバスと、彼との契約の代償に盲目となった少女ウィステリアが織りなす旅路を描いている。
人間を侮り、矮小な生物と見下していた超常的な力を発揮する悪魔が、契約者である人間達の生き様に、或いは信念に魅せられて、確かな絆を紡ぐと共に、無情な現実に立ち向かう強さを『ノケモノ』とされていた者達が得ていく。
そんな中でかつて存在した悪魔が交わした契約が物語の裏側にある事が発覚し、その謎も含めて旅の中で解明していたのだが、あえなく途中で打ち切りになってしまった。

……が、なんと打ち切られた後にアニメ化の話が舞い込んでくるという、星野氏も困惑する出来事が発生した。
打ち合わせの会議には制作スタッフが大量の付箋を貼り付けた私物の単行本を持ってくる気合の入れようで、それを見た星野氏は感極まって思わず号泣してしまったとのこと。
アニメの公式サイトで、プロデューサーが本作のファンだった事から実現したアニメであること、企画立ち上げ準備中に本作が終了するという情報が入ったため、完結(打ち切り)を待って最後までアニメ化する方針に切り替えたことなど、詳しい経緯が語られている。
アニメ化の際に本編の後日談エピソードとなる特別編『ノケモノたちの夜 フレイムナイト』が短期連載され、ウィステリア達の物語の先が僅かだが描かれる事になった。

作画はかのえゆう、原作は石ノ森章太郎、脚本は井上敏樹、協力は村上幸平。
『電撃マオウ』連載。特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』を原作とし、本編の登場人物である仮面ライダーカイザこと草加雅人を主役に据えたスピンオフであり、本編のシリーズ構成である井上氏が脚本を担当している。
本編にて草加を演じ、本作においても「協力」として参加していた村上氏のXにて打ち切りの報告が行われたことから読者からは残念がる声が集まっていたのだが、いざ発売されたその内容が読者の度肝を抜いた。
最終回の内容はとあるキャラクターの正体が語られると同時に作品の設定に関する驚愕の事実が判明、それに対して草加の「何だ…と…?」という困惑の台詞を最後に話が終了。そして煽り文の「衝撃の真実…!!」
つまり、ラストページで衝撃的な設定の開示と主人公の困惑が描かれるという情報の洪水が読者に流れてくるのに形を整えない状態で物語が無理矢理終了するという混沌とした結末だったため、ネタにされることになった。書籍では追加でオチが書き足されている。
一方で先述の通り協力していた村上氏は「担当編集として力及ばずで、大変申し訳ありません」「応援していただきました皆様、本当にありがとうございました」と模範的で誠実なコメントを残した。

  • サイコの世界(2021~2022)
作画は大羽隆廣、原作は井龍一。
『マガジンポケット』で連載。「サイコ(超能力者)」とそのサイコへの復讐を誓う能力を持たない=「無能」主人公の男の戦いを描いたアクション漫画。
サイコの成り立ちや主人公の幼馴染を殺した犯人などが明かされたものの駆け足気味の説明口調で一気に畳み、ヒロイン・リコを狙う「五大家」との戦争間近のシーンで主人公がヒロインにプロポーズをして打ち切りとなった。
戦闘も五大家自身ではなく、その直属の追っ手との戦闘シーンで終わってしまい、読者を大いに落胆させた。
打ち切り理由は売上とのことだが真相は不明。

  • ガチャマン(2021~2023)
作画は村上ペコ、原作は焼き芋ハンサム斎藤。
『裏サンデー』・『マンガワン』で連載されたアクション漫画。
ある日、自分の身体に取り付けられた「ガチャ」と記憶喪失の謎を巡り、同じ様な力を持つ「ガチャマン」達の戦いを描いている。
終盤では最後の1人になるためのバトルロイヤルが開催され、主人公は自らを犠牲にして運営側の人間を1人倒すことができた。
そして、最終回でガチャマンバトルが異星人の戯れの様なもので開催されていたという事が明らかになった。

異星人関連の要素は超展開とよく言われているが、神懸かり的なガチャマンの力を複数人に与える、特定の記憶を奪う&戻すなど、第1話の段階から人類の現代科学を遥かに超えた超常技術が使われているので、決してこの設定自体が唐突という訳ではない。
批判を受けているのは、最終回近辺のドタバタを片付けきれずに打ち切られた点である。
犠牲となった主人公は「敗者復活戦」と称された、自分のコピーとの戦いに挑むところで終了した。
この突然の最終回に読者らの反応は様々で、コミックスも8巻まで発行される人気作だっただけに、戸惑いと批判の声が多く聞かれた。

更に、連載終了と同時に作者(原作・作画コンビ)が小学館が新たに始める漫画サイトで連載することも発表されたため、「そちらに引き抜くために無理やり終わらせたのではないか」と言う憶測と批判を呼んだ。
しかもそちらは「縦読み漫画」「今までの熱い作風と大きく異なる『老害と闘う漫画』」と言うもので、既存の多くの作者ファンを失うと言う誰も幸せにならない結果になってしまった。

  • はたらけ!おじさんの森(2022~2023)
作画は中原開平、原作は朱雀伸吾、キャラクターデザインは深山フギン。
『となりのヤングジャンプ』・『異世界ヤンジャン』連載の異世界転移漫画。全16話。
ライトノベル作品をコミカライズしたものでぶっちゃけ言ってしまえば『どうぶつの森』フォロワー漫画。
2足歩行の動物の様な「あにまる」と彼らの島を繁栄させるために遣わされた人間の「おじさん」、そのあにまるを労働力としてコキ使う「わかもの」との物語が主軸となっており、基本的にはほのぼのとしているが時折ダークな雰囲気も醸し出している。
ただ、コミカライズとしては非常に中途半端な部分で終わっており*9、主人公が「わかもの」の先遣部隊に宣戦布告して終わる場面で打ち切り。
SNS上などでは「打ち切る理由が分からない」という読者の驚きと嘆きがあちこちで発生した。

  • 搾精病棟 全年齢版(2022~2023)
作画はあおむし、原作は搾精研究所。
『ヤンマガWeb』連載。『搾精病棟』のコミカライズ版。
ナースを中心としたギャグ有り医療物というスタイルだったが4巻で完結。
終盤は「三大お局のうち二人の出番がごく僅か」「病院を裏から牛耳る看護師長との決着がつかず主人公のタチバナが決意を新たにするシーンで締め」と明らかに打ち切りくさい終わりだった。
制作側も最終巻の帯に「打ち切り!コイツらの戦いはここまでだ!」とデカデカと書くなど開き直っている。
独自路線については賛否あるが、R18版の主人公であるヤマダが後半フェードアウトして全く出番が無かったのは原作ファンからすれば明らかな不満点だろう。
但し、設定の一部は投げっぱなしではあるが、「主人公格のタチバナがラスボスであるマコと同じ目になりかけていたのを仲間達の呼びかけで戻った=ラスボスと違い彼女は孤独ではない」というオチはつける様にはしており、この辺はFランエロCG作者の癖に構成が巧みと称された搾精研究所氏の面目躍如といったところ。
なお、あとがきによると打ち切り理由は単行本の売れ行きが悪かったせいらしい。

作者は各務浩章。
『マガジンポケット』で連載されたアクション漫画。
地球に突如現れた異形の生命体「蟲」とそれを狩る「蟲猟師」達の戦いを描く。
銃を操る女子高生主人公という掴みは良かったがそれだけに尽きてしまい、18話で打ち切り。
16話目から主人公・蝶乃の両親を殺害・誘拐した仇の下へ乗り込むのだが、実際に仇を相手に戦闘したのは最終話だけだった。

  • デスクリエイト(2023~2024)
作画は夏元雅人、原作は見ル野栄司。
『ヤンマガWeb』で連載されたデスゲーム制作漫画。
主人公は詐欺師で技術者に成りすましてIT企業に潜入するが逆に一服盛られて拉致されてしまう。
目を覚ますと自分と同じ様に拉致された7人の「技術者」達がおり、「究極のデスゲーム」を作るにあたり、技術者を選別する「採用試験」と称したゲームが始まる。
無事「採用試験」を乗り切った主人公達だったが次に下された指令は同業者同士による「デスゲームのプレゼン」に備えたデスゲーム造りだった……。

という感じの体で始まったが全15話で終了。
最初のデスゲーム対決までに連載分の半分を使うなどスローペースで進んでしまった事も一因か。
最後は主人公と相手チームの代表が結託してデスゲームの映像を外部に流す事に成功するも数ある支社の1つを潰しただけに過ぎず、詐欺師の主人公がなぜ攫われたのかが明かされるというオチで終わった。

  • パンチラッシュJKタラちゃん(2023~2024)
作画は斯道歩、原作はジブロー。
『月マガ基地』で連載。『股間無双~嫌われ勇者は魔族に愛される~』原作で知られるジブロー氏による、「拳王」と呼ばれる兄・勝王(かつおう)と訳あって戦えない勝王の代わりに天下を狙う妹・多薇(たら)が織りなす爆乳JK格闘物。
タイトルに「パンチラ」ッシュJKとあるだけにお色気満載の作風だった。
登場人物の一部が変態だったり、サザエさんの名前をパロっている。
学園でのし上がる展開になるかと思えば、ありがちなトーナメントバトルが始まったり、登場する大半の格闘家達が一発屋に近い使い捨てだったり*10と要所要所の熱い展開はあれど急な方向転換が目立った。
途中で登場する多薇のライバルキャラの「いくら」とは一戦も交えずに最終話を迎える事になる。

根本的な原因を追求するなら、やはり話の進行の遅さであろう。
隔週更新な上に1話を2~3回に分割するため、(ほとんど休載や番外編は挟んでいないのに)話がロクに進まないというのは今のWEB漫画飽和時代では幾らなんでも致命的。
ちなみに2人目に戦った相手であるローキックの名手「スネ一文字ローキック菊朗」とのバトルは合計で更新9回分。登場から決着までにリアルで4ヶ月もかかってしまっている。


◆なんとか終わらせちゃう型

残された時間で上手くストーリーにケリをつけ、軟着陸を目指すパターン。
編集側の都合や温情、または作者にある程度の実績があれば打ち切り決定から実行までにある程度の猶予が与えられる場合がある。
設定を出し惜しみせず早巻きで結末まで持っていくため「打ち切りが決まってからの方が面白い」などと評価される事も。
無論必ずしも上手く終わるとは限らないし、タイムリミットが短い場合マジで『ソードマスターヤマト』爆誕にもなりうる。

余談だが、今となってはヒットしたと言える漫画でも、序盤に打ち切られた際それなりにきれいに終わらせられる様に構成する所謂「打ち切り対策」を取っている事は多い。
特にジャンプ系に見られ、バルジ島でハドラーを倒して区切りをつけられる様にしていた『ダイの大冒険』やシンとの因縁にケリをつけて終わりにもできていた『北斗の拳』辺りが有名。
封神演義』の藤崎竜も打ち切りもそこそこ多いがまとめ方には定評があり、『暗殺教室』の松井優征や、幾多の出版社で経験豊富な長谷川裕一も連載漫画をすぐに終わらせられるよう心掛けているとのこと。

  • 少女鮫(1996~1999)
作者は和田慎二。
白泉社『花とゆめ』で連載された現代アクション漫画。
前後編の短期集中連載の後に、主人公の過去を描く第1部「戦場編」の連載が開始される(単行本全8巻)。
それから時間軸を現在に戻して第2部「日本編」が開始。こちらも全8巻かけて連載する予定だったが、諸事情により2巻で完結。
和田氏は後述の『ピグマリオ』も描きあげた「実績がある」作者なので、ストーリー自体はちゃんとまとめて終わらせている。扉絵でカウントダウンすら行っていた。
……が、エンディングテーマの如く流れたブルーハーツの「リンダリンダ」には多くの読者が面食らったものと思われる。

なお、「諸事情」について和田氏は「ええい! 踊ってしまおう!!」と語るのみだったが、同じく白泉社系列で連載を行っていた野間美由紀は、和田氏と白泉社の間で方向性が乖離してきた事で打ち切りに至ったらしいと述べている。
つまる所、「花とゆめ」の読者層が変わっていった結果として人気が低迷する事になったのである。長生きするのも考えものだ。
彼もそう判断したのか、以降は活動の場を他社に移し、更にこれまでの漫画の版権を引き上げて白泉社とは絶縁している。
その後和田氏は2011年に急逝してしまい、秋田書店の「ミステリーボニータ」で連載していた『傀儡師リン』は後述の「作者の死去による打ち切り」へ仲間入りする事に。

作者は木多康昭。
かつてジャンプで『幕張』を連載した木多氏がマガジンに移籍して連載した野球(がほぼオマケの)ギャグ漫画。
人を選ぶ時事ネタや下ネタ、実在の人物(おおむね芸能人や同業者)をイジる作風は健在な問題作であり当初から賛否の激しい漫画だったが、ドラえもん+北斗の拳パロディの野球とはかけ離れた長編終了後、主人公が真面目に野球に目覚め、チームメイトも練習を重ね、公式戦が始まる意外な程シリアスな展開となった。
1巻中盤〜3巻までの試合と、この終盤の展開は当時からそこそこ評判も良かった。

……が、最終回で「野球展開は全て夢オチであり、主人公が殺人罪で警察に捕まって終わる」という前代未聞の結末を迎えた。
木多氏によると前述の長編の途中で打ち切り宣告を受け、開き直った結果だという。

なお木多氏は次回作『平成義民伝説 代表人』でも『うぐいす』の打ち切りをイジったのに始まり、当時基準でもヤバかったネタを取り扱って、半分漫画界から抹殺された様な状態に。
その後ヤングマガジンに移籍し『喧嘩商売』を連載、『うぐいす』でも片鱗を見せていたシリアスな部分の面白さを生かした漫画として再評価されるが、現在は自分が今まで散々ネタにしていた「冨樫病」を発症してしまった

作者は福本伸行。
アカギ』や『カイジシリーズ』で知られる福本氏が『週刊少年マガジン』で連載した少年漫画。
少年誌掲載にもかかわらず福本作品特有の難解な心理描写を入れたり、展開が遅すぎるといった事からわずか1年未満で打ち切りとなる。
福本氏も「失敗作だった」とコメントしており、この反省を踏まえて『賭博覇王伝 零』が連載される事に。
しかし、物語の起承転結自体は綺麗に纏まっており、むしろ現在の福本作品は人気の高さ故に展開が遅すぎるといった負の一面もあるため、打ち切りになったからこそ名作になったとファンからは評価されている。

作者は横内なおき。
横内氏が『サイボーグクロちゃん』の終了後に『コミックボンボン』で連載した漫画。
しかしクロちゃん連載時よりボンボンのハイエイジ向け路線が緩和される中で下手すればクロちゃん以上にハイエイジ向けの作風だったのが災いしてか、「打ち切られるんじゃないかと思いながら描いていたら本当に打ち切られた」ため、雑誌掲載時は運動会のエピソードで唐突に終了。それ以降のエピソード及び最終話は単行本書き下ろしとして完結した。
ちなみに横内氏はTwitterで「運動会エンドでも良かったかもしれませんね。『俺たちの戦いはこれからだ!』エンドとは違った味があって。(単行本で書き下ろした)最終回も当初予定していたものとは違いますが、アレはアレで作者も気に入ってます」とツイートしている。

  • 女王騎士物語(2003~2007)
作者は下村トモヒロ。
黒幕と思われる存在や組織がついに登場し、最終決戦が始まる……という流れの翌月号が最終回
残ったボスを片端から2コマで倒し、伏線を全て回収し、作者が考えていた展開を全て書いた上で、
「エルトの愛がアルマを救うと信じて……!」というリアルソードマスターヤマトな煽りと共に終了した。
更に更に最終巻の裏表紙に、最終決戦の展開と結末を(文章で)載せるという離れ業までやってのけた。

基本的に、短期打ち切り漫画は猶予が少ししか与えられないためリアルヤマト化し易い傾向にある。
だが、本作は『月刊少年ガンガン』で4年間も連載された漫画でありながらヤマト並みの猶予しか与えられておらず、そもそも最終回という予告すら無いままだった。
このため、下村氏に対しての扱いが酷すぎるのではないかと物議を醸した。
だが、その後も作者の下村氏はその後も長らくガンガン系列で連載を続けていたため、編集部との関係悪化があったとは考えにくく、謎が深まっている。

作者は中山敦支。
『週刊少年サンデー』にて連載。
『トラウマを武器にする』という斬新な発想をした異能力バトル漫画だが、アンケートが振るわず打ち切りが決まった。
しかし畳みに入る頃、36話にて読者の度肝を抜く衝撃的な内容が発動。その後は最終回まで怒涛の展開が続き余韻の残るラストで完結した。
尺の都合上主人公・ヒロイン・悪役以下三人以外の出番は殆ど無くなったが色んな意味で読者に衝撃を与えた漫画としてカルト的人気を博した。
以降はサンデーから集英社に移籍し、やはり少年誌は無理があったのか青年誌で『ねじまきカギュー』『うらたろう』『スーサイドガール』など多数の連載作を描いてる。打ち切りも多いが、依然として根強いファンを獲得しており、今なお精力的に活動中。

作画は高山瑞穂、原案は矢立肇と富野由悠季、シナリオは皆川ゆか。
当初の連載誌である『コミックボンボン』休刊に伴い一旦打ち切りになるも、『テレまんがヒーローズ』で完結編が描かれる。
そこで終了かと思われたが、しばらくしてまさかの二度目の完結編が描かれた。
結局打ち切りエンドである事に変わりは無いのだが、珍しいケースと言える。

  • 放課後ウィザード倶楽部(2016~2017)
作画は渡辺義彦、原作は架神恭介。
『週刊少年チャンピオン』で連載。夢世界バベルを冒険する3人の少年の活躍を描くファンタジー漫画。
最終話は打ち切り最終話の典型を思い起こさせる内容となっている。
ちなみに主人公達が最後に放った技は「最終波」、最後のページの煽りは「輝け!! 少年たちよ!!!」である。

  • スパイダーマン/偽りの赤(2019~2020)
作者は大沢祐輔。
日本版スパイダーマンの漫画。
『マガジンポケット』での連載開始の少し前にMCU版スパイダーマンを主役に据えた映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』を上映していたこともあり、スパイダーマンやマーベルファンの間で広まっていった。
そして第1部完という形で一旦連載終了したが、書籍の売り上げの都合で予定されていた続編が白紙となってしまった。
原因としては、その書籍が全話収録のため1200円越えとやや高額だった事に加え、発売当初はコロナ禍真っただ中ゆえに書店の時短営業や来店者激減により、販促が難しかった事も挙げられるだろう。
また、WEB上での広報も決して十分だったとは言えず、スパイダーマンファンやマーベルファンでも「そもそもこんな作品があった事すら知らなかった」と言う声が多く、マガポケ編集部の広報活動に不満の声が上がった。
その一方で、同じく打ち切り作品である映画『アメイジング・スパイダーマン』シリーズと比べると続編の伏線が少なく、前述の通り第1部のみながらもストーリーが上手くまとまっており、翻訳版が海外のファンにも好評だった事から、連載再開を熱望する声が多く挙がっており、大沢氏も可能であればやりたいとコメントしている。

  • シキュウジ -高校球児に明日はない-(2023)
作画はツルシマ、原作は大沼隆揮。
e-Sportsを題材にした『利口になるには青すぎる』の大沼氏が原作を務めた『週刊ヤングマガジン』連載の、(一応)高校野球漫画。
神童(主人公)と怪物(ライバル)の歴史に残る死闘から始まり遥か彼方の小学生時代から遡る……という導入で注目を集めたが、ライバルキャラがかなり歪んだ思想を持ち、中学時代編に入るとエスカレート。
ほぼ全員性格か思想に難ありむしろ大半は両方で、チーム監督まで暴行・ラフプレー上等・挙句傷害・殺人を犯した暴徒をスカウトするわ*11、弱者に人権は無いと言わんばかりにプロ野球・高校野球・スポーツマン精神全てに中指立てる思想を仄めかすわ、実在の野球部体罰事件や某企業の不祥事ネタを扱うわ…など過激な展開をもたらした。
しかも試合中に選手が行方不明になる。アストロ球団かよ。

一通りメンバー説明が終わり、中学野球全国大会だ!と思いきや、唐突に甲子園編に出戻り、ライバルキャラの暴挙や各キャラの闘いと死に様をダイジェスト形式に出した後、WEB行きが決まった。
当初編集部から太鼓判を推されたらしく特集まで盛り込まれたが、甲子園を古代の決闘にした様なあまりに人を選ぶ内容と不謹慎ネタを盛り込みすぎたのが敗因となったか、アンケートや第1巻の売り上げが振るわず「続きはWEBで!→数話で打ち切り」のコンボで終了。
「ヤンマガはバイオレンス上等だから」「現実の野球選手が漫画すら超えた進化を見せているから」という判断があったのかもしれないが、だとしてもやり過ぎと言わざるを得ないだろう。
一応主人公の挫折と復帰(全てライバルキャラが原因)、そして決着など主要の場面は一通り描いて終わらせた。
その後大沼は元ヤクザかつ人語を解する人造犬を題材にした『INNU-イッヌ-』の原作を手掛けたが、残念ながら2025年12月をもってまたしてもWEB行きに。


◆伏線?なにそれおいしいの?型

もうどうしようもない場合、こうなる。
世界観はおろかテーマすらも投げ捨ててデウス・エクス・マキナが降臨する。

  • ジャングル少年ジャン(1995~1996)
作者は柴田亜美。
『南国少年パプワくん』の柴田氏が『ファミ通』で連載したギャグ漫画……だが、番外編に下剋上されて連載枠を奪われるという世にも珍しい理由で終了に追い込まれた。
厳密に言うと打ち切りというよりは長期休載からの自然消滅に近く*12、単行本は打ち切り最終回ですらないサブキャラメインの水着回で唐突に終わっている。

  • ゆび(2005~2006)
作画は近藤豪志、原作は柴田よしき、構成は吉村一八。
『週刊少年チャンピオン』で連載された、柴田の同名小説のコミカライズ。全8話の短期集中連載だったのに誌面の都合で4話に短縮されたという不遇作。
その結果、唐突に登場人物が全員死亡し、世界が崩壊して終了という伝説の漫画と化した。投げっぱなしどころの話ではない。
近藤はその後高橋葉介原作で『私は加護女』を同年に連載開始しそこそこ好評を博するも1年程で連載終了。その後は短期集中連載を繰り返すもののあまり結果は出せず、現在は漫画家をやめてCG制作会社に転職している。
余談だが本作の連載終了後、最終回に関して謝罪文が掲載されている。但し、それは唐突な終了についてではなく「社会的配慮を欠く表現」とされており、その表現とは「指にパイロットを殺害された航空機が東京都庁めがけて墜落する」場面で、機体番号を日航機123便墜落事故と同じ「JA8119」にしてしまった事だと思われる。

作者は雷句誠。
金色のガッシュ!!』『どうぶつの国』でおなじみの雷句氏が『週刊少年マガジン』で連載した漫画。
話を要約すると、特殊な才能を持った高校生達が異世界の若いモンスターと共に侵略者から世界を守るというお話……なのだが、最終回でいきなりとんでもない結末を迎えた。
簡単にまとめると、
  • 「ブス三大闘神」と称する和田アキ子・田村亮子・吉田沙保里似のアメリカ人が出てきて、そいつらがカップ麺を頭に乗せてカニの敵をボコボコにし、その敵を登場人物が食べて「カニ味だ!」と叫んで終わる。
直前の話の伏線はおろかとりあえずの締めすらない、唐突を通り越して支離滅裂な終わり方であった。「ブス三大闘神」だの「カニ味」だの未読の人だと理解不能な変な単語が踊っているが、それ自体はこの漫画ではよくある事である。

あまりにも特異すぎる終わり方に加え、巻末コメントの「大変申し訳ありません。『VECTOR BALL』はこれで終わりとなります。読んでくれた方ありがとうございました」という淡々とした文章も手伝い、ネットでは「打ち切り決定のショックで作者が狂ってしまい意味不明な展開を連打したのでは?」と勘繰る人が結構見受けられた。
実際このページでもその様な勘違いをした人が編集してしまい、長いこと誤った情報が掲載されてしまっていた程である。

雷句氏と編集者の間にいざこざがあって意趣返しによる丸投げとも言われていたが、後に雷句本人がブログにて「単刀直入に言えば自分の力不足」とした上で
「アンケートの結果が相当悪かったらしく編集者からテコ入れを提案された。
その案は王道的な展開ではあるが個人的に受け入れられないもので、どうしてもその案に沿った続きを描けず連載終了を申し入れた」という旨を語っている。
なおその後雷句は『金色のガッシュ!!2』を個人出版で開始。良質な続編ものとして認められ見事に復活を果たしている。

  • 月曜日のライバル -メガヒットマンガ激闘記-(2018)
作者はいとうみきお。
「このマンガがすごい!WEB」で連載。『ノルマンディーひみつ倶楽部』で知られ、和月伸宏のチーフアシスタントも務めていたいとうの作品。
宣伝段階では和月や「和月組*13」出身の武井和宏、しんがぎん、尾田栄一郎*14についても同時期に活動していた作者の目線で語られるという自伝漫画の様に扱われていた。

だが、いざ第1話が公開されるや「本作がフィクションである事を作者のアバターが冒頭3ページに渡って主張する」「作者と同名のキャラが過剰に持ち上げられる」「持ち上げられる内容がスカスカの漫画論や根性論」という内容だったため悪い意味で話題に。
一応この時点では閲覧数も多く、公式も宣伝に力を入れており、5話まで収録した単行本も発売されたが、マイナー誌での連載とはいえ実際の売り上げは300部にも満たず、閲覧数もガタ落ち。
結局10話目で唐突に「第1部完」、2巻も発売されず電子書籍も出ず、現在は3話以降が公開終了したため6話以降を読む手段が無い

和月をはじめとした面々には許可を貰っているのでそこに関しては問題ないはずなのだが「1話の完成前原稿だけを読ませ、更には許可をもらった後に中身を変えている」という旨を作者自ら単行本で明かしている。
また、故人であるしんがの遺族に対する態度*15や、作中でのしんが氏モデルのキャラの露骨に酷い扱い*16も批判点として挙げられている。
何故こうなったのかというと、いとうのファンだという担当編集者が「好きにやらせてあげてほしい」と上司に頼み込んだ結果だという。その結果、いとうにしか描けない名作になりえたであろう本作は、いとうにしか描けない迷作となったが……
本作以後いとうは新作を発表しておらず、SNS更新も停止、よって現在の状況はほぼ不明である。

  • 餓獣(2019~2021)
作者は小池ノクト。
『コミックDAYS』で連載されたパニックホラー漫画。
東京都の地下鉄を舞台に、突如現れた巨大な熊「餓獣」に襲われる人々を描く。
餓獣は機械と融合しており、人為的に造られた存在と思われるのだが、誰が何の目的でどうやって生み出したのかは一切明かされないまま打ち切り。
途中、意味ありげに出てきた餓獣の世話をしていたと思われるおばちゃんも、出番は1話限りだったため余計謎を招く結果となった。
餓獣との戦いの他にも暴徒と化した人間同士の争いや、突如餓獣保護に目覚めたヒロインが他の人間を弓矢で撃ち殺すなど収拾がつかなくなり、単独行動した動画配信者と主人公がその身を犠牲にして送り出した男子児童以外は全員死亡、トラックに乗せられた餓獣がどこかへ運搬される=またどこかで餓獣を製造する事を予感させるシーンで終わってしまった。
チャンピオンクロス連載の「シリアルキラーランド」(2022~)の7巻が2025年5月20日に発売されるまで本作が最長連載(6巻)であった。

  • 絶望集落(2020~2021)
作画は白山一也、原作は蔵石ユウ。
『マガジンポケット』で連載されたモンスターパニック漫画。
出会ったら犯されるか、食われるか、犯されて食われるかの凶悪な猿の様なモンスターに襲われた某県某地方を描く。ベビーカーの赤ん坊まで襲う衝撃的な描写もあった。
…はずだったが現実にはショッピングモールでのヒト対ヒトの要素が長く、よく分からないままに打ち切りとなった。
ラストシーンは物語の端緒となったモンスターに襲われた主人公の姉の妊娠が発覚する場面で終了。
蔵石氏は終了後も『食糧人類Re:』などを精力的に発表している。
一方で白山も、その絵柄や妙に濃密なチンピラ描写から「とある小説のカオスなコミカライズに別名義で関わっているのでは」という噂も存在する。

  • リモデリング:R(2022~2023)
作画は平岡滉司、原作は大野将麿。
ウルトラジャンプ』で連載されたSFバトル漫画。
元はヤングジャンプ新人賞を複数受賞した大野氏による『となりのヤングジャンプ』連載のWeb漫画(単行本既刊4巻)だったが一旦休載。約半年後に本作が始動し、ページ割りや台詞回しはほぼそのまま作画だけ描き直すという形で掲載された。
しかし原作の半分程度まで話が進んだ時点で突然終了し、大野氏や編集部からは特にコメントは無く平岡氏だけが「作者の都合で終了となった」旨をSNSで伝えるに留まった。
原作ファンにしてみればリメイク版が原作に追いつけば続きが読める所を思いきり梯子を外された形だが、原作の画風が特徴的だったとはいえ、なぜこの様な形で連載されたのかもはっきりしていない。

  • 人間消失(2022~2023)
作者は江戸川エドガワ。
『生贄教室』『寄生列島』の江戸川が『マガジンポケット』で連載したサバイバル・サスペンス漫画。
現実の日本で新型コロナウイルス真っ只中に掲載された漫画で「特に仲が良い訳でもない男女4人の高校生が人類が消失した世界で生き抜く」事を目標にサバイバルする。
そのテーマと作者の過去作の評判から期待されてはいたのだがいざ蓋を開けると人類が消失した理由は特に明かされず、希望が見えない中で発狂した男子2人が死亡、主人公とヒロインだけが残されるという状況になった。
前作である寄生列島では「未知の寄生虫」に対し、スーパースプレッダーの特定やワクチンを完成させるという希望ある解決を見せたが、本作の最終回では主人公が耕した畑に芽が出る=希望はまだ潰えていない可能性を示唆するシーンでぶっつり終わってしまった。
結果、上記の消失の謎を含めて「大量発生したネズミは何だったんだ」「コロナ全く関係無かった」「まだ話が続くと思ってた」などの声が挙がった。

  • スケアリー・キャンパス・カレッジ・ユニバーシティ(2022~2024)
作者は永椎晃平。
大学を舞台にしたホラー漫画。『週刊ヤングマガジン』2022年34号から連載が始まり、2023年4月には『ヤンマガWeb』へと移籍。
主人公の千嵐まひながパートナーである怪異退治の専門家・間九部薫と共に、大学に巣くう怪異を祓っていくというストーリー。
間九部の恩師である二村重範の行方が物語の重要なカギを握っているのだが回想で触れられる以外は特に出番も無く、基本的には大学生にまつわる事象を中心とした怪異退治がメインであった。
終盤も終盤となった文化祭編の終わりで二村が急に登場するも、本心で語っているのか、操られているのかもわからない。
千嵐に失意の目を向けるとそのまま姿を消した……

と同時に文化祭編が終わってしまい、二村もそれっきり姿を見せず、単話を挟んで打ち切り漫画によくある「それから〇年後」エンドを迎える。
最終回では社会人となった千嵐が大学で学び直しをしている中で間九部と再会し、そのまま終わるという展開で近年類を見ないレベルの投げっぱなしジャーマンを見せつけられる事になる。文化祭編で登場した邪悪なサンドウィッチマンが原因だったか。
千嵐の友人が怪異によって作られた存在なのでは?と言った謎もあったのだが最終回で彼女がどうなったのかは1ミリも触れられていない*17

  • 煤まみれの騎士(2023)
作画はcomori、原作は美浜ヨシヒコ、キャラクター原案はfame。
加護を持たないものは差別される世界で、主人公があがく姿を描いだ同名のダークファンタジーノベルのコミカライズ。『ComicWalker』で連載された。
どこまでも過酷な世界でまっすぐで決してあきらめない主人公の姿が好評を得たものの、コミックはなんと一巻分で主人公が追放されて終わりというあんまりな終わり方をしてしまった。
主人公の不遇時代が長すぎた事や(もっとも原作再現ではあるが)、comori氏の作画に不満の声が少なくなかったのもあるが出版社の中途半端な対応を批判する声も大きい。
幸いな事に原作の方はその後も一定の速さで新刊が出続けている(2025年現在、既刊7巻)。

  • 論破王 異世界勇者とチート無双(2023)
作画は神門佑哉、テキスト・原案は秋月月日、構成・演出はMARVERICKe。
一二三書房のWebコミックレーベル「コミックポルカ」にて2023年1月から連載された。
一見、「小説家になろう」風の作品だが、原作のないオリジナル作品である。
現実世界でディベート王者の主人公が異世界に渡り、格上の人間たちを「論破」していく話…
…なのだが、人気が振るわず一年足らずで打ち切りに。

神門佑哉は女性向け漫画を描いている漫画家であり、慣れないファンタジーを任されているためか作画が安定しない…のはまだフォロー出来る。
一番の問題はシナリオの方であり、脚本と構成に本当に2人が絡んでいたのか疑いたくなるくらい台詞回しや展開が滅茶苦茶であった。
第一話の地球で行われたディベート大会で討論相手が「自身の論にソースがないことを指摘されてどもる」という低レベル、戦っていたはずなのにいきなり会議が始まる、救世主(メシア)としてやってきたはずなのに何故か田舎で飯屋(メシヤ)を始める…などなど
「原作」なら分かるが、「テキスト・原案」という表記にした理由は不明である
なお、コミックス1巻打ち切りである。
掲載サイトおよびニコニコ静画ではあまりに荒れたためコメントが削除され、
「なろう系」を叩く人たちが真っ先に引き合いに出す作品として悪い意味で有名になってしまった。


  • ごめんねオカルト遊ばせて?(2024)
作者は朔本美津妃。
『WEBコミックぜにょん』で連載されたオカルトコメディ漫画。
いわゆる「都市伝説」を特殊能力を持った5人の女子大生が「検証」という名目で「百物語が終わった後にすぐ101話目に入れば霊は出るタイミングが無い」「人面犬は人間の女性とメスの犬のどちらになびくか」などと弄り倒す漫画だがわずか9話で連載終了。
基本的に1話完結である事、女子大生側の能力が「犬神憑き」「魔女の末裔」「幸運体質」「霊能力者」「霊媒体質」など誰がどう見ても絶体絶命のピンチにならなそうな塩梅である事に加え、各自がどの様にして力を得たのかが明かされないまま終わってしまった*18

  • 甲化人間(2024-2025)
作者はハヤシロウ。
『ヤンマガWeb』連載のSFアクション漫画。全19話。
「甲化」と呼ばれる人間の脳を機械に移す技術が発達した日本を舞台に、主人公・真(マコト)は唯一の甲化を拒む「人間」でありながら、自分と瓜二つの甲化人間・シンと出会った事で陰謀に巻き込まれていく…というもの。
終盤ではノーマンと呼ばれる幾つもの「脳」をストックし、常に100%の力を発揮できる敵が出現。
シンが立ち向かうもノーマンから薬剤を投与され死亡。真は自らの脳をシンの肉体に移植して生き長らえるも人類は滅び、文明も消滅。
最後に海岸で群れを成している蟹を見つけて「蟹だ」と呟いて終わる結果に「投げるにも程がある」「どう話を繋げればいいのか思い浮かばなかったのかな」などと読者の困惑が見られた。


◆まさかの延命決定型

一旦打ち切りが決まるも、まさかの復活を遂げ何とか終了に漕ぎつけるケース。
但し、打ち切り前と同じ雑誌で再開できるかは作品によって異なる。

  • オバケのQ太郎(1964~1966、他誌を含めると1974年まで)
作者は藤子不二雄。
藤子氏の代表作の一つである、頭の毛が3本のオバケを主人公としたギャグ漫画。初期は藤子・F・不二雄と藤子不二雄Ⓐの合作だったが、後にF氏の単独作となっている。
『週刊少年サンデー』で連載を開始したが、読者からの反応が無く不人気だと判断されて9回で連載終了。
……が、連載終了した途端に読者から再開を求める手紙や電話が編集部に殺到。3か月後に連載再開へ至った。
読者も当たり前に楽しんでいて反応がなかったという不思議な漫画だった。

アニメ化されれば視聴率30%越え、『オバQ音頭』のレコードはダブルミリオン達成、小学館のかつての自社ビルはほとんど本作のおかげで建設された*19とも言われる程の人気を博す。
これで藤子氏は名実共に大人気作家となり様々な作品を並行して連載、そして『ドラえもん』に繋がっていく。
その後も3度に亘って再アニメ化されるなど、現在に至るまで高い知名度を誇っているのはご存知の通り。
打ち切り復活の最初期の例、ならびに最も成功した漫画と言えるだろう。

……と長らく認識されていたのだが、実際のところは元々全7回の短期集中連載の予定であり、むしろ2話延長されていた様である。
藤子氏両名は「スタジオゼロの財政を救うための仕事であり、この時点では乗り気になれなかった」とさえ話していたそうで、周りもオバQがウケるとは考えていなかった模様。
いずれにせよ連載終了後にようやく読者の声が編集部に届けられ、本格的な連載に繋がったのが事実であることには間違いない。

  • ピグマリオ(1978、1983~1990)
作者は和田慎二。
上述した『少女鮫』の和田氏によるファンタジー漫画で、『花とゆめ』で連載。
スケバン刑事』の第1部終了後に編集に聞かれ「少年主人公のファンタジーもの」をやるという話になり開始するも、1年以内で打ち切りに。
しかしその後、『スケバン刑事』第二部終了後の82年末に「昔と状況が変わった」と言われ連載再開。全5部、コミックス27巻で大団円を迎えている。
『ダイの大冒険』の主人公像などを見れば分かる様に1980年代には人気となっている「少年が剣を持ち悪を討つ」というファンタジーの王道みたいに見えるストーリーだが、受け入れる下地が少なくとも1970年代は末期になるまで存在していなかったという事情が明確に分かるエピソードと言えるだろうか。

作者はみなもと太郎。
みなもと氏の歴史ギャグ漫画で、元々は潮出版社の『月刊少年ワールド』と『コミックトム』で連載。
当初は「幕末の風雲児達の活躍を描く」としてスタートしたが、何と幕末に突入するまでの前振りに実世界で20年・作品内で約250年かけるというスローペースに編集部がいら立ち、
途中編集部からの圧力で展開短縮をさせてもこの長さになったため打ち切られ、坂本龍馬主役の『雲竜奔馬』を強引にスタート。
だがそれも編集との関係悪化と雑誌終了で打ち切られ、結局2001年から続編『風雲児たち 幕末編』(一部は『雲竜奔馬』と重複)がリイド社の『コミック乱』で開始。スローペースながらも2020年まで連載されていたが、2021年のみなもと氏逝去により未完に。

作者はMoo.念平。
月刊コロコロコミック』で連載。当初は小学生編だけで終了する予定だったが、最後だからとバトル要素を入れた前後編仕立ての最終回が予想外の人気を博した事で3か月後に中学生編がスタート。そして高校生編にも続いていき、6年連載という当時のコロコロ漫画としては異例のロングラン作品となった。

作者はじゅきあきら(現・じゅきあきら・T・)。
コミックボンボン』で連載したギャグ漫画。
「作者の目の病気により一時休載、その後も連載頻度が減る」という告知が一旦なされるが、その後再開する事はなかった。
しかし2006年、休刊間近の末期のボンボンに『海の大陸NOA+』として突如連載再開。その後ボンボン休刊により講談社の漫画配信サイト『MiChao!』に『海の大陸NOA×』として移籍する。
単行本が途中から電子書籍しか発売されなくなり、MiChao自体も閉鎖になるも、完結までこぎつけた。
現在では新装版が発売されており、じゅきあきら氏もおまけ漫画を寄港している。

  • 里見☆八犬伝(1997~2002)
作者はよしむらなつき。
滝沢馬琴の長編娯楽小説『南総里見八犬伝』をベースにコメディタッチにアレンジしたバトル物。
エニックス(現・スクウェア・エニックス)の『月刊少年ガンガン』で連載されていたが、ガンガンのお家騒動の煽りを受けて単行本6巻で「第1部完」として終了。
その後、マッグガーデンのコミックブレイドMASAMUNEにて『新装 里見☆八犬伝』として連載再開するも、5話で中断して、そのまままたしても打ち切りに。
だが、2015年よりauブックパス内のweb漫画雑誌「近代漫画」及びその後の「連載マンガ先読みっ!!」にて『里見☆八犬伝REBOOT』のタイトルでリブートの形式で連載が開始され、今度は雑誌移籍もあったものの、2023年に無事完結した。
こちらはオリジナル版よりシリアス成分多めの作風となっている。

  • テコンダー朴(2007、2015~)
作画は山戸大輔、原作は白正男。作画と原作がどう考えても同一人物な事は禁句
テコンドーを題材にした格闘漫画という体だが、本Wikiでは取り扱えない様なセンシティブな要素不快感を飛び越したブッ飛んだ内容(不快感が無いとは言ってない)で取り扱う人権派格闘技漫画。

まあ要するに漫☆画太郎作品とか『サウスパーク』などと同類のネタ・イロモノ枠であり、ネットユーザーの間では有名である。あちらよりも大分過激だが⋯…。
元は「マンガ 嫌韓流」の成功の勢いで晋遊舎が出したオピニオン誌『スレッド』に連載されていたが、同誌の廃刊により僅か3ヶ月で打ち切り。
だが2015年に8年もの歳月を経て7話分を書き下ろし、青林堂から単行本第一巻を刊行。同社の保守言論雑誌『ジャパニズム』において連載が再開されるという奇跡の復活を成し遂げた。
2008年にニコニコ動画に違法アップロードされたりしてじわじわと知名度を上げたりしていたので、ネットの力が現実に影響を及ぼした一例とも言えよう。

しかし3年後の2018年12月に一部伏字にしていた差別的な言葉を出版社に全て伏字にされたことを理由に作者側から連載中止を申し入れている。
その2週間後にコアマガジン社のあまりに言論・表現の自由に挑戦しすぎてて「金払って読むなんJ」とも揶揄される程評判がよろしくないサブカルチャー系実話誌『実話BUNKAタブー』で連載していくことが発表されたため、事実上の移籍ということになった。
公式ツイッターも悪ふざけがすぎるのではないかと思わせる程アレなのだが、ブラックな方面のギャグとしては真剣に描いていることがうかがえる。でもイカやアイマスはやるし、ウマもやってるっぽい*20
色んな意味でこれからも目が離せない漫画である。

余談だが原作ということになっているの白氏に関して「かの『クロスハンター』の作者カイマコトではないか」という憶測が立てられたことがあったが、Xでの白氏の活動とそもそも作画のチョッパリと経歴が全く同じなことを隠していないことから事実無根とされている。

  • ドラゴンクエスト エデンの戦士たち(2001~2006、2026~)
作者は藤原カムイ。
ドラゴンクエストⅦ エデンの戦士たち』のコミカライズに当たる。
当初は概ね原作ゲームに忠実に進行して行ったが、後半はオリジナル要素が多くなり同作者の『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』とも絡めた話が展開。端的に言えば「ドラクエに乗っかった藤原カムイ世界」のひとつになった。
漫画オリジナル展開は歴代のドラクエコミカライズでも多々見られるものではあったが、本作の場合はあまり評判が良くなかった。
また、元のゲームがクリアするまでに100時間近くかかる大ボリュームであるためか一部のストーリーの短縮も見られたが、結局ストーリー半ばで「第1部・完」として打ち切りとなった。
連載中には『ドラクエVIII』も発売してしまっている。

そこから20年後、リメイクである『ドラゴンクエストVIIリマインド』の発売に合わせてか『DRAGON QUEST EDEN』に改題して連載が再開。
見るからに打ち切りの体で「第1部・完」扱いでそのまま終了したかと思われていたが、空白期を経て第2部が始まる…というケースは近年しばしば見られるものの、20年の空白期間は中でも異例と言える。

作者は山口ミコト。
今では漫画原作者として活動する山口氏が直接作画も手がけた数少ない漫画で、『月刊ガンガンJOKER』にて連載。
主人公達の運命を決めた殺人事件の真相を解き明かすサスペンス漫画だったのだが、明かされないまま打ち切りとなってしまった。
その後、連載開始から10年の時を経て『死神様に最期のお願いをRE』としてリメイク版が同誌にて2019年から21年まで連載(作画は古代甲)。
こちらで無事事件の真相が描かれ、名実ともに完結した。

  • ボーイ♂スカート(2014~2015、2015~2016)
作者は篠原知宏。
珍しいことに雑誌連載時連続2回短期打ち切りをくらった漫画。
月刊誌『ミラクルジャンプ』の2014年12月号から2015年5月号と半年分連載し打ち切り、2015年11月号で再開し2016年5月号までと半年ちょっとやって再度打ち切りという構成。

「明るい男の娘ヒロインとその妹の内気ボーイッシュ女子(男の人が苦手)、それらに振り回される主人公の男子。」という構成なのだが話が全然進む気配がなく
前半分は6話しかないのに尺稼ぎの「彼氏扱いされた主人公がヒロインに惚れた男子から一方的に決闘を申しこまれる」という話が2回あったり、
後半分は新キャラのお嬢様(♂)が前後編を使って出てくるが次とその次が最終回の前後編でこの新キャラは全く絡まないというペースの悪さが目立った。

その後ニコニコ静画でのパラレル続編*21もキャラ紹介位で打ち切りになっている。


◆後でなんとかする型

雑誌とコミックスは打ち切りそのままの状態で出しておくが、その後再録の際に修正・完結させるパターン。
そもそも人気のない作家・漫画の場合はコミックス以外に再録の機会は与えられないので、これを行いうるのは余程著名な漫画家か、一時は非常に高い人気を得ていた漫画に限られる。
また中には作品に強い愛着を持った作家が、「機会が与えられないならば」と自分で同人誌やホームページを立ち上げて、そちらで連載を続けるケースもある。
但し原則として漫画の権利は出版社と著者がそれぞれ保持しているため、別の手段で同作品を掲載できるかどうかは、元の出版社・編集部に事前に相談・交渉した上で権利関係をクリアにせねばならず、その交渉を含む人間関係や会社側の姿勢に左右され易い。

作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
『週刊ぼくらマガジン』連載時は第1部終了的な話(地球最後の日)の後、よりにもよって第2部突入直後(不死身のダンボコ)に打ち切られるというタイミングの悪い展開。
結局初単行本化された虫コミックでは切れのいい「地球最後の日」のラストで「かっこわるくて地球に帰れない」と主人公たちが逃げていく場面をラストにしてあり、
この後しばらく単行本では「不死身のダンボコ」未収録が続いた。
連載から大分後(1988年)に藤子不二雄ランド版で前述の「不死身のダンボコ」を先に持ってきて「不死身のダンボコ→地球最後の日」にしてやっと全話収録。
そして翌年の愛蔵版では「地球最後の日」を描き直してこれが最後で矛盾点がない様にしている。(但しコロコロ文庫では「不死身のダンボコ」未収録に戻っていた)
現在では『藤子・F・不二雄大全集』版の単行本で現行版と連載版との変更点を確認できる。

なお、本作はアニメ化されているがほぼ全部のエピソードがアニオリのため、アニメ版ではこの問題はおきてない。

  • ダスト8(1972)
作者は手塚治虫
元々は『週刊少年サンデー』の打ち切り作品『ダスト18』(2018年に単行本化)だった。
だが『手塚治虫漫画全集』収録時の加筆修正で『ダスト8』となり、あっけなくはあるが完結してはいる。
だったら他の漫画(『バンパイヤ』『ガラスの城の記録』など)も完結させてほしかった気が……。

  • JINBA(2017~2018)
作者は浦田カズヒロ。
『週刊少年チャンピオン』で連載。新人女性アイドル騎手とケンタウロスの少年競走馬ジンバによる競馬漫画で、同誌での短期連載を経て正式に連載が決定。
しかし画力の低さやそもそもの実力不足、下品で過剰な下ネタと他紙作のパロディネタ、全体的に古いネタやノリ、そして主人公ジンバの造形の不快感等々、短期連載時点で読者からの評価は低く、正式連載でもそれらの改善は一切なく、当時の読者を困惑させた。
時期的に競馬をケモ耳女子学生の陸上競技に置き換える作品の展開初期であり発想自体は悪くなかったかも知れないが、作風的に通ずるものがある偉大な先輩や、チャンピオン競馬漫画の先達でこつこつ青年誌で同世界観漫画が続く『優駿の門』には遥かに及ばなかった。
こんな有様だったので当然ながら人気は出ず打ち切り、更に採算が取れないとの理由で紙の単行本も未発売に終わる(電子版は一応発売された)。
しかし打ち切りと紙での書籍が発売できないことが相当に悔いがあったのか、浦田氏は他の出版社と掛け合い、リイド社のwebコミック配信サイトの「リイドカフェ」でJINBAのリバイバル連載を実現される。そしてついに紙の単行本第1巻も発売された。
リイド社からも1巻の売れ行きが良ければ2巻以降の発売と続きの話を描かせてくれることを確約してもらい、発売時には新聞での広告も打たれ、(本人曰く)発売記念イベントも大盛況、購入者プレゼント企画のサイン色紙プレゼントにも応募が殺到し、皆が成功を確信していた。
……が、結局1巻の売上は爆死、連載はまたも打ち切られ2巻以降の発売もされないという結果に。
その後浦田氏は気分転換で訪れたコミティアにて、昨今の同人誌のクオリティが商業誌にも見劣りしないことを知り、同人誌にてJINBA続編と2~3巻分の発売を決意。
各巻300冊で合計600冊初めての同人で作るにはあまりにも無謀な部数を発行し、各種通販サイトで販売を行った。
が……結局売れることはなく、大量の在庫と同人誌作成の赤字16万を抱えただけで終わった。
リバイバル連載を果たしたのに同じ作品で2回も打ち切りを食らい、その後紆余曲折ありながらも(話の続きは)なんとかしたが、(売上と人気は)なんとかならなかったという、かなり珍しいパターンと言える。
浦田氏としては初の本格的な週刊連載ということで思い入れがあったのかもしれないが、漫画として芳しくない評価が出ていたJINBAにこだわり続けたことが招いた結果と言えるかもしれない。
浦田氏はその後は『100日後に打ち切られる漫画家』など短期打ち切りを自虐ネタにする様な漫画を描いているが、自身の作風や、言ってしまえば本人の実力不足といえる一連の流れをさも「業界の闇」の様に語るその内容には批判的な反応が多い。
一方で、どの様な結果であれ自身の漫画を描き続け完結させた熱意と漫画の内容とは別に他誌にまで自ら交渉しリバイバル連載を実現させる行動力と打ち切り判断した秋田書店だけは評価されており、その熱意を他に向けていれば…とする評も多い。

なお、浦田氏はその後『走れ!ウンコオー』というどっかで見た様なタイトルと題材の漫画を『うんこのドリル』シリーズと同じ文響社にて描き下ろしコミックスで執筆。
児童層にそこそこ人気が出たのか現在もコミックスは続刊・販売されている。絵柄もコロコロっぽいしね
同人版JINBAの通販も現在も継続中である。

  • 羽人(2021~2022)
作者は宮尾行巳。
『コミックDAYS』で連載され、単行本の売上が悪かった事から打ち切りが決まったのだが、最終話が掲載された後に「作者から読者の皆さまへ」という文章が発表。
漫画は3巻分にて終了として謝罪と同時に「担当編集との話し合いの結果、無理矢理完結させて作品を“殺して”しまうよりもあえて途中で切り、いつか機会や場があれば続きを描ける余地を残すことにした」との声明を発表。実際に最終話は話に区切りを付ける様なことはなく、ぶつ切りの状態となっている。
宮尾氏は本作に思い入れがあったが故にこの形を取ることで最終話まで執筆するメンタルを保てたと釈明しており、この発表には「作品を発表する媒体が増えている現代でこのやり方もありなのではないか」という肯定的な意見がある一方、「打ち切りならばその結果に応じてちゃんと話をまとめるべきではなかったのか」という様な批判も見られる。


◇人気低迷以外による打ち切り

漫画は「よっぽどのことがない限り『読者からの人気低迷』での打ち切りが殆どである」と述べたが、広い漫画界では「よっぽどのこと」は結構頻繁にある

漫画自体は好調でも
  • メディアミックスの都合や掲載誌の方針の転換
  • 単行本の売れ行きが悪い
  • 編集部と作家の間でのトラブル発生や編集部のお家騒動に巻き込まれる
  • 作家が逝去してしまう
などその原因は様々であり、場合によっては封印作品と化してしまうものも少なくない。
(同様のパターンとして移籍連載も参照)

…なまじ「つまらなかったから残当」と納得され易い人気低迷と異なり一定の人気がある・あったために、打ち切られるのはおかしいと確証バイアスによって陰謀論が生まれ易いのが難点。
例えば「○○があった」「××が連載終了した」の2つが真でも「○○があったから××が打ち切られた」という証明にはならないのだ。
予想すること自体は自由だが、その理由が本当に正しいのか、一回立ち止まって考えてみよう。勝手な憶測や思い込み、決めつけによる情報を発信されたせいで迷惑を被る人間もいるということを忘れてはならない。


◆商業的事情による打ち切り

主にメディアミックスやタイアップ漫画でよく見られるパターンで、派生元の路線変更や展開終了に巻き込まれてしまったというもの。
人気低迷による打ち切りとは異なり、こちらは漫画その物が好評だったとしても容赦なく打ち切られてしまう場合が殆ど。
タイアップ先から事実上の独立を果たした『西遊記ヒーローGo! 空伝』の様なケースは本当にレア中のレアである。
特にホビー系の漫画は派生元の具体的な終了時期の予定がない事が多く、予想以上に長く続く事もあれば本当に唐突に終わってしまう事も珍しくないため、
ストーリー漫画としての展望とタイアップ先の商業展開の間に齟齬が発生しやすく、結果的に打ち切り最終回になり易い。
酷い時には引き伸ばしで新展開を入れた直後にタイアップ先が終わって打ち切り決定なんて事も。
その性質上、特定の雑誌において特によく見られるタイプのパターンでもある。

  • 突撃! ヒューマン!!(1972)
作者は江原伸。
特撮番組とのタイアップ漫画だが、番組が打ち切られてしまったために漫画版も打ち切り。
だが、最終回に与えられたページ数はわずか2ページだった……
  • (1ページ目)『「兄のかたきっ」と、新ヒューマンはグランドキングフラッシャーにおそいかかった。そして、ついにたおした』「ぎゃあ」
  • (2ページ目)『にいさん、かたきはとったよ。これで、にいさんがのぞんでいたへいわがやって来るよ』
『小学二年生』の1973年2月出版号に記載されたこの内容。児童誌でもともとページ数は多くないとはいえ、まとめた江原氏の苦労が偲ばれる。
なお、小学館の学年誌にはそれぞれの学年で並行して同様の漫画が連載されることが珍しくなく、本作もその一つであった。
この結末は小学二年生のものだけであり、他の学年では違う結末が描かれている。

作画は岡崎優、原作は矢立肇と富野由悠季
ちゃんとアニメのOPにもテロップが出てくる『冒険王』連載の正式な初代ガンダムのコミカライズなのだが、
割と知られている様にアニメ放送が短縮され(1年→10か月)、その余波で漫画も全12回予定が10回で終了。
読んでみると露骨に打ち切り決定で駆け足になったのがよく分かる内容で、原作の1クール目を初期の4回にまとめ、次の3回分でランバ・ラル達との戦いを描いた後、
オデッサ等のエピソードを全部すっ飛ばして、8:ベルファスト基地防衛戦(ゴックとの戦闘回)→9:ジャブロー防衛戦→10:サイド3への道中戦となり、
最終話の第10回はシャアとの戦闘が始まる所で終わりという典型的な打ち切りエンド*22
敵モビルスーツも上記ゴックは原作通りだが、ジャブローはアッガイだけで終わらせ、ズゴッグ→「グフに続く最新型の量産モビルスーツ」、ゾック→「第8話で存在が語られていたモビルアーマーでジオン軍の最終兵器」として最終回のサイド3道中に登場。親方!宇宙に水陸両用機が!
このメンツを見る限り、岡崎氏の元にはジャブローの所までしか資料が来なかったとよく分かる。

  • ファミコンランナー高橋名人物語(1986~1988)
作者は河合一慶。
月刊コロコロコミックに連載の、あの高橋名人こと高橋利幸を主人公に据えた漫画。
しかし肝心の高橋氏が自社が関わっている新ハードの発売に伴ってファミコン関係の活動から離れてしまい、それに巻き込まれる形で打ち切られてしまった。

作者は石川賢
「進化するロボット」を題材にしたロボット漫画。『月刊少年キャプテン』連載。
当時キャプテン編集部からオリジナルでゲッターロボの新作をやろうという話が持ち上がっていたものの、当の石川氏本人は今更ゲッターでもないだろうと断っており、ダイナミックプロ側でもあまり乗り気ではなかった。
しかしながらそれでもまたロボット漫画は描いてみたいと思っており、それで出来たのが本作という事になる。
『怪物的な外見でありながら普段は番犬的な扱いをされている』という事もあって「挙動がいちいち可愛い」と評されるロボット邪鬼王と、石川氏の漫画にしてはほのぼのとした日常描写が豊富という事もあって実は人気も悪くなかった。
しかし突如として『ゲッターロボ號』のアニメ企画が起動、そして発売予定のゲッターロボのおもちゃの出来に感動した石川氏本人も漫画版をキャプテンで連載する事となり本作は打ち切られる事となった。
もっとも、本作のコンセプトである「進化するロボット」の概念は『號』の終盤に引き継がれ、その後のロボットものの作品に多大な影響を与えた事は間違いない。
また、本作は後述の『虚無戦記』にも組み込まれている。

作者は福本信行。
アカギ』や『カイジシリーズ』で知られる福本氏が『アクションピザッツ』で連載した漫画。
だが掲載誌が路線変更し(青年向けメイン→成人向け)、また同時に新シリーズであるカイジの連載へと集中するため本作は休載という形でそのまま打ち切られた。
当初は銀次と森田が戦う展開になる予定だったらしく、銀二が近い将来の敗北を予感しながらも最後まで戦い続ける事を決意するという場面で終わる。
福本氏自身はインタビュー等で「いずれ機会があれば描こうと思う」とコメントしているものの、未だ音沙汰はない。
せめてカイジが完結しなければ無理だろうが。

作者は岩本佳浩
同名のゲームシリーズのコミカライズ版。『コミックボンボン』連載。
子供向けとは思えない圧倒的な画力やストーリー性を重視した作風、独特なセリフ回しが特徴で、ボンボンの読者は勿論の事、原作の発売元であるカプコンのスタッフからも好評だった。「メぇぇぇ〜〜リぃぃぃぃクリっスマぁぁぁーーースぅ!」の元ネタと言えばピンと来る人もいるだろう。
しかし、当時のボンボンの編集部による誌面の路線変更の煽りを受け、『X4』編の途中で連載打ち切りとなってしまった。岩本氏自身も後に自身のホームページにて、「悔しかった」「残念だったな」と当時の心境を語っている。
現在は復刊ドットコムから加筆修正や新規書き下ろしが加えられた復刻版コミックス(全5巻)が販売されている。

作画は氷樹一世。原作はフロム・ソフトウェアと後藤広幸。
フロムを代表するメカアクションゲーム『ARMORED COREシリーズ』初の漫画化。『月刊ドラゴンエイジ』連載。
同時期に展開予定だったOVA『FORT TOWER SONG(FTS)』と世界観を共有しており、本作との二本柱でシリーズの新たな展開を試みていた…のだが、『FTS』が制作会社のVIEWWORKSの倒産により頓挫、当時の公式サイトからは何の告知もなく『FTS』に関する情報が消滅
その煽りを食らってか、本作も提示された謎が明かされる事なく「俺達の戦いはこれからだ」的に打ち切られた。

漫画そのものは色々あって原作ファンからは賛否両論だったものの(詳細は項目を参照)、2023年に『』でシリーズが復活した今も
『FTS』『TCB』がやろうとしたメディアミックス展開は、Amazonプライムで配信された短編アニメ『アセット・マネジメント』ひとつに留まっており、
アニメ・漫画方面へのシリーズ進出が失敗した事を惜しむファンは今なお一定数存在する。

  • カフェちゃんとブレークタイム(2015~2017)
作者はポルリン。
同人としてWEB連載し、後に『@vitamin』でも連載した飲料擬人化コミック。
WEB漫画が商業化された作品にありがちな「WEB上での人気や認知度に反し、コミックスの売り上げが伸び悩んだ」ケースで、
本作も全3巻までWEB連載するも、単行本第3巻が刊行された所で終了。
実際の所、単行本1巻は初動の売り上げがかなり伸び悩んでおり、その上で2巻が刊行されたため、本来ならここで終わってもおかしくなかったが、SNS上で注目された事で1・2巻共に重版がかかり、3巻の刊行まで漕ぎ付ける事に。
だがやはり初動が悪かった影響は否めず、3巻の重版がかかる事なく打ち切りとなってしまったとのこと。

その後、ポルリン氏自身の手で同人媒体で続きが展開され、2019年から商業版単行本を再構成した同人誌『カフェちゃんとブレークタイムRefill』として再出発。
その最中にポルリン氏が別作品の展開に際して悪質なトラブルに巻き込まれ鬱病になったりと苦労が絶えなかったが、
クラウドファンディングでの支援もあり、2021年にようやく『Refill』版が念願の4巻目(商業版全3巻の続き)に到達する事となった。

  • ソードアート・オンライン プロジェクト・アリシゼーション(2016~2021)
作画は山田孝太郎、原作は川原礫、キャラクター原案はabec。
ソードアート・オンライン』の一エピソード「アリシゼーション」のコミカライズ。
『電撃文庫MAGAZINE』で隔月連載していたが雑誌が廃刊、その後はウェブ媒体で連載していた。
2021年に完結したものの、いわゆる原作の上での前半部終盤での終了となり(場面自体も最終戦手前まで)、最終話の数ページで各キャラクターが後半部までに辿る顛末をダイジェストで紹介している。
また、山田氏は本作の終了と同時に長らく中断していたSAOの別コミカライズ『ファントム・バレット』の執筆を再開し、こちらは原作の最後までしっかり描いて完結させている。
2024年には最新エピソードの『ユナイタル・リング』の連載が開始されており、再連載はなさそうである。

  • きららファンタジア(2019~2023)
作画は鴻巣覚、原作はきららファンタジア製作委員会。
まんがタイムきらら系列誌のクロスオーバー作品である同名のアプリのコミカライズ。
アプリのプレイヤーのみならずクロスオーバー元作品ファンからの評判も上々だったのだが、同時に分割1話を月2回掲載(実質月1連載)方式なのに一章に10話前後費やすというじっくり進行が祟って漫画が一章消化する間にアプリのメインストーリーは二~三章進むという逆自転車操業状態に陥ってしまい、結局最後まで追いつけないままアプリのサービス終了を受け打ち切られた。
なにしろ元のアプリが第2部の最終章を配信して6年の歴史に幕を下ろした時点で、コミカライズの方はまだ第1部の前半を終えた辺りだったと言えば、そのじっくりぶりがおわかり頂けるだろう。
それでも間の話を6ページに大幅圧縮したとはいえ第1部最終決戦をやらせてもらえるなど、打ち切り作品としては破格の扱いを受けている。

  • 男子高校生が魔法少女になる話(2020)
作者は紺吉。
絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男』の紺吉氏によるTS魔法少女モノのギャグ漫画。
元々はPixiv・ニコニコ静画での連載だったが『MAGCOMI』に引き上げられる形で連載開始。
しかし、第2話の後半となる部分で連載が休止。
紺吉氏が月刊コミックガーデンで連載していた「もののべ古書店怪奇譚」と交互に連載する予定だったが、「もののべ~」の執筆を優先したことで「男子高校生~」の連載開始が遅れ、紺吉氏の仕事が多忙化したことで編集部と協議し連載打ち切りとなった。
「もののべ~」の方に関しては2023年に紺吉氏がXにて「私側からは2021年頃に連載再開についてのご提案をさせて頂いておりますが、担当氏が体調を崩された事もあり現在も返信待ちのため再開時期は現状未定となっております」とポストしており、こちらも連載再開の目処が経っていない状態である。

  • 魔界の主役は我々だ!(2020~2025)
作者は津田沼篤。監修として我々だメンバーのコネシマ、原案や世界観監修として入間くん作者の西修が関わっている。
ニコニコやYouTubeでゲームプレイ動画を中心に活動する動画製作グループ「〇〇の主役は我々だ!」を元ネタに、『週刊少年チャンピオン』の看板漫画「魔入りました!入間くん」のスピンオフとして同誌で連載された。
「我々だ」は2017年にメンバーの自主制作ゲームから漫画化した「異世界の主役は我々だ!」を皮切りに計5作品もの派生漫画を連載、特に『魔界の主役は我々だ!』(以下、魔主役)は400万部の大ヒットを記録していたが、2024年に組織再編に伴うメンバーとの契約更新が纏まらずおよそ12~3人程いたメンバーのうち10人がグループを去る事態に。
こうなると去ったメンバーのキャラクター性を元にしていた派生漫画も無事では済まず、連載終了が発表された。幸い関係者の尽力で話を纏めるための猶予が与えられ、「魔主役」は1年生編の終了で区切りよく終わっている。
しかし同じく派生漫画である「ヘルドクターくられの続科学は全てを解決する!」、「エンプレスエイジ~闇社会の主役は我々だ!~」は連載終了ではなく無期限休載という措置が取られ、話はぶつ切りで再開も厳しい状況となっている。

  • クロゥレン家の次男坊(2023~2024)
作画は白川祐、原作は島田征一、キャラクター原案はゆのひと。
同名の小説家になろう作品のコミカライズ。全15話、単行本全3巻。
……が、最終話となる第15話の内容はなろう版エピソード31(第3章冒頭)、書籍版第2巻第4章(第2巻はプロローグ+全24章)に相当する部分で、思いっきり第16話に引っ張る形で終わっている。伏線?なにそれおいしいの?
その後、漫画版第3巻と同時に発売された書籍版第6巻でもって本作の完結が明言された(なろう版はその後も連載が続いている)。このことから書籍版の打ち切りに巻き込まれたものと思われるが、第15話の執筆が完了してから打ち切りを伝えられたかの様な幕切れについて、白川氏、島田氏共に詳細は語っていない。

なお、白川氏は本作の前に同じく小説家になろう作品「おっさん、勇者と魔王を拾う」(作者:チョコカレー)のコミカライズを行っている。
こちらは全30話、単行本全6巻で、書籍版全2巻の内容に(書籍版打ち切りで描かれなかった10年分のエピソードをすっ飛ばして)なろう版エピローグを追加する形でまとめている。
そして単行本最終巻に、

俺たちの戦いはこれからだ!!

長い間ご愛読ありがとうございました
白川先生の次回作にご期待ください!!

というイラストを描き下ろした。
※さいごにやっておきたかった」だそうだが、これが白川先生の次回作のフラグになってしまったのだろうか……

  • 我演義 〜乱世の主役は我々だ!〜(2023~2025)
作者はグラタン鳥、監修はロボロ、筋トレ監修&協力はオタク女性専門パーソナルジムClara。
上記の『魔界の主役は我々だ!』と同じく、「〇〇の主役は我々だ!」のスピンオフ。Web上の『ヤングエースUP』連載。
「我々だ」と三国志演義を交えて筋肉を添加したギャグ漫画であり、キャストをほぼ僅か9人+モブのみで回すという縛りの結果、三国志好きにも物語の先が読めない斬新すぎる作品に仕上がった。諸葛亮は筋肉で全てを解決するし女装して魏に潜入する
こちらも赤壁の戦いで〆とキリよく幕引きはできた。
現在は残留したメンバーが原作・原案である『異世界の主役は我々だ!』のみ連載が続行している。


◆社会的事情による打ち切り

「何か色々と社会的にデリケートなネタをやってしまった」「社会そのものが連載どころではない状況に陥った」故に、打ち切りや巻きが入っての早期終了に追い込まれた例。
戦時下における「資源統制で用紙が入荷しない」「空襲で出版社や印刷所が焼けた」といった例が分かり易いか。
中には編集部が何も言われていないのに勝手に市民団体にビビって打ち切った『境界のないセカイ』という例もある(その後、移籍して完結した)。
編集部がアクの強い作風の作家を連れてきたのに後からビビって打ち切りになる場合もあり、こういったケースは作家本人やファンからも「もともとそういう作風だって知ってただろう!」と怒りを買う事も多々。

  • のらくろ(1931~1941、1958~1980)
作者は田河水泡。
大日本雄辯會講談社(現・講談社)の雑誌『少年倶楽部』で連載された、戦前を代表する児童漫画。
連載10年目*23に太平洋戦争が始まってなお絶大な人気を誇っていたが、政府の情報局から執筆を禁じられ、やむを得ず打ち切りとなった。
田川氏と奥様が執筆した「のらくろ一代記 田河水泡自叙伝」によれば政府や軍部は紙資源の節約のために少年倶楽部を廃刊にしたかったのだが、そのために田河氏を呼び出して
「君の『のらくろ』を辞めて欲しいんだ。『のらくろ』がなくなればきっと少年倶楽部の売れ行きが落ちる。そうすれば少年倶楽部を潰せる。君も国策に協力したまえ」
という趣旨の通告をしてそれに従わざるを得なかったそうな。
人気がない訳ではなくむしろ人気があったので潰されたというとんでもないケースである。
そもそも漫画についての認識が現代とは違うため、田川氏は日本軍を応援するつもりで本作を執筆していたが
軍部は「犬コロ風情が士官になる漫画を描くとか貴様軍隊をなめとるのか!」と罵声を浴びせてきたこともあったようで本作自体が嫌われていた模様。

最終回に与えられたページ数はわずか2ページ、前回までの流れは完全放棄と、看板漫画としてはあまりに呆気ない終わり方であった。
内容自体は「軍隊時代の上官と偶然再会し、彼の下で働き始める」*24という、最終回らしい終わり方をしていると言えなくもないが。

戦後は潮書房の軍事雑誌『丸』にて連載を再開。
リメイク版が絵物語の形式で連載された後、戦前版の続編が漫画として連載。1980年に無事完結を迎えた。
ちなみに前述の自叙伝によれば「もしあの時に打ち切られなければもっと軍国主義に協力する内容で執筆を続けていただろうし
そうすれば終戦後にGHQに睨まれて戦後の連載再開や新たな表現活動はできなかっただろう」とも述べている。

  • 噫 日本共産党50年伝(1973)
作画は旭丘光志、原作は内田栄一。
『週刊プレイボーイ』連載。戦前の共産党の暗部や昭和天皇の戦争責任などを描いた結果、どこか(明確ではない)から集英社上層部に圧力がかかったらしく、当初50回予定が19回で打ち切り(第20回は描かれていたが編集部判断で掲載されず)。

  • 夜光虫(1975~1979)
作画は篠原とおる、原作は柿沼宏。
『ビッグコミックオリジナル』で連載された医療漫画。
第100話「児心音異常」において、障碍を持って生まれた新生児を、親の負担を考慮した産婦人科医が殺してしまうという「障碍児殺しの正当化」ともとれる内容に対し障碍者団体や医療関係者などから抗議が殺到、雑誌回収・謝罪文掲載という事態に陥り、連載も間もなく打ち切られた。

  • ゴッドハンド(1978)
作者はつのだじろう。
『週刊少年チャンピオン』で連載されたつのだ氏による空手漫画で、過去作である『空手バカ一代』同様、空手家・大山倍達の半生を描く(はずだった)作品。
まず、『空手バカ一代』は梶原一騎が原作であったが、つのだ氏によれば原作が届くのが遅れる状況が頻発しており(酷い時には締め切り前日だったとか)、締め切りに追われる中で極限状態に達し、遂に作画降板を申し入れるという経緯であった。その後、『空手バカ一代』は影丸穣也が作画を引き継いだが、次第に大山氏の弟子の芦原英幸の活躍の比重が大きくなっていったため、大山氏はそれを不満に思っていたという。
そのため、大山氏は「大山倍達が主人公の物語をもう一度」とつのだ氏に打診*25、『ゴッドハンド』として連載が始まった。
しかしこの連載、梶原氏には了解を得ずに始まったものであったため、つのだ氏が偶然梶原氏と会った際に梶原氏に詰問され、「『ゴッドハンド』は自分が付けた大山の通称でありタイトルが盗作である」と主張、更に梶原氏が編集長を呼び出して詰問(≒恫喝)したり、つのだ氏宅や編集部に連載を中止するよう鬼電するに至ったため、10回で打ち切られる。
だが梶原氏とその弟の真樹日佐夫氏はなおもつのだ氏への脅迫を続けた結果、同年、つのだ氏はそれを恨みに思って、梶原氏とその弟の真樹日佐夫を呪う内容をアナグラムで呪文にしたものを別作品『魔子』に掲載した。が、すぐに本人達にバレてホテルに軟禁され、各方面への詫び状を書かされるという事件が発生している。
ちなみに梶原氏は更に他でも脅迫事件や傷害事件を起こして逮捕され、出所後早逝している。

  • タイガーマスク・ザ・スター(1993~1994)
作画は風忍、原作は真樹日佐夫。
スポーツ新聞『東京スポーツ』で連載されたプロレス劇画。
タイガーマスク』(原作:梶原一騎、作画:辻なおき)のリメイク作で単行本も2巻まで刊行されたが、梶原氏の未亡人と辻氏に無許可で連載を開始したため著作権侵害で訴えられ、裁判で敗訴。
ストーリー未完のまま連載差し止めとなり、予定されていたスーファミのゲーム版も製作中止に。

  • 勉強しまっせ(1995~1996)
作者はみやうち沙矢。
講談社『別冊フレンド』連載された少女漫画。打ち切り理由が副編集長のせいというあんまりなもの。
1996年3月号掲載話で主人公の彼氏のセリフに「西成」が出た際、副編集長が欄外の注釈として
「※大阪の地名。気の弱い人は近づかないほうが無難なトコロ。
という文章を(作者に断りも入れず独断で)入れた。
これを見た西成の中学校や人権団体、果ては西成区長が抗議文を送り、結果的に打ち切りとなった。
漫画自体は全く差別的ではなく、謝罪文だけでも良かったとは思われる。
…が、その謝罪文の内容について「抗議による打ち切りと誤解される」などと批判され、講談社はあくまで自主判断による打ち切りであると再度謝罪文を表明することになった。
名誉のために追記すると、みやうち氏自身は昔通ったライブハウスがあった西成に親しみを持っており、差別の意図など全く無く地名を出しただけだった。完全なとばっちりを受けた形である。

作者は岡本倫。
『週刊ヤングジャンプ』連載の「女子種目が存在しないオリンピックのスキージャンプ競技に、本来は参加できない女性主人公が男子選手のふりをして挑む」というコンセプトのスポーツ漫画だった。
しかしあろうことか『現実で女子種目の導入が検討され始めてしまい、本当に導入される可能性が大きくなったため』、話の大前提が崩れてしまうので急遽打ち切らざるを得なくなってしまった。
実際、本作が打ち切られてから僅か3か月後には女子スキージャンプが正式にオリンピック競技になる事が決定している。
岡本氏はこの顛末に納得がいかなかったらしく、最終回は練習中のアクシデントでユニフォームが破れてしまい、おっぱいで女バレしてそのまま終了というやけくそ感漂う内容だった(一応単行本では加筆修正でフォローが入れられている)。

作者は糸杉柾宏。
『チャンピオンRED いちご』で連載。過激な近親相姦描写をウリにした漫画だったが、東京都青少年育成条例の標的とされ打ち切られてしまう。最終巻も重版がかからないとアナウンスされていた。
しかし、2018年に電子書籍化され、再び日の目を見る事になった。

作者は知るかバカうどん。
成人誌や同人誌などでハードかつ生々しい作風*26で知られていた女性漫画家、うどん氏が『漫画アクション』で一般紙デビュー作として手がけた。
しかし「援助交際に手を染めているメンヘラJK」の主人公がどんどん残酷ないじめにあっていくだけならまだしも、主人公がいじめに耐えかねて「友人のヤンキー男子に依頼していじめっ子をハイエースしてもらう」という過激な展開から、出版社サイドから横やりが入り打ち切り。
この連載のために大阪から上京してきていて、事前に自分の描きたい路線での了承を編集部に得ていた作者は梯子を外された格好になりXで激怒していた。
その後新潮社の電子書籍コミックサイト『まんが王国』に移籍しての連載再開となり復活した。
とはいえ、流石にあまりにハードな描写に苦言を呈されたのか本来掲載予定だった当初の9話はお蔵入りとなり、コミックス第1巻のメロンブックス購入特典に回されている。
その後、新潮社側の担当編集と何らかのトラブルを起こしたらしく2022年3月31日を以て契約解除。秋田書店へと移籍することとなった。

  • 「神様」のいる家で育ちました 〜宗教2世な私たち〜(2022)
作者は菊池真理子。
集英社の運営するウェブメディア『よみタイ』にて掲載された漫画。親の信仰する宗教を信仰させられる「宗教2世」に関するテーマを取り扱っている。
連載第5話「母の期待に応えたい……宗教高校一期生として過ごした女性の告白」のエピソードが唐突に公開終了が決定し、集英社から「あたかも教団・教義の反社会性が主人公の苦悩の元凶であるかの様な描き方をしている箇所があった」として謝罪文が出され、その後は他の話も「諸般の事情」として公開停止となってしまった。
菊池氏は自身のXにて無念と集英社へ抗議の意思を表明する読者への感謝を示すツイートをしている。
後に連載再開のためにか菊池氏と集英社は協議を重ねるも、双方の意見が対立したことで漫画の連載終了が決定した。

連載終了よりおよそ半年後、版元を文藝春秋に移し連載分以降の内容を書き下ろした上で単行本が無事出版された。
それに際し菊池氏は「文芸春秋」誌を通して、多くの読者の推測通り「問題となった連載第5話の内容が某宗教団体を示唆する内容だったことから抗議声明が出された」事が公開停止の原因だったと明かしている。


◆雑誌の消滅

連載していた雑誌の休刊により、打ち切られてしまった事例。
要は描く場所が無くなったということであり、人気があれば別の雑誌から呼んでもらえることもあるが、マイナーな漫画の場合は難しい。
稀にだが、掲載誌は無事でも、執筆に協力していた雑誌が休刊したことで続きが描けず、打ち切らざるを得なくなってしまう例もある。

鉄腕アトム』『忍者ハットリくん』(いずれも雑誌「少年」)、『アンパンマン』(いちごえほん)などは、抜群の知名度を誇る作品でありながら「連載誌自体が消滅し、打ち切りにならざるを得なかった」という気の毒な例である。
但し『鉄腕アトム』は廃刊当時からサンケイ新聞にて外伝『アトム今昔物語』を連載中であり『忍者ハットリくん』は最終号1話前に唐突に終了したがその後アニメ人気を受けて執筆された続編『新忍者ハットリくん』で最終回を迎えることができた。
『アンパンマン』は雑誌休刊を知らされたキャラクター達が読者に別れの挨拶をする、というよくありそうな最終回だが、作者のやなせたかしがその掲載誌の編集長であることを考慮すると、それまで一切用いなかった突然のメタ発言は彼の無念の現れの様にも思える*27
他にも「いかにもな悪の金持ちによる武道大会に主人公達が参加→1回戦を終えた時点で廃刊のため打ち切らざるを得ず*28、急遽その悪の親玉を倒してむりやり終わらせた」『ジャンプ三大奇書闘将!!拉麺男*29など、実は結構事例は多い。
掲載雑誌が休刊した後、移籍先が見つかるまで完全描き下ろしで単行本の定期刊行を守った『Q.E.D. 証明終了』という例もあるが、これはかなりのレアケースだろう。

余談だが、人気低迷による打ち切りには、雑誌の休刊により移籍連載となり、その枠を空けるために移籍先の雑誌の漫画が打ち切りという巻き込まれパターンもある。

  • 依頼人から一言(1982)
作者はたがみよしひさ。
たがみ氏の最初期の連載作であるオカルトミステリー漫画。
しかし掲載紙『DUO』の休刊に巻き込まれて僅か4話、うち2話が前後編エピソードのため実質3話で打ち切り。
この一件以降、たがみ氏は「漫画に雪女を出すと連載が終わる」というジンクスを抱える事となったが、
後に本作の路線をミステリー寄りにして引き継いだ『NERVOUS BREAKDOWN』でジンクスを打ち破りつつ最長連載を達成するという二重の意味でのリベンジに成功している。
ちなみに『NERVOUS BREAKDOWN』には他のたがみ作品のキャラと同じように本作のキャラもゲスト出演しているが、雑誌掲載時に「誰?」という感想が多く寄せられたため、単行本では本作も全話同時収録するという措置が取られた。
ある意味短期打ち切りに終わったからこそ出来た荒業と言える。

実の所たがみ氏自身、様々な雑誌を渡り歩く中で打ち切りらしき作品が多い。
プレイコミック掲載『化石(いし)の記憶』は驚愕の大ネタ開陳から程なく、本来の大作構想をダイジェストにまとめた様な畳み方で、大判コミック全3巻。
アニマルハウス掲載『ファイター』は、終盤の盛り上げ所で雑誌休刊により連載中断してしまい、なしくずしに全5巻。
コミックトム掲載『メタルハンターズD』は、余韻を残しつつ終わらせる形のひとつとしてはきちんとしているものの、見ようによっては打ち切りバッドエンドに近い。
少年キャプテン系掲載の『妖怪戦記』も紆余曲折をまとめきれておらず、あやふやなままの最終話で、全5巻。
本人に病気の噂も多く、往年の知る人ぞ知る地位にはいるものの、もったいない作品があまりに多い作家である。

作者は藤子・F・不二雄
F氏の晩年の漫画でそれなりに人気があり、アニメも劇場版まで作られる程だったのだが、よりにもよってあと2回で最終回という状況で、掲載誌の『藤子不二雄ランド』が終了し打ち切り(アニメ版も少し後でオリジナル展開で終了)。
……だが、前述の様に人気はそれなりにあり、「残り2話は単行本第5巻で描きおろしにする」とはっきり連載打ち切りの回で説明が成されていたのだが、F氏は逝去する1996年までの5年間にこのラスト2話を描き終えられず、未完になってしまったのである。
なお5巻が出なかったせいで収録予定だった終盤の話が5年間読めなくなる事態に陥っていたが、そちらは1997年の新装版の単行本にて収録された。
アニメシリーズの主要スタッフは一応最終章にあたるこの2話のプロット自体は聞かされていたものの当該のスタッフであるチーフディレクターの本郷みつるが内容を忘れてしまったこともあり*30、最終回とそのひとつ前がどうなってたかはもう誰にも分からない。
…が、実はラスト2エピソードのネタバレ込みのあらすじを推測可能な作品がアニメシリーズ内にある。作品項目を参照。

  • スーパーマリオブラザーズ3(1989)
作者は沢田ユキオ。
某世界一有名な配管工を主人公にしたバトルギャグ漫画『スーパーマリオブラザーズ2』の続編。
よりにもよって2が最終回を迎えて3が始まった直後に掲載誌『わんぱっくコミック』が休刊してしまい、始まったばかりの3はもちろん、一応完結したはずの2の最終巻まで未発売という憂き目にあってしまった。
なお、その後沢田氏は別の出版社で同じゲームを題材にした漫画を設定を変えて掲載、そちらは今もなお続く長寿漫画となっている。
シリーズ単位で言えばわりと打ち切りっぽい終わり方をしている話*31が結構あるのは秘密だ。

  • Dreams(1996~2017)
作画は川三番地、原作は七三太朗。
タバコ・喧嘩上等の不良高校生が快進撃を見せる、超人的魔球など何でもござれの野球漫画。『週刊少年マガジン』で連載を開始し、途中から『マガジンSPECIAL』に移籍。
七三氏*32、川氏のタッグは、他にも『4P田中くん』『風光る』などの作品がある野球漫画の熟練コンビだが、試合描写が非常に長いという特徴がある。
特に本作のマガスペ移籍後はそれが度を越しており、単行本68巻にしてようやく1年目の夏の甲子園準決勝が開幕。3回戦と準々決勝の2試合に12年以上かかっており、七三氏が70代と高齢になった事から、存命中に完結どころか高1の甲子園も終わらないのではと心配されていた。
結果として七三氏よりマガスペが先に力尽き、休刊をもって終了が決まる。
そこからは、一応当初から考えてあったらしい結末につなげるための圧縮展開がスタート。甲子園準決勝は相手チームの舐めプにキレた主人公が危険球を連発して退場という形であっさり終わり、ライバルが突如交通事故死するなど、20年以上続いた漫画でありながら短期打ち切り漫画の様な目まぐるしい幕引きは読者に衝撃を与えた。
一方で、中学時代まで手に負えない悪童球児であった主人公の末路としては「逆にリアル」という声もある。
その後、七三氏も2023年に逝去。作画・掲載ペース的に、いずれにせよこのページに名を連ねたであろうという見方は否めない。

なお、バラエティ番組「水曜日のダウンタウン」調べによる「時間の進みが遅い漫画ランキング」では、「連載1年あたり作中で15日」として本作が1位になったのだが、放送がなんと最終回掲載前月。
出演していた伊集院光が本作の読者で、休刊が決まって超展開の真っただ中である事を説明している。

  • 喪黒福次郎の仕事(1997~1998)
作者は藤子不二雄Ⓐ。
あの『笑ゥせぇるすまん』の主人公・喪黒福造の弟が様々な問題を抱えた人々を助けていく原作の漫画。
Ⓐ氏としても描いていて心が荒む『笑ゥせぇるすまん』のいい気分転換になるとして気に入っていた漫画だったらしいが、掲載誌『カピタン』が休刊してしまいあえなく打ち切り。
ちなみに意図したのかは不明だが、最終エピソードのゲストキャラは「雑誌の休刊で連載を打ち切られた漫画家」で、しかもその結末は「福次郎の紹介で転職した先で成功を収める」という漫画家廃業オチであった。

  • 公権力横領捜査官 中坊林太郎(1998~2000)
作者は原哲夫、監修は佐高信。
あの『北斗の拳』の作画で有名である原氏が『BART3230』という雑誌で連載した、中坊公平をモデルにした主人公による痛快政治漫画。
主人公と仲間達によって黒幕の存在が炙り出されていよいよ決戦…というところで『BART3230』が休刊。一応休刊に合わせストーリーそのものは完結している。全2巻。
主人公の破天荒なキャラ、『北斗』等にも垣間見えたシリアスとギャグの塩梅等現在でも「原哲夫の最高傑作」という声もある。
原氏もこの主人公のキャラは非常に気に入っており、『蒼天の拳』の主人公・霞拳志郎は「中坊が北斗神拳を使えたら?」という発想から生まれたことを明かしている。

  • お姉さんと学ぼっ! グレグリ探検隊(1999)
作者は松沢夏樹。
『突撃! パッパラ隊』の作者である松沢氏が『月刊少年ギャグ王』にて99年4月号から連載したギャグ漫画。
…なのだが、よりにもよってそのギャグ王が99年4月号で休刊してしまったため連載1話目にして最終回を迎えてしまった。もうそれ読み切り漫画じゃないか
これ以外でも、この雑誌は末期から連載が始まったためにたったの2、3話で終わってしまった漫画が多い。悲惨すぎる…

  • 新宇宙戦艦ヤマト(2000~2001)
作者は松本零士
宇宙戦艦ヤマト』の完全続編。『コミックGOTTA』で連載された。
ヤマト初航海から1000年後の3199年を舞台に、古代進やスターシアの子孫達が千年かけて超強化されたグレートヤマトに乗り込むというもの。
映画化の予定もあり、当時の雑誌や関連本でも特集が組まれていたが、松本氏の悪癖であるもったいぶりすぎと月間連載ゆえに話は遅々として進まず、『GOTTA』は休刊。
また同時期にヤマト関連の著作権所有者がアニメ版プロデューサー西崎義展だと裁判で確定した事もあり(なのでその後のヤマト映像作品は西崎氏側の許可を取って制作されている)、映像化構想自体は辛うじてOVA『大YAMATO零号』として別形態で実現したものの、全てはお流れになった。
なんとかヤマト発進と波動砲発射まで持っていけたのが幸いか。

作者は石川賢とダイナミックプロ。原作は永井豪。
石川氏によるゲッターロボ・サーガ最終作。
真ゲッターロボ』で広がったゲッターの謎を追い、次世代のゲッターチームと新たな敵・アンドロメダ流国との戦いが繰り広げられる。
ダイナミックな石川氏の画力は更に進化し、その戦闘の迫力はまさに圧巻。
だが連載誌『スーパーロボットマガジン』の休刊で第一部完となり、単行本の加筆分でも「でたなゲッタードラゴン」という所で打ち切りとなってしまった。
そして石川氏本人がゲッター線に導かれてしまったことで、サーガの行く先は下記の虚無戦記と同様虚無の彼方かと思われたが、2021年のアニメ化に際して虚無の先へと奇跡の一歩を踏み出した。

  • ゼルダの伝説風のタクト リンクの4コマ航海記(2003)
作者はÖYSTER。
ゲーム誌『ニンテンドーキッズ』連載のÖYSTER氏による『ゼルダの伝説』シリーズの4コマ漫画で、かの『ゼル伝』コミカライズシリーズの作者たる姫川明でさえ執筆したことのない、唯一の『風のタクト』のコミカライズ漫画。
作風については絵柄はÖYSTER氏の画力もあって原作に忠実に描かれ、ストーリーも原作に沿った展開で進行していたが、魔獣島でのガノンドロフ登場とテトラの正体バレに差し掛かった辺りで『ニンテンドーキッズ』が休刊。後半の賢者探し編と勇気のトライフォースのかけら集め編に入ることなく終わってしまった。

作画はきむらひろき、原作は原ゆたか。
『月刊コミックブンブン』連載の、『かいけつゾロリ』のコミカライズ。
TVCMでも本作をプッシュするなど、『ブンブン』の看板作品と呼べる存在だった。
しかし単行本の売れ行きは今一つだったらしく、『ブンブン』の休刊と同時に打ち切り(物語としては一応完結)。
詳細は個別項目に譲るが、ある人物にまつわる壮大な設定が構想されていたことがわかっている。

  • エルヴァンディアストーリー(2006~2007)
作者は森本尚司。
2007年度KOTY次点作品という不名誉な経歴を持つ『エルヴァンディアストーリー』のコミカライズ。
ゲームそのものは全てにおいて隙の無いクソゲーという酷い有様だったが、漫画としては主人公の性格やストーリーの破綻を改善することでまともにできていた。
だが掲載誌『月刊少年ファング』も元のゲームの人気もどうしようもなかったため、廃刊と共に打ち切られてしまった。

  • 瞳のフォトグラフ(2008~2010)
作画はさくらあかみ、原作は杜講一郎。
『FlexComixブラッド』連載の、女子高写真部が舞台の青春漫画。
漫画家ユニットGUNP初のオリジナル漫画で、ボイスコミックが作られるなど人気はあったのだが、技術監修や取材協力を行っていた雑誌『デジタルフォト』の休刊に伴い、打ち切りとなった。
掲載誌ではなく協力誌の休刊が原因という、少し珍しいケース。
作中では数々の伏線(特にヒロインの過去にまつわるもの)が張られていたものの、ほとんど解明されずに終わった。

GUNP氏はその後、『COMICリリィPLUS』で同じく写真をテーマにした『茜色の方程式』を連載したが、こちらも掲載誌の休刊により2話で打ち切られている。

  • アウターゾーン リ:ビジテッド(2011~2016)
作者は光原伸。
ホラー漫画『アウターゾーン』の続編なのだが、初期の様な各話独立した単発形式なので、続編というより再開と言う方が近い。
しかし掲載誌の『コミック特盛』が2015年に休刊。
後にホーム社のWebマンガサイト・画楽ノ杜に続きの2話分が2016年に掲載されたが、画楽ノ杜もWEB漫画サイト『Z』にリニューアル。
リニューアル後は紹介ページはあるものの連載は再開されておらず、後にトップページの作品リストからも削除されてしまった。
つまる所、雑誌休刊のごたごたに巻き込まれてなし崩し的に打ち切りになってしまった模様で、更に光原氏の五十肩によるブランクで復帰の目処は経っていないままとなっている。
Webサイト掲載分を含めた4話分はコミックス未収録のまま。

  • ハイパーダッシュ!四駆郎(2015~2021)
作画は武井宏之、原作は徳田ザウルス。
第一次ミニ四駆ブームの起爆剤となったダッシュ!四駆郎の続編。
作者は前述の『四駆郎』の作者である徳田氏が原作とクレジットされているが、徳田氏は2006年に他界しており、
武井氏が徳田氏の遺族に直談判して許可を得た上で『コロコロアニキ』誌上で連載を始めた続編であるため、事実上は武井氏の単独作品である。
コロコロアニキ2号の目玉として連載が開始され、メカデザインに定評のある武井氏の腕が存分に振るわれた新マシンの数々はレーサー達から高く評価されたものの、
なんと次回最終回というところで『アニキ』が廃刊となってしまう。
『アニキ』誌上では「最終回は夏頃にwebで発表」との旨のアナウンスがなされ、2024年には武井氏が本作に対して「完結させたい」と公言しているものの、
単行本も4巻(2020年9月)を最後に刊行されておらず、2025年春よりwebの週刊コロコロコミックで行われた本作の配信でも最終話の発表は無く、未だに完結の兆しは見えていない。

ちなみに武井氏は『アニキ』廃刊から数か月後に『月刊コロコロコミック』誌上で連載が開始された新しいミニ四駆漫画『MINI4KING』(作:今田ユウキ)に原案・マシンデザインとして参加したが、
こちらは単純に人気が出なかったのか早々にweb送りになった上であっさり打ち切られ、
それに伴い武井氏がデザインした新シリーズのレーザーミニ四駆も僅か3台しか発売しないまま廃盤という憂き目に遭っている。

これに限らず『アニキ』系作品は急な廃刊で完結となってしまった作品がほとんどなのだが*33、廃刊から5年以上経っても完全な未完状態のままとなっているのは『四駆郎』のみ。


◆作者の逝去、病気、不祥事、その他漫画を描けなくなる事による打ち切り

漫画の制作はアニメやテレビ番組と比べ制作側が少人数であり、個人の技量に依る部分が多く、
連載中の作者が重い病気に罹ったり亡くなってしまった場合は、打ち切りを余儀なくされてしまう。
手塚治虫の『火の鳥』、藤子・F・不二雄の『ドラえもん』を筆頭に、作者の死去によって未完に終わった作品は枚挙に暇がない。
なんなら海外でも主人公がピンチの場面で途切れる全編ラフスケッチ状態の単行本という壮絶な最終巻が発行された事で有名な『タンタンの冒険旅行』シリーズの様なケースがある。

但しプロダクション制度を採用している漫画や、作画者と原作者が分かれている漫画、アシスタントや弟子が付いていた場合では、作者に重大な問題が発生した場合も人員を変更し、一旦仕切りなおして連載が続けられるパターンもある。

中にはアニメ化などメディアミックスされた際に続きが描かれ、作品としての完結に至ったケースも見られる。
元々藤子・F・不二雄のストーリー構想の時点でメディアミックス作品前提だったため事情は異なるが、『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』における現場の混乱エピソード*34と無事完結させられたのなどが著名か。実際に以降も『ドラえもん』は大長編枠のみプロダクション制で執筆した扱いで続刊を出す*35形式が取られている。

また『まりんこゆみ』も原案担当者が2015年に病死したが、こちらは『ゼロの使い魔』と同様に逝去まで時間の猶予が幾分あったため、原案者が最終回までのプロットを残して作画担当の野上武志に託している。
しかしこれも急逝である場合どうしようもなく、2013年に佐渡川準が自殺*36した際は、連載中であった『あまねあたためる』は既に提出されていた原稿分で終了・打ち切りになった。
同様の事例は2015年に31歳の若さで病没した藤原ここあの『かつて魔法少女と悪は敵対していた。』、2019年に持病が再発して急逝した鬼八頭かかしの『たとえ灰になっても』*37でも起きている。
正式な打ち切り発表は出されていないものの、岡崎京子の『森』は1話発表直後に作者が事故で重傷を負って執筆どころではなくなり20年以上中断状態になっている。

病気や死去の他には、作者の精神状態・モチベーションの悪化や戦時下における作者の召集、作者の不祥事(特に逮捕)も打ち切りの原因となりうる。
この場合は封印作品と化す事が多い。なお、趣旨の関係上不祥事で打ち切られた漫画は封印作品の記事ではなくこちらで扱う。

作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
F氏の漫画では下記の『宙ポコ』と並んで全3話という最短打ち切りタイ記録を持つ。
(これら以外だと1955年の「よるの王子さま」という雑誌休刊による全3話で打ち切り作品が存在する)
本作は雑誌『ぼくら』の創刊号(1955年1月号)から連載したが、相方(藤子不二雄Ⓐ)共々故郷の富山への帰省で気が緩んだか、第3話目の原稿の締め切りが間に合わず3月号を休載し、
編集部から最後の情けで次の4月号で1話4ページで話をまとめさせられる*38はめになったという。
以後、両氏は原稿を落とさない様にかなり気を付けてたらしい。

作画は桑田次郎、原作は平井和正。
当時『鉄腕アトム』『鉄人28号』と人気を三分していた日本漫画界における最初期ロボット漫画にして三大ロボット漫画のひとつ。
しかしよりにもよって桑田氏の拳銃所持が発覚、銃刀法違反で逮捕されてしまったため急遽打ち切り*39
正体のバレてしまった東八郎が人知れず立ち去っていくという最終回はアシスタントの楠高治と小畑しゅんじによって代筆され、桑田版の最終回は1989年の完全版刊行を待たねばならなかった。
他にもアニメ主題歌を歌っていた克美しげるが殺人を犯して逮捕されたり、実写映画が大ゴケして会社を倒産させたり、続編漫画が雑誌廃刊に伴って打ち切られたり、トラブルに見舞われることの多い作品である。
なお桑田氏は逮捕後も人気は衰えず、2020年に逝去するまで精力的に作品を発表し続けた。

作者は聖悠紀。
超能力+SFベースの超大河漫画。不老不死のエスパー・ロックの銀河放浪史とも、銀河に広がった人類文明をロックを通じて物語る通史・叙事詩とも言うべき作風。
主に10話以下の中編~4,50話規模の長編エピソードを連ねており、刊行コミックは100巻以上
舞台はおおまかに、近未来の西暦時代、植民惑星確立後に成立した銀河連邦(旧連邦)時代、それが戦争による崩壊後に勃興した銀河帝国時代、そして帝国消滅後の新銀河連邦時代の数千年間。
1967年の同人活動からシリーズは始まり、1977年にみのり書房にてメジャーデビュー。1979年からの『少年キング』連載にて本格的に知名度を上げていった。
何度となく掲載誌消滅に立ち合う悲運に見舞われるも「雑誌は死すともロックは死なず」とばかりシリーズは継続される。2003年からは『ヤングキングアワーズ』、更に2007年から『コミックフラッパー』で、舞台年代こそ違えど同名・同一世界観で他社同時連載という、21世紀では稀に見る二足のわらじ連載を続けて根強いファンを歓喜させた。
大ベテランらしく連載ペースはたいへん順調で不慮の休載はほとんどなく、作品水準・固定ファン層が非常に安定した底堅い軸として雑誌側の好感を得ていたのだと思われる。
しかし2018年に大病を患ってからは休載・減ページが目立ち始め、2020年に至り聖氏の病状が更に悪化。当時も各1本ずつの連載を持っていたものの、事実上の連載終了に至ってしまう。
2022年、聖氏は永眠。単行本としてはアワーズ側の『超人ロック カオスブリンガー』第1巻で未完となり、エピソードとしては聖氏のプロットをもとにフラッパー側の『超人ロック 憧憬』をアシスタントが手掛けて出版(電子配信)、日本漫画史に残る超長寿シリーズは終了した。

  • 宙ポコ(1983)
作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
『オバケのQ太郎』『ドラえもん』の流れをくむSFギャグ漫画で、『別冊コロコロコミック』月刊化記念として企画され、「ドラえもんにつづく最大のギャグヒーロー」という触れ込みで創刊号の表紙センターを飾る、同号付録の下敷きではドラえもんハットリくんパーマン猿丸に胴上げされるという凄い扱いを受けたのだが…
F氏の「どうしてもドラえもんになってしまう」という判断から、わずか3話(1983年4-6月号)で(半ば自主的に)打ち切り。
なお第1・2話は宙ポコの紹介みたいな設定話、第3話でようやく出した日常回(副主人公・つとむがパーマンごっこをした挙句の騒動)が最終回と、まともに終わらせられない有様だった。

  • 宙犬トッピ(1984)
作者は藤子不二雄(藤子・F・不二雄)。
上記の『宙ポコ』打ち切りの際、さすがに看板を降ろされては別コロ編集部も困ってしまうのはF氏も分かっており、穴埋めに本作を翌年(1984年)1月号から連載したが
こちらはキテレツ大百科になってしまう」との判断から全6話で打ち切り。
しかし2倍も話数があると余裕があったのか、今度はきちんと最終回を描いている。
この2作の連続失敗が堪えたのか『宙犬トッピ』の穴埋めは既存の『バケルくん』の新シリーズになり、以後完全新作の連載は『チンプイ』『未来の想い出』のみとなった。
新しいものを描こうと思っても、描くことができなかった巨匠の苦労が窺える話である。

  • コータローまかりとおる!(1984~2004)
作者は蛭田達也。
『週刊少年マガジン』で蛭田氏が連載した、主人公の新堂功太郎がおちゃらけながらバトルやスポーツに明け暮れるギャグ寄り漫画シリーズ。
しかしシリーズ最終章といえる『コータローまかりとおる! L』の物語の中途で蛭田氏の体調不良のため休載してそのままフェードアウト。
『コータロー』『新コータロー』は単行本の巻数は「全◯巻」だが『コータローL』は「1〜8巻」と完結していない扱いで記述しており
講談社としては再開の見込みは薄いとしても「休載中」の扱いとしている様だが実質的な打ち切りと思われる。

  • 落第忍者乱太郎(1986~2019)
作者は尼子騒兵衛。
忍たま乱太郎』の原作としても知られる忍者漫画だが、尼子氏が脳梗塞を発症して連載を続ける事が困難になってしまったため急遽打ち切り。
幸い経過自体は良好であったのだが、「3カ月間毎日連載、その後3カ月間休載」の繰り返し(掲載媒体は『朝日小学生新聞』)というそれまでの連載形式は負担が大きすぎるという判断であった。
ちなみに発症したのが休載期間だったため、話自体は中途半端で終わっており、事実上の最終巻(65巻)も問題なく発行されている。
仮に65巻がアニメ化すれば中途半端で終わったラストの続きがアニメオリジナルで描かれるかもしれないのだが、しかしそのような動きはまったく立っていない上に、近年は作者によるプロットを元にしたアニメオリジナルエピソードが頻繁に制作されてる事から絶望視されている。
2020年からは、「今昔物語集」など日本の古典を、乱太郎達を登場人物にして翻案した掌編小説に1ページ漫画*40と解説を添えて月1で掲載する「乱太郎とめぐるふしぎな世界」がスタートしている。

  • イタズラなKiss(1990~1999)
作者は多田かおる。
『別冊マーガレット』にて10年近く連載された長期ラブコメ少女漫画であり、主人公の結婚と妊娠疑惑までが描かれるも、
多田氏が引っ越し作業中床拭きから立ち上がった拍子に誤って大理石製のテーブルに頭を打ちつけた結果、夜に脳内出血を発症して倒れそのまま急逝してしまい未完となった。
幸いにも多田氏は構想ノートを残しており、アニメ版(2008年)は構想を元にして補完し無事完結させている。

作者はひかわ博一。
月刊コロコロコミック』で掲載された星のカービィシリーズのコミカライズ。
安定した人気を誇っていたが、24巻から次第に作風がおかしくなっていき、作画崩壊や暗い作風、更にひかわ氏のコメントが不穏なものへと変化していき、2006年には最終回を迎えることとなったが、最終回は最終回であることに関して何も触れられないごく普通のオーソドックスな内容であった*41
これらのことから「作者が小学館の編集者からパワハラを受け鬱病になった」といった噂が囁かれ、ひかわ氏もこれ以降長期にわたって作家活動を休止していたことから死亡説まで取り沙汰されていたが…
詳細は当該項目を参照。

  • 刻の大地(1996~2002)
作者は夜麻みゆき。
『月刊少年ガンガン』で連載開始し、後に『月刊Gファンタジー』に移籍した夜麻氏の代表作。
夜麻氏の過去作である『レヴァリアース』の続編にして『幻想大陸』の前日譚にあたり、併せて異世界「オッツ・キイム」を舞台とした三部作……となるはずだった。
2002年に「不思議の環~RIDDLE~」をZERO-SUMで連載開始し、刻の大地を月刊から隔月化。隔月連載2本同時進行という体制になったが、体調不良のため2003年初めから休載。2003年12月号から復帰準備の記事「オッツ・キイムnote」を連載するがこれも2回掲載後に休載、最終的に2005年4月号に連載終了発表となった。
2007年に『Gファンタジー』で短期の新連載を開始し漫画家として復帰。作者ブログにて『刻の大地』は(略)「描けなくなった」と発表。
その後同人活動をしていたが、2017年からクラウドファンディング方式で『刻の大地』の「塔の戦い完結編」「天秤の代理編」のWEB連載と単行本化を果たし、更なる続きも同様の形式で行う旨が発表されている。

  • 花と狼の帝国(1996~2003)
作者は藤田貴美と山下友美。
漫画家コンビTEAM D.O.Cによる漫画で、一度は掲載誌『セリエミステリー』の廃刊に伴って連載中断の憂き目にあうものの、中断後も読み切りや同人誌という形で作品展開を継続しており、移籍による連載再開も視野に入っていたという。
しかし作者のストーカーと化した熱狂的なファンが作者への迷惑行為を繰り返した事で、執筆環境が急速に悪化。
酷い時には作者に対する脅迫まで行われていたらしく、最終的に作者直々に「終結宣言」という名の展開打ち切り&封印宣告がされる事となってしまった。
読者絡みのトラブルによる打ち切りとしては間違いなく最悪のケースであろう。

作者は松本零士
1996年から『ビッグゴールド』で執筆が開始され、2004年までに41話が掲載されたが、2005年に松本氏の漫画家50周年を記念した『ビッグコミックスペリオール』の増刊号に描き下ろしの4話が掲載されたのを最後に連載が休止。その後再開を示唆する発言をするも松本氏が2023年2月13日に逝去。
遡ること10年前、松本氏自身のプロットによる和智正喜の小説『銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー』(2012-13)が発刊されており*42、また同名の漫画版『アルティメットジャーニー』は島崎譲により連載され、2022~24年に休養を挟むも2025年に完結した。
それらによりどんな構想だったかある程度窺い知ることはできるのは、せめてもの慰めだろうか。

  • クラッシュバンディクー ダンスでジャンプな大冒険!(1997~1999)
作者は川嶋亜理。
月刊コロコロコミック』で連載された、PSゲーム『クラッシュ・バンディクー』の漫画化作品。
同作の第2作を元にしてストーリーを終え、第3作を2話連載した所で急遽休載、再開せぬまま終了。
休載理由については当時掲載誌で言及された「作者の急病」以上の情報が無く長らく不明瞭のままだったが、2012年に川嶋氏の妹*43がブログで、1年前に姉が亡くなったことを明らかにした。
しかし1999年当時休載した理由は不明のままであり、2011年に川嶋氏が亡くなった事との関連も不明である。
最近になり「ゲームに先駆けて登場したニセクラッシュの版権問題で揉めたのではないか?」との説も浮上しているが、休載の2か月後には別作者(後藤英貴)によるクラッシュの4コマギャグ漫画の連載が始まっているため、信ぴょう性は低い。

  • 01 ZERO ONE(1999~2000)
作者は奥浩哉。
『週刊ヤングジャンプ』に連載されたVR格闘ゲーム漫画で、3DCGをふんだんに取り入れた斬新な作風だったが、制作環境構築のための投資金額と人気が釣り合わず、作者の資金切れによる自発的な打ち切りとなってしまった。ちなみに本作のノウハウを取り入れて成功したのが『GANTZ』である。

  • 天牌(1999~2022、2026~)
作画は嶺岸信明、原作は来賀友志。
『週刊漫画ゴラク』で連載された麻雀漫画。来賀氏の逝去により、一時連載中断となった。
編集部も作画の嶺岸氏も連載継続の意欲は高かったが、病気の報告が本人よりあったのが2022年4月末、逝去が5月上旬とあまりにも急であった事に加え、
そもそもが牌譜などの詳細なプロット構築無しには描けないジャンルの漫画であった事などから、やむを得ず一時中断となった*44

その後、嶺岸氏は『根こそぎフランケン』や『リスキーエッジ』等で知られる押井雲太朗を原案に招いての新連載『オーラス-裏道の柳-』を始めたものの、
こちらは(おそらく人気低迷により)全8巻で打ち切り。
そして2026年、3年半の月日を経て本作の連載再開となった。連載再開後は「劇画・嶺岸氏、原案・来賀氏」と言う表記になっている。


  • Van-ditz(2002)
作者は斎藤カズサ。
エニックスお家騒動で『月刊コミックブレイド』に移った斎藤氏の新作漫画だが、創刊号から4話まで載せた所で斎藤氏の体調不良により休載。
一応、話はキリが良い所ではあった。
以降も休載扱いで続報もなく、後に雑誌が書籍からウェブへと移行するも本作については特に言及無し。
斎藤氏がHP等も持たずSNS等もやっていないため、現在どうなっているのかも全く不明。

  • R2 rise R to the second power(2002~2008)
作者は箱田真紀。
上記のエニックスお家騒動で『月刊コミックブレイド』に移った箱田氏の新作漫画。
コミックス3巻が発売予定になっていたが休載し、3巻も発売されないままとなった。
上記の斎藤氏同様に音沙汰のない期間が長く続いたが、2007年5月号で久しぶりにイラストが載り、箱田氏の無事が確認された。
2008年に新創刊された『コミックブレイドBROWNIE』で連載再開されるものの雑誌が創刊号のみで予定されていたVol.2が発行されず
結果、BROWNIE連載陣は他の現行雑誌に移ったりしたのだが、せっかく再開したR2は移籍しないまま音沙汰なく消えてしまった。
別作品の『ワールドエンド・フェアリーテイル』の続編、『ワールドエンド・フェアリーテイル・アフター』もコミックブレイドMASAMUNEで再開するものの長く続かず休載となっており、マッグガーデンでの箱田氏の連載は悉く止まる事に。
以降箱田氏は漫画連載をしていないが、ホームページは現在も更新されており、イラストが載せられている。

  • 華中華(2003~2013)
作画はひきの真二、原作は西ゆうじ。
炒飯専門の料理漫画で、当初は『ビッグコミック増刊号』のみの連載だったが、途中から『ビッグコミック』本誌に移籍して連載。
単行本数も19巻とかなり出版されていたのだが、原作の西氏が逝去され、生前の意向と遺族の申し出により急遽連載が終了した。
元々一話完結方式のスタイルだったので伏線回収のし忘れ等は無いが、大筋となるストーリーの中盤で突然の終了だったので驚いた読者も多数いた。

  • EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-(2003~2014)
作者は東まゆみ。
アニメ化もされた『EREMENTAR GERAD』のスピンオフであり、本編の2年後の話。
当初は『コミックブレイドMASAMUNE』で、雑誌休刊後は『月刊コミックアヴァルス』に移り連載を続けていた。
2014年11月の第64話を最後に東氏の緑内障治療を理由に連載が中断。2015年3月にその理由と共に休載が発表された。(一部はコミックス化されていないまま)
マッグガーデンの雑誌形式での発行が止まり、WebのMAGCOMIに移行した後は本作の情報は一切載っておらず、公式でどういう扱いかは不明。
東氏自体、緑内障の治療を宣言してから執筆作業を止めたままであり、2015年に連載が始まった中西達郎との共作『アマデウスコード』も同じく休載したままである。

  • Silver(2005)
作者は末次由紀。
『別冊フレンド』で連載されていたが、過去作である『エデンの花』の要所要所に入っていたバスケットボールの描写が『SLAM DUNK』などのトレースである事が発覚し、『とくダネ!』など漫画と関係ないメディアまでも詳細に取り上げ波紋が広がった。
本作でもバレーボールの描写などに他作品からのトレースが発覚しており、結局末次氏も盗作を認め、「バスケをまともに描く能力がなかった」と釈明。作品は打ち切りとなり単行本も回収処分となった。
なお、その際に末次氏の過去作も全て絶版処分にされたが、これに関しては「流石に処罰が大きすぎるのでは」という意見も見られていた。
その後『ちはやふる』でブレイク、完全復活を果たした。

作画は佐藤ショウジ、原作は佐藤大輔。
グロテスクはもちろん、ほとんどの女性キャラクターが巨乳だったりエッチなシーンやコメディ要素も練り込んでいる属性もりもりなゾンビサバイバル漫画。
遅筆が目立った作品ではあるが2011年以降は連載や単行本も完全停止状態に。
当時は東日本大震災が起きた時期でもあり、佐藤大輔氏は震災と作品の悲惨な光景が同じになってしまった精神ショックと心臓病で入院していた事をコメントで公表していたが、2017年3月22日に虚血性心疾患で死去。

国内外で復帰を願う声もあったが、死後から一年経った2018年12月7日のインタビューで佐藤ショウジ氏は連載継続は不可能を断言している。
初代編集担当の川中島曰く『(生前に)佐藤大輔の意志を継ぐ者、弟子がいて本人が納得していたら連載再開は考えていた』とのことだったが、結局は誰一人名乗り出なかった。
更に佐藤ショウジ氏曰く生前の佐藤大輔氏の人柄と作品に対する熱意について『この作品に対して相当こだわりが強かった』『他者の介入を許さない性格だった』ようで、川中島氏は『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEADの原作者はワン・アンド・オンリーな存在だったので、別人が簡単に続きを書けないということは理解してほしい。』発言から原作者の敬意に尊重して事実上、正式な連載終了を口にして絶筆が確定。
何故、他の作家達に継続しなかったか詳しい理由は正式に明かされなかったが、おそらく佐藤ショウジ氏は仮に第三者が描いたとしても物語上の設定を改変・改悪される可能性を恐れていたと思われる。

メディア展開については打ち切り後でもパチスロは未だ継続中であり、不定期に外部作品とコラボしたりなども行なわれている。

作者はこむそう。
『まんがタイムきらら』連載の4コマ漫画。漫画の詳細は項目に譲るとして、こちらも作者の体調不良により打ち切られた漫画の一つ。
こむそう氏が脳溢血で倒れたために製作が不可能となり、休載から打ち切られた。その後こむそう氏は復帰を目指してリハビリに励んでいたものの、2017年に亡くなられたため、絶筆となってしまった。

作者は佐藤タカヒロ。
『週刊少年チャンピオン』連載の熱血相撲漫画。
順調に最終シリーズ『鮫島、最後の十五日』まで連載を続けていたのだが、2018年7月3日に佐藤氏が急逝し未完に終わってしまった。
チャンピオン2018年43号及び最終20巻表紙は生前に残した鉛筆画が使われた他、43号では52ページにも渡る追悼企画が行われた。また「大相撲ジャーナル」で追悼企画が行われるなど各所から悼まれた。
追悼メッセージの中には『週刊少年ジャンプ』で『火ノ丸相撲』を連載していた川田も参加している。
最終盤では主人公の鮫島鯉太郎が生傷の絶えないソップ体型に鞭を打ち、今にも死にそうな満身創痍の状態で土俵に上がる壮絶な描写がなされており、完結していればまず間違いなく鯉太郎の悲劇が描かれていたことは想像に難くなかったであろう。
詳細は伏せるが、最終回はあまりにもキリがよくそして続きが気になるラストとなってしまった。

作者は根雪れい。原作は田中ロミオの小説デビュー作で、2012年にはアニメ化もされた。
初コミカライズである本作は、原作小説と同じ小学館発行の『月刊IKKI』で隔月連載されることになり、第1話掲載の2010年3月号は表紙全面が本作の主人公のドアップと大々的にスタートを切った。
……のだが、作者の体調不良を理由にこの第1話をもって無期限休載となってしまった。
もともと連載告知で出されたビジュアルが原作挿絵*45のファンシーなタッチとは大きく異なるものだったため拒否反応を示した原作ファンがかなりおり、
『コミックLO』等の成人漫画誌を中心に活動していた根雪氏の起用を批判する声も上がっていた原作者がエロゲ書いてるからってそういう話じゃねーからこれ
そのため体調不良というのも実際にはそうした批判の声による心痛なのではないかという憶測も出たが、真偽は不明。
掲載された第1話については、主人公の造形はともかく妖精さんのかわいらしさを評価する意見もあったのだが……*46
作者の体調が回復し次第再開するとされていたが、音沙汰がないまま2014年には雑誌が休刊を迎えた。根雪氏自身は現在一般誌を含めて活動を再開している。

ちなみに同作のコミカライズについては、2012年にアニメ化と合わせて別作者により再始動。
オリジナルストーリーの『のんびりした報告』が月刊IKKIで、比較的原作寄りの『ようせい、しますか?』が、なぜかKADOKAWA系のメディアファクトリー発行の月刊コミックアライブ誌で並行して連載されるというかなり珍しい展開がとられた。
どちらも長期連載とはならなかったが、単行本化はされている。

作者はマサオ。
『月刊ヤングキング』で連載。元々マサオ氏がWEB上で連載していた同名漫画を原型とした作品だったが、連載後期に著作権のある画像素材を著者が盗用していた事が発覚し、正式な謝罪やこの事に対する言及こそ無いものの打ち切られる事に。
よりによってアニメ版の放送が決まっていた最中の騒動というバッドタイミングであり、アニメ自体は連載終了の翌年に放送された。
しかし最終回で告知されていた映像ソフトはリリースされず仕舞いで終わっている…が、これは製作スタッフの一人が明かしているが、スタッフとしてはソフト化を望んでいたが、不祥事とは無関係に「そもそも売れないだろう」と判断された残酷な結果だった。というか未だに全話がニコニコ動画にて無料配信されている。
なお、マサオ氏の次回作『忍びのオツトメ』も明らかに打ち切りとしか思えない終わり方となり、その後は商業漫画家としての活動は途絶えている。また、SNSでも問題発言を繰り返しており*47、かつて交流のあった面々からも絶縁されている。
なお作者は現在も河野へとペンネームを変えてイラストを投稿している*48

  • 星のカービィ パクッと大爆ショー!!(2012~2014、2015)
作者は川上ゆーき。
『コロコロイチバン!』で連載された星のカービィシリーズのコミカライズ。
2014年9月号の掲載後、川上氏の急病により2014年10月号から休載に入った。
その後2015年6月号から体調回復により復帰し、タイトルも「星のカービィ もっと大爆ショー!!」に改題して連載を再開するが、8月号の掲載を最後に連載を終了。
明らかに打ち切り同然な突然の終了だったが、その理由については作者事情によるものとのこと。

  • ミリオンドール(2013~2016)
作者は藍。
『GANMA!』連載の、アイドルとそのドルオタを題材にした漫画。2015年には1話は拡大版で10分枠、第2話以降は5分枠でアニメ化が決定。
しかしせっかくのアニメ化にもかかわらず低クオリティなCGによる作画崩壊で作品は悪い方向で有名に。
その後もアニメ監督は1話で説明もなく交代、イベントは2回に渡る延期の上に一部の客のマナーの悪さでやはり悪い意味で話題になり、更には担当編集者からはアニメの制作委員会への参加を禁止されていた旨を作者が述べたりと、アニメ、出版社の双方でトラブルがあった様子がうかがえる。
アニメの出来の悪さもあってかコミックスの売り上げは伸びず絶版となり、自著の大量の廃棄、裏方の責任の押し付け合い等の目撃諸々を経験し、藍氏の心身の不調を理由にアニメ放送中に連載の無期限休載が発表された。
その後、同人誌で自費出版において新装版を発売し、再び商業での移籍先を検討していたようだが、2023年に同作の執筆の終了、紙書籍については在庫限りで販売終了とする旨を発表した(電子書籍の販売は継続)。

本作はどちらかというと打ち切り後の展開の方が大きく注目された作品。
というのも、2024年7月、藍氏のXにてアニメ関連の収益が2018年から2024年の6年にも渡って未払いだったという事実が公表され、各方面に大きな衝撃を与えた。
未払い分に関しては同年8月に振込は完了したものの、前述した様なゴタゴタに加えて昨今の『GANMA』は漫画家との契約面でのトラブルが多々取り沙汰されている。
この件に加え、『GANMA』との専属契約において「著作人格権は譲渡出来ないから破棄させ、コミックマート社(GANMA!運営会社)が永続的に所持する」といった内容が含まれている事に対する苦言を藍氏が呈しており、『GANMA』への不信感を集めることとなった。

  • ソマリと森の神様(2015~2019)
作者は暮石ヤコ。
『WEBコミックぜにょん』連載のファンタジー漫画。
2019年10月25日の更新以降、暮石氏の体調不良によって休載が続き、2020年12月22日に正式に連載終了が編集部から発表された。
休載から連載終了発表の間にTVアニメが制作されている。

  • THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS(2016)
作者は上戸ソウ。
『月刊ComicREX』で連載された同名作品のコミカライズであり、ストーリー原案としてアニメ版の脚本家である綾奈ゆにこが関わっている。
REX側は同じく掲載されていたアニマスの漫画(まなマス版)と合わせて推していたものの、アニメ放送終了と同月から連載開始予定の所を延期になるなど、開始前から雲行きが怪しい様子がみられていた。
翌年に漸く紙面へと掲載されるも、上戸氏の体調が悪化したことに伴い僅か4話で休載。その後、掲載誌にて正式に打ち切りと発表された。
現在も上戸氏の近況は一切不明であり、Xは10年前で止まったままヘッダーの左端にラフ画の卯月が一人だけ描かれるという時計の針が止まったかのような寂しい画面が表示されている…。

  • ぼくは、せんそうをしらない。(2016)
作者はカメントツ。
『リイドカフェ』連載の戦争ルポ漫画。全2話。正確に書くと全1話だが、こうなってしまうまでには幾つかの深い事情があった。
第1話として描かれたあらすじでは「立ち寄った大衆食堂で相席となった老人から戦争当時の話を聞き、風化させまいとして」「第2話以降は戦争体験者からの体験談を募る」こととなる。
公開後はかなりの反響もあったため、インタビューを続行するも相手は老人。ろくに論理だった聞き取りもできず、カメントツ氏は自分の慢心と甘さを痛い程痛感する羽目に。
それでも担当編集と共にボイスレコーダーから復元作業を行うのだが、当時のカメントツ氏は幾つかの連載を抱えていた作家で多忙に耐えかねたため、結果的に担当編集に資料集めなどを丸投げする形になる。
だが、どれだけ資料を読み込んだとしてもそれは資料をなぞっただけ。インタビューの内容をフィクションで膨らませに膨らませた「創作」が出来上がっただけだった。
後に新聞社からこの漫画についてインタビューを受けることになったカメントツ氏だが、取材担当記者の誘導尋問の様なやり方に怒りを覚える。
しかし『やり方は違えど、自分も記者と同じように作品を作っていた』ことを自覚。そのため、第1話から200日も連載が止まることとなった*49
第2話がこの経過報告として配信されて以降も体験談の募集は行われている…が、連載自体は完全に停止している。

  • セクシー田中さん(2017~2023)
作者は芦原妃名子。
周囲からは婚期を逃した奇怪な女性と思われているアラフォーの主人公が実は美人のベリーダンサーで、その秘密を知ったOLとの友情や人間模様を描くという漫画。小学館『姉系プチコミック』連載。
2023年10月に日本テレビ系でドラマ化されたが、終了直後の2024年1月に芦原氏が自殺し、そのまま打ち切りとなった。
原因としてドラマ版のスタッフとのトラブルが報じられており、それまで担当していた脚本家と芦原氏との間で齟齬が生じ、最終2話では芦原氏が脚本を書かざるを得なくなるなど、漫画連載との並行もあり精神的に追い詰められていたという。
原作者の自殺という最悪の事態になった影響は非常に大きく、日テレでは2024年春と2025年春に予定していた漫画原作ドラマ2本が製作中止に追い込まれている。

  • 本日わたしは炎上しました(2018)
作者はどげざ。まさか存在自体が出オチな作品になるとは作者も編集部も思わなかっただろう。
『まんがタイムきららMAX』連載の4コマ漫画。タイトル通り、Youtuberとして活動するJKが再生数を稼ぐ=炎上させるためにありとあらゆる行為も厭わないという風刺ギャグな内容。
…だったのだが、作者が過去にTwitter上でヘイトスピーチをしていた事が発覚し、急遽休載となり謝罪文を出す事に(謝罪後に作者はヘイトスピーチを削除、総ツイート数は8600から1200まで減少した)。
ここまでならまだなんとかなったのだが*50、その後あろう事か作者はTwitterにて送られた挑発DMに対して過激な煽りを繰り返してしまう。しかもその際に、何を勘違いしたのか「自分は編集部に既に許されている」といった趣旨の発言を繰り返し、更には相手の了承があったという事でDMを晒しあげてまで挑発。
このいざこざが編集部の目にも届いた結果、再開する予定だった連載は急遽打ち切り。「一度は温情で許されたのに自ら棒に振る」という、完全に自業自得な結末を迎えてしまった。
またどげざ氏は別の出版社のアンソロジーに寄稿した事をツイートしていたが、のちに作者の作品は掲載されていない事が確認されており、この騒動が原因ではないかと推測されている。
その後、どげざ氏はTwitterのアカウントを削除。現在の消息は不明。

  • おしかけメイドの白雪さん(2018~2019)
作者はもりしげ。
『別冊少年チャンピオン』での連載だったが、突如編集部から休載の告知がされ、それにもりしげ氏のツイッターアカウントが猛反発、他の漫画家とのトラブルなどが発端で編集部から一方的に打ち切られたかの様に主張。
ところが編集部側が経緯説明において、ツイ垢と漫画の作者が別であるかの様な内容を述べたため事態が急変。もりしげ氏の公式アカウントの「中の人」及び複数のアカウントが彼の妻によるものと判明し、妻のSNSでの暴走が酷く*51連載終了を申し出た事が発覚した。
この妻とは一時期「もりしげ」の筆名を共有する共同制作者状態だったという(作画は夫)が、現在では解消されている模様。斜め上すぎる展開に唖然とする読者をよそに、正式な連載終了がもりしげ氏(夫)のアカウントで告知されるというカオスすぎる展開となった。
その後、2020年にもりしげ氏(夫)の訃報が伝えられ、本作は事実上の絶筆となってしまった。

  • はらぺこペンギンカフェ(2019~2021)
作者はきゃらきゃらマキアート。
少女漫画雑誌『なかよし』連載の漫画。きゃらきゃらマキアートは原作を夫、作画を妻が手掛ける夫婦による共同著作者の名義だった(Xによれば2021年で活動歴15年)。
このうち、原作担当者が2020年春から夏にかけて小学生女児に対する強制わいせつ事件を起こし、のちに逮捕され、2021年11月25日に懲役3年・執行猶予5年(保護観察付)の有罪判決を受けた事が、同年12月13日に講談社により公表された。
2作品は11月発売の2021年11月号をもって打ち切りとなり、12月号に連載終了の旨のみ記載されていたが、この様な発表になったのは、発行元の講談社が被害者側の心情に寄り添う事を第一とし、裁判の進行を勘案した結果であった。
講談社は、著者との契約破棄・単行本回収および無期限出荷停止・電子書籍版の削除等の措置を講じ、原作者の行為について「断じて許されない卑劣かつ悪質な行為」と厳しく糾弾。同時に被害者や関係者、読者に対して謝罪の言葉を述べた。
また、作画担当者はXにて、応援してくれた人への感謝の言葉ときゃらきゃらマキアートとしての活動終了を発表した(但し事件や被害者に関するコメントは無く、「様々な事情」とのみ記している)。

  • 鬼嫁と結婚してしまった結果(2019~2021)
作者は大和なでしこ。
『コミックフラッパー』連載の、文字通り種族が鬼の女性と人間の会社員男性とのイチャイチャラブコメ漫画。
元々ニコニコ静画やPixivなどで人気を博したものが連載になったのだが、この手の漫画にありがちなネットの人気が単行本の売上に貢献しないパターンに陥り、単行本すら打ち切られる可能性まで出てきた。
この大和氏は以前から色々騒動を起こす問題人物で、本題から逸れるので詳細は省くが、本件の前にはアナ雪2での広告漫画(後の検証でトレパクが発覚)におけるステマ関与とその対応の悪さで大炎上した経緯もあり、悪い意味で注目を集めていた。
単行本打ち切りまでは回避したいがためか「ファンが単行本を買わないからいっぱい宣伝しないといけない」「アンチが低評価レビューしか付けないから単行本が売れない」「アマゾンの未購入者レビューはアンチの荒らし」「自身への誹謗・中傷に対し法的措置を検討」「2巻の売り上げが悪いと3巻が出ないのでできればネット注文で買ってほしい」等々、自身の炎上を棚に上げて陰謀論めいた内容の漫画を展開しながら作者がTwitterで暴走(なお後にそれらの漫画でもトレパクが発覚)。
ファンからも苦言を呈されるレベルの有様だった事から野次馬に目を付けられ、自身の経歴詐称の発覚*52、作中の料理、建物、車、背景等が軒並み見本写真やGoogleマップの写真を盗用していた事や、あまつさえAmazonアソシエイトを未明記でアフィリエイトへの誘導を長年に渡って行い違法に収益を得ていた*53上に、体調を悪くした同業作家に対して、体調を気遣う体でアソシエイトタグを無断で付けたAmazonのURLをリプライで送り広告料を得ようとしたり、他の作家の作品の宣伝にまでアフィリエイト誘導していた事が掘り起こされ再び大炎上。
これを重くみたのかフラッパー側は公言しないものの炎上2ヶ月後に連載は急に最終回になり、本当に単行本も刊行打ち切りになってしまった
大和氏に関しても立て続けの炎上に、やはり例によってその後の対応の悪さも相まって、すっかり悪評が定着してしまった。
ちなみに、連載中も同人版を不定期で更新していたためか、そもそもこの漫画が雑誌に連載されていて、しかも単行本発行までこぎつけた事を炎上するまで知らなかった読者も結構いた
TwitterやAmazonでしか評判を見ていなかったせいで宣伝するべき場所すら根本的に間違えていたというオチまで付いてしまった。
ちなみに、同人版では現在も執筆を続けている。

  • 嫌われたいの~好色王の妃を全力で回避します~(2020~2021)
作画は一色真白、原作は春野こもも、キャラクター原案は雪子。
小説投稿サイト『カクヨム』で連載中の同名小説のコミカライズで、漫画配信サイトにて連載。
しかし読者から「漫画家の小田すずかの作品から絵柄のトレースや模倣が見受けられる箇所が多数ある」と指摘され、編集部が作者の一色氏に問い合わせた所トレースした事実を認めたため、2021年11月に連載の打ち切り、配信とコミックスの出荷停止を決定した。
なお原作小説については、作者である春野氏やイラストを担当する雪子氏はトレース問題とは関係ないとしており、今後も連載や出荷は続く模様。

  • とむとじぇりーナナイロ(2021)
作者については後述。
『なかよし』連載の漫画。あの世界的アニメ『トムとジェリー』のスピンオフで、絵柄・内容は雑誌に合わせてファンシーになっている。
……が、作者が上記のきゃらきゃらマキアートだったため、『はらぺこペンギンカフェ』ともども打ち切りとなってしまった。当然ながら本作は黒歴史と化したが、後に新スピンオフで本作と似たコンセプトによる日本オリジナルショートアニメ『とむとじぇりーごっこ』が放送されている。

  • 獣攻遊撃隊アカツキ(2021)
作者は小石ちかさ。
『サイコミ』で2018~2020連載の『ケモノギガ』の続編にあたる異能力ダークアクション。
6月初めに膀胱内に腫瘍が見つかった事を自身のXで報告し、精密検査の結果週刊連載は難しいと判断、7月3日の更新を最後に連載終了となった。

  • 異世界転生者殺し -チートスレイヤー-(2021)
作画は山口アキ、原作は河本ほむら。
賭ケグルイ』で有名な河本氏が原作を務め『月刊ドラゴンエイジ』2021年7月号に掲載された連載漫画。
内容は「世間では勇者の様に扱われている異世界転生者達が実はやりたい放題やってる悪人だった」という触れ込みの復讐譚。解りやすく言えば異世界版ザ・ボーイズ(……というか一部の読者からは最低系ジャンルと見做されている)。
小説家になろう』に代表される異世界転生系作品に対するアンチテーゼのつもりだったのだろうが、敵側として描いた転生者達の描写があまりにもマズかった。
キャラクターデザインや名前、設定などが露骨なまでに既存作品に酷似している上に、作中では実際に台詞をパロった上で明確な悪役として描いた挙句、
異世界転生者は全員チートスキルを貰ってイキってるだけの陰キャども」という台詞まで出るなど、なろう系作品を馬鹿にしていると受け取られても仕方のない描写に満ち溢れていたのだった*54
更にその人選も元ネタとされる作品ではチート能力を持っていなかったり、異世界現地人で戦闘能力が無かったり、そもそも『小説家になろう』で連載していない・転生ものですらない作品のパロキャラまで描かれる始末*55
これらの事から河本氏に対して「あまりにも理解が無さ過ぎる」といった批判が続出し、同年6月28日には編集部からも「ヘイト創作と見做されても仕方ないので連載を中止します(意訳)」と宣言されるなど、前代未聞の1話打ち切りになってしまった*56
なお、2020年に『チートイーター -異世界召喚尽く滅ぶべし-』というよく似たタイトルの作品が連載しているが、作者も内容も無関係な作品であるため注意すべし。

  • トモガタリ(2021~2023)
作者は大月悠祐子。
エッセイ漫画『ど根性ガエルの娘』でセンセーショナルな話題を呼んだ大月氏が手懸けた漫画。『サンデーうぇぶり』連載。
「虫子」なる漫画家の独白という形で中学校時代の部活動などドロッドロな人間模様が描かれていくが、その中の部員の一人が経歴などからこげどんぼ*に酷似していると指摘が出始め、
実際にこげどんぼ氏から「ノンフィクションと誤解されかねない」と訴訟沙汰にまで発展。最終的に「フィクションであり実在人物とは関係ありません」と声明文が出され一応の解決、連載終了となった。
現在作品自体は閲覧不可であるが、こげどんぼ氏の趣味用Xアカウントには証人付き訴訟文が掲載されており、こげどんぼ氏視点でのいきさつを読む事が出来る。

  • ゴッダリアン 神食主義者(2023~2024)
作画は立河ナオ、原作は要マジュロ。
『コミックDAYS』で連載された、異形の怪物を神と崇める宗教団体との戦いを描いたアクション漫画。
24年3月1日に第10話後編の配信を行ってから連載が突如停止、同年5月17日に立河氏の健康状態が回復しない事から連載中止が決定。
それに併せて要氏による第11話から第17話までの原作ネームが期間限定で公開された。*57
立河氏の詳細な健康状態に関しては要氏のX、コミックDAYS編集部ともに伏せており、立河氏自身もゴッダリアン以外の連載やSNSを持っていなかったため、どの様な病状だったのかも判明していない。

  • 僕と君(ギャル)が夫婦になるまで(2023-2025)
作者はしの。
『月刊コミック電撃大王』連載のラブコメ漫画。多額の借金を背負ってしまった高校生の主人公が謎のギャルが出した「ある条件」を受ける代わりに借金を肩代わりしてもらうというストーリー。
過去に『まんが4コマぱれっと』にて『サキュバスさんのはつしごと。』という4コマ漫画を掲載していたが、ある時を境にずっと休載状態になっていた。
『サキュバスさん〜』は最終的には雑誌の消滅により、単行本3巻分に該当する27話から35話分が未発刊のまま打ち切りとなっている。3巻を出せるだけの話のストックはあったので、何らかのトラブルがあったのでは?とも言われている。
2025年6月27日の8月号に第23-2話を掲載後、同年8月27日に電撃大王のXにて「6月末日に亡くなった」事がポストされた。
しの氏本人のXは6月中旬を最後に更新が止まっており、身近な関係者からも具体的な死因は明かされていない。
この事から「サキュバスさん〜」連載中にも病を患っていた可能性も考えられるが闘病を思わせるようなポストも無いため真偽は不明。

  • 堕天作戦(2015~2022)
  • 常人仮面(2022~2025)
前者は小学館のWEB漫画サイト「マンガワン」「裏サンデー」で連載されていた山本章一の漫画。
後者は「マンガワン」にて連載されていた、原作:一路一、作画:鶴吉繪理による漫画だが、後述の経緯により一路一は山本章一の別名義である事が明らかとなっている。
山本は執筆業の傍ら北海道の通信制高校で講師を務めていたのだが、その際に生徒の女性に対し性的暴行に及んでいた。被害女性は高校の3年間にわたって被害を受けるばかりか、大学に進学した後もなお続いた山本からのコンタクトに苦しみ、PTSD・解離性同一性障害を発症して大学を中退せざるを得なくなった。
2020年に女性が警察に相談した事で事態が発覚、山本が逮捕及び略式起訴され、罰金刑*58を受けた事に伴い『堕天作戦』は作者の体調不良という体裁のもと一時連載休止となった
しばらく間を置いて散発的ながら連載を再開させるが、これに対して被害女性が連載の中止を要求、担当編集者の仲介によりLINEでの話し合いの場を設けるが、山本側は「150万円の損害賠償を女性に支払う」「女性に二度と接近しない」事を提示し、事件を口外しない事を条件に和解を提案。一方で女性は「事件の詳細と連載休止の真相を世間に公表すること」を望んだため互いに譲らず交渉は決裂。民事訴訟へと移行した。これにより名実ともに『堕天作戦』は打ち切られ、掲載終了となったが、この時の打ち切り理由も「作者の私的トラブル」とだけ添えられ、詳細が明かされる事はなかった。
だが打ち切り後ほどなくして、山本は「一路一」名義で『常人仮面』の原作として起用される。作画の鶴吉繪理氏は、山本とは一度会合で会ったのみでやり取りは全て共同の担当編集者を介しており、名前を変えた件について事情がある事は察したものの深く踏み込まず、事件については知らされていなかった事をXで語っている。一方で民事訴訟の最中にあっても山本は「女性が周囲に助けを求めたりはしなかったので同意していたと思った」と語るなど、反省の様子はあまり見せなかったようである。
その後2026年2月20日、札幌地裁において「元教員」が民事訴訟に敗訴し、原告である女性に対して1100万円の損害賠償を認める判決が出された事が報道されると、山本がその人物ではないかとネット上で話題となる。
そして2月27日、「マンガワン」の運営より渦中の人物が山本章一その人であり、山本の経緯を知りながら名義を変えて『常人仮面』原作者に起用していた旨を明かし、作品の配信停止と単行本出荷停止を行う声明と共に、読者・鶴吉繪理氏・関係者へのお詫びの文章が発表された。また翌日には、弁護士を加えて調査委員会を発足させる事を発表した。
この発表により、小学館が犯罪者を起用して漫画を描かせていた事実を隠蔽していた現実が明るみに出た事を受け、小学館の体制に反感を示した他の連載陣が次々とマンガワンからの作品の引き上げ及び契約解除の申し入れを進めている旨をSNSで表明しており、マンガワンから相次いで掲載漫画が姿を消すという事態に発展している。

  • お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。(2026)
作画はマツリカ、原作はごろごろみかん。、キャラクター原案はHIROKAZU。
『小説家になろう』に連載された小説のコミカライズ作品で、講談社のPalcy、月マガ基地、コミックDAYSにて配信されていた。
第3話まで発表された後の2026年3月9日付で「絵柄・構図が他作品と極めて酷似している箇所が多数見つかった」として配信停止となり、3月31日に月刊少年マガジン編集部より「作画担当のマツリカ氏に事実関係を確認したところ、参考資料の範囲を超えた模倣を行なっていたとの申し出があり、事態を重く受け止めて連載終了することを決定した」との発表がなされた。
また、マツリカの別の読み切り作品『死にたがりの橋の上』にも同様の問題があったとして配信停止になっている。


◆作者多忙による打ち切り

逝去などで完全に描けなくなる訳ではなくとも、作者が多忙すぎて続けられなくなる事もある。
特に作者が複数の雑誌を掛け持ちしている場合、スケジュールが合わずうち1つを打ち切りにする、という結果になり易い。
この場合、マイナー誌やエロ漫画雑誌の漫画が犠牲になる事が多い。

この代表格がちみもりを作の『冥王計画ゼオライマー』原作版で、
作者が高屋良樹名義でのメジャー進出のため一旦打ち切りになり、23年後に別の一般誌で完結編および続編の派生作が描かれた。
但し、打ち切りに応じるマイナー誌の側も漫画家のメジャー進出を後押ししたいという事で案外快く応じている場合もある。
この例は天王寺きつね作の『Rape+2πr』で、天王寺氏の一般誌連載が決まったため予定していた一章を切って完結を早めた。

作者は吉崎観音。
『月刊少年ガンガン』で連載された、吉崎氏による『テリーのワンダーランド』スピンオフ漫画。
…だが直後に『ケロロ軍曹』が大ブレイクし、そのヒットによる多忙が祟ってこちらの連載を打ち切らざるを得なかった、というのが定説。
吉崎氏のセンスとドラクエ愛(何か一部授かり方がおかしいが)を感じさせる演出を始め、「破壊神を破壊した男」というキラーワードを世に放ったエピソードも評価が高く、こちらも全5巻にして100万部は確実に超えたと目されるだけにファンには惜しまれている。作品と作者の幸不幸は必ずしも軌を一にしない、という好例かもしれない…。

  • 仕掛人 藤枝梅安(2001~2014)
作画はさいとう・たかを、原作は池波正太郎。
池波氏の時代小説を劇画化したもので単行本は35巻まで出た。
2000年代のさいとう氏は御年70代で、それでも『ゴルゴ13』『鬼平犯科帳』『仕掛人 藤枝梅安』の3作に絞って連載を続けていたが、直属の部下のチーフアシスタント(60代)2名が相次いで亡くなってしまう
このため増加する作業量に対応できず『梅安』の連載終了を表明した。
幸いこの作品は「単発の事件に主人公が立ち向かって解決」という時代劇によくある構成なので、途中で終えても面白さが削がれるものでは無い。
原作小説の内容を全て描ききる前に作者が生前のうちに終了を決断したので打ち切りと判断できるだろう。
残りの2本『ゴルゴ』『鬼平』については彼の死後もさいとうプロダクションの手で連載継続中である。

後に、武村勇治が作画する新たな『仕掛人 藤枝梅安』が連載開始され、こちらは原作小説の内容を一通り描き切って完結した。
(作画を変えての続行ではなくあくまで「新生」であり武村版もエピソードを第1話から新規に描いている)

作者は寺嶋裕二。
『週刊少年マガジン』連載の野球漫画。足掛け15年以上に渡る長期連載だったが、第2部の最終回が完全に打ち切りとしか思えない終わり方で物議を醸す事となった。
これに対して寺嶋氏は体力の低下とスケジュールの厳しさにより週刊連載が難しくなった事と、それに起因して無理して連載を進めて登場人物達のその後を雑に決めるのが嫌だった事をXにて語っている。
このため、月刊などで連載ペースを落とした上で第3部を連載して欲しいという声も上がっている。
その声に応えてか、2024年末から『ダイヤのA actII 外伝 帝東VS.鵜久森』の短期連載が開始した。


◆編集部関連の事情による打ち切り

漫画作成に欠かせない存在であるがしばしば漫画家の最大の敵として描かれる編集部。
彼らの漫画への貢献は計り知れないが、その編集部のせいで漫画が打ち切りになってしまうという本末転倒な事例もある。

作者は久米田康治
『週刊少年サンデー』で連載された、久米田氏の代表作のひとつ。
最終巻の数巻前までは特装版やファンブック発売、と本誌側でもプッシュされていたのだが、当時のサンデー編集部によるサンデーの低年齢層を意識した改革宣言により打ち切りが決定した(本編内や単行本おまけにて散々ネタにしている)。
その後、久米田氏はライバル誌である週刊少年マガジンにて『さよなら絶望先生』を連載、念願のアニメ化、ヒットを果たした。改蔵の方も後にOVA化を果たしている。
ちなみに最終回の内容についてはある程度当初からの想定通りだった事が後年言及されている。

作者はPEACH-PIT
『月刊コミックバーズ』連載のPEACH-PIT氏の代表作。バトルロイヤルという当時の流行にアンティークドールという特異なホビーを組み合わせた、全く新しいジャンルの漫画である。当初の表記は『Rozen Maiden』だった。
アニメ化で人気に火が付いたが、PEACH-PIT氏が編集部の怠慢*59に腹を立てて喧嘩別れし、非常に中途半端な所での打ち切りとなった。
ストーリー上だけでなく、分量的にも半端であり、最終巻は他の巻の半分程しか厚みがない。
その後、『週刊ヤングジャンプ』に移籍し、タイトルをアルファベットからカタカナ表記に改めて再開。絶版になった単行本も、集英社から再刊された。
ちなみにバーズ連載分はタイトルが『Rozen Maiden』名義のままのため、新規の人は『Rozen Maiden』名義→『ローゼンメイデン』名義の順に読む事を推奨。現在は既刊分を再編集した愛蔵版も発売されている。

作画はSASAYUKi、原作は角川ゲームス。
人気ゲーム『艦隊これくしょん -艦これ-』のコミカライズ。『コンプティーク』連載。
終了理由は項目参照。

『艦これ』のコミカライズ絡みでは、他にも『コミックウォーカー』での連載が予定されていた『ブラックオーダー(仮題)』も、本作の連載終了の発表と同時期に連載中止が告知されて没作品となった。
また、別誌連載の『水雷戦隊クロニクル』も同時期に半年程休載していたが、こちらは無事再開して完結を迎えている。

作者は空詠大智。
『週刊少年サンデー』で連載されたスポーツ・ギャンブル・コメディ漫画。
競馬や競輪の様に女性アスリートが胸や尻を駆使して水中に落とし合う競技「競女」がギャンブルとして公認されている世界を舞台としており、単行本描き下ろしパートでは早々に「PTAで問題となり学校単位で禁書にしようとしている」といった投書が届く程「誤解を産んでいる程エロ寄りでは無いが、誤解が解ける程エロ描写その物を避けてない」漫画だった。
そのエキセントリックさから空詠氏も想定外のアニメ化を遂げるが、空詠氏の公式ブログでは編集部から「アニメの終了と同時に打ち切りのように終わってくれ」と指示があった他、アニメ化作品とは思えない程掲載順が冷遇されていた(お色気漫画の掲載順が後方に追いやられる事象自体は他誌でも存在する)、その他出版社から適切なサポートが得られなかった等、編集部とのトラブルがあっての終了と明かされている。

  • ゆる艦〜女提督プレイ日記〜(2014)
作画は湧井想太、シナリオは仁藤砂雨、原作は角川ゲームス。
上記の『side:金剛』と同様の、艦これコミカライズのプレイ漫画で、KADOKAWAが運営している無料コミックポータルサイト『ComicWalker』に連載された。
既に連載されていたプレイ漫画「艦々日和」に比べると序盤の進行についてのチュートリアル要素が強く、初期艦娘の選択は
そして何より提督になった漫画担当湧井の貧乳から巨乳まで万遍なく愛する変態淑女ぶりと、漢字や英語をろくに読解できないおバカぶりで差別化されている。
一度はWalkerの閲覧数トップを獲得したりするも、『side:金剛』の終了とほぼ同時期に連載が中断され、そのまま打ち切りとなる。
特に、最後の掲載となる第8話は電が大破したのに泡食った提督がうっかり進撃させてしまい、次の戦闘で電に攻撃が飛んでくる場面で終わるという、まさに衝撃のラスト。
その後、湧井氏は自身のX及びPixivで第9話、そして第1話~第8話を公開し、上記の「後でなんとかする型」で本作は完結した。どうなったのかは読者自身が確かめてほしい。

なお、仁藤氏はXにて「ネームのOK出たから描いた完成原稿を提出したのに1円も支払われない」と明かしており、
仁藤氏&湧井氏コンビの次回作にも「一ヶ月働いて原稿料もらえなかったあの切なみ」「このうらみはらさでおくべきか…」という1コマがあったりしたが、
仁藤氏はこれ以降KADOKAWAで仕事を行った形跡が確認されない一方、湧井氏はKADOKAWAにおいて別の原作者による漫画を複数連載している。

  • カメントツの漫画ならず道(2016~2017)
作者はカメントツ。
『ゲッサン』で連載された、web漫画家カメントツ氏の出世作。
内容は様々な漫画家や漫画業界に関連する企業に対してダメもとで取材を慣行するというもので、
カメントツの大物漫画家でも物怖じしない姿勢、漫画家個人の人生観や人間性に迫った内容、思わぬ裏話の登場など見所の多い漫画だった。
特に表舞台から完全にフェードアウトし死亡説まで流れていた「ひかわ博一」の真相を公表した事はネット上でも話題になり大きな反響を呼んだ。
しかし、神レベルの漫画家に対して(いくら本人が了承していても)失礼に見える事や、内容があまりにもデリケートな部分に踏み込んでいった結果、他社から「ゲッサンの鉄砲玉」と恐れられる様になってしまい徐々に取材が困難になってしまう。
また担当編集者が出世してしまい厄介者になったカメントツは切り捨てた、立場上危ない橋を渡れなくなった事もあり打ち切りが決定した(カメントツ氏も最終回で編集部に対して毒を吐いている)。
但し、担当にも思うところがあったのかこのまま喧嘩別れとはならず、カメントツ氏は同誌にて『あのときのこどもさん』を連載している。

  • Mourning Bride(2018~2019)
作者は森山大輔。
『少年マガジンエッジ』にて隔月ペースで連載されていた漫画。
2019年8月に「諸般の都合」での連載中止が発表され、発売予定の単行本第3巻も制作中止が告知されてしまった。
連載中止の告知では森山氏と編集部の関係悪化が原因である事が暗に示されており、
森山氏も自身のTwitterで「経緯については先方の発表以上でも以下でもないです」と肯定するコメントをしている。

  • ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん(2019~2024)
作画は逆木ルミヲ、原作は恵ノ島すず、キャラクター原案はえいひ。
アニメ化もされた同名人気ラノベのコミカライズ。
ストーリー的にはほぼ消化し終わって後はエピローグを残すのみという終盤も終盤に、Xにて7巻に収録されている話をもって連載終了となる事が唐突に伝えられた。
終了理由は項目参照。
なお、作画を今中千尋、掲載媒体をcomicブーストに変更して最初からスタートし直した『ツンリゼ~ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん~』が2026年から開始している。

  • 影守人のジグとメル(2021~2022)
作者は陽歌れいり。
東京漫画社のBLウェブマガジン『NUUDE』で連載されたBL漫画。
2021年5月に連載を開始したが、担当編集者の連絡不備や打ち合わせすっぽかしなどの不手際から第1話掲載後に休載。その影響から、しばらくして陽歌氏が蕁麻疹による不眠症や突発性難聴を発症するなど、肉体的・精神的にも負担となっていた。
11月には連載終了を申し出たが慰留され、12月に編集部が「担当編集のスケジュール管理の甘さと度重なる不手際により、進行面で先生に多大なるご迷惑をおかけした」として休載を謝罪し、「今後は編集体制を整え、先生にご負担のかからぬよう進行して参る所存です」と発表した。
そして2022年5月に第2話が発表されたが、8月にこの2話をもって連載終了する事が発表された。
陽歌氏によれば、12月の謝罪コメント後も担当編集者の連絡不備・遅延等の不手際は改善されなかったとの事で、編集部との協議の末、連載継続が難しいとして終了に至った。

マンガ・ノベルアプリ「peep」にて掲載された三石メガネ氏執筆の小説を、漫画家の合田蛍冬によって漫画化されたもの。
のちに、高野ヒノによって縦読み漫画版の連載も始まったのだが、この縦読み漫画はキャラデザインや漫画構図が酷似していた。
しかし、編集部は高野ヒノ版の肩を持ち、合田蛍光版の作品の打ち切り宣告。
高野ヒノ版は週刊連載だったものがシナリオが合田蛍光版を追い越した途端に隔週連載となるも、無事完結まで描き切った。

  • ハズレアイテム「種」が実は最強加護付き聖樹だったので、辺境をのびのび開拓します~追放された貴族は全属性魔法を駆使して無敵の領地を作り上げる~(2024~2025)
作画は柊木蓮、原作は鈴木竜一。
スターツ出版のウェブサイト『ノベマ!』連載の、ラノベのコミカライズ*60
2025年6月18日に突如編集部のXアカウントにて連載終了の報告がなされ、これらと並行して各ウェブサイトでの配信も「諸般の事情で」停止された。
リリースされた報告には終了に至る経緯も記されていたが、その内容が、
  • 雑誌の表紙に用いたイラストのアスペクト比を誤ったり、見開きページの左右のずれ*61などの校正の不備を何度も繰り返し、柊木氏の意図しない形で作品を市場に出す
  • 柊木氏に対して編集部が原作に無いエピソードの大幅加筆を要請した上、キャパシティ的にこれ以上の修正は難しいなどの相談をしていたにもかかわらず、断りにくい立場から大幅な修正を半ば強制的に要請する
  • 上述した過剰な干渉を問題視されて担当を外されていたにもかかわらず、その元担当編集者からの年賀状をチェックせずにそのままコミカライズ担当に送付して、(恐らくは)精神的苦痛を与えた
と、「編集部が立場を利用、もしくは職務怠慢により柊木氏に過度な負担を強いたために信頼関係が崩壊した」というあんまりなものであった。
同時に柊木氏からも、不本意な形での連載終了になった事へのお詫びのポストが投下されていたが、連載終了の経緯については色々言いたい事があると含みを持たせつつも、溜め込んでいるエネルギーは進行中の他の漫画に使いたいと添えている。

余談ではあるが本件、一部ネットユーザーからは経緯のみでなく、編集部のリリース内容についても注目されており
  • 情報量が多いのに内容をまとめ切れていない、文章書きが本業とは思えない低レベルの構成力
  • 世間に向けた発表にしては経緯を赤裸々に書き連ねすぎて、関係各所への配慮が感じられない内容
  • 謝罪相手が読者のみで、直接の被害者である鈴木氏や柊木氏への謝罪の記載がない
色々ツッコミどころの多い内容から、編集部自体の能力について疑問を呈する指摘も挙がっている。

  • キズとも(2024~2025)
作者はダム穴。CygamesのWEB漫画サイト『サイコミ』で連載されていた。
親から性的加害を受けて育った女性などが登場する、社会派サスペンス群像劇。
第25話まで連載したところで、2025年4月にダム穴氏の体調不良を理由として、「休載&不定期掲載のお知らせ」が出るに至った。
しかし2025年9月5日、ダム穴氏がXおよびnoteにおいて、連載終了の通告と、それに至った事情を暴露した。
その内容をまとめると、
  • ダム穴氏自身が性的虐待を受けた当事者であるという背景から、「性加害・性的搾取は決して許されない」という前提と、「キズと共に生きる」というテーマのもと、性被害者が自らの心の傷と向き合いながら未来を切り開くという想定で、担当編集者と約2年間の準備をかけた作品だった。
  • 連載開始の3営業日前(2024年8月15日)に突然、編集長から「社内のコンテンツ倫理委員会に見つかるとマズイから、性加害描写全てを黒塗りにしろ」という身も蓋もない要求をしてきたこれ以前に、ネーム段階や原稿完成後に編集長も内容を確認していて問題ないとされたにも関わらず)。
  • 担当編集者は「過度の表現規制であり、それをすると作品の意義が失われる」と反対したが、「塗り潰さないのなら掲載しない」と脅され、ダム穴氏自身も新人作家で初の商業連載であったため「逆らうと作品が世に出せない」との不安に苛まれ、仕方なく修正に応じた(結果、ページの大半が真っ黒になったり、台詞までも伏字だらけになったりした)。
  • また、読者のコメント欄に「読者自身の性加害経験談」が寄せられても消さないでほしいとダム穴氏はお願いしていたが、意図的に非表示にした。
  • 8月25日、担当編集者が「過度な表現規制」「性加害経験談の非表示」について編集部に抗議し、経験談の非表示は撤回されたが、表現規制については緩和されなかった。
  • ダム穴氏は編集長から「(掲載作品全体への)表現規制の明確な基準を設ける」と約束してもらったが、その後「一律の基準は設けられない」と約束を反故にされた。また、規制理由が「サイコミアプリのレーティングが12歳以上だから」になっており、コンテンツ倫理委員会の話はどこかに消えた。
  • ダム穴氏は一貫性の無い姿勢に不信感を抱きつつ、編集長らとの話し合いで「本作品限定の規制基準」(性加害・性的虐待・近親相姦を想起させる明確な性的描写には規制をかける)を取り決めた。しかし、それもまた反故にされ、「児童への暴力を想起させる表現」に格上げされ、「子供のくせに」「性奴隷」等の台詞までも規制対象にされた
  • 編集長は「アプリの審査に通らないと思うとレーティング担当から言われた」など不明瞭な説明を付け加えたが、実際の所サイコミと同じレーティングのKindleでは本作の無規制版が堂々と掲載されていた。
  • サイコミ掲載の他作品にも性的描写や子供への暴力表現などはあるのにこの作品だけ過度に規制されていると感じた*62ダム穴氏はその件を編集長に質問したが、「ダム穴氏の描写は生々しいから」「他作品はファンタジーだから」「他作品の近親相姦は実の親子ではないから」といった主観的な説明を告げてきて、また「規制は事業部長の判断であり、自分ではどうしようもないので事業部長に直接言ってくれ」と転嫁した。
  • ダム穴氏は事業部長・編集長同席のもと改めて表現規制の経緯の説明を求め、ダム穴氏が「他作品では同様の規制がされていない」と指摘したところ、本作のみ差別的な扱いをしていたと認めた。その場で、改めて規制基準(児童への性加害・近親相姦に関する直接的描写には規制をかけるが、それ以外は他作品童謡とする)を定めた。
  • しかしその後も、基準外の描写についての黒塗りを編集長に要求されるなどした(抗議により実際には規制されず)。
  • ダム穴氏は読者への謝罪と規制に関する経緯の公表を編集部に求めていたが、聞き入れられず、ダム穴氏自身と円満に合意したかの様な曖昧な告知に留められた。
  • 上記の編集長らの不誠実対応もあって、ダム穴氏は体調が悪化し、連載ペースが週刊から隔週刊に落ちるなどした。そして心療内科で「うつ病」と診断を受け、担当編集者と相談の上、「休載&不定期掲載のお知らせ」を告知した。
  • しかしその10日後、担当編集者が引き継ぎもされないまま編集長に交代させられた。元の担当編集者は、社内で編集長から「不当な嫌疑をかけられる」「虚偽の噂を流される」「無断で業務資料・社内SNS等へのアクセス権を剥奪される」といったパワハラ行為を受けており、新しい事業部長に「アクセス権の復活、業務の引き継ぎをさせてほしい」と申し出たが却下されてしまっており、その他様々な嫌がらせを受けた末に退職に追い込まれた(これらの経緯はダム穴氏は後になって知った事である)。
  • ダム穴氏は2025年6月に編集長(この時点での担当編集)に打ち切りを申し出る。
  • その後、元の担当編集者へのパワハラ・退職を知ったダム穴氏は、Cygamesの労務部に内部通報、社内調査を要求したが、元の担当編集者氏自身を調査対象から外したり、ダム穴氏にも圧力をかける様な不誠実な態度で、8月末に届いた調査報告書も虚偽が記されるなど、編集長や事業部に都合の良い内容でしかなく、元の担当編集者に対する行為も「パワハラではない」とされた
  • ダム穴氏は代理人弁護士を通じて内容証明をCygamesに送り、本件の打ち切りに関する経緯公表を求めたが、期日を過ぎても行われる事は無く、Xおよびnoteでの公表に至った(なお、件の編集長・元事業部長は許可を出したらしい)。
一応、これらの内容は作者のダム穴氏視点のものである事を記しておくが、Cygames・サイコミ側はこの件について一切コメントを出していない。


  • 『コミック百合姫』、『コミック百合姫S』の一部作品
発行当時はマイナーな百合漫画誌だったのだが徐々に人気を獲得し、季刊→隔月刊→月刊と、徐々に発行ペースを上げていった。
だが当初は何の告知も無いまま物語が途中のまま突然連載終了したり、「この続きはコミックスで」というケースがやたらと多かった。
酷い時には掲載作品の半数以上が「この続きはコミックスで」などというケースもあった程。
中には「この続きはpixivで」というケースもあったのだが、こちらは無料会員でも閲覧可能である事が救いか。

後に百合姫Sが廃刊となり、月刊化が決まっていた百合姫と統合したのだが、
百合姫Sで連載中だった作品の幾つかがが「この続きはWEBで無料配信決定」と告知していたにもかかわらず、
結局は『死神アリス』の未掲載分がコミックス最終巻に収録されたのみで、
他の漫画は物語が消化不良のまま、連載その物が打ち切りになってしまっている。

この雑誌で問題なのは、漫画が突然打ち切りになった事を、誌面上で読者に一切報告しないケースばかりという点だろう。
上記の『死神アリス』などが「WEBでの無料配信が決まった」と告知した件に関しても、結局その後は何の告知もせずに音沙汰無しとなってしまっている。
読者の立場からすればたまった物ではないだろう。せめて進捗状況の告知位はすべきだと思うのだが…。
流石に読者から批判が多く集まったためか、その後しばらくは上記の様なケースは見受けられず、まともな完結を迎えている漫画がほとんどだった。しかし2019年頃からまたしても、突然長期休載状態になっている漫画が幾つか現れ始めている。
そしてこの件に関しての進捗状況について、やはり編集部からはこれまで何の告知もされていなかった。…と思いきや「作者がこれ以上執筆活動を続けられなくなった」という理由から、2020年6月に『凛としてカレンな花のように』、2021年1月に『夢の中で君を探して』の打ち切りが正式発表された。もしかして編集部がここを見た?
だが打ち切りの告知は両漫画共に巻末の片隅の物凄く狭いスペースで、しかも物凄く小さな文字で書かれている事から、打ち切りの告知が掲載されている事自体に気付かなかったという人も多いのではないだろうか。

『夢の中で君を探して』に関しては、作者が2020年3月に自らのブログで

「命に係わるような物ではないが病気療養をせざるを得なくなってしまい、止むを得ず長期休載せざるを得なくなってしまった」
「現在は連載再開に向けて担当者と話し合っている状況」

と報告していたのだが、この件に関しても誌面上では何の発表もされていない。誌面上で報告出来ない理由が何かあるというのだろうか?
……と思ったら2022年4月に『セメルパルス semelparous』が不定期連載になる事が誌面上で発表された際、1ページ丸ごと使って大々的に報じられた上に「作者の体調不良が理由」だとはっきりと記載された。やっぱり編集部がここを見てるとしか……

同様に突然連載が打ち切られた『百合男子』の作者の倉田嘘は、同作が打ち切られた経緯として「コミックスが想定していたより売れなかった事を理由に打ち切りを宣告された」と百合姫の誌面上で明かしている。
最終話までのプロットは既に完成していたとの事で、「出来れば最後まで描きたかった」と無念をにじませていた。
前述した倉田氏の例に限った話でもなく、百合姫においては特に単行本の売り上げが連載継続において他誌以上に重要視されていると伺える節がある。
前述する様な作家と漫画を蔑ろにしている様な対応や、百合系作品の執筆経験が無かったり、商業で連載を行うには実力不足と思われる作家の起用があったりと、編集に対する不信感を募らせる声は少なくない。


◆理由不明の打ち切り

今なお理由が明かされていないもの。社会情勢の影響や漫画家及び編集部の事情などに近いケースといえるか。

  • FINAL FANTASY XI〜THE OUT OF ORDERS〜(2004)
作画はキム・ビョンジン、原作はキム・ソンジェ。
国産MMORPGである『FINAL FANTASY ⅩⅠ』のコミカライズにあたる作品。創刊間もない『ヤングガンガン』の看板として連載が始まったが、わずか3回で長期休載に入り、そのまま作者の都合による連載中止のお知らせが掲載された。
理由は明かされていないが、原作・作画共に韓国人作家を起用したものの肝心の当時の韓国では『FF11』のサービス自体がまだ始まっておらず、そのために作者側が世界観を把握しきれず実際に描写に違和感のあるものが見られており、これが打ち切り理由に近いのではとされている。

作画は緋賀ゆかり、原作は都築真紀。
魔法少女リリカルなのは』シリーズ第4期にあたる漫画だったが、
突然連載終了+同雑誌同作者で次の号から『1st MOVIE』コミカライズが始まる旨が告知されて文字通りストーリー展開が打ち切られた(一応名目上は長期休載)。
同時期に展開されていた『同Vivid』程の風速を出せなかったのは事実の様なので人気不振によるものとされるが*63、それでも話を強引にでもまとめるとか「この後どうなるかのプロットなりダイジェストなりを掲載する」とかすら行わなかったのは異例。加えて、現在では連載誌となっている『娘Type』が休刊状態になっているので連載再開される可能性も尚更低い状態となっている。
現在20周年記念作品のひとつとして展開されている漫画『EXCEEDS』でも「『Force』の連載を再開する予定はないのか?」という内容の意見はけっこう見られるため*64、全く支持されていなかった訳ではないのだが…。

  • シンデレラガールズ劇場拡大版(2013~2014)
モバゲー『アイドルマスター シンデレラガールズ』にて展開されていた漫画作品。拡大版は5話の連載後何故か更新がパタッと止まってしまい、2014年11月を最後に新作公開もされずそのまま全話非公開になってしまい*65、シンデレラガールズ劇場の単行本にも収録されないままという所謂封印状態が続いていたが、2023年に同作のサービスが終了し、事実上の打ち切りとなってしまった。

  • のぞえもん(2015)
作者は藤崎ひかり。
『コミックへヴン』で連載された、高校生の主人公の下に未来からやってきた幼女型ロボット・のぞえもんが巻き起こす、『ドラえもん』をモチーフにしたちょっとHなコメディ作品。だが第1巻発売後、内容不備を理由に僅か一週間で店舗から回収、同年8月の「ヘヴン」内で連載中止が発表された。再販も電子化も続編掲載もなされず、本人のpixivのプロフィールから同作についての存在が消されている為、現在は事実上の打ち切り状態になっている。
出版元の日本文芸社は、『ドラえもん』のアニメ版権を持つADKの完全子会社(現在は離脱)だったのに、そのADKに認可を得ずに出版してしまったのも理由か。
本件について藤子プロからクレームが入ったかは不明だが、仮にADKの許可を得て連載が続いていても同じ道を辿っていた可能性は捨てきれない*66
なお、古本はプレミア価格で取引されている。

  • セーラーエース(2015~2017)
作者はしげの秀一。
『週刊ヤングマガジン』連載の、『頭文字D』などが代表作として知られるしげの氏による美少女高校生がセーラー服を着て野球をする作者の好みを体現した様な*67スポ根漫画。
相手のエース投手が登板を迎えるという展開で唐突に最終回だと告知されるというとんでもない幕切れとなった。
しかも終了告知と同時にしげの氏の次回作となる新連載が告知されるという前代未聞のW告知が行われた。
SNSでも大きな賛否を呼ぶ事態となったが、編集部やしげの氏からこの件に対するコメントは未だに出ていないので真相は不明。
セーラーエースの終了がヤングマガジン2017年第18号、初期の時点でしげの氏の代表作『頭文字D』の続編に近かった*68MFゴースト』の開始が2017年40号と読者人気による打ち切りにしては異常に間隔が狭く、「しげのは続けたかったが、編集部から『車漫画を描け』という圧力に負けて打ち切りになった」可能性が高い*69が、真相は今後も闇の中だろう。

そして2025年初夏、しげの氏×ヤンマガのタッグが送る事が告知された新作『昴と彗星』はやっぱり車漫画であり、そして最初から『頭文字D』のアフターストーリーと明言されているため、どうやら完全に車漫画に一本化してもらう事で固まったのかもしれない。

  • 継承機神アンブレイカー(2024~2026)
作者はTOGUCHI。
小学館の企画「特撮!ヒーロー!ヴィラン!新人漫画賞」から生まれた、タカラトミーデザインのロボットが登場するファンタジーロボット漫画。
単行本1巻発売後しばらくして、突如1年もの長期休載に入り、再開後ほどなくして打ち切り終了となってしまった。そのうえ最終巻となる第2巻では諸般の都合と称して一部エピソードが収録されずダイジェストで済まされ、『週刊コロコロコミック』などでは引き続き閲覧可能であることを説明したうえで本作のページのURLとQRコードが記載されるという不可解な事態となった。
第2巻の作者コメントによれば、休載の理由は話せないが自身の責任ではないとのこと。作者は小学館やタカラトミーの関係者に謝辞を述べていることから両者のせいでもないと思われるが、真相は闇の中。

  • 黒焔の王ゼルク(2025)
作者は吉川英朗。
過激な描写が社内倫理に触れるとして急遽コミックスの刊行が中止となり他社からの発売となった『悪魔と俺』で話題となった吉川氏の漫画。
騒動の後、しばらくスクエニ以外で活動するも2018年の『魔王と俺の叛逆記』の『マンガUP!』での連載を機に再びスクエニでも活動し始める。
その復帰第2作が本作だが、連載わずか5話で諸事情により連載中止となった(一応コミックスは刊行された)。
『悪魔と俺』の様な過激描写もあまり無く、中止になった理由は不明。むしろ『悪魔と俺』が過激すぎた

◆打ち切りとはいったい…うごごご

数限りない打ち切りを食らい続けた作家にしか見えない境地がある。

作者は石川賢
数限りない打ち切りを食らった石川氏が辿り着いた、自身の打ち切り漫画をまとめて1つの作品にしてしまおうという新境地。
石川氏は本作を自らのライフワークと評しており、彼の漫画が打ち切られる事は虚無ると呼ばれている。
自分の漫画が打ち切りになって嘆いている漫画家は、彼の漫画を読んで元気を出そう!
「一度の打ち切りが何だ」と思うか、「一度打ち切りになるとその後も打ち切りになり易いのか…」と感じるかはその人次第であるが。
しかし虚無に挑んだ石川氏は「虚無の向こうは、やはり虚無でした」と語り、後に『ゲッターロボアーク』を執筆中にゲッター線と同化し永遠の戦いへ。
作中で言及されたゲッターロボの伏線などは虚無の彼方に消え失せてしまった。

作者は綱島志朗
『はだしのゲン』に匹敵する超しぶといロボット漫画。
今は亡き『月刊ガンガンWING』で連載が始まるが、エニックスお家騒動の影響で打ち切り。
その後、『月刊コミックブレイド』で仕切り直しになるが、ミッシングリンク編の連載途中で担当編集とイザコザを起こして連載中断。
そして『月刊コミック電撃大王』へ移籍し再び仕切り直し、ミッシングリンク編完結させた。
更に『オリハルコン・レイカル』を連載していた『月刊ドラゴンエイジ』(の増刊である『ドラゴンエイジピュア』)と枠を交換する形で3度目の仕切り直しになるが、ストーリー半ばで急展開となりまたまた中断。*70
更に更に、2016年に『チャンピオンRED』にて新シリーズ『人狼機ウィンヴルガ』を連載開始。…が、
2021年末期にXにて「雑誌の規制が厳しくなって執筆モチベーションが落ちている」とのコメントが呟かれ、翌22年には同じ秋田書店の別雑誌である『ヤングチャンピオン烈』へ『人狼機ウィンヴルガ 叛逆篇』として移籍連載が決まった。何回仕切り直すんだよ
大人の事情による打ち切りと復活を繰り返している珍しい漫画なのだが、ぶっちゃけ続ければ続ける程特殊性癖特化のエログロ漫画になっている…。*71*72
こういった経緯もあるので現在では「編集部以上に作者に問題があるのでは?」とする見方も広まってしまっている。尤も、綱島氏は並行して別の雑誌で連載を手掛ける事も多く、アニメやゲームの原画などの仕事を請け負った事もあるなど、業界においてはそこまで問題と扱われていない節も見られるため余計なお世話であろう。
なお、後年に綱島氏が出した同人誌のインタビューにて担当編集とはやはり不仲であった事が語られており、それがストーリーの展開にも影響を及ぼしていた様子。
また、無印時代は綱島氏の前作である『ライフエラーズ』よりも売れてなかった事も明かしており、むしろお家騒動の影響で延命出来た様なものだった事が発覚している。

ちなみに本作はドラゴンエイジ連載分をパラレル化する形で3度ゲーム化されているが…全てクソゲーオブザイヤーinエロゲ板に選評が送り込まれ、2作目は2020年次点、3作目は2023年大賞受賞という事から出来はお察しください。なお3作目は老舗エロゲメーカー「戯画」の29年目にして解散を迎える、その最後の作品となった。


【関連項目】

路線変更(連載漫画)
「人気低迷」の原因だったり結果だったり。
移籍連載
「社会的事情」「掲載誌の消滅」「編集部関連の事情」などの場合、掲載誌を変えて連載が続く場合もある。


追記・修正は、様々な事情で打ち切られた漫画に想いを馳せつつお願いします。

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最終更新:2026年08月04日 17:11

*1 横山氏が大いに参照したと思われる、吉川英治の小説『三国志』でもそれは同様で、吉川氏「(諸葛亮が亡くなった後は)とみに筆を振るう気力も熱意も乏しい(意訳)」とまで言っていた。

*2 僅少例という程ではなく、山岡荘八原作による戦国武将漫画なども原作小説比でかなりカットしている。

*3 『がんくつ荘の不夜城さん』の単行本帯に書かれている、『きらりブックス迷走中!』の作中で言及されているなど。

*4 漫画と小説がジョイントされている。

*5 早川書房が刊行しているサイエンス・フィクション専門雑誌。上記週刊少年マガジンは講談社なので別物。

*6 角川文庫版の続編。

*7 「SFアドベンチャー増刊」Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ号に掲載。「シナリオノベル」と称するレーゼシナリオ形式。

*8 ともに小説。「e文庫」掲載。

*9 連載当時の原作本が2巻までしか刊行されていなかったというのもある。

*10 わざわざ勝王達の学校に乗り込んで多薇を負かしたと思ったら次話から始まったトーナメント本戦で戦わずに敗退など。

*11 ちなみに監督は最終回で懲役刑を喰らう。しかも「直に自分が正しいと分かる日が来る」と全く反省していない。

*12 枠単位で見れば作者の最長連載記録を達成している

*13 和月の職場の事。アシやデビュー後の作家同士でも仲の良さからそう言われていた。

*14 厳密には和月組ではなく、デビュー前に4ヶ月程下積みのため在籍していた。

*15 和月らには敬称をつけているのに「某しんがぎん」と呼び捨てにしたり、遺族に許可をとった後に原稿の中身を変えたりしている。

*16 現実では4人の中で最年長かつ連載を持つのも早かったのだが、本作では「漫画について何も知らない素人」の様に扱われている。

*17 第43話で死んだ学生の数だけどこからか同じ人数が補充され、その補充された人間は過去に亡くなっている存在である事が語られている。

*18 第3話で語られた犬神の作り方はあくまで一例であり、主人公に憑いている犬神がどの様な目的で、どう作られたかはわかっていない。その他キャラクターに関しても「霊能力者」は由来が第8話で、「霊媒体質」は第2話でわずかに語られた程度。

*19 「オバQビル」とも呼ばれていた。

*20 モブの中に明らかにウマ娘版マルゼンスキーにしか見えないキャラを描いたコマが広報Xで公開された。……それは「競走馬のイメージを著しく損なう表現」ではないのだろうか?

*21 本編は最終回でヒロインが女装をやめてしまう内容なのでこれにつながらない。

*22 但しこの直前で「ホワイトベースは陽動で、気を取られた隙を突かれてジオン本国に連邦の大艦隊が!」という、この手の打ち切りエンドには珍しい敵側が絶望状態で終了という展開。

*23 当初は徴兵の期間に合わせて2年程度で連載終了する予定だったのが人気が出たので伸びている。

*24 この時、主人公ののらくろは既に軍を退役しており、大陸で開拓に従事していた。

*25 この際大山氏は『つのだに責任が及ばないように』するため、「原作者をつけるから」という形で最初は依頼していたのだが、当のつのだ氏が「梶原の件で原作者をつけるのに懲り懲りしていた」ため、単独で連載することになったという。

*26 自傷、薬物中毒、知的障害者による暴行、ホスト狂いのメンヘラなどを題材にしていた。知的~はあるコマだけ切り抜かれてクソリプや実際の障害者差別発言に使われていた時期も長いが、この件は『君に~』の打ち切りとは無関係

*27 その後、「あそびの国」誌で復活した。

*28 当時の週刊ジャンプ本誌では『キン肉マン』を連載中のため移籍させるのも困難だった。そもそもゆでたまご自身が、わざわざモンゴルマンの設定を作って「両方読んでいる読者が『それぞれ別人のラーメンマン2人がいる』のを混乱しない様に」していたのも大きい

*29 隔月刊で出てたフレッシュジャンプ。アニメ化までしたのに…主題歌めっちゃカッコいいのに…

*30 但し全く忘れてしまった訳ではなく、「エリ・内木・マール星で3方よし、つまり全ての登場キャラにとってのハッピーエンドで終わる内容だったのは確実」とも述べている

*31 いきなり別シリーズに突入して元のシリーズは投げっぱなしエンド、唐突に残りのキーアイテム全部持った仲間が合流してそのまま俺たちの戦いはこれからだ!エンド等々

*32 ちなみに、ちばてつや・ちばあきおの実弟。ちばあきおも41歳で死亡時に、逝去打ち切り作品がある。

*33 例えば『ゴーゴー!ゴジラッ!マツイくん!!』は最終号に「マツイとクワタが時間を遡っていき、最終的には『かっとばせ!キヨハラくん』の初期のころにタイムスリップ。当時の本物の清原氏の事情から名前こそ出されなかったが、キヨ・マツ・クワの主人公トリオが揃い、また河合じゅんじ三部作の歴史をマツイとクワタが振り返り終わったことでおしまい」といういかにも最終回らしい内容を掲載していた。

*34 当時チーフアシスタントだったむぎわらしんたろうの「明らかにボツと思われるものがごっちゃに書かれているプロットしか手掛かりがなく、藤本先生(F氏)が真に考えていたこの先の展開を推測するだけでも非常に困難だった」の回顧がファンには著名。

*35 厳密にはてんとう虫コミックス内の「ドラえもんシリーズの別作品」扱い。

*36 直前まで元気な様子であり、関係者も自殺の理由がわからない程突然だった。

*37 本編は56話までコミックスも6巻までだが幸い、別雑誌で掲載されていたスピンオフ作品は完結まで連載を継続した。

*38 ちなみに内容は敵の兵器に主人公が特攻・相打ちになるもの。

*39 彼に限らずこの時期は拳銃の持ち込みが問題になっており、作家、ミュージシャン、スポーツ選手など、多くの著名人が逮捕されている。

*40 セリフはないので、「コマ割りがされた挿絵」と表現するのが近い。

*41 デデデとカービィの身体が入れ替わって大騒動を巻き起こすというもの。

*42 2020年代に復刻発刊されるが、内容を一部変更している。

*43 ゲーム作品のアンソロジー漫画等で活動している漫画家・川嶋留美。

*44 この項目では長期に渡り「一時中断の後打ち切り」と書かれていたが、デマである。

*45 原作イラストレーターは2011年に交代したため、この時点では山﨑透による旧版(現在は絶版)を指す。

*46 キャラの口調も原作から改変されたという意見もあるが、なにぶん1話しかないので判断しにくい。もともと原作はモノローグ主体の一人称小説で、キャラ(妖精さん以外)の発言はト書きで処理している場面も多い。

*47 以前からSNSの発言等を問題視されており、本作の騒動以前からかつて所属していたHPで交流があった絵師数人からも苦言を呈されていた

*48 よく誤解する人がいるが、アカウントを変えて隠しているわけではない

*49 この時、カメントツ氏が受けたインタビューは新聞に載ることは無かった。

*50 編集部側は「これ以上の対応をするつもりはない」と声明を出していた

*51 この妻はXで現在でも脈絡のない誹謗中傷を延々と呟いており、皆に呆れられている。

*52 「月刊少年ガンガンで投稿作品が新人賞を受賞し商業デビュー」を自称していたがその様な実績は無く、実際は同誌の読者応募コーナーに投稿した1P漫画が掲載された事をその様に偽って公表していた。

*53 Amazonのアソシエイトタグはクリエイターなどが自分のコンテンツを宣伝するためだけに使用するもので公言が必要。無関係な内容の物にも使用したり、その旨に関して明記しない事は規約違反になる。

*54 実際、なろう連載作品は玉石混交の趣が強く、評価も賛否に溢れている傾向が見られてはいるものの、それでもこの描写は明らかにやりすぎだという意見が非常に多く出ている。

*55 モデルにされてしまった作品の作者の一部からも苦言を呈されており、完全に無断だったことも判明している

*56 但し、編集部も編集部で作品を世に出す事による万が一のリスク管理が不十分だった事、KADOKAWA系列誌において問題があった事に対して批判されている。

*57 このネームは掲載に当たり加筆されている事が要氏のXにポストされている。

*58 犯行中に撮影していた被害者の写真の所持による児童ポルノ禁止法違反のみの刑罰になったようである。

*59 編集スタッフが原稿紛失という不祥事を複数回(!)起こしたのが最後のひと押しだった、との事。そもそも原稿紛失は最初の1回ですら許されないのに、それを複数回も起こしたら、誰であろうとブチ切れて当然である

*60 原作タイトルは『聖樹の加護付き辺境でスローライフを謳歌する~追放されたけど全属性魔法を授かったので精霊や領民たちと楽しく暮らしてます~』。

*61 第10話でページが左右逆になっていた。

*62 これについては読者もコメントで指摘していた。

*63 但しPSPのゲームに主人公が(ゲスト扱いとはいえ)収録される、当時の公式アンソロジーで『Force』のキャラやそれ前提のネタにOKが出ているなど、公式からの扱い自体は最後まで『Vivid』の原作漫画版と対等ではあった

*64 良くも悪くも『なのは』としては異色作の『Vivid』と違い、ほぼ『無印』~『StS』のTVシリーズ出身作品に近い内容だったため2作品で好みが割れ易いのもある

*65 前提として一定期間がすぎると以前の話は閲覧出来なくなる使用を持っている

*66 藤子プロは下ネタ関連パロディに厳しく、「卑猥っぽい道具を出す幼女型ロボットが主人公」という設定も準児童ポルノに抵触する可能性もある。

*67 一応フォローすると、当時のしげの氏は(これは結果論だが)短期連載の『トンネルぬけたらスカイ☆ブルー』→10年以上続き、途中でしげの氏本人が「第二部のプロジェクトD編ではモチベーションが落ちていたのはホント」とぶっちゃけてしまってもいた『頭文字D』でクルマでの公道レースものを20年弱、オートバイレースがテーマだった『バリバリ伝説』も入れれば30年弱も「10代~20代の等身大的な男の子がレースをする」漫画を描き続けており、そういう漫画については相当に疲弊していた事は想像に難くない。…が。後述

*68 後に『頭文字D』のキャラが多数登場し、明確に続編なのが明かされた。実は本当に最初の頃の『MF』はそのへん曖昧だった

*69 『頭文字』側キャラとの対決が前提とされていないらしき描写もある(無い訳ではなく、例えば啓介はある程度ガチ走行した描写が複数回存在する)が、これがしげの氏側からの抗議として「旧作キャラは走らせない」とされたのか、元々時間経過を多めにとった事で自然とみんなプロドライバー兼解説者や指導者だったり単なるガソスタのオヤジに転職したりとなったのかは不明

*70 ちなみに電撃大王や同じ会社の別雑誌などでは別の連載を始めているため、こちらの編集部とのトラブルの線は薄いものと思われる。

*71 シリーズを重ねる度に女性への暴力描写が過激になっており、『ウィンヴルガ』に至ってはもはやG方面の成人漫画同然の描写となっている。流石に作者本人も「酷い話になります」と事前にアナウンスはしていたのだが。

*72 「ストーリー展開が同じ事の繰り返しばかりで単調」という指摘も多かったが、『叛逆篇』ではテンポが良くなるなど多少改善している。