シャア・アズナブル

登録日:2011/04/01 Fri 17:03:07
更新日:2021/03/26 Fri 03:10:07
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※出典  シャア・アズナブルのブログ


勝利の栄光を、君に!



UCガンダムの登場人物。
CV:池田秀一田中真弓(THE ORIGINの少年時代)、小西克幸(ガンダムさん)、関俊彦(バトローグ)

所属:ジオン公国軍→地球連邦軍→反地球連邦組織 エゥーゴ→ネオ・ジオン




【人物】

赤く塗られた機体で通常の3倍近い速さで戦場を駆け巡る姿から、『赤い彗星』という異名を持つ。むしろピンクに見えるが気にしてはいけない。
途轍もない凄まじい人気と知名度を誇り『赤』『ロボットアニメ』『ライバル』『3倍』と言えばまず真っ先に挙がるほど。

常に素顔を隠す仮面、不敵な態度や戦場での圧倒的な存在感は以降の作品に多大な影響を与え、シリーズにおけるライバルのキャラ立ての指針となった。
フォロワーとなった者(仮面の人)はゼクスグラハ…ミスター・ブシドー等、数知れず。



【各作品での活躍】

〇U.C.0079「一年戦争


仮面の下の正体は、ジオン建国の父『ジオン・ズム・ダイクン』の遺児、『キャスバル・レム・ダイクン』。セイラ・マス(アルテイシア)の実兄でもある。母親の設定は劇中で登場しない。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』でのみ、母親として父の愛人である『アストライア・トア・ダイクン』が登場する。また、こちらでは一時期正体を隠すために『エドワゥ・マス』と名乗っている。
またエドワゥ時代に瞳の色以外の容姿が自分と瓜二つである『シャア・アズナブル』という青年と知り合い、友人関係となった。
『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより』でも母や正妻のローゼルシアのエピソードが断片的に語られている。
デザインは『THE ORIGIN』準拠で、安彦良和先生から許可を取っている。

父を殺し、実権を握った『ザビ家』への復讐の為に、軍に身を置いた。
『THE ORIGIN』では自分の居場所を嗅ぎ付けたザビ家の追手に襲撃され、セイラ共々命の危機に瀕したことにより復讐のため入隊を決意した。
入隊の際本物のシャア・アズナブルも同行していており、キシリアによる暗殺の可能性を見越して、
エドワゥは咄嗟の機転でシャアを騙す形で書類の入ったカバンと飛行便の順序を入れ替えることでこれを回避(本物のシャアはこの時死亡した)
以降エドワゥは『シャア・アズナブル』として生きることになった。
しかし瞳の色は変えられなかったので訓練生時代は目の紫外線異常を理由にサングラスを常時かけることでこれを誤魔化しており、
後に寮生の計らいで専用のアイマスクを作ってもらい、そしてあの仮面になっている。


後に永きに渡り確執を抱く事になるアムロ・レイとの戦い、ガルマ・ザビの謀殺、人類の革新ニュータイプ(NT)としての理想像を見出した女性ララァ・スンとの出会い、同じくニュータイプながらも悲運に倒れたシャリア・ブルなどを通じて、考えが変わり始める。
しかし優秀なNTであるララァを自分が守る気で戦場に出し続け、そしてアムロの攻撃から逆にララァが自分を庇ったことで命は助かったがララァを喪い、
最も分かり合うべき相手と決定的な溝を作る事になってしまった。
最終決戦時にはニュータイプと覚醒し、アムロと激しく戦いながらも意思疎通を果たした(※特に和解はしていない)。

ザビ家への復讐を謳った彼が殺害したのは親友を装っていたガルマとかなりついでの様に殺したキシリア*1の二名。後は戦死や身内に殺されている。
ガルマのことは坊やだと思っていたが、彼個人には恨みはなかった。
後々シャアの人生を振り返ると生い立ちや性格が厄介すぎるからか、友人と呼べる人物は自分で殺したガルマしか居なさそうという悲しいことになっている。

建国者の息子でありながら国を取り返すでもなくただ簒奪者を殺す、(しかもチャンスが来なければそれさえしなかったかも知れない)という行動が安彦良和氏には理解し難かったため
機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では「狂気の男」として再解釈されている。

『カイレポ』によると、恨みは消えなくとも後悔の念は無くもないらしい。
復讐は優しい心があってこそのもので、その間違いを諭す人間と出会えなかったのが不幸だったと言われている。

小説『密会 アムロとララァ』によれば、ガルマを守れなかった事でジオン軍を追放され一時地球を流浪していたシャアはカバスと呼ばれる娼館紛いの事をしている場所でララァ・スンと出会い、金塊と交換で彼女を引き取った。
小説によるとそれまでニュータイプとは父の方便だったことも理解していたが、前述の通りこれでニュータイプの存在を確信し、形を変えながらもニュータイプ論を信じるようになった。
自身もニュータイプになりたいと望み、他の者も『全員ニュータイプに進化すべき』という、ハマーンの考えの基礎や後に戦乱を起こす考えはここで生じたといっても過言ではない。

一つ一つのアニメイラストが写真という設定の『M.S.ERA ガンダム戦場写真集』には、上述のカバスと思われる場所からララァを引き取る様子が描かれている。


機動戦士ガンダム MS IGLOO』では本人は喋らないがザクⅡが登場し、『赤い彗星』の由縁である『ルウム戦役』が初めて映像化された。


一方、小説版ガンダムでは本当の意味で成熟した大人物となり、シャリア・ブルの補佐などを得て宇宙世紀そのものの行く末まで見通し、そのための革命を成就させようと奮闘する。
むしろどうしてこうならなかった。

〇U.C.0087「グリプス戦役


戦後はネオ・ジオンに身を投じていたが、小惑星『アクシズ』内のミネバを守る女たちの造反騒動に厭気がさしたシャアは地球に戻って、自らを非合法な手段で取得した戸籍を使い、地球連邦軍大尉クワトロ・バジーナと騙って地球連邦軍に身を投じた。
それはアムロ・レイに接触するためとザビ家の残党を統合して再び地球連邦政府を打倒する為であり、クワトロは反地球連邦組織『エゥーゴ』の立ち上げに関わることになる。
コロニー『グリプス2』にて、カミーユ・ビダンにNTの素質を感じ、導こうとするが……

これとは別に、レコア・ロンドやザビ家への復讐に取り憑かれた女ハマーン・カーンなど、女性達に悩まされ続けることになる。
レコアに関してはシャア側のうだつのあがらない態度にも問題があったが、
レコアの方もジャブローでの潜入工作で酷い目に遭っていながら、なおも潜入工作を止めようとしないばかりか、
「いつもギリギリのところにいないと生きてる気がしない」とファに語る等かなり物騒な面も持ち合わせていた為に、
そんな彼女に「女」として受け入れる事を強く希求されるのは、戦場で生きたシャアでもついていけなかったのかもしれない。

ハマーンの思想に関しても自らの思想が強く影響しているとみられる他(シャアを明らかに強く慕っているし、幼い頃から接していたと思われるので当然のことである)、
アクシズを任せながら再会した時は文句を言いつつ自分は完全にエゥーゴに入り浸り、無責任にも戻る気もなく、
最終的には艦隊をメガバズーカランチャーで一掃というとんでもなく酷い裏切り行為を働いているため、
ハマーンが正しいとは言えないがシャアが正しくて絶対正義だとは口が裂けても言えない。

そして最終的にはまた嫌気がさしてエゥーゴまで放り出す。

機動戦士ガンダム U.C.戦記 追憶のシャア・アズナブル』では、過去との決別として百式の色を変えなかったということに。


PS版ゲームのEDアニメでは、ハマーンとの激闘を生き残ったシャアがカミーユの精神崩壊を感じとった場面が存在し、逆襲のシャアでの行動を予感させている。


〇U.C.0088「第一次ネオ・ジオン抗争


放送前の富野監督のインタビューやOP、第一話でのシルエットクイズでのナレーションなどでZZ本編登場へ期待されたシャアだが、結局アニメ本編ではアムロ共々出番なし。
コミック版ではちゃんと出番あったけどね。
父ジオン・ダイクンを暗殺し国を乗っ取ったザビ家の人間を一年戦争で二人も葬ったシャアだが、
その遺児であるミネバ・ラオ・ザビに対しては敵意を抱くことはなく、復讐する気満々だった頃のガルマはともかく適当にキシリアをやったのはなんだったのか
『機動戦士Zガンダム』前にはミネバを守るためアステロイドベルトまで後退した。
ZZのこの時期も、シャアはミネバを争いから遠ざけたいのか保護もしている。
これによってハマーンはミネバの影武者を用意しなければならなくなるなど絶対と思われた彼女の宰相政治も狂い始めていくことになる。

○U.C.0090「ザビ家の復讐装置追跡戦」

機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還
ネオ・ジオンを旗揚げして決起のために資金・人脈・戦力の確保に奔走中。
公国時代からの部下に「貧しい大佐のネオ・ジオン(原文ママ)」と言われるほどにまだちっぽけな組織のためか、総帥という立場の重さをいまいち自覚していない模様で、部下の胃を痛めながらテストパイロットやら前線での襲撃などをやっている。重ね重ねいうがこのとき既に総帥である。
主に旧公国が遺した生物兵器「アスタロス」を戦力として確保するべく活動している。……本人は忌まわしい記憶を葬り去るためのアクシズ落としと、サイコフレームによるアムロとの決着にこだわりがあるため気乗りしていないが。

〇U.C.0091「伝説巨神の復活」

機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス
ネオ・ジオンの部隊を率いて木星圏にいたジュドー・アーシタ、アムロ・レイらと合流。
彼らと協力して巨神の撃退を行う。
その後、ミネバの家族となったジュドーに彼女の未来を託し木星からアクシズへと帰還する。


〇U.C.0093「第二次ネオ・ジオン抗争」


ハマーン亡き後のネオ・ジオン軍を纏め『新生ネオ・ジオン』の総帥として、また難民収容コロニー『スウィート・ウォーター』の救世主として地球連邦政府に戦いを挑む。
シャアは、スペースノイドにダイクンの遺児として祀り上げられ、ザビ家やハマーンなど過去のジオン系為政者を糾弾しながら地球に巣食う人類の粛清を謳った。

「人類すべてをNTにする為には、宇宙に上げる必要がある」と提唱し、『地球寒冷化作戦』を始動、早々に小惑星『フィフス・ルナ』を地球に落下させて大虐殺と地球環境の大破壊を行う。
さらにこれだけでは不足とし、かつてネオ・ジオンの本拠としていたアクシズと、さらにルナツーの核兵器を強奪し((ただし、アクシズは金塊との裏取引で入手している))、アクシズ落下の衝撃と史上最大の核攻撃によって全アースノイドを根絶し、地球を死の星に変えようとする。
この過程で「降伏条約」を連邦と締結しておりテレビ放送までしているが、最初から破るつもりで、実際にあっさり破っている。ジオンのいつもの手口と言えばそうであるが。

一見理想家(?)として行動していながらも、その行動の本音はアムロとの決着(というかララァを奪われたことの報復)だけを望んでおり*2、ナナイ・ミゲルにすら「アムロを見返したいが為の行動」と揶揄されていた。事実、νガンダムの完成を手助けしている。
そしてアムロに論難されるや「世直しなど考えていない!」と絶叫してしまい、ネオジオン総帥の立場をも全否定してしまった。

最終的に敗れ、図らずもその力を『サイコ・フレーム』によって地球を救う為に使う事になる。

そして、アムロとシャアはお互いの信念を最後まで貫き続けた。


「――結局、人間がかわらない限り戦争の悲劇は繰り返され――地球を押しつぶすのだ……」

「ならば人類は自分の手で自分を裁いて、自然に対し、地球に対して、贖罪しなければならん……」

「(涙を浮かべながら)アムロよ なんでこれがわからん……」

~サイコ・フレームの共振~

「こ、これはサイコ・フレームの共振した力(パワー)なのか?」

「恐怖は感じない……むしろ暖かくて安心を感じるとは」

「しかし、この暖かさをもった人間が地球さえ破壊するんだ…それがわからないのか?アムロ……」

「わかっているよ!だから世界に人の心の光を――見せなきゃならないんだろっ…!」

(映画から10年後にPS版ゲームとのタイアップで描かれた、ときた洸一氏の漫画版の台詞より。最後のあの口喧嘩はカットされている。)


アムロも決してシャアの考えを全く理解していなかった訳ではないだろうし、その立場・才覚を認めてもいた。

しかし、シャアの取った非道極まりなく、地球さえ破壊する行いを許すことは断じて出来なかった。



〇U.C.0096「ラプラス戦争」


シャア本人は行方不明だが、ジオン残党である『袖付き』の首魁として、彼の再来と謡われるフル・フロンタルが登場。
その正体は結束力の低下しているネオ・ジオン残党へのテコ入れとして、ジオン共和国のモナハン・バハロ国防大臣が用意したただの強化人間(ただし、実力は極めて高い)。本人どころかましてやクローンでもなかったのである。

シャアに似せて調整されたサイコミュ能力にアクシズ・ショックの強力な精神波を受信した結果シャアの演技ではない自分を不本意に失っており、
作者の福井晴敏は彼を「シャアを演じる事を求められた空っぽの器にシャアの亡霊が取り付いた姿」と発言していたが、
そもそも冨野監督は逆シャアで確かに「生きてたらすごい」とは言ったが、アムロやシャアは死亡したと発言した事はない。
ガンダムファンからも「原作者でもないのに重要キャラの死亡を勝手に明言するな」と大きなバッシングがあり、現在ではその発言を撤回。
「もしかしたら生霊かもしれない」と訂正している。(=シャアの精神が取り付いている事自体は撤回していない)



〇SD界隈


謎の仮面の騎士、シャアとして登場。その正体は嘗て闇の皇帝ジークジオンに呪いを掛けられたユニオン族の騎士だった。
行方不明の騎士セイラを探すために三種の神器を必要とし、そのためには人質を取ることも厭わないが、
三種の神器が騎士ガンダム専用で、しかも長時間の着用は彼の体を蝕むとわかると協力を申し出る。
OVA版ではとにかく不意打ちが得意で、彼の戦果はすべて不意打ち。

ラクロアの勇者編以降は伝説の巨人編でガルバルディβとの戦闘(ルフォイの星を狙い、サラサを襲うβを不意打ちするも返り討ちに遭う)で負傷後、
正体を隠すため百式をモチーフにした黄金の鎧(実はスペリオルドラゴンの力の片鱗だった)を着込んで黄金の騎士として参戦。この時は既に徹頭徹尾騎士ガンダムの味方。
サイコゴーレムやジークジオン撃破の一助となった。何気にアムロ以上に活躍している。(一応アムロもアルガス王国で主役やってたのだが)

ジークジオン撃破後は、ジークジオンの復活を予期して軍師クワトロとしてネオジオン族に潜入。
映画版ではパンゲア界に迷い込んだGP02を捕えるなどガチで裏切ったかのような言動を見せていたが
復活後は正体を明かし、ラクロア騎士団の団長となったアムロと共に、逆シャアバージョンの衣装をアレンジした出で立ちでジークジオンに挑む。
総帥Ver.の衣装でアムロと共闘するのはスパロボDに先駆けてこれが初である。
…しかし、よく見るとこの時のシャアはオールバックにしていた前髪が解けかかっており、エピローグでは髪型が1st時代のものに戻っていた
元々『機甲神伝説』ではクワトロ名義で逆シャアモチーフの恰好になっていたため、本心ではクワトロとして道化を演じる自分が嫌で嫌で仕方なかったのかもしれない

ちなみに、スダ・ドアカワールドのシャアとセイラはこれが本名であり、OVA版ラクロアの勇者では「セイラ…」と呟くシャアが見れる。
ララァとの関係も曖昧であり、恋人なのか敵なのか利用されているのかハッキリしない。OVA版ではなんとララァに「知ったことか!!」と馬上から斬りかかる衝撃映像も。
一応OVAの魔導師ララァ(CV:林原めぐみ)はサタンガンダムの側近で、分断された僧侶ガンタンクに今まさに襲い掛かろうとしていた瞬間に割って入ったため、
シャアが極悪非道な人間なわけではない。
更にセイラは光の騎士編では一線を退き、なんとアムロと結婚したことになっているため、スダ・ドアカのアムロとシャアは義兄弟。
シャアが己を隠さず、アムロと同じ道を歩むという、ファンなら感涙モノのシチュエーションである。
このシャアは王家や貴族の出でも何でもないので、血縁や因縁に縛られずにクワトロのままでいられればこのようなシャアも本編で見られたのかもしれない。

なお、肝心のHPはジークジオン編のラストで1000の大台に乗ったのを最後に転落。『機甲神伝説』終盤で参戦した際にはHP700。
アムロがおかしすぎるとはいえ5000もあるのにどうしてこうなった…


〇その他SD作品


…しかし、かっこいいシャアが見れるのはこれまで。同時期に作られた他のSDガンダム作品ではあの池田秀一氏をして「SDのシャアは嫌い」と言わしめるほどである。
ストーリーや役柄は作品によって違うが、大体共通するのが作風のせいもあって下品でマヌケ、スケベでとにかく情けない。

  • ブライトの経営するストリップ劇場でヨダレを垂らしてオペラグラス(シロッコから購入)に噛り付く
  • ゼータ国を侵略する大魔王として復活するも、ドアの鍵穴にされた挙句、グレたアムロ・カミーユ・ジュドーに奴隷同然の扱いを受ける…etc

色んなポジを器用にこなすアムロ、大体キ○ガイなカミーユ、大体チンピラのジュドー、大体クズのブライトに比べると扱いは非常に悪い。
ハッキリ言ってガンダムさんのほうがマシなレベルで、色々なキャラが崩壊しているのだが、シャアやシロッコ辺りは特に酷い。
シャアは元々原作でもアレな人だがベクトルが異なる。

『SDガンダム列伝 ガンダム騎士団(パワーズ)』では、首から下が サタンガンダム 、正体がデビルスペリオルという
闇の盟主シャア がラスボスとなった。外伝世界の騎士シャアとは完全に別人であるが、
騎士シャアと同じ顔で腕から触手を伸ばしてノーベルを操る様はなかなか衝撃的である。

【余談】

NTとしての優れた才能を持ち、旧態依然とした体制からの脱却を目指す姿勢が目立つ人物だが、富野監督曰く
「感性はOT(オールドタイプ)」。
個人的な確執や過去といったしがらみに縛られており、積極的に「分かり合おう」といった姿勢はない。
「パイロット」、「政治家」、「NT」、それぞれで高い才能を持ちながら、人間の業からは抜け出せなかった悲劇の人物とも言える。
しかし行動はするので、巡り巡ってアムロ・ジュドーは彼の尻ぬぐいに奔走することになり、カミーユは彼に裏切られたとも言える。

富野監督がZZ放送前に
「シャアが悩むと言う事から脱っしてしまったとしたらアムロを狡猾な手段なんかは使わないでやれてしまうくらい強い。アムロは何も知る前に殺されてしまう」と発言したのは有名。
ただし同時に「それだけ強いとそれこそシャアに勝てるニュータイプを出さない限りドラマはあっという間に終わってしまう、
つまりはTVシリーズでガンダムが続く限り、ひょっとしたらシャアは出てこなくなるかもしれない」とも語っていた。
また、別のインタビューでもZZにシャアが出演していたという仮定だが、シャアは自分がザビ家をやっていいという所まで落ちてハマーンを殺しアーガマと敵対する立場になるという。
そんなシャアを悲難して殺しにでも来るジュドーに負けそうになったシャアは怒って悩みを捨てて、本当に強いシャアになるのだ。しかし、結局彼は負け続ける男だと富野は語った。


逆襲のシャアでは劇中でも弱い部分をナナイ限定ではあるが曝け出して甘えていた。
1stやZガンダムなど、アムロに敗北を喫したりカミーユにあえて自分を殴らせるなど弱い部分もあったシャアだが女性に率先して甘えるシーンは今までなかったので当時衝撃的だった。
これは偉大なる父ジオン・ダイクンの名前を継いで行動している心理的な重圧もあるってのことで、小説「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア 後編」ではこの辺りの心境がクローズアップされている。

ララァに魂を縛られている事で寝言でもララァの名前を出しているらしく、それを一度寝たNT研の女に聞かれ噂話として流されネオ・ジオン兵や視聴者から『ロリコン』と陰口を叩かれている。
富野監督はシャアがロリコンだったかもしれないという部分を面白がって描いていたと後に語っている。
このロリコンネタは『機動戦士ガンダムさん』等のガンダム系のギャグ漫画ではよくいじられている。

なお、ZガンダムTV放送当時はハマーンとの関係が不明で、お互いの接し方(特にハマーン側)から恋人同士だったのでは?と感じる視聴者が大半だったし、
実際にそういった感じを匂わせる外部作品も多かったが、後に恋人ではなかったとする設定が広まっている感じである。
なお、恋人だとしたら年の差もそうなのだが、それ以上に交際開始した時期にもよるが非常に危ない感じになるため、ロリコンかもしれないという視聴者の疑惑はここから始まっている。

逆襲のシャアでは、自分がニュータイプではない事を自覚、または自嘲しているような態度をナナイの前でだけは見せていて、
かつて一年戦争時にアムロとの戦いで失ったララァを失った時の事を回想で反芻し私を導いてほしかった…と未練を引き摺っている。
劇中のラストではララァが母親になってくれるかもしれなかったと過去形で表現した。
パラレルである『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、幼少期のシャアがクローズアップされている。
そこではザビ家による陰謀に巻き込まれて母親と引き離され、最終的に母親アストライアが死亡してしまうという衝撃的な出来事が幼いシャアの心理にトラウマとして刻まれたという解釈をしている。
ただし、これはあくまでもパラレルの話で、本編(テレビ版)の時のシャアでは、ゆがんだ心性の説明がつかないと安彦良和と考えたからこういう過去が付加された訳である。
とは言えどの道実の母親を早期に亡くしていることもあり、元々こういった側面を持っていたとしてもなんらおかしなことではない。

前述しているがララァ以降のシャアの女性遍歴といえば、レコアやハマーンといった関わる女がことごとく恋人なんだか恋人じゃないんだか明言されない微妙なポジションであり、
彼女たちによって『機動戦士Zガンダム』の中盤から終盤にかけてシャアは行く手を阻まれた。
しかし、女達の性格の問題もあるが、シャア側の対応も上手く対処出来ているとは言い辛い。
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、シャアの心情を察して献身的に支えてくれるナナイが傍にいてくれたがそれでもララァへの未練が全く抜けておらず、
途方もなく業が深い様子や、女性に求めるものが複雑・大きくなりすぎている様子が垣間見える。

クワトロ時代に、自身の素性を察しながらも、面倒な政治ごとを一手に引き受け、パイロットに専念させてくれていたブレックス准将の存在も大きく、
滅多に他人に気を許さないシャアが、珍しくかなりの信頼を寄せていた。それ故彼が暗殺された時は物凄く慟哭している。
最終決戦でのハマーンとのやり取りが、TV版では「人類がNTになるのを待つ」という希望を持った物であったのに対し、
劇場版では「人類をNTにする」と。自身が手を下さん勢いの台詞に挿し変わっている。
(劇場版のカミーユの台詞も、シャアの内心を無意識に察知したかのように、シロッコ・ハマーン・シャアまとめて非難してるのでは?と考察されるような台詞に挿し変わっている)
この事から、劇場版ではカミーユとの交流が少なかったが故に、新たな希望が持てず、ブレックスの死の段階で世界に見切りをつけ、
カミーユの崩壊を経由しない劇場版からの展開でも逆襲するのではないか、と考察されたりもする。
そもそもカミーユの崩壊が原因というのは一説に過ぎない上に理由の一端でしかないため、特別な何かが起きなければ似たようなことをしでかす可能性がかなり高いと思われる。
武力組織の結成も辞さないが、ちゃんと世界的な会議にも出席するなど、単なる反体制運動だけに走らず、宇宙と地球の平和に向けてアレコレ行動をするブレックスは、
もしかしたらシャアからしてみれば「理想を説き志半ばで終わらせられた父(実際はアジテーターみたいなものとしても見ていたが)」の上を行く存在だったのかもしれない…。


『月刊ガンダムエース』の漫画では重要な役が多い。
THE ORIGIN、C.D.A.、カイレポ、追憶のシャア、逆シャア BEYOND、Ζ Define等
ゲストは幼年学校、カタナ、デルタの鼓動、EXA辺り

北爪宏幸氏による初代とZを繋ぐ漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』では、ナタリー・ビアンキ中尉と愛を育んだ。
中尉の体には子供ができるが、ある事件で母と子は死亡する(ハマーンも一因)。
何というか好き放題している物語という風に受け取られやすく、賛否両論の激しい作品である。

ときた洸一氏の漫画『ガンダムEXA』では「自分が過去に過ちを犯し、失った者」として、ララァとはにゃーん様ことハマーン(C.D.A.)がイメージで出ている。

北爪氏の描く『機動戦士Ζガンダム Define』では、後に百式に改修される予定の零式(MSZ-000)が登場。
アニメとは異なり、しばらくはこちらが活躍する。


【意外と弱い?】

立場上アムロと敵対する場合が多く仕方ないのだが部下がよく死亡する。初代は全滅。Zはカミーユ、ファ以外全滅。CCAは自身含め名有りパイロット全滅。

また自分よりも高い資質を持つNT達の出現、さらにZではオールドタイプでも強豪パイロットが多数登場することから苦戦を強いられる場面も多い。
スパロボで頼れるエースパイロットとしてのシャア(クワトロ)しか知らなかった人は本編で思ったより活躍していないことに驚くこともあるとか。
ガンダムファンの間でも一年戦争ではララァに邪魔扱いされた挙句に庇われなければ死ぬところだった、グリプス戦役ではハマーンとシロッコにボロボロにされたなどの失点から「(NTの中では)シャアは弱い」と断言する声もある。

ただし、それはエース級やNTとの戦いでの話で一般兵から見れば充分化け物で、また、ジオングでアムロと再戦した時には別人と思われるほどのプレッシャーを与え健闘したこと*3、性能の劣る百式でコロニーレーザーの防衛に成功したこと、
そしてなんだかんだアムロと戦ったパイロットの中では一番しぶとく生き残った…逆に言うと、シャアに脱出すら許さず完全に倒せたのはアムロだけで、そのアムロですら1stでは達成できず逆シャアまでかかったことなどは考慮すべきだろう。

また『ジョニー・ライデンの帰還』でのシャアは赤い彗星の名に恥じない強さを見せており、ヤザ…ヴァースキにも驚かれるほどである。


【名台詞】

「認めたくないものだな。自分の若さ故の過ちというものを」

「見せて貰おうか。連邦軍のMSの性能とやらを!」

「当たらなければどうということはない!」

「ええいっ、連邦軍のモビルスーツは化け物か!」

「更に出来るようになったな、ガンダム!」

「私は、君を殺す」

の弟。貴公等の愛してくれたガルマ・ザビは死んだ。なぜだ!?」
「坊やだからさ」

「ガンダムのパイロット、アムロと言ったな! どうする、あのニュータイプに打ち勝つ方法は……あ!!」
「ララァ教えてくれ……どうしたらいいんだ!!」

「ガルマ、私の手向けだ。姉上と仲良く暮らすがいい…」

「これが若さか……」

「まだだ、まだ終わらんよ!!」

「私、シャア・アズナブルが粛清しようと言うのだ!!アムロ!」
「エゴだよ、それは!」
「地球が持たん時が来ているのだ!」

「私の復讐劇は、君から始まるのだ!!」


「30過ぎてもガンダム、ガンダムって…どうかと思うねボカァ!」
大佐……いけません大佐……


「同士になれ!アムロ」


「待ったか…!ガンダムよ…!!」

「足はないのかね?」
足?足なんて飾りですよ、偉い人にはそれが分からんのです

「…ところで貴様、オペラグラス持ってないか、買うぞ」
ありやすありやす!シロッコ印の双眼鏡から女風呂覗き用、暗闇でも安心変態用までなんでもありやす!
おまけにシロップも付けますぜ!

『ガンダムビルドファイターズ バトローグ』

第1話では1年戦争時代のシャアの疑似人格AIが登場し、リボンズおよびアムロの疑似人格AIと戦いを繰り広げた。
なお、上述したようにリボンズとアムロはオリジナルの声優だが、シャアは池田氏ではなく関俊彦氏のため、
『THE ORIGIN』に登場したキャスバルではない本物の「シャア・アズナブル」ともとれるものとなっている(さすがにセリフ群や人間関係はキャスバルの方だが)。
……ガンダムで関俊彦かつ仮面キャラということでラウ・ル・クルーゼを思い出したという人も多かったようだが。

◆スパロボにおいて

もちろんその筋では有名なスーパーロボット大戦シリーズにも登場。
Z時代の姿であるクワトロ・バジーナと異なり、この名義で出て来る時は基本的に敵。
特に「逆襲のシャア」が参戦している場合はほとんどの作品で終始敵対する。(そもそも1stガンダムは機体しか参戦しないことも多い)
IMPACT」や外伝作品「バトルロボット烈伝」ではラスボスの座を得て最後に立ちはだかる役どころまで体験している。


しかし契機と言える作品もあり、その一つがGBA版「D」である。
この作品ではミリアルドと結託して原作通りアクシズを落とし(しかも事前に根回しをしてアムロ・ブライトらロンド・ベルのメンバーを拘束するという念の入れよう)、
さらに成功させる段階まで持っていったが、南極で起動したファブラ・フォレースの影響で地球が外界から遮断されたために作戦が失敗。

クーデター真っ只中のOZ、勢力を伸ばしていたザンスカール帝国に対して、
合同で状況把握を行うべく停戦協定を持ちかけるも双方に蹴られ(ただしOZは現状を憂えたレディ・アンがデルマイユ派の一掃をネオ・ジオンに依頼したことで共闘が実現した)、
先のファブラ・フォーレスの余波でネオ・ジオンの艦隊も半分が壊滅するという大損害を受けたことに乗じてザンスカールからの先制攻撃を受けかける事態にまで発展。

軍は半壊、外交カードは0という背水の陣に初っ端から立たされただけでなく、
直後に超長距離移民船団襲撃事件の発生やザール星間帝国の来襲など地球圏全域で問題が噴出したことで、
もはや世直しや粛清どころではなくなり、地球圏を守るためアムロや宇宙へ飛ばされてきた主人
月で平穏に暮らしていたカミーユに協力を依頼。ブルー・スウェアの枢軸として立ち回ることになった。

このため、パイロットの「シャア・アズナブル」というよりはネオ・ジオン総統で指揮官の「シャア・アズナブル」として描写が多く、
序盤の混迷期は胃に大穴が空きかねない苦労を強いられることになっていた。

なので、相変わらずパイロットだけをやっているアムロが指導者としてのシャアに感心すると、
「私はお前とは違ってパイロットだけをやっているわけにはいかなかったのでな」と皮肉ってアムロを閉口させている

先述のアムロとブライトの拘束というのはあくまで表向きであり、
アクシズ落としへの協力要請というのもあったが、OZのクーデターから彼らを保護していたというのが最大の理由。

アムロに関しては本心では決着を付けたかったことを本人を前にして明言している
つまり逆に言えば、アムロの決着よりもアクシズ落としや地球圏防衛を最優先としていた。

ブライトに関しては彼の家族も保護しており、
地球消滅という異常事態にアムロ達と共同戦線を組むことになった際はネオ・ジオンで建造されたラー・カイラム(核ミサイル付)を彼に手配し、
クルーに関してもブライトの指示に従う者をネオ・ジオンから選抜した上に、艦内レイアウトを連邦製の艦船に極力近付ける等などかなり手を回していた。

その一方で、アムロには開口一番殺意をストレートにぶつけられ
カミーユには仲間達がシャアを信じて死んでいった結果が地球潰しだったことに深く失望され*4
地球消滅でパニック状態になった民間人や兵士に対する表向きの情報公開の何やかんやを全面的にネオ・ジオンの広報担当にぶん投げていたが。

この作品では片腕となっているゼクス共々逆襲絡みの発言をしてはアムロに糾弾される場面が時々出るが、
最後まで直接行動には出ず、もう一度人類を信じることを選択したため「一番空気の読めるシャア」とあだ名されている。


そして、第二の重要タイトルが、自分を模して造られたフル・フロンタルと共演した第3次Zである。

この作品では、原作における負の面を全部フロンタルが持っていったため、相対的にこっちがよりいい人になっている。
アクシズを舞台に、アムロと肩を並べてフロンタルと戦うシャアの姿は必見の名場面。
総帥としての立場にあったシャアが、様々な世代と共に困難を打ち破る力となっていくのである。

またソーシャルゲーム「スーパーロボット大戦Card Chronicle」ではなんとネオ・ジオンがシャア派とハマーン派に内部分裂。
ギュネイとクェスを引き連れて自部隊に合流し、アクシズの落下を阻止した。その後ハマーン派との和平が成立した後は彼女とも共闘している。


また、例外というには少し違うが、『V』では第2次ネオ・ジオン抗争が終了済みであるため、故人となっている。
(『BX』でも故人であるが、それは宇宙世紀作品がUCしか参戦していない都合でもある。
Ζ・ΖΖ・逆シャアが参戦しており、カミーユやアムロが健在であるにも関わらずシャアだけが故人、というのはシリーズものである第3次αを除けば初のパターン)
こちらでは幽霊(?)としてアムロと邂逅し、最終的には改心したフロンタルに後を託して成仏していった。

Vに続くタイトルとなる『X』、『T』ではシチュエーションこそ違えど、平然と2回行動してくるなど大ボス格として登場。
カミーユがらみの痛みを引きずっていた中、遥か遠い未来に生まれた少年にバイアスのない最も若い世代に影響を受け、異世界でライバルと共闘することになったり、
地球が危機を体験していた黄昏の時代において、共に地球の未来を憂う者と共通の志で行動し、ついでにジオンの名を反地球の旗印にできなくさせるよう、*5あえて悪役を演じて見せたりする姿を見せてくれる。



「追記・修正されなければどうということはない!」

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最終更新:2021年03月26日 03:10

*1 アムロとの対話では「敵ではない」ととりあえず否定し、妹に兄さんの敵はザビ家では?と問い詰められると「それはもうついでの事だ。これからはNTの時代だ(※中略)」と言い、その直後妹に「ザビ家の人間はやはり許せぬと分かった。」とかなり短期間のうちに返答がコロコロと……。言い方から察するにNTへの希望からか復讐心が薄まっていたらしいことは原作でも確からしい。

*2 シャアのララァへの依存の深さが見えるが、逆にアムロは、夢に現れるララァの幻影を疎むなど、ララァの存在を乗り越えようとしていた。二人の変化・成長の格差がここにも見える

*3 さらに言えばア・バオア・クー戦に参加した兵士はベテラン兵ですら自分の身を守るので精一杯なのに対し、アムロとシャアはお互いが遭遇するまで一般兵達を複数人で挑んでも勝負にならないレベルで圧倒し次々と撃墜している。

*4 ちなみにジュドーとは原作で直接かかわってないためアムロ達に比べると絡みは少ないが、彼からも終盤に「戦争が終わった後にまた同じことをやるつもりなら俺もあんたを止める側に回る」と釘を刺されている

*5 シャアルート44話において本人の口から「UC」じみた展開になることに対して否定的な辺りからうかがえる。