ガゼラ(ウルトラ怪獣)

登録日:2015/09/25 Fri 15:59:12
更新日:2025/05/19 Mon 22:29:49
所要時間:約 4 分で読めます





ガゼラは、ウルトラシリーズに登場する怪獣の1体。
別名は「工作怪獣」。

【概要】

手術成功率15%と言う難病を抱えて西山病院で入院生活を続けていた健一少年が、
粘土細工やガラクタ、洗濯バサミなどを使って製作した怪獣の人形。勿論名付け親も健一少年である。
とても大きな右手のゲンコツとひんむいた白目が特徴。

手先が器用な彼は人形に様々な仕組みを搭載しており、口の中に仕込んだライターから炎を発射することが出来る。
設定上、これはダイヤモンドでも僅か3秒でも溶かせる「モンスターファイヤー」と言う火炎攻撃である。
また、胸には隣の病室のおばさんが壊してしまったラジオの部品が埋め込まれており、
これは設定上あらゆる敵の攻撃を吸収してパワーアップし、さらにその攻撃を倍にして返してしまう増幅器」であり、
ガゼラの無敵の強さの要となっている。
光線技のみならずミサイルや棒切れなどの物理攻撃のエネルギーをも吸収する模様。




……そう、本来はガゼラは健一少年が創り出した、単なる「ぼくのかんがえたさいきょうのかいじゅう」で終わるはずだった。
ところがこのガゼラの人形に、倒されてもなお逆襲を狙う「怪獣の魂」が火の玉となり憑依し、本物の怪獣に変貌してしまった。
しかも、健一少年の設定どおり『あらゆる攻撃を自らのエネルギーに変換した上で、威力を倍にして反撃する』と言う凄まじい能力を保ったまま

その結果、ガゼラはUGMウルトラマン80も全く手も足も出ない最強クラスの怪獣として大暴れを始めてしまったのだ。

だが、ガゼラには設定にはない致命的な弱点があり…。


【活躍】

登場:ウルトラマン80「少年が作ってしまった怪獣」(第33話)
身長:50m(巨大化時)
体重:2万3千t(巨大化時)

「怪獣」に変貌したガゼラが出現する以前から、健一少年が入院する西山病院では何度も怪獣出現の通報がUGMに寄せられていた。
だが、実はそれらは全て健一少年がお手製の幻燈機でガゼラの人形の姿を映しだした幻影であった。

自前の怪獣の設定を自慢げに話したり、将来はUGMに入隊したいと語ったり、両親にも元気な笑顔を見せていた健一少年。
しかしその裏では成功率15%と言う困難な手術に対して恐怖を抱き、わざと怪獣騒動を起こして手術の日程を遅らせようとしていたのである。

そんな彼の心を、UGMの矢的猛隊員=ウルトラマン80は察していた。

そして二度目の(嘘の)怪獣出現の報を受けて駆け付けた矢的隊員は、自分の心で健一少年に優しく語った。


僕もね、本当は凄く怪獣が怖いんだ。
ビルみたいにでかいし、物凄い顔をしているし、それに力も強いし、火を噴いたり殺人光線を出したり…。
本当に怖いよ。でも、戦うんだ。
怖くないものに向かっていく、それは当然の事なんじゃないかな?
怖いものに向かっていく。
それが、本当に勇気がある事なんじゃないかな…。

ウルトラマン80も、怪獣が怖いのかなぁ…。

そうだと思うよ。

矢的隊員の言葉を受け、健一少年は手術を受ける決意を固めた。
そして当日の朝、病院の近くの海岸に落として忘れていたガゼラの人形を取りに行った彼が見たものは、
怪獣の魂に乗っ取られ、本物の怪獣に変貌していたガゼラであった!

蠢くガゼラに対し、勇気を振り絞って棒切れで攻撃した健一少年だが、そのエネルギーを受けてガゼラは人間大に巨大化。
さらに怪獣騒動の事を謝った彼の通報を受けて駆け付けた矢的隊員のライザーガンの攻撃のエネルギーをも
ガゼラは吸収してしまい(どこかで見たような展開だ)、あっという間に数十メートルの巨体に変貌してしまった。

あらゆる攻撃を吸収してエネルギーにした上でさらに倍にして跳ね返すというチート能力を前に、急行したUGMの戦闘機の攻撃も手も足も出ず敗北。
さらに、矢的隊員がウルトラマン80に変身しても状況は変わらず、サクシウム光線をも2倍にして跳ね返してしまい、圧倒的優勢に出てしまう。

だがその時、健一少年はガゼラにある致命的な弱点を思い出した。

80、胸だよ!そいつの胸はちょっとの事ですぐ外れるんだ!

実はガゼラの無敵の強さの要である「増幅器」は、使用した部品が重かったせいですぐ外れてしまっていた。
その造形上の欠点を、本物の怪獣になったガゼラも受け継いでいたのだ。

80のムーンサルトキックを受け、増幅器が取れてしまったガゼラは途端に弱体化。叩きつけられ、緑色の炎とともに消滅した。
今回の騒動の元凶である怪獣の魂は火の玉となって逃亡しようとしたが、こちらも80のウルトラショットを受け、完全に消滅したのであった。


そして、健一少年は勇気を胸に、手術へと挑んでいった…。


矢的さん、80、僕も向かっていくからね。
怖いけど、向かっていくからね。


【余談】

  • ガゼラのキャラデザの原案は、『80』当時の特撮班撮影チーフであり、2008~2017年まで円谷プロの代表取締役を務めた大岡新一氏…の 息子さん 。「子供が作った怪獣」という事で、敢えて何も言わずに粘土で作って貰った怪獣を基に造形が行われたと言う。
    なお、その後息子さんにはデザイン料としてモーターボートのラジコンが贈られたらしい。





追記・修正は自作のフィギュアが魂を得た人がお願いします。

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